Bosch Group (China) [Bosch Group (中国事業)] 2013年12月期の動向

ハイライト

事業概況

-近年は研究開発の現地化を促進、中国市場向けに現地化した製品の開発および生産を拡大。
-ディーゼルシステム、ガソリンシステム、自動車エレクトロニクス、電動システム、シャシーシステムの分野で事業を展開。

新会社

-BoschとMahleの合弁会社Bosch Mahle Turbo Systems (BMTS)は、上海に全額出資子会社「博世馬勒渦輪増圧系統(上海)有限公司」を設立したと発表。新合弁会社はMahle上海拠点内に置き、現在工場を建設中である。工場の敷地面積は約5,000平方メートル。初期段階では主に中国市場向けターボチャージャーとガソリンエンジンを生産する。BMTSオーストリアとドイツの人員100名を新合弁会社に配置し、2014年第一四半期に操業を開始する予定。年産能力はターボチャージャー100万台。(2014年2月14日付け各種リリースより)

稼動計画

-Boschの子会社「聯合汽車電子有限公司」は、無錫工場でガソリンインジェクターEV14の量産に向けてプロジェクトを始動させたと発表。このEV14は従来品に比べコンパクトで、ガソリン噴射がより精確にでき、燃費を向上するという。2015年7月の量産開始を目指す。 (2013年7月15日付け各種リリースより)

認可取得

-ZFの子会社「上海采埃孚転向機有限公司」は、同社のR&Dセンターが中国の国家認可委員会 (China National Accreditation Service for Conformity Assessment、CNAS) の認可を取得したと発表。同認可を取得した国内ステアリングメーカーは同社が初めてとなる。また独ZFにとっても唯一のISO17025を取得したR&Dセンターとなるという。(2013年12月30日付け各種リリースより)

戦略提携

-ボッシュの子会社「博世汽車柴油系統股份有限公司」と江鈴汽車(Jiangling Motors) は中国Ⅳ排ガス規制の実施に向けてコモンレール技術を共同開発することで合意したと発表。電子制御コモンレール技術はクリーンディーゼル技術の主流となるとしている。江鈴汽車は馭勝(Yusheng)のニューモデルにボッシュの次世代コモンレールを搭載する予定。(2013年2月19日付け各種リリースより)

受賞

-2013年12月、Boschの子会社「聯合汽車電子有限公司」は、複数の自動車メーカーから年度賞を受賞したと発表。授与者と賞の詳細は以下の通り。
・神龍汽車 [Dongfeng-Peugeot-Citroen] : 優秀サプライヤー賞 (連続2年受賞)
・一汽海馬汽車 [FAW Haima Motor] : 優秀サプライヤー賞 
・上汽GM五菱 [SAIC-GM-Wuling] : 優秀サプライヤー賞 (連続4年受賞)
・東風柳州汽車 [Dongfeng Liuzhou Motor]: 優秀サプライヤー賞
・安徽江淮汽車発動機分公司 [Anhui JAC Engine]: 優秀サプライヤー賞
哈爾浜東安汽車動力 (Harbin Dongan Auto Engine) の優秀サプライヤー賞
(2014年プレスリリースより)

-2013年7月、ボッシュの子会社「聯合汽車電子有限公司」の蕪湖工場が生産する酸素センサーLSF4.2は、ボッシュGS品質賞金賞を受賞。同社は2011年に酸素センサーの生産を蕪湖工場に移管して以降、その品質の向上、コストの低減に努めている。(2013年7月25日付けプレスリリースより)

-2013年7月、ボッシュの子会社、聯合汽車電子有限公司 [United Automotive Electronic Systems Co., Ltd.] は、上海汽車集団より以下の賞を受賞。「UAES集中式BCMコントロールソフトV1.0」が「2013年度上海汽車ソフト賞2等賞」を、「電動フューエルポンプアッセンブリーFSM-G.30の開発」および「自動車エンジン電子コントロールプラットホームME17.8.8の開発」が「技術イノベーション3等賞」を受賞。また、「エアバッグ内蔵式圧力安定器および燃油分配管の製造方法」が「特許3等賞」を受賞した。(2013年7月4日付けプレスリリースより)

開発動向

研究開発体制

-上海 (Shanghai)、無錫 (Wuxi)、蘇州 (Suzhou)、重慶 (Chingqing) および長沙 (Changsha)の5カ所にテクニカルセンターを保有し、中国市場に特化した先端技術の研究開発を行う。中国のニーズにすばやく対応するため、開発研究者の現地採用を強化。

