Leoni 2008年12月期の動向

ハイライト

業績
(単位:
百万ユーロ)
2008年
12月期
2007年
12月期
増減率(%) 要因
グループ
売上高 2,912.0 2,366.8 23.5 -
EBIT 55.7 138.1 (59.7)
ワイヤー・ケーブルソリューション部門
売上高 1,401.5 1,380.8 1.5 -
EBIT 29.6 80.8 (63.4)
ワイヤーシステム部門
売上高 1,510.5 986.0 53.2 -2008年度の全社売上のうち、5億7,360万ユーロはLWSFグループによるもの。年初来9か月の売上は事業計画通り推移。自動車産業の経済危機の影響を受け第4四半期の営業成績は悪化。商用車市場は好調で高い伸び率を示した。さらに、中国市場の販売は勢いが見られ、外国メーカー向けのみならず、中国メーカーへの販売も伸びた。特に、SAIC社への供給量はかつてない伸びを示した。経済不況にかかわらず、新規ならびにいくつかの既存顧客の継続プロジェクトが2008年度にスタートした。
EBIT 23.4 57.8 (59.5) -EBITは5,780万ユーロから2,340万ユーロに縮小。リストラ費用の520万ユーロを含む(前年度:580万ユーロ)。リストラには、ポーランド、ハンガリー、イタリアの3工場閉鎖の費用が含まれる。LWSF社買収関連再評価分の調整を行うと2008年度のEBITは3,740万ユーロとなる。


新規ならびに継続プロジェクトの立ち上がり
-Peugeot 308 station wagon
-新型Peugeot 407
-Citroen‘s C5
-Mercedes C-Class Sportsの生産立ち上がり
-ブラジル製Porsche 911 Coupe のマイナーチェンジ
-Cummins社の新型エンジン用ケーブルハーネスの生産開始


企業買収
-2008年1月、フランス自動車部品メーカーValeo社のワイヤーシステム部門を買収。買収後のグループ名はLWSF。LWSF戦略によりは、これまで取引のなかったPeugeot、Citroen、Renault-Nissan、Seat、Fiat、そして部品供給先、商用車メーカーなどが新規顧客に加えられ、顧客基盤が拡大した。LWSFの工場の多くは北アフリカにあって、同社の生産網を補完する。買収により2008年にはすでにPSAとの契約を取り付けることができている。

-2008年3月4日、韓国のワイヤーシステムメーカー大手Daekyeung(大慶)の株式50%を取得を発表。これによりLeoniは、Daekyeungの既存顧客であるGMDAT (General Motors Daewoo Auto & Technology:GM大宇自動車技術)、SsangYong Motors(双龍自動車)といった韓国主要自動車メーカーやVolvo Construction Equipment(ボルボ建設機械)など現地OEMへの販路を獲得することになる。LeoniとDaekyeungは、2007年、GMの小型車向けケーブルハーネス事業について合弁契約を締結している。両社はこのたびの資本提携により、長期的視野に立った関係を構築するとともに、今後の事業展開、とりわけ韓国自動車業界からの新規受注獲得による事業拡大を図る。Daekyeungは従業員数約1,900名で、中国に複数の生産拠点を構える。2007年度の売上高は約7,000万ユーロ。Leoniは、中国、韓国をはじめとするアジア市場でのプレゼンス強化を打ち出しており、中期的にはアジアでの売上高を全体売上の15-20%程度にまで引き上げることを目指している。(2008年3月4日付プレスリリースより)。


ロシアでの事業拡大
ロシア市場は同社の成長にとっての揺るぎない市場となっている。2008年度の重要な事業は以下の2ケース
-KAMAZ社からの受注を獲得。KAMAZ社が使用する約40%のケーブル・ハーネスを同社が供給する計画がある。このため、同社の生産工場は、KAMAZ社の工場があるNebereshnye Clelnyに将来的に移設される予定。

-ロシアの自動車部品メーカーItelma社のワイヤーシステム事業を買収した。このために、同社はモスクワの南東450キロに位置するGordets市に生産ラインを移設した。当面はDacia Logan向けにケーブル・ハーネスを生産する。加えて、Fiat Ducatoにワイヤーシステムを供給する計画もあり、戦略の具体的展開が進められる。


ワイヤーシステム部門の事業展望
-現在推進しているプロジェクトに伴うの2009年度の販売は自動車市場動向に左右されると考えられる。
-小型車・コンパクトカー、下級・中級モデルなどのクルマの開発は市場縮小を抑える材料となろう。
-特筆できる計画として、Dacia Sandero、Opelの新型AstraとZafira、PSAのC2とC3、 Mercedes E-Class、BMWの新型5、6、7シリーズなどへの供給が開始される。
-ただし、初期段階での利益貢献度はまだ小さいものと予想される。

開発動向

研究開発費
(単位:百万ユーロ) 2008年12月期 2007年12月期 2006年12月期
合計 88.3 55.9 47.2

-Kitzingenにおけるワイヤーグシステム部門の本部以外に、全世界に開発拠点を保有する。 2007年度の第1四半期には、エンジニアリングセンターをソウル(韓国)に新設。 また、米国、英国、スロバキア、チュニジア、中国にも開発センターを保有。
-Intedis合弁会社は、複雑なワイヤーシステム構造の設計およびシミュレーションでワイヤーシステム部門をサポートする。 将来的には、モロッコのサブオフィスと共に最近買収したフランスのR&Dセンターもコンピテンスセンターの国際ネットワークにおいて重要な役割を果たす。


部品事業の拡大
-ワイヤシステム部門は、生産事業を縦軸で強化する目的で電気部品と電子部品などに注力し事業のシステム的な拡大を続行している。特に、商品系列の多様化に焦点を当てた開発を行う。こうした、企業努力はすでに一部の乗用車と商用車ビジネスの獲得という実績に表れてきた。ルーマニアで2008年から準備を始めたプロジェクトは比較的大規模なのもので、フューズとリレーボックスの生産が2009年の開始を目指している。

SAE 2008 World Congress情報
<展示ハイライト>  

今回注目すべき点は?
-
ハイブリッドケーブル及びデータコミュニケーションケーブル
例:DVDやインフォテイメントシステム

のモデルに搭載されているか?
-Learや矢崎総業などのTier1及びTier2サプライヤーに供給

どこで生産されているか?
-Roth (ドイツ)
-Cuauhtemoc, Chihuhua (メキシコ)

設備投資

設備投資額
(単位:百万ユーロ) 2008年12月期 2007年12月期
ワイヤー・ケーブルソリューション部門 53.1 48.0
ワイヤーシステム部門 93.6 37.7
全社 336.1 132.6


海外投資
-2008年を通して、中国、モロッコ、チュニジア、ウクライナなどの生産ラインを拡充した。アラブ、ルーマニアの自社工場では電気部品の生産ラインの設備を拡充。ロシアのNaberezhnye Chelny (Tatarstan)工場ではKAMAZ社へワイヤーシステム部品の供給準備を開始。ロシアの関係取引先であったLik Avto社(Gorodets市)の製造ラインを取得。

-2008年12月、メキシコのDurango州に生産拠点を新設。メキシコでは3番目の生産拠点。当初はワイヤーシステムを中心に生産を行い、米国の商用車メーカーに供給する。2009年末までにケーブルハーネスの生産体制を整え、商用車・乗用車市場に供給する計画。同社は近年、米国の商用車市場でシェアを伸ばしており、自動車業界の危機が叫ばれる中でも事業拡大を進めている。(2008年12月2日付プレスリリースより)