Johnson Matthey 2007年度の動向

ハイライト

業績 (単位:百万ポンド)
  2007年度 2006年度 増減率(%) 要因
全社
売上高 7,499 6,152 21.9 -
営業利益 316.5 272.4 16.2 -
環境テクノロジー(Environmental Technologies)
売上高 2,290 1,864 22.9 下記「要因」を参照
営業利益 147.3 122.9 19.9

要因
-貴金属製品を除く排ガス規制テクノロジーの売上高は、32%増の903百万ポンド。

-2007/08年度のOEメーカー(OEM)向け大型車用ディーゼル(HDD)触媒の売上は、前年度の54百万ポンドから105百万ポンド増加して159百万ポンド。

-小型車向け製品の売上は、アジアで好調に伸長したことや欧州で微粒子フィルター搭載 の新型ディーゼル自動車が増加したことにより大幅に増加した。

-Argillonの買収により、売上高は11.4百万ポンド増加し、営業利益は同年度に取得した無形資産の期末2ヶ月分の償却前営業利益により、2.9百万ポンド増加した。 同部門の下半期の増益幅は、効率が改善された結果、上半期を上回った。

-DPFに対する需要は、多数の欧州大手自動車メーカーの間で引き続き増大。


企業買収
-2007年12月、米投資会社KKR傘下のCeramics Luxembourg 2(f)S.a.r.l..からArgillon Groupを買収することで合意したと発表した。取引額は2億1,400万ユーロ。Argillon Groupは、触媒および最先端セラミック製品を手掛ける大手メーカー。特に、NOx(窒素酸化物)を除去する排ガス触媒の分野で世界屈指の技術をもつメーカーとして知られており、大/中型車用ディーゼルエンジン、定置ディーゼルエンジン、船舶、発電用石炭・石油・ガスタービン向けに排ガス触媒を供給している。 Argillonの07年度(07年9月期)における売上げは1億6,000万ユーロ、従業員数は約1,500人で、ドイツ、ポーランド、ルーマニアに生産拠点をおく。(2007年12月10日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費 (単位:百万ポンド)
  2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
合計 73.0 66.5 62.7

研究開発体制
Johnson Matthey Technology Centre (JMTC) Sonning Common, UK -新材料開発
European Technology Center Royston, UK -触媒の開発及びテスト
Diesel Centre Gothenburg, Sweden -ディーゼル
Johnson Matthey Testing Detroit, USA -委託テスト
-定常状態エンジンセルダイナモ(ガソリン)
-過渡エンジンダイナモ(大型ディーゼル)
-SCAT装置
North American Technology Center Wayne, USA -触媒の開発及びテスト
Asian Technology Centre 栃木県喜連川 -触媒の開発及びテスト

-Johnson Matthey Technology Centre(JMTC)は、長期研究を担う中枢施設。180名を超す研究員が在籍する。 同社全事業の新製品および技術の研究開発を支援し、触媒作用、貴金属、材料科学およびその他多数の分野のノウハウを有する。 また、触媒の開発および試験用の施設および資源を保有し、材料特性分析の最新機器を設置している。

設備投資

部門別設備投資 (単位:百万ポンド)

2007年度

環境テクノロジー(Environmental Technologies) 82.4
貴金属製品(Precious Metal Products) 11.2
精製化学製品および触媒(Fine Chemicals & Catalysts) 19.8
相殺 -
非継続事業への設備投資 4.5
その他 1.9
合計 119.8


海外投資
-2007年度、ロシアでの自己触媒の新工場建設が完了。 この工場は、2006年春にロシアで自己触媒装着を義務付けた排ガス規制が導入されるのに伴い、ロシア国内の自動車メーカーと海外の自動車メーカーからの需要に対応するために触媒を生産する。

-2008年2月、新工場を韓国に開設。同社がアジア地域に設立する5番目の工場となる。この新工場では、ディーゼル車向けおよびガソリン車向け触媒を生産し、急速な成長を遂げている韓国の自動車産業の対応のため研究開発活動も実施する。
なお、中国、インドおよび日本の各工場でさらなる能力増強が計画されている。