Schaeffler Group 2009年度の動向

ハイライト

近年の動向

企業買収

-2008年3月、Raybestosの買収を完了したと発表。Raybestosは、業界最大手の独立系クラッチライナーメーカー。この買収により、ク ラッチライナーなど自動車用摩擦材分野における技術力を強化するとともに、製品ラインナップを拡充し更なる事業拡大を図る。この買収の一環として、 Raybestos Industrieprodukte GmbH (本社:ドイツMorbach)およびRaybestos Friction Products Ltd.(本社:中国蘇州)の事業も併せて獲得。Raybestosグループ全体での年商は約50百万ユーロ(2007年度実績)、従業員数は約550 名。同グループでは、傘下のLuKが提供する高トルククラッチや乾式デュアルクラッチトランスミッションの需要増に対応するため、クラッチライナーの供給 を確保する必要性があるとの判断から、Raybestos買収に踏み切った。(2008年3月12日付プレスリリース)

-2009年1月、同社は、Continental AGの株式買収を完了した。Continental株の公開買付に応じた株主に対する支払(1株当たり75.00ユーロ)も実行済み。これにより同社は Continental株49.90%を保有する筆頭株主となった。(2009年1月8日付プレスリリースより)

受注

-2009年、BMW「X1」にスパーギアを採用したホイールベアリング(FAGブランド)を供給。(2009年8月24日プレスリリースより)

-2009年、電子制御油圧式の可変バルブコントロールシステム「UniAir」(INAブランド)をAlfa Romeoに供給する。「MiTo」の「MultiAir」エンジンに採用されたもの。「UniAir」の量産は2009年5月から既に開始してい る。(2009年8月24日プレスリリースより)

-2009年、Volkswagen「Golf」に乾式7速デュアルクラッチトランスミッション「DSG」(Lukブランド)を供給。(2009年8月24日プレスリリースより)

-2009年10月、LuKが開発した遠心振り子式制振装置を備えたデュアルマスフライホイールが、初めてBMW「320d」に採用されたと発表。(2009年10月15日プレスリリースより)

-2009年10月、LuKのスチール製マルチリンクチェーンが富士重工業の新型CVT「リニアトロニック」に採用されたと発表。(2009年10月15日プレスリリースより)

-2009年11月、油圧式連続可変バルブコントロールシステム「UniAir」がFiat「Punto Evo」の「MultiAir」エンジンに採用されていると発表。(2009年11月12日付プレスリリースより)

-2009年12月、ボールねじ機構の累計生産が100万個を突破したと発表。同社は2007年、ドイツのHerzogenaurach工場でボールねじ 機構を生産開始。この製品はVolkswagen「Tiguan」の電気機械式ステアリングに使用されている。また、同社はステアリングシステムメーカー のTRWなどにも、本製品を納入している。(2009年12月9日付プレスリリースより)

国内動向

-2009年2月、同グループ経営陣とIGメタル(ドイツ金属産業労働組合)は、Conti/Schaefflerグループの安定した将来の確保に向けて 協力することで合意。経営陣は労使協議制の導入を提示するとともに、自らが保有する同グループ株の一部を売却し、赤字圧縮を図る姿勢を示した。また、 Schaeffler一族が合併後も経営中枢に留まることも確認。(2009年2月23日付プレスリリースより)

-2009年4月、Continentalとコスト構造の大幅な改善を目的に共同購買を行うことで合意。2009年から2011年までの3年間で、両社は調達コストを最大400百万ユーロ削減できる見込みという。(2009年4月3日付プレスリリースより)

海外動向

<メキシコ>
-2008年11月、メキシコで2つ目となる工場をIrapuatoに開設した。新工場では約400人をまず雇用する予定。ローリングベアリングやエンジ ン&シャシー部品などINA、FAG両ブランドの自動車用・工業用製品を生産する。(2008年11月6日付プレスリリースより)

<日本>
-日系自動車メーカーの受注拡大を目指し提案活動を強化する。軽量で組み付け精度の高いホイールハブ・ベアリングや、1回の燃焼サイクルで複数回のエンジ ンバルブ開閉を可能にしたフル可変バルブ機構などを中心に、二酸化炭素(CO2)排出規制への対応に取り組む各社のニーズの吸収に取り組む。2012年ま でに日本に新設を計画する研究開発センターを活用して、日系向け事業の基盤拡充に結びつける。(2009年11月27日付日刊自動車新聞より)

