Leoni 2009年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2009年 12月期 |
2008年 12月期 |
増減率(%) | 要因 | |
グループ | ||||
売上高 | 2,160.1 | 2,912.0 | (25.8) | - |
EBIT | (116.3) | 55.7 | - | - |
ワイヤーシステム部門 | ||||
売上高 | 1,224.6 | 1,510.5 | (18.9) | 1) |
EBIT | (78.5) | 23.4 | - | 2) |
要因
ワイヤーシステム部門
1)
-2009年初頭は経済・金融危機の深刻な影響を受けたが年央を過ぎてからの同部門の業績は着実に回復をみせ、第4四半期の売上高は前年同期比でプラスに転じた。
-各自動車メーカーが新型モデルのプロジェクトを立ち上げたことが業績回復の背景。また、小型車やコンパクトカーなどの購買需要を促すドイツをはじめとし た各国の自動車買換支援策も売上増の一部下支えとなった。この支援策対象となったセグメントのなかで、同社はDacia Logan、Peugeot 207、Seat Ibizaなどに製品を供給していた。
-事業部の2009年の売上高は1,224.6百万ユーロ。前年の売上1,510.2百万ユーロに比べ約19%の減収。中国市場を除いた全地域で売上は減 収。 2009年の大手取引先はケーブルハーネスとワイヤーシステム製品を納入したPSA、Mercedes Benz、とBMWグループ。
2)
-2009年はかつてないコスト低減を実施し、製造コスト、人件費、原材料費などあらゆる分野で18%を削減。ワイヤーシステム部門はその結果、売上減に よる減収幅を抑制することができた。また、年後半には業績が回復基調に向かったことも寄与。業績回復の一方では、38.1百万ユーロにおよぶ大幅なリスト ラコスト(2008年は5.2百万ユーロ)を計上。さらに、大口企業買収の購入費用の再配分と固定資産の減損など13.6百万ユーロ(2008年は 14.1百万ユーロ)の計上を行った。すべて合算した同部門の2009年のEBITは78.5百万ユーロ)の損失となった。
新規・継続プロジェクトの立ち上げ
-中国で生産されるMercedes C-Class・E-Class、Vito、VianoとSprinterバン用、BMW Z4、3 Series、5 Series GTおよび7 Series用ワイヤーシステム製品とケーブルハーネスが生産開始。-Fiat Panda用にエンジン用ケーブルハーネスの生産を開始。韓国の合弁企業DaekyeungではOpel Astra、Zafiraの次期型モデルとGM Gentra小型車用に同じくエンジン用ケーブルハーネスの生産を立ち上げた。
受注
-数多くの新規受注と追加受注を獲得。受注案件の総額は約9百万ユーロ相当となる予定。既存の受注と追加注文は全体売上の約56%で、残りの46%は新規受注。-2009年に受注獲得した案件;
PSAグループのPeugeot小型モデル用として2012年をめどにワイヤーシステム製品全般を供給予定。
別のフランスメーカーの廉価モデルにケーブルハーネスを供給予定。
日産から新規受注。将来的には海外でのNissanの生産拠点との取引開始の可能性も視野に入れる。
-商用車メーカーからの受注:
KAMAZ/Cumminsが保有するロシアの合弁企業からの受注
Cumminsから継続プロジェクトを受注。このプロジェクトは今後5年間、ケーブルハーネスを供給する予定。ドイツのClaasの次世代型農機用として複合ワイヤーシステムを供給予定。
Fendt/ACGO社製トラクター用にケーブルシステムを供給予定。
ロシアでの事業拡大
-2009年、ロシアの大手トラックメーカーKAMAZに隣接したNaberezhnye Chelny工場を設立。同工場では2009年第3四半期に商用車用として多種類のケーブルシステム製品の生産を開始。-さらなる新規受注も期待されておりNaberezhnye Chelny工場の生産能力を増強する可能性がでている。2010年秋にはKAMAZ社とエンジンメーカーCummins社の合弁企業向けとして: ケーブル・ハーネスの生産を計画している。
-また、ロシアのもうひとつのGorodets工場では日産からX-Trail用としてワイヤーシステム一式を受注し2011年に生産開始を予定している。
メカトロニクス製品の生産開始
-2009年にメカトロニクス製品の量産を開始。ルーマニアのArad工場内3本の生産ラインを設置。ワイヤーシステムの構成部品を製造することでサービ スラインアップを増強。製品の種類は高電圧ヒューズ、ヒューズとリレーボックス、ケーブルコンジットなど。一部の製品は過去に同社が開発を行い、製造を外 注にしていた。-製品の最初の納入先はBMWとGM。2009年第3四半期にはアジアと欧州で生産されるGMのOpel AstraとZafiaなどの次期型世界戦略小型モデルに搭載される電力配電ボックスの量産体制に入った。Opel Astra用に供給するワイヤーシステムには自社工場で初めて生産したマスター電力配電製品とヒューズおよびヒューズボックスが含まれている。またBMW 向けには、電力配電システムを含んだケーブルハーネスが新型Z4ロードスターに搭載されている。
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2009年12月期 | 2008年12月期 | 2007年12月期 | |
合計 | 71.1 | 88.3 | 55.9 |
研究開発体制
-Kitzingenのワイヤーシステム部門の本部以外に、全世界に開発拠点を保有。 2007年第1四半期には、エンジニアリングセンターをソウル(韓国)に新設。 また、米国、英国、スロバキア、チュニジア、中国にも開発センターを保有。-合弁会社のIntedisは、複雑なワイヤーシステム構造の設計およびシミュレーションでワイヤーシステム部門の補助的役割を担う。将来的には、モロッ コのサブオフィスと共に最近買収したフランスのR&Dセンターもコンピテンスセンターの国際ネットワークにおいて重要な役割を果たす。
製品開発
代替エネルギー対策製品のコンセプト-2009年、現状下ではまだマイナー市場だが将来的に有望視される代替燃料車対策製品の開発をさらに推進して、今後到来するであろう電気自動車市場に注 力。近年まで同社では米国自動車メーカーのハイブリッド車用として特殊ケーブルハーネスを供給してきた。このハイブリッド技術の経験を基盤として、今後の 代替燃料車両に適合したソリューションを提供してゆく。すでに社内では、高電圧ケーブルシステムに取り組む特別プロジェクトチームが編成されている。
-2009年、世界各国のメーカーの代替燃料車両のプロジェクトに参画。参画したプロジェクトには、ドイツメーカーの燃料電池小型車用の低・高電圧ハーネスの開発も含まれる。また、Tataが推進する小型電気自動車プロジェクトでは、高電圧システム一式の設計を行った。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2009年12月期 | 2008年12月期 | |
ワイヤー・ケーブル ソリューション部門 | 37.1 | 53.1 |
ワイヤーシステム部門 | 41.6 | 93.6 |
全社 | 83.2 | 336.6 |
-2009年、ワイヤーシステム部門は設備投資費用の多くを顧客先の新プロジェクトに合わせた北米の生産設備拡張に投じた。その他の投資対象としては、メ キシコのDurango工場の生産ラインの拡張、ルーマニアにおける新製品の生産を目的とした新工場、セルビアの生産設備追加など。