-2008年11月に冬季自動車性能試験センターを内蒙古牙克石 (Yakeshi, Inner Mongolia) に開設。

テクニカルセンター

所在地 設立年 名称 業容
1.上海 1995年 聯合汽車電子有限公司技術中心
(United Automotive Electronic Systems Co., Ltd.Technology Center )
ガソリンエンジンシステムの研究開発
2.無錫 2005年 博世柴油技術中心
(Bosch Diesel Technology Center)
ディーゼルエンジンシステムの研究開発
3.蘇州 2005年 博世(蘇州)技術中心
(Bosch Suzhou Technoligy Center)
自動車電子技術及びブレーキシステムの研究開発
4.重慶 2006年 聯合汽車電子有限公司(重慶)技術中心
(United Automotive Electronic Systems Co., Ltd. Chingqing Technology Center)
ガソリンエンジンシステムのマッチング技術サポート等
5.長沙 2012年 博世(長沙)技術中心
(Bosch Changsha Technoligy Center)
電動システム、、スターターモーターの研究開発

試験センター
所在地 設立年 名称 業容
1.内蒙古
牙克石
2007年 博世 (呼倫貝爾) 汽車測試技術中心有限公司 (Bosch (Hulunbeier) Automotive Winter Testing Co, Ltd.) 寒冷気候条件下でのABS、ESP、TCS等各種アクティブセーフティーシステムの走行テスト
2.東海 2010年 博世 (東海) 夏季汽車測試技術中心 (Bosch (Donghai) Automotive Test & Technology Center Co., Ltd.) ABS、ESPなどのセイフティ技術と製品の研究開発及び評価測定テスト

ECUソリューション
所在地 設立年 名称 業容
上海 2005年 易特馳汽車技術 (上海) 有限公司 (ETAS Automotive Technology (Shanghai) Co., Ltd.) ECU開発

技術提携

-ボッシュの中国法人は江淮汽車(JAC)と国内初となるGENIVI 2.0プラットフォームに基づく次世代車載インフォテインメントシステムを共同開発すると発表。このシステムを搭載した江淮汽車のモデルは2013年に投入される予定。GENIVIアライアンスメンバーであるボッシュは開発過程においてコストダウンを図るとともに、中国ユーザーの使用傾向に応じた機能を搭載するとしている。また視覚効果の高い3DナビゲーションマップをGENIVI 2.0システムに組み入れる予定。(2013年1月16日付け各種リリースより)

新製品

-Boschと湖南江麓容大車両伝動股份有限公司 [Hunan Jianglu&Rongda Vehicle Transmission Limited Company] は両社が共同開発した新世代小型無段変速機 (CVT) を発表。この製品は耐久性の高い新世代材料を採用し、CVTベルトの動力伝達効率を大幅に高めている。すでにサンプル機がテストに合格しており、数年以内に量産が始まると見込まれている。(2014年4月2日付け各種リリースより)

-ボッシュは、ゼロエミッション、ノイズフリー、ローレジスタンスを実現する、コースティングモード付きの新しいアイドリングストップシステムを発表。この技術は車両走行中でもエンジンを切ることが可能で、燃費の10%低減、およびCO2排出量の低減に寄与するとしている。同システムはあらゆる種類の内燃機関エンジンに適用可能という。(2014年1月20日付けプレスリリースより)

設備投資

中国国内投資

-Boschの子会社「聯合汽車電子有限公司」は無錫工場の高圧オイルポンプ生産ラインの設備据え付けが完了したと発表。無錫工場では生産サイクルタイムを18秒から10秒に短縮すべく、2013年初めから生産ラインの更新を進めてきた。2014年3月より量産を開始する予定。生産量は80%増加し、年産180万台に達する見込みである。(2014年3月3日付け各種リリースより)

-ZFは中国子会社「上海采埃孚転向系統 (武漢) 有限公司」の建設を開始したと発表。同子会社は2013年11月に設立。資本金は50百万元。武漢江夏経済技術開発区金港新区 (Jingang New District, Jiangxia Economic & Technological Development Zone, Wuhan) に位置し、GM武漢工場に隣接している。第一期建設の投資額は3.5億元。主に電動ステアリングコラム、油圧式ステアリング、機械式ステアリングコラム、機械式ステアリングを生産する。(2014年1月13日付け各種リリースより)

-2013年7月、Boschが成都に設立した新会社「博世汽車部件 (成都)有限公司 」が正式に開設。工場の敷地面積は約12.7万平方メートル。総投資額は8.8億元。現在2.87億元をかけた第1期工事が完成した段階。2013年中にホイールスピードセンサーの生産を開始し、2014年にはABSとESPの生産を開始する予定。(2013年8月5日付け各種リリースより)

-Robert Boschは、中国の江蘇省東海 (Donghai) で新たに性能試験場を開設したと発表。乗用車、二輪車、総重量45トン以下のトラック向けにABS、横滑り防止装置「ESP」、運転支援システムなど、アクティブセーフティシステムの試験を通年で行う。試験施設を建設は3段階にわたって行う予定で、2016年末までの投資総額は591百万元の見込み。敷地面積は、試験設備およびサービス設備を入れて約140万平方メートルとなる。(2013年6月25日付プレスリリースより)