合弁事業

-2006年5月、Georg Fischer Automobilguss GmbH、Knorr-Bremse Systeme fur Nutzfahrzeuge GmbHとの3社で、欧州においてトラック、トレーラー、バス用ホイールエンドを共同で開発・製造・販売する業務契約を結んだ。3社は製品の耐用年数を伸 ばし、補修整備をより容易にし、ブレーキディスクとホイールベアリングをより軽量化すべく、革新的な製品開発を目指す。 (2006年9月14日付プレスリリースより)

受賞

会社 子会社/生産拠点
2009 Supplier of the Year
(パワートレイン部門)
Ford -
2009 Supplier of the Year Award Volvo -
2009 Q1 Award Ford Elfershausen工場(ドイツ)
2009 Achievement Award トヨタ -

開発動向

研究開発体制

-世界中にある32ヶ所を超える研究開発センターで約4,800名が新製品や新技術の開発に従事。

特許

-出願中の技術を含み14,000以上の特許を取得。毎年、約1,100件の新技術を開発し、特許を取得している。

研究開発拠点

<ドイツ>
-2006年4月、Lukは、Bussmattenにある開発センターの拡張を発表。(2006年3月15日付同社プレスリリースより)

<中国>
-2007年6月、同グループは、中国・上海(安亭:Anting)に、R&Dセンターを開設したと発表。中国市場でのさらなる事業拡大を目指す 同グループの方針と同社のアジア戦略における同市場の重要性を明確に示したもの。同Groupは、2005年に、総敷地面積21,000平米を誇る同 R&Dセンターの建設に着手、投資総額は2億2,000万元。同R&Dセンターでは、当初、100名弱のエンジニアを雇用、アジア市場向 け製品の開発技術に関連する最先端ノーハウの導入に注力する。又、現地および海外の、自動車業界、その他産業分野における顧客ニーズに対応し、信頼性の高 い製品試験業務を提供する。同グループは、グローバル展開するR&Dセンター網の一翼として、近い将来、安亭R&Dセンターに配属するエ ンジニアを250余名に増員する計画。(2007年6月4日付プレスリリースより)

<日本>
-自動車部門は、日本に研究開発センターを開設する。世界各国で自動車の CO2排出規制の強化が予定されており、燃費改善技術の新規受注が見込めることから開発機能を新設して日系メーカーへの提案を強化する。2012年までに 日本法人のある横浜市内に設立する考え。同グループが買収した独コンティネンタルの横浜開発センター内に置くことも検討する。(2009年10月23日付 日刊自動車新聞より)

製品開発

デュアルマスフライホイール
-2008年6月、Lukは、より高い制振性能をもつ新製品を開発。速度に応じダンピング値が可変するこのデュアルマスフライホイール(DMF)は、ペン デュラム(振り子)タイプのショックアブソーバーを内蔵。ペンデュラムの剛性率は、作動中に発生する遠心力により可変。このペンデュラム方式のショックア ブソーバーは、回転速度に応じて振幅が自在に変化することから、「アクティブショックアブソーバー」とも呼ばれる機構。同社では、主要自動車メーカー向け に、08年夏からこの新型DMFの量産を開始する予定。(2008年6月2日付プレスリリースより)

ツインタンデムベアリング
-自動車ホイールハブアセンブリー用円錐ころ軸受の代替製品として、ツインタンデムベアリングと呼ばれる4列アンギュラコンタクトボールベアリングを開 発。FAGブランドのこのベアリングは燃費効率に優れ、SUVや軽トラック、デリバリーバンのハブアセンブリー用として最適。両アクスルへの採用で、従来 型の円錐ころ軸受けに比べ燃費改善、排ガスも削減。

UniAirシステム
-INAが開発した連続可変式バルブコントロールシステムUniAirは、カム駆動による電気油圧式バルブトレインシステム。既存のエンジンオイル回路を 活用するこのシステムは、内燃エンジンやディーゼルエンジンへの採用に適する。内燃エンジンでは燃料消費を大幅にカットするとともに、高性能、高トルクを 実現。一方、ディーゼルエンジン車に導入した場合は燃焼温度とシリンダーの圧縮比の最適化によりNOxの排出を大きく低減。このUniAirシステムは、 コストのかかる排ガス処理システムに代わるシステムとして2009年春より量産開始される見込み。

設備投資

海外投資

<中国>
-2007年6月、江蘇省太倉市に新工場を設立。工場面積は110,000平方メートル。主要製品はニードルベアリング、ホイールベアリング、トランスミッション部品、エンジン部品など。

<インド>
-2007年3月、インドPuneに新工場開設。