ハンコックタイヤ 2006年12月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万ウォン)
  2006年度 2005年度 増減率
売上高 2,063,766 2,003,600 3.0%
営業利益 174,535 230,702 (24.3%)
経常利益 229,535 282,681 (18.8%)
純利益 170,173 213,775 (20.4%)

海外動向
-ハンガリー
2006年7月、首都ブダペスト近郊の都市ドナウイバロシュでタイヤ工場の着工式を開催。工場は総工費5億ユーロで約528,000平方メートルの敷地に建設される予定。

>>>詳細は設備投資 参照

-中国
2006年5月、浙江省の嘉興(Jiaxing)工場内に年産250万本規模の第3工場を新設、本格稼働を開始。

>>>詳細は設備投資 参照

受注
-Audi
Audiと技術契約協議書を締結し、中国で生産される高級中型セダンのA6LとA4向けに2007年6月よりタイヤを供給する予定と発表。対象タイヤは高速走行性能に優れた"VENTUS S1 evo"で、サイズは225/50R16Yや225/50R17Y等。Audiへの納入本数は約9万本と見込まれる。同社は今回の契約を足掛かりに、高級車へのタイヤ供給に注力する計画。(2006年12月14日付プレスリリースより)

-VW
Golf向けに年間44万本、Bora向けに10万本、合計54万本のタイヤをVW向けに納入すると発表。同社が供給するのは"Ventus Prime K105"や、欧州市場向けに開発した"Optimo K406"等。同社は2003年、VWのPoloにタイヤの供給を開始して以来、AudiのA3やSeatのIbiza、Altera等、VWグループの車両にタイヤを供給してきた。今回の納入により、海外完成車市場での2006年売上高は1億5千万ドル規模に達するものと見込まれる。(2006年2月8日付プレスリリースより)

-GM(北米)
2006年6月よりChevolet Cobalt向けにタイヤ納入開始。また、Pontiac G6やSaturn Aura向けに超高性能(UHP)タイヤを供給している。2006年は計200万本の納入実績。

-Ford
2006年は計350万本のタイヤを供給。2004年の17万本から納入本数が大きく拡大した。

-韓国自動車メーカー
2006年は現代、起亜、GM大宇、ルノー三星等の韓国主要自動車メーカーに対し、約923万本のタイヤを供給。なお、2007年からは現代自動車アラバマ工場で生産されるソナタに対し、年間9万本のUHP(超高性能)タイヤを供給予定。また、起亜自動車スロバキア工場にSUV用タイヤを年間12万本納入する見込み。

-ITEC(International Truck & Engine Corporation)
2006年4月、トラック・バス製造メーカーのITECと年間12万本のタイヤ供給契約を締結。これにより同社は本格的にトラックバス用ラジアルタイヤのOEビジネスに参入。

開発動向

研究開発体制

拠点 所在地
中央研究所
(Main R&D Center)
韓国
大田(Daejeon)市
Akron Technical Center 米国
オハイオ州
China Technical Center
(CTC)
中国
浙江省
嘉興(Jiaxing)市
Europe Technical Center
(ETC)
ドイツ
ハノーバー
Japan Technical Liaison office
(JTC)
日本
大阪府

2006年5月、R&Dセンターを中国・嘉興(Jiaxing)工場の近隣に新設。中国市場に適合した製品の開発や、同地に進出している自動車メーカーへのOEタイヤ承認活動を支援する。約90名の研究員が勤務予定。

研究開発費用 (単位:百万ウォン)
- 2006年度 2005年度 2004年度
金額 74,284 72,082 60,295
対売上高比 3.6% 3.6% 3.3%

研究開発実績(2006年度)
韓国で初めてエコタイヤを開発。2006年4月10日、同社はエコタイヤ(Ultra Fuel Efficiency Tire)"FXオプティマ"を開発し、2006年後半に商品化する予定と発表。同じ規格の既存タイヤに比べ、タイヤ重量15%、転がり抵抗25%以上を低減させたのが特徴。また、同タイヤの燃費改善効果は最大3%になると説明。(2006年4月10日付プレスリリースより)

研究開発実績(近年)
研究課題 研究期間 研究結果等
受託研究
燃料電池分離板の研究 2001年12月

2004年12月
高分子燃料電池用の炭素複合材分離板開発のための材料および成形工程基盤の研究
タイヤ用溶液重合SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)開発 2002年09月

