住友ゴム工業 2009年度の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2009年
12月期
2008年
12月期
増減率(%) 要因
全社
売上高 524,534 604,974 (83.7) -設備投資の大幅な削減、業務見直しなどの構造改革により減収増益。
営業利益 28,738 25,658 12.0
経常利益 20,029 14,792 35.4
当期純利益 9,093 1,020 790.8
タイヤ事業
売上高 433,411 501,062 (86.5) -世界的な景気悪化に伴う需要の減少により新車用タイヤ販売も、国内向け・輸出向けともに前期を下回り売上は減少したが、原材料価格の下落などにより増益。
営業利益 22,518 15,849 42.1

受注

-同社は、ダンロップブランドのタイヤ「SP SPORT(エスピースポーツ)2030」が、三菱自動車が2009年7月から 発売する電気自動車「i―MiEV(アイ・ミーブ)」の新車装着用タイヤに採用されたと発表。(2009年6月18日付日刊自動車新聞より)

国内事業

-同社は、国内市販用タイヤ販売と産業品の製造販売子会社を2010年1月1日付で住友ゴム本体に吸収すると発表した。事業環境の急速な変化にともない経営資源を集中することで、経営の効率化と業務運営態勢の充実を図るのが狙い。今回合併を行うのは国内市販用タイヤ販売の統括会社であるダンロップファルケンタイヤ(東京都江東区)と人工芝や高減衰ゴムなどの産業品事業を手掛けるSRIハイブリッド(神戸市中央区)の2社。(2009年11月10日付日刊自動車新聞より)

海外事業

-同社は2009年中にも、タイ工場の生産能力を約30%増強し日量2万3千本規模に引き上げる。タイ国内向けは自動車生産の減少や景気低迷を受けて新車用・補修用ともに低水準で推移しているが、主力となる海外向け補修タイヤの復調や将来的な需要回復に備える。今期の海外投資の6割強をタイの増産に回す。タイヤ工場の規模を示すゴム量では、前期の月産3400トンから同4400トンに拡大することになる。(2009年2月23日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2009年12月期 2008年12月期 2007年12月期
タイヤ事業 14,896 16,013 15,105
全社 17,982 19,351 18,223
タイヤ事業が占める割合 82.8% 82.8% 82.9%

研究開発体制

-グッドイヤーとの世界的提携に基づく技術交流を実施。テーマ別にプロジェクトチームを編成し、共同調査研究を行っている。
>>>グッドイヤーとの提携に関する詳細へ

研究開発拠点

タイヤテストコース 岡山県美作市
北海道名寄市
北海道旭川市

-同社は、神戸本社内に「タイヤテクニカルセンター」を開設した。総工費は50億円。同社が特に注力している 「100%石油外天然資源タイヤ」や「50%転がり抵抗低減タイヤ」など、環境配慮商品の開発を同センター中心に推進する。(2009年9月18日プレス リリースより)

研究開発活動

-同社は、タイヤ製造に関する技能研修を行う専門の施設「製造研修センター」を同社白河工場(福島県白河市)内に建設し開所式を行った。施設内には、タイヤ生産設備を完備した実習棟を建設し「現地現物」の研修を可能として、技能伝承やグローバル人材の育成などを推進していく。(2009年4月25日付日刊自動車新聞より)

製品開発

-パンク時でも一定距離の走行が可能な「ランフラットタイヤ」の新製品を開発したと発表した。発熱をコントロールする新技術などを開発。従来型の製品に比べて、重量を3%軽量化するとともに乗り心地の指標となる「縦ばね係数」を6%低減した。これにより、ノーマルタイヤと同等以上の乗り心地を実現した。手始めに新車装着用として展開していき、将来的には補修用市場への投入も行っていく計画。同社は現在、ノーマルタイヤとの互換性を持つサイド補強型のランフラットタイヤを展開している。今回のタイヤは同タイプの「第4世代」の製品となる。(2009年9月19日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2009年12月期 2008年12月期 2007年12月期
タイヤ事業 29,379 46,987 49,796
全社 32,483 49,601 53,205
タイヤ事業が占める割合 90.4% 94.7% 93.6%

-タイヤ事業においては、タイヤ増産のための設備改善及び生産設備の合理化・省人化等を中心とする設備投資を実施。主要な設備としては、名古屋工場・白河工場・泉大津工場及び宮崎工場の自動車タイヤ製造設備など。

国内投資

-同社は、神戸本社内に「タイヤテクニカルセンター」を開設。総工費は50億円。(2009年9月18日プレスリリースより)

-同社は、泉大津工場(大阪府泉大津市)の乗用車用ラジアルタイヤの生産を国内3工場に移管すると発表した。工場の老朽化が進み、現段階では地震などの災害に耐えるための完全補強を行うことが不可能な状況。こうしたことからリスク分散を図る目的で生産移管に踏み切ることにした。同工場で行っている日産約1万7千本の乗用車用ラジアルタイヤの生産を白河(福島県白河市)、名古屋(愛知県豊田市)、宮崎(宮崎県都城市)の 3工場に生産移管する。なお、SUV用タイヤやバイアスタイヤ、クリーンラバーについては泉大津の耐震工事済み建屋を活用して生産を継続する。(2009年12月2日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画(自動車事業関連)

(2009年12月31日現在)

会社名
事業所
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手年月 完了予定
年月
完成後の
増加能力
住友ゴム工業
名古屋工場
(愛知県豊田市)
自動車タイヤ製造設備 5,910 2009年1月 2010年12月 生産能力2%増加
住友ゴム工業
白河工場
(福島県白河市)
自動車タイヤ製造設備 6,249 2009年1月 2010年12月 生産能力2%増加
住友ゴム工業
泉大津工場
(大阪府泉大津市)
自動車タイヤ製造設備 2,687 2009年1月 2010年12月 -
住友ゴム工業
宮崎工場
(宮崎県都城市)
自動車タイヤ製造設備 5,252 2009年1月 2010年12月 生産能力2%増加
P.T. Sumi Rubber Indonesia 自動車タイヤ・ゴルフボール製造設備 2,711 2009年1月 2010年12月 生産能力6%増加
住友橡膠(常熟)有限公司 [Sumirubber (Changshu) Co., Ltd.]
(中国 江蘇省)
自動車タイヤ製造設備 5,042 2009年1月 2010年12月 生産能力17%増加
SumitomoRubber
(Thailand) Co., Ltd.
(タイ ラヨーン県)
自動車タイヤ製造設備 21,123 2009年1月 2010年12月 生産能力65%増加