Visteon 2009年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ドル) |
2009年 12月期 |
2008年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 |
6,685 | 9,544 | (30.0) | 1) |
クライメート部品部門 | 2,535 | 3,135 | (19.1) | 2) |
エレクトロニクス部品部門 | 2,171 | 3,276 | (33.7) | 3) |
内装部品部門 | 1,920 | 2,797 | (31.4) | 4) |
その他 | - | 271 | (-) | - |
要因
1)
-売上高は対前年比28.6億ドル減少。販売不振による売上高減が主たる要因で26.6億ドル相当。その他の減少要因は、全地域の生産量低下と主要顧客の発注転換、工場施設売却・閉鎖、ユーロ安およびウオン安にともなう為替差損、顧客向け価格の引き下げなど。
2)
クライメート部品部門
-クライメート部門の売上高は対前年比600百万ドル減少。うち、260百万ドル相当は、全地域の生産量減と製品構成が不利な方向に転じたことなどが原因。その他、工場施設売却・閉鎖による減少額は57百万ドル、ユーロ安およびウオン安を中心とする為替差損は前年より増加し153百万ドル。また、顧客向け価格の引き下げも減少要因。
3)
エレクトロニクス部品部門
-エレクトロニクス部門の売上高は対前年比11.1億ドル減少。主に欧州と北米地域における生産量減少、製品構成の悪化、主要顧客の発注転換などが原因となる売上減少額は10.4億ドル。ユーロ安およびブラジル・レアール安が主に起因となる為替差損と顧客向け価格の引き下げも減少の要因。
4) 内装部品部門
-内装部品部門の売上高は対前年比877百万ドル減少。全地域の生産量減少、製品構成の悪化が売上高減少の背景。また、英国とスペインの生産施設売却と閉鎖も販売量減少の要因。
受注
-2009年度の 新規受注は約562百万ドル。再受注は総額で約593百万ドル。地域別では最も高かった地域はアジア・パシフィックの58%、北米が25%、欧州は17%。-2009年7月、「バーチャルインストルメントパネル」を開発し、Jaguar Land Rover「Range Rover」(2010年モデル)に供給。この製品は、12.3インチフルカラーTFT液晶ディスプレイを採用。Jaguar Land Roverの車両にバーチャルタイプのインストパネルが搭載されるのは初めて。今回は新型「Range Rover」全モデルに標準搭載。インストパネルの開発は、同社米国拠点のサポートを受けた英国のChelmsford拠点が担当。また、ソフトウェアはインドのVisteon Software OperationsとフランスのVisteon Software Technologiesが開発。(7月27日付プレスリリースより)
-2009年12月、Tata「Nano」の2気筒エンジン用エアインテークマニホールドを納入。この製品はTACO Visteon Engineering (TVEC)が開発を担当し、Tata Visteon Automotive (TVAP)が製造する。また、インドChennaiのVisteon Technical Service Centerと中国・上海のVisteon China Technical Centerが共同で開発したオーディオシステムもディーラーオプションとして、「Nano」に供給予定。(2009年12月15日付プレスリリースより)
事業再編
-2009年5月、同社および一部の米国子会社が連邦破産法11条の適用を申請。(2009年5月28日付プレスリリースより)-2009年3月、英国国内に3工場(Basildon、Belfast、Enfield)を保有する子会社Visteon UK Ltdが管財人の管理下に入る。(2009年3月31日付プレスリリースより)
-2009年7月、同社は保有するHalla Climate Systems Alabama Inc. (HCSA) の株式80.0%を韓国のHalla Climate Control Corp.に37百万米ドルで売却。(2009年8月13日付プレスリリースより)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ドル) |
2009年12月期 | 2008年12月期 | 2007年12月期 | |
合計 |
328 | 434 | 510 |
開発体制
-2009年7月、子会社である韓国の漢拏空調(HCC)は中国・上海にエアコンシステムの開発試験センターを開設。(2009年3月2日付プレスリリースより)製品開発
HVAC用新型パルスカウントシステム-2009年7月、自動車HVAC用の新型パルスカウントシステムを開発。従来のシステムに比べて、配線を簡素化するとともに、軽量化を実現した。第2世代となる同システムの開発は、中国とインドの同社技術センターが担当しており、2010年半ばの製品化を目指す。 (2009年7月22日付プレスリリースより)
技術提携
-2009年6月、Mobileye社(オランダ)との技術提携契約締結を発表。次世代のスマートヘッドランプシステムの開発が対象分野。この成果として、ハイビームとロービームの自動切替を行うヘッドランプシステムの開発等が期待される。 (2009年6月3日付プレスリリースより)設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ドル) |
2009年12月期 | 2008年12月期 | 2007年12月期 | |
クライメート | 71 | 133 | 147 |
エレクトロニクス | 42 | 68 | 89 |
内装部品 | 30 | 63 | 88 |
その他 | - | 1 | 13 |
コーポレート | 8 | 29 | 39 |
合計 | 151 | 294 | 376 |
海外投資
<中国>-2009年6月、日本クライメートシステムズ(JCS)の中国子会社である杰希思(南京)汽車空調有限公司(JCS南京)は、江蘇省南京市に新工場を開設した。この工場には68百万人民元が初期投資され、熱交換部品の生産を行う。現地のマツダや中国メーカーからの需要増に対応する目的。年産能力はエバポレーターが80万個、コンデンサーとヒーターコアが各30万個。中国市場に加えて日本やASEAN諸国等に輸出する計画。JCSはVisteon、マツダ、パナソニックによる合弁会社。(2009年6月19日付プレスリリースより)