2005年08月
タイヤの耐磨耗性能と燃費の向上を目的とした新合成ゴム開発
2ピースホイールの設計合理化研究 2002年10月

2004年11月
現2ピースホイール解析技法の研究、OEM新規研究技術への対応
委託研究
車両の乗り心地および操作性解析研究 2003年03月

2004年02月
車両モデル開発完了
タイヤ磨耗に関する研究 2003年08月

2004年07月
タイヤ磨耗基礎研究および磨耗設計技術開発
水膜現象の解析研究 2003年08月

2004年07月
有限差法を利用した水膜解析プログラムの開発
タイヤビードおよびベルト耐久性研究 2003年08月

2004年07月
タイヤ耐久寿命の予測式を確立
タイヤトレッドの共押出(co-extrusion)解析およびダイ設計

2004年01月

2004年12月

圧出機内部のゴムのフローバランス解析
トレッドゴムブロックの磨耗特性解析に関する研究 2004年04月

2005年06月
ゴムブロックの接地変形に関する3次元解析研究
LS-DYNAを利用した水膜現象解析 2004年09月

2005年08月
水膜現象を考慮したタイヤ設計技術の確立
温度と界面における亀裂成長を考慮したタイヤ耐久解析 2004年09月

2005年08月
タイヤ耐久寿命の力学的根拠究明、耐久寿命向上のための設計法提案
タイヤの衝撃度評価指数の開発に関する研究(1次) 2005年01月

2005年06月
タイヤの衝撃度に関する主観評価と計測データの相関性分析により、乗り心地評価指数開発の妥当性を検証
感性工学に基づく音質指数開発に関する研究 2005年01月

2005年12月
タイヤ騒音に対する人間の聴覚を測定する、タイヤ音質指数評価システムの開発

タイヤトレッドの共押出(co-extrusion)解析およびダイ設計(2次)

2005年01月

2005年12月
タイヤトレッドの共押出形状の予測およびサイドウォール屈曲現象の分析
タイヤのインチアップによる摩擦制動性能変化に関する研究 2005年03月

2006年02月
タイヤのインチアップによる制動性能評価モードの開発、車両の制動性能の変化に関する研究
クリープグローンの原因分析および防止のための最適案研究(1次) 2005年04月

2006年03月
摩擦材に使用される主要原料の含量増減による、摩擦係数の特性導出
タイヤの衝撃度評価指数の開発に関する研究(2次) 2005年12月

2006年05月
タイヤの衝撃度に関する客観的評価法の確立
トラック・バス用ラジアルタイヤの一軸引張による層間せん断破断 2005年12月

2006年11月
トラック・バス用ラジアルタイヤのベルト構造による層間せん断破断に関する研究および耐久向上研究
研究所
欧州用新トレッドパターン開発 2003年03月

2004年01月
欧州向けUHP(超高性能)タイヤ新製品の開発
ゴム-金属接着研究 2003年05月

2004年05月
ゴム-金属接着界面の変化に関する研究
トラック・バス用ラジアルタイヤ耐久性能改善 2003年06月

2004年05月
トラック・バス用タイヤのビード部改善による耐久性能向上に関する研究
OE向けUHP(超高性能)タイヤ 対応技術研究 2004年03月

2005年11月
OE向けUHP(超高性能)タイヤ開発拡散に対する対応基盤技術の確立
シリカコンパウンド性能向上(2次) 2004年02月

2005年12月
シリカコンパウンドの確保、関連基盤技術の確立
競争力向上推進プロジェクト 2004年02月

2005年12月
製品競争力向上推進マニュアルの制定、CEP共同項目選定による効率性の向上
ロールオーバー研究 2004年05月

2006年03月
ロールオーバーテスト法および分析法の開発
オンセンター性能研究 2005年07月

2006年06月
オンセンター実車計測システム構築および走行条件を考慮したテスト法開発
BOB(Best of Best)新トレッドパターン開発 2004年01月

2006年11月
低偏平率タイヤのNVH性能向上のためのモールドプロファイルおよび構造設計

設備投資

海外投資

-ハンガリー
ハンガリーの首都ブダペスト近郊の都市ドナウイバロシュでタイヤ工場の着工式を開催。工場は総工費5億ユーロで約528,000平方メートルの敷地に建設される予定。2008年までに年産500万本規模の工場を完成させ、2010年までに年産1000万本規模に増設する方針。乗用車用の高性能タイヤと軽トラック用タイヤを生産する。同工場が稼動すれば、これまで韓国や中国の工場から欧州地域まで1ヵ月以上要していた配送時間を大幅に短縮でき、欧州全地域に5日以内で製品を届けることが可能となる。同社は2010年までに、欧州市場でのシェアを現在の2倍に当たる8%水準にまで高める計画。(2006年7月16日付プレスリリースより)

-中国
浙江省に位置する嘉興(Jiaxing)工場内に年産250万本規模の第3工場を新設し、本格稼働を開始。同工場は各工程間の移動距離を最大限短縮したため、物流面で有利なだけでなく、増設費用の低減や、増設工事の期間短縮にもつながるとしている。また、2006年下半期中にも第3工場の生産設備を増設するとし、同年末には中国国内で年産2,800万本規模の生産能力を確保する予定。嘉興(Jiaxing)の新設工場で生産されるタイヤは、GM等の中国内外資系メーカーのみならず、海外市場にも供給される。(2006年5月29日付プレスリリースより)