ブリヂストン 2008年度の動向

ハイライト

業績
(単位:百万円) 2008年12月期 2007年12月期 増減率(%)
売上高
3,234,405 3,390,218 (4.6)
営業利益
131,550 249,961 (47.3)
経常利益 74,488 219,016 (66.0)
当期純利益
10,412 131,630 (92.1)
タイヤ部門
売上高
2,629,150 2,755,992 (4.6)
営業利益 92,756 195,036 (52.4)

主な要因
タイヤ部門
-国内外市場で新商品の投入や、グローバルでの生産拠点の整備と増強など、戦略商品を中心とした分野の強化を進めたが、第4四半期において顕著となった、世界的な自動車生産台数の減少や市販用の需要低迷が販売に大きく影響。

<日本>
-タイヤの販売本数は、新車用、市販用とも前年を下回った。

<米州>
-北米タイヤ事業における乗用車及び小型トラック用タイヤ、トラック・バス用タイヤの販売本数は、新車用、市販用とも前年を下回った。
-UHP(超高性能)タイヤをはじめとする戦略商品の市販用販売本数は、前年を大幅に上回った。

<欧州>
-乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数は、新車用が減少した影響が大きく、前年を下回った。
-戦略商品であるランフラットタイヤやUHPタイヤの市販用販売本数は、前年を上回った。
-トラック・バス用タイヤの販売本数は、新車用は前年を上回ったが、市販用は需要低迷の影響が大きく前年を下回った。


受注

-BridgestoneブランドのDueler(TM) H/L 400 タイヤがToyotaの次世代SUV「Highlander」に新車装着用タイヤとして採用された。Bridgestoneブランド及びFirestoneブランドタイヤは現在、「Highlander」に加え、「Avalon」「Camry」「Camry Solara」「Corolla」「4Runner」「FJ Cruiser」「Land Cruiser」「Matrix」「Prius」「RAV4」「Sequoia」「Sienna」「Tacoma」「Tundra」「Yaris」といった他のToyota系15車種にも新車装着用タイヤとして採用されている。(2008年1月10日付プレスリリースより)

-Bridgestone Firestone North American Tire, LLC (BFNT)は、「Pontiac G8」2008年モデル向けに、Bridgestoneブランドの「Potenza RE050A」をOE供給。(2008年2月27日付プレスリリースより)

-BridgestoneブランドのDueler(TM) タイヤがToyotaのSUV「Land Cruiser」に新車装着用タイヤとして採用された。(2008年4月10日付プレスリリースより)

-スポーティータイヤの「ポテンザRE050」がメルセデス・ベンツ「SLクラス」の新車装着用タイヤとして新たに採用されたと発表。(2008年6月14日付日刊自動車新聞より)

-Potenza RE050A(TM)タイヤが「Cadillac STS」2009年モデルのOEタイヤに選定された。(2008年7月25日付プレスリリースより)

-Bridgestone Firestone North American Tire (BFNT)は、Dueler(TM)タイヤを2009年式「Infiniti FX」に独占的に供給する。Bridgestoneブランドのタイヤは、「Infiniti」の「G35セダン」「G35クーペ」「M45」にも標準装備として採用されている。(2008年9月8日付プレスリリースより)

-Bridgestone Firestone North American Tire, LLC (BFNT)は、Dueler(TM)ランフラットタイヤ(RFT) が2009年式「Toyota RAV4 Sport」に採用されたと発表。サイズ P235/55R18 99HのDueler H/L 400タイヤを新型「「Toyota RAV4 Sport」のスポーツアピアランスパッケージとして提供する。(2008年10月2日付プレスリリースより)

-欧州で2009年初頭に発売されるトヨタの「iQ」の新車装着タイヤとして「ECOPIA(エコピア)EP25」の納入を始めたと発表。(2008年11月18日付日刊自動車新聞より)

-Bridgestone Firestone North American Tire, LLC (BFNT)はNissanの2009年式「370Z」スポーツクーペにブリヂストンブランドのPotenza/RE050Aタイヤを標準装備として供給する。(2008年11月20日付プレスリリースより)

-ランフラットタイヤ「POTENZA RE070R RFT」をNISSAN 「GT-R Spec V」の新車装着用タイヤとして納入する。(2009年1月30日付プレスリリースより)

-ランフラットタイヤ「DUELER H/L 400 RFT」および「DUELER H/P SPORT RFT」をBMW X6の新車装着用タイヤとして納入。(2009年2月6日付プレスリリースより)


事業提携
-東洋ゴム工業と包括的に資本・業務提携することで合意。製造技術や調達、生産委託などで強みを持ち寄り、低価格を武器に存在感を増す新興メーカーに対応する。(2008年5月17日付日刊自動車新聞より)


海外事業
<タイ>
-タイの乗用車用タイヤ工場の生産能力を増強。
-タイヤの補強材となるスチールコードをタイで増産。

<中国>
-2008年12月、中国広東省に合成ゴム工場を建設。

<ハンガリー>
-2008年4月、ハンガリー、タタバーニャ市郊外に、工場を建設。

<メキシコ>
-2008年10月、米州で初のカーボンブラック工場をメキシコに開設。

>>>詳細は、設備投資


リストラクチュアリング
<米国>
-Bridgestone Americas Tire Operations (BATO)は、米国テネシー州LaVergne工場での乗用車用・小型トラック用タイヤの生産を打ち切ると発表。2009年3月中旬からレイオフ(一時解雇)を実施する。なお、トラック用タイヤの生産は継続。(2009年1月22日付プレスリリースより)

