MANN+HUMMEL GmbH 2018年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
  2018年12月期 2017年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 3,955.3 3,892.1 1.6 1)
EBIT 93.6 185.1 (49.4) 2)

要因

1) 売上高
-2018年12月期の全社売上高は前年比1.6%増の3,955.3百万ユーロ。為替の影響を除くと前年比5.4%増。増収の主な要因は、Tri-Dim買収による42.4百万ユーロ増とOltremare買収による20.6百万ユーロ増など。

2) EBIT
-2018年のEBITは前年比49.4%減の93.6百万ユーロ。無形資産の40百万ユーロの減損および事業再編費用13.6百万ユーロなどによりマイナス成長となった。

買収

-米国を拠点とするTri-Dim Filterの買収を完了したと発表した。買収条件は明らかにされていない。Tri-Dimは、HVAC (暖房・換気・空調) 製品・サービスを幅広く提供する、北米最大級のエアフィルターの非公開会社。(2018831日付プレスリリースより)

事業提携

-Chassis Brakes Internationalとの戦略的提携契約を締結し、乗用車のブレーキからの粒子状物質排出軽減に向け、アドオン粒子フィルターを搭載したブレーキシステムを開発すると発表した。MANN+HUMMELのブレーキダスト粒子フィルターは、コンパクトで再利用でき、ブレーキ性能にも影響を与えない設計。加えて、開発中の新システムソリューションは、追加の設置スペースが不要で、ブレーキシステムの通常のサービス間隔でメンテナンス可能という。両社は、世界各地の顧客に対応するための生産・開発拠点を保有している。(2018913日付プレスリリースより)

 

最近の動向

-2018年12月期の収益減少により、コスト構造における60百万ユーロを削減するグローバルコスト削減プログラムを実施することを計画。2019年末に開始し、2020年には同社財務値に影響が出る見込み。

 

受賞

-世界初のスマートエアフィルターモニター「Senzit」が評価され、「CES 2018 Innovation Awards」を受賞したと発表した。「Senzit」は、スマート技術を使用したエアフィルターの状態をモニタリングする新たな方法を提案。車の車種やブランドに関係なく使用でき、ダウンタイムや修理コストの削減に貢献するとしている。(201819日付プレスリリースより)

-Mann+Hummel Thailandは、日産からエンジン&ドライブ部門で地域品質賞を受賞した。同工場はエアクリーナシステムとインテークマニホールドを製造している。

-2018年4月、GMから23回目となる「Supplier of the Year」を受賞した。今回の受賞は、エアインダクションシステムを表彰したもの。

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
合計 140 133 126

-売上高の約4%を研究開発に投資。

研究開発体制

-2018年12月末時点、1,200名超が研究開発に従事。

製品開発

プラスチックとアルミニウムのハイブリッド設計の液体フィルターモジュール
-高圧力下で使用される液体フィルターモジュール向けに、プラスチックとアルミニウムのハイブリッド設計を開発したと発表した。金属の強度と、プラスチックのフレキシブルに設計できる特性を統合。高圧力下に必要な安定性を供給するアルミニウム製のスケルトンは、液体を運ぶすべての要素がアレンジされたプラスチック製の機能層に覆われている。アルミニウムは局所的な機械力を吸収して配分し、プラスチック部品は金属を外部構造として取り囲み、ろ過材と液体ガイドを含んでいるとう。(2018919日付プレスリリースより)

スピンオンフィルターコンセプト「WAVELOCK
-取り扱いが簡単で素早く交換でき、クリーンなサービスを提供するスピンオンフィルターコンセプト「WAVELOCK」を発表した。当面は、オフロード用システムを開発し、エンジン・シャシー用の一体型製品を提供するという。新コンセプトは、バイヨネットロック式(速着脱式)が特徴。フィルター交換時、簡単に回すだけで取り外しや装着が可能で、道具類を必要としない。2018年初から米メーカーのガーデントラクター向けに出荷を開始し、現在、オン・オフロード車への応用に向けてテストが行われているという。(2018919日付 プレスリリースより)

ブレーキダスト粒子フィルター
-自動車のブレーキダストを除去し、大気中に放出されるブレーキダストを大幅に削減するブレーキダスト粒子フィルターを新しく開発したと発表した。新フィルターは、ディスクブレーキ周辺の既存の設置スペースに対応。電気自動車 (EV) やハイブリッド車からガソリン・ディーゼル車まで、あらゆるタイプの自動車に使用できる。同社は、「Fine Dust Eater」プロジェクトの一環として、ここ数カ月、同フィルターのフィールドテストを実施。成功裏に終了したことを受け、ドイツHanoverで開催されるIAA国際商用車ショーに出品すると発表した。(201897日付プレスリリースより)

細塵粒子フィルター
-自動車が排出する微粒子を除去し、大気汚染を軽減する細塵粒子フィルターを新たに開発し、ドイツHanoverで開催されるIAA国際商用車ショーに出品すると発表した。MANN+HUMMEL2017年、同システムを開発のごく初期段階で発表。その後、同社の実験車両を用いてドイツやインド、中国で試験を実施。これまでの報告によると、都市交通における大気の粒状物汚染が深刻な時、新フィルターは、内燃エンジン車が排出するよりも多くの粒子を除去し、目標としていたPM10(粒径が10μm以下の微粒子)の80%除去に成功したという。(201894日付プレスリリースより)

eアクスル用ギアボックスオイルフィルター
-eアクスル用ギアボックスオイルフィルターを開発したと発表した。フィルターメディアは潤滑およびeアクスルの冷却のための要件を満たすよう設計されており、他のオイルフィルター用に使用される合成フィルターメディアの利点を活用できるとしている。フィルターメディア「MULTIGRADE eM-CO」は同社のプリーツ加工技術を使用して、20mmのスペースで装備可能だという。(2018522日付プレスリリースより)

特許

-2018年12月期、100件以上の特許を申請。

設備投資額

 (単位:百万ユーロ)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
合計 (有形固定資産) 154 164 151

-2018年12月の設備投資額は売上高の約3.9%を占めた。


海外投資
<メキシコ>
-メキシコQueretaro2番目となる工場を開設したと発表した。投資額は15百万ドルで、操業開始にあたって150名を新規雇用した。2018年末までに従業員を倍増する見込みで、年間15百万個のフィルター生産を予定している。このほか同社はメキシコ国内ではQueretaro1カ所と、Coahuilaにも生産拠点を有している。(201818日付 Mexico-Nowより)

<インドネシア>
-2017年10月、インドネシアBekasiに工場を開設。上汽通用五菱のサプライヤーパーク内に新設された工場は広さ約5,000平方メートルで、2017年7月からSGM Indonesia向けにエアインテークシステムを製造している。将来的には徐々に生産能力を増強する計画。