ブリヂストン 2007年度の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円) 2007年12月期 2006年12月期 増減率(%)
売上高
3,390,218 2,991,275 13.3
営業利益
249,961 190,876 30.9
タイヤ部門
売上高
2,755,992 2,396,946 15.0
営業利益 195,036 139,069 40.3


2007年度業績の分析
部門/地域   主な要因
タイヤ部門 + -国内外市場での新商品の投入。
-グローバルな生産拠点の整備と増強及び戦略商品の強化。
- -原材料価格の高騰
-日本 + -戦略商品や高付加価値商品においてタイヤの販売が前年を上回る。
- -原材料価格の高騰
-米州 + -乗用車及び小型トラック用タイヤの販売が市販用は前年を上回る。
- -乗用車及び小型トラック用タイヤの販売が新車用は前年を下回る。
-トラック・バス用タイヤの販売が前年を大幅に下回る。
-欧州 + -乗用車及び小型トラック用タイヤの販売は、ランフラットタイヤ等の戦略商品の販売増加もあり、前年を上回る。
-トラック・バス用タイヤの販売が前年を大幅に上回る。
- -原材料価格の高騰


受注

-ブリヂストンは、アウディ S8の新車装着用タイヤとして納入を開始したと発表した。アウディAudi S8の新車装着用タイヤとして供給するのは「ポテンザRE050」で、日本を含むアジア、米州、欧州向けモデルに装着される。(2007年4月25日付けプレスリリースより)

-メルセデスベンツの新型『Cクラス』の新車装着用タイヤとして、Potenza『RE050』とTuranza『ER300』の納入を開始した。(2007年9月5日付プレスリリースより)

-ランフラットタイヤを、日本で2007年6月末から発売されている新型BMW『X5』の新車装着用タイヤとして納入していると発表した。今回納入しているのは『Dueler H/L 400 RFT』と『Dueler H/P SPORT RFT』の2種類。(2007年9月11日付プレスリリースより)

-ランフラットタイヤを、2007年12月より発売予定のNissan GT-Rの新車装着用タイヤとして納入する。(2007年11月16日付プレスリリースより)


事業再編
-ブリヂストンアメリカスホールディングの子会社でメキシコ法人の「ブリヂストン ファイアストン デ メキシコ」(BFMX)は現地時間3日、タイヤを生産するメキシコシティ工場を2008年下期に閉鎖すると発表した。
(2007年12月5日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発体制
-新材料の開発から新商品及びサービス技術の開発、生産技術の開発にいたるまでの活動を、グローバルに展開。日本、米国及びイタリアに所在する技術センターで、各地域に適した研究開発を実施。


研究開発拠点数
北米 中南米 欧州 中近東/
アフリカ
アジア
大洋州
日本 合計
技術センター 1 0 1 0 1 2 5
プルービング
グラウンド
2 2 2 0 3 2 11


国内研究開発施設
名称 所在地
技術センター 東京都小平市
化工品技術センター 神奈川県横浜市戸塚区
ブリヂストンプルービンググラウンド 栃木県那須塩原市
北海道プルービンググラウンド 北海道士別市


研究開発費
(単位:百万円) 2007年12月期 2006年12月期 2005年12月期
グループ全体 86,700 86,600 79,400
タイヤ部門 68,900 71,400 65,100


製品開発
-タイヤのサイドウオールを冷却する新技術「クーリングフィン」を開発したと発表した。ランフラットタイヤ(RFT)がパンクした後の耐久性能を向上させるほか、これまでランフラット化できなかったSUV向けやミニバン向けを可能にする。これにより、乗用車用タイヤのほぼすべてのサイズでRFTを展開できることになる。新技術を搭載したタイヤについては、当初はSUVなどの新車装着用とし2010年をめどに商品化する。クーリングフィンは、サイドウオールの表面に筋状の突起物(フィン)を設け、表面を流れる空気に乱流を引き起こしてタイヤを冷却する技術。(2007年08月3日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額
(単位:百万円) 2007年12月期 2006年12月期 2005年12月期
グループ全体 272,300 261,300 203,600
タイヤ部門(単独) N.A. N.A. 57,100
タイヤ部門(グループ) 240,800 230,800 178,400


海外国別投資動向
<インド及びインドネシア>
-インドおよびインドネシアで乗用車(PC)・小型トラック(LT)用ラジアルタイヤを増産する。2工場合計で2010年までに約215億円を投じ、インド国内向けに供給する。一方、1999年に設立したブリヂストンタイヤ・インドネシア(カラワン州)では約155億円を投資して、主として輸出用の大径・高性能タイヤの生産能力を増強する。(2007年8月24日付日刊自動車新聞より)

<メキシコ>
-2007年11月7日、メキシコのヌエボ・レオン州モンテレー(Monterrey)新タイヤ工場の開所式を執り行った。新工場のタイヤ生産能力は日産約8,000本。現時点で既に2億ドルを上回る投資を行っている。新工場には、タイヤの部材工程から製品検査工程に至るまで完全自動化を実現した革新的タイヤ生産システム「BIRD」(Bridgestone Innovative & Rational Development)を日本以外で初めて導入した。(2007年11月8日付プレスリリースより)

<南アフリカ>
-南アフリカ持株子会社であるブリヂストン・サウス・アフリカ・ホールディングス・リミテッドが100%出資するブリヂストン・サウス・アフリカ・リミテッド(以下、BSAF)がブリッツ市にあるタイヤ工場でランフラットタイヤの量産・出荷を開始した。(2007年10月5日付プレスリリースより)

<ポーランド>
-9月28日、ポーランドに建設する新工場の起工式を行った。欧州ではスペイン(ビルバオ工場)に次ぐ2番目のトラック・バス(TB)用タイヤ生産拠点となる。(2007年10月1日付日刊自動車新聞より)

<中国>
-中国・広東省惠州市に建設していたトラック・バス用ラジアルタイヤを生産する惠州工場の開所式を行った。この工場は、同社の現地子会社である普利司通(惠州)輪胎有限公司の生産拠点で、日産5千本の生産能力を持つ。(2007年5月2日付日刊自動車新聞より)

<ブラジル>
-米国子会社全額出資のブラジル法人(BFBR)が同国バイーア州に建設していたタイヤ工場が完成、2日に開所式を行った。同工場はバリーア州カマサリ産業地区に建設。敷地面積約100万平方メートルで、1億6千万ドルを投資した。従業員500人で、乗用車および小型トラック用ラジアルタイヤを生産。(2007年2月8日付日刊自動車新聞より)

<タイ>
-2008年末にもタイにテストコースを新設する。投資額は約11億バーツ(34億円)。現在、同国のノンケー工場(アユタヤ県)敷地内のテストコースを近隣に移転・拡張する。新テストコースは敷地面積54万平方メートルと、これまでの10倍以上に拡大する。全長3.3キロメートルの高速周回路や約4万8千平方メートルの総合試験路、ノイズ/乗り心地テスト用特殊路などで構成される。(2007年3月19日付日刊自動車新聞より)