-Firestone Industrial Products Company, LLC (FSIP)は、2009年後半を目処に、Noblesvilleにある空気ばね工場(インディアナ州)を閉鎖すると発表。同工場ではOEM/アフターマーケット向けの工業用・自動車用空気ばねを生産しており、従業員は約300名。(2008年9月16日付プレスリリースより)


合弁事業
-インドのスンダラム・インダストリー社と自動車用防振ゴムの合弁会社設立の契約を締結したと発表。合弁会社の名称はブリヂストン・TVS・インディア・リミテッドで、合弁契約締結日は2008年12月3日。2009年春に設立、資本金は3億5800万ルピー(8億2300万円)でブリヂストンが51%、スンダラム社が49%を出資、本社をスンダラム社があるタミル・ナドゥ州チェンナイ市に置く。従業員は約700人。両社は1996年に同ゴム事業で技術援助契約を締結している。(2008年12月5日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発費
(単位:百万円) 2008年12月期 2007年12月期 2006年12月期
グループ全体 93,200 86,700 86,600
タイヤ部門 74,300 68,900 71,400


研究開発拠点数
  北米 中南米 欧州 中近東/
アフリカ
アジア
大洋州
日本 合計
技術センター 1 0 1 0 1 2 5
プルービング
グラウンド
2 2 2 0 3 2 11


国内研究開発施設
名称 所在地
技術センター 東京都小平市
化工品技術センター 神奈川県横浜市戸塚区
ブリヂストンプルービンググラウンド 栃木県那須塩原市
北海道プルービンググラウンド 北海道士別市


海外研究開発拠点
国名 所在地
技術センター
アメリカ オハイオ州アクロン
イタリア ローマ
中国 無錫
プルービンググラウンド
アメリカ テキサス州フォートストックトン
オハイオ州コロンビアナ
メキシコ アクナ
ブラジル サンペドロ
イタリア アプリリア
カステルロマーノ
タイ ノンケー
インドネシア カラワン
中国 宜興


新テストコース
-子会社のタイブリヂストン(TBSC)がタイ・アユタヤ県にプルービング・グラウンド(テストコース)を新設したと発表。新コースは約10億バーツ(約29億円)を投じて、高速周回路を始めとした特殊路面などタイを中心としたアジア各国の道路に対応したコースとした。今回開設したテストコースは敷地面積が約53万平方メートル。ここに、全長約3・3キロメートルの高速周回路や約4万8千平方メートルの大総合試験路を始め、ノイズ/乗り心地テスト用の特殊路やハンドリングやウエット路面の性能をテストする試験路などを用意した。(2009年1月27日付日刊自動車新聞より)


研究開発体制
-セントラル硝子と自動車の電気駆動用バッテリーとして普及が期待されているリチウムイオン二次電池の難燃性電解液を共同開発することで合意したと発表。同社が開発し、日本化学工業が開発・販売している電解液不燃剤とセントラルガラスが開発した電解液を組み合わせることによって、優れた電池性能と発火防止といった安全性を両立できることがわかったため、共同で電解液の最適化を検討、早期の実用化を目指す。(2008年10月28日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額
(単位:百万円) 2008年12月期 2007年12月期 2006年12月期
グループ全体 275,300 272,300 261,300
タイヤ部門(グループ) 247,900 240,800 230,800


海外投資

<タイ>
-タイの乗用車用タイヤ工場の生産能力を増強すると発表。タイ国内や海外輸出市場の販売増に対応するのが狙い。総額100億円の設備投資を実施して、2010年末までに日産6千本の生産増が可能な体制を整える。今回の設備増強により、タイ工場の生産能力は日産3万6500本となる。生産増強を行うのは、タイ・ノンケー市にあるノンケー工場。(2008年1月23日付日刊自動車新聞より)

-タイヤの補強材となるスチールコードをタイで増産する。現在年間2万8千トン生産しているスチールコードを2009年初頭にも同3万8千トン規模に引き上げるほか2009年末までに4万トンを目指す。総投資額は20億円だが、建屋の増築などは済ませており、2008年度中に生産設備などに約3億円を追加投資する。(2008年5月27日付日刊自動車新聞より)

<中国>
-中国広東省に合成ゴム工場を建設し、開所式を行ったと発表。中国市場における高性能タイヤの生産量拡大に対応するのが狙い。新工場では、自動車用タイヤに使用するスチレンブタジエンゴム(SBR)の製造を行い、中国を始めとしたアジア地区の同社工場に供給する。年間5万トンの生産を見込む。今回、開設したのは同社子会社の普利司通(惠州)合成橡(広東省惠州市)の合成ゴム工場。敷地面積は約20万平方メートルで、従業員数は210人。(2008年12月9日付日刊自動車新聞より)

<ハンガリー>
-ハンガリー工場を立ち上げこのほど開所式を実施したと発表。新工場は、欧州拠点では初めて完全自動化を実現したタイヤ生産システムを導入。2009年までに、乗用車や小型トラック用の高性能タイヤや大口径タイヤなど、日産8千本の生産体制を構築する計画。ハンガリー工場は、同国タタバーニャ市郊外に建設した。敷地面積は約66万平方mで総投資額は約1億9千万ユーロ(約304億円)。乗用車と小型トラックのラジアルタイヤを中心に生産する。従業員数は200人。(2008年4月7日付日刊自動車新聞より)

<メキシコ>
-米州で初のカーボンブラック工場をメキシコに開設し、その開所式を行ったと発表。タイヤの補強材となるカーボンブラックを年間約3万5千トン生産し、北米および中南米の自社タイヤ工場に供給する。新工場はメキシコ・カーボン・マニュファクチャリング(MXCB、タマウリパス州アルタミラ市)。敷地面積は約43万平方メートル、従業員100人で、2008年5月から操業を開始。(2008年10月21日付日刊自動車新聞より)