住友ゴム工業 (株) 2010年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2010年 12月期 |
2009年 12月期 |
増減率(%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 604,548 | 524,534 | 15.3 |
-タイヤ販売子会社の統廃合、グローバルでの最適生産配置など構造改革を進める一方、高付加価値商品の拡販、欧州や中南米における販売増及び中国やタイにおける供給能力増並びにグループを挙げての生産性の改善や固定費削減などのために増収増益。 |
営業利益 | 47,571 | 28,738 | 65.5 |
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経常利益 | 42,478 | 20,029 | 112.1 |
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当期純利益 | 21,427 | 9,093 | 135.6 |
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タイヤ事業 | ||||
売上高 | 513,801 | 433,472 |
18.5 |
-国内自動車生産台数が、政府の新車購入支援策などによる国内販売の増加、新興国の経済成長及び欧米景気の緩やかな回復に伴う輸出の増加により増収。 |
営業利益 | 39,412 | 22,518 | 75.0 |
中期経営計画
-2012年を最終年度とする中期経営計画を策定した。2015年を目標とする長期ビジョンの達成に向けたアクションプランとして、商品力の向上、構造改革の推進、コスト競争力の強化を図り、売上高7千億円、利益率8%超の実現を目指す。主力のタイヤ事業では、環境対応タイヤの開発を強化する。化石燃料依存から脱却した石油外天然資源タイヤと、低燃費性を追求した低燃費タイヤの商品化を急ぎ、2013年には 100%石油外天然資源タイヤ開発を完了させる計画。(2010年2月15日付日刊自動車新聞より)受注
-本田技術研究所と共同で環境タイヤの新製品「Dunlop ENASAVE 31」を開発した。このタイヤは2010年10月より、ホンダ「Fit Hybrid」に標準搭載されている。(2010年12月10日付プレスリリースより)-「Dunlop ENASAVE 2030」タイヤが三菱自動車「i-MiEV」に標準搭載されると発表。(2010年11月5日付プレスリリースより)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2010年12月期 | 2009年12月期 | 2008年12月期 | |
タイヤ事業 | 16,253 | 14,896 | 16,013 |
全社 | 18,697 | 17,982 | 19,351 |
タイヤ事業が占める割合 | 86.9% | 82.8% | 82.8% |
研究開発体制
-グッドイヤーとの世界的提携に基づく技術交流を実施。テーマ別にプロジェクトチームを編成し、共同調査研究を行っている。>>>グッドイヤーとの提携に関する詳細へ
研究開発拠点
タイヤテストコース | 岡山県美作市 北海道名寄市 北海道旭川市 |
製品開発
-ダンロップブランドでは特殊吸音スポンジを搭載した低燃費タイヤを新発売。特殊吸音スポンジと低発熱密着ゴムの採用により、騒音エネルギーを低減するとともに、低燃費性能とブレーキ性能を両立した。また、接地圧分布を適正化した新パターンによりライフ性能を向上した。-グッドイヤーブランドでは低燃費性能と長持ち性能を重視した、スタンダードタイヤを発売。グッドイヤーの国産タイヤとして初めてタイヤラベリング制度による「低燃費タイヤ」の適合を受けた。
-低燃費タイヤの販売本数拡大に向けた取り組みを強化する。製品名を市販用タイヤで使用している「ENASAVE(エナセーブ)」に一本化して、新車装着用(OE)タイヤへの展開や欧米を始めとした海外市場への投入も進めていく。同社は現在、石油外天然資源比率100%のものや従来タイヤに比べて転がり抵抗を半減させたタイヤの技術開発を進めている。これとあわせて、販路の拡大を進めていくことで、需要が高まっている低燃費タイヤのシェア拡大を狙う。(2010年2月22日付日刊自動車新聞より)
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2010年12月期 | 2009年12月期 | 2008年12月期 | |
タイヤ事業 | 28,165 | 29,379 | 46,987 |
全社 | 32,055 | 32,483 | 49,601 |
タイヤ事業が占める割合 | 87.9% | 90.4% | 94.7% |
-タイヤ事業においては、タイヤ増産のための設備改善及び生産設備の合理化・省人化等を中心とする設備投資を実施。主要な設備としては、名古屋工場・白河工場・泉大津工場及び宮崎工場の自動車タイヤ製造設備など。
海外投資
-中国で乗用車ラジアルタイ ヤの新工場を建設すると発表した。中国内陸部の湖南省長沙市に267億円を投資して生産拠点を立ち上げる。中国のタイヤ需要が急激な拡大に対応するのが狙 い。2012年7月から操業開始し、2017年末には日産3万本の生産が可能な体制とする計画。これにより中国のタイヤ生産工場は2拠点体制となる。ま た、新工場建設を機に中国事業を統括する持株会社を設立し、中国のタイヤ製造・販売における新たな経営体制を構築する。第2工場は、長沙市に55万平方 メートルの敷地を確保。運営会社を9月に設立し、工事に着手する。工場建設は2期に分けて行う計画で、手始めに日産1万5千本の生産が行える工場を建設す る。持株会社は、2004年からタイヤの生産を行う江蘇省常熟市に設置する。資本金は約27億円で2011年に設立する予定。(2010年7月30日付日 刊自動車新聞より)-日本市場向けに販売する乗 用車用タイヤについて、タイ工場からの供給量を拡充する。泉大津工場(大阪府泉大津市)で乗用車用タイヤの生産を停止したことにより国内工場全体の生産能 力が減少したことに加え、今後国内工場につ いては、低燃費タイヤを始めとした次世代製品の生産に振り向けていく。このため、既存製品についてはタイ工場から供給していくことで、需給バランスの平準 化を図っていく考え。(2010年9月27日付日刊自動車新聞より)
-タイ工場の生産能力を12年までに09年比約2・5倍に相当する同7万本弱まで引き上げる方針。(2010年9月17日付日刊自動車新聞より)
設備の新設計画(自動車事業関連)
(2010年12月31日現在)
会社名 事業所 (所在地) |
設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手年月 | 完了予定 年月 |
完成後の 増加能力 |
住友ゴム工業 名古屋工場 (愛知県豊田市) |
自動車タイヤ製造設備 | 7,441 |
2010年1月 | 2011年12月 | 生産能力3%増加 |
住友ゴム工業 白河工場 (福島県白河市) |
自動車タイヤ製造設備 | 6,262 |
2010年1月 | 2011年12月 | 生産能力1%増加 |
住友ゴム工業 泉大津工場 (大阪府泉大津市) |
自動車タイヤ製造設備 | 2,161 |
2010年1月 | 2011年12月 | - |
住友ゴム工業 宮崎工場 (宮崎県都城市) |
自動車タイヤ製造設備 | 5,690 | 2010年1月 | 2011年12月 | - |
P.T. Sumi Rubber Indonesia | 自動車タイヤ・ゴルフボール製造設備 | 3,399 | 2010年1月 | 2011年12月 | 生産能力11%増加 |
住友橡膠(常熟)有限公司 [Sumitomo Rubber (Changshu) Co., Ltd.] (中国 江蘇省) |
自動車タイヤ製造設備 | 3,202 |
2010年1月 | 2011年12月 | 生産能力12%増加 |
住友橡膠(湖南)有限公司[Sumitomo Rubber (Hunan) Co., Ltd.] (中国 湖南省) |
自動車タイヤ製造設備 | 23,500 | 2010年9月 | 2017年12月 | 生産能力30,000本/日 |
SumitomoRubber (Thailand) Co., Ltd. (タイ ラヨーン県) |
自動車タイヤ製造設備 | 31,011 |
2010年1月 | 2011年12月 | 生産能力97%増加 |