Goodyear Tire & Rubber Company 2007年度の動向

ハイライト

業績
修理用、OE用を合わせた、各地域での販売数量は下記のとおり。

(単位:百万本) 2007 2006 2005 2004 2003
北米 修理用 55.7 61.6 71.2 70.8 68.6
OE 25.6 29.3 30.7 31.7 32.6
欧州連合 修理用 41.6 46.0 46.0 43.9 43.9
OE 17.8 17.5 18.3 18.9 18.4
東欧
中東
アフリカ
修理用 17.2 16.4 15.8 15.4 14.8
OE 3.0 3.6 3.9 3.5 3.1
ラテンアメリカ 修理用 14.7 14.9 15.0 15.0 14.2
OE 7.1 6.3 5.4 4.6 4.5
アジアパシフィック 修理用 12.7 13.1 13.9 14.5 9.1
OE 6.3 6.3 6.2 5.0 4.3
合計 修理用 141.9 152.0 162.0 159.6 150.6
OE 59.8 63.0 64.4 63.7 62.9
総計 201.7 215.0 226.4 223.3 213.5

-2007年度のOE向けの販売量は前年度比5.1%(3.2百万本)減少。車両生産台数減少に伴う北米タイヤ 事業部門の販売量減少と、東欧タイヤ事業部門の不採算事業からの撤退が主な要因。 OE向け販売量の減少分は、ラテンアメリカタイヤ部門および欧州連合タイヤ部門における販売量増加により部分的に相殺。


受注
-2007年型Ford Shelby Mustang GT500のタイヤとして再び同社が選ばれた。前輪は P255/45R18、後輪は P285/40R18のGoodyear Eagle F1スーパーカー・タイヤを履く。この超高性能Mustangは本年夏の限定生産であり、450馬力を超える。伝説的な高性能車を生んだ Carroll ShelbyとFord の特殊車両チーム(SVT)との共同から生まれたプロジェクトである。GoodyearのエンジニアがこのSVTに協力しこの車にふさわしいタイヤを開発した。Goodyear Eagle F1スーパーカー・タイヤは超高性能ゴム特性(トレッド・コンパウンド)を持ち、ドライな路面でのコーナリンググリップが特に優れている。(6月15日付同社プレスリリースより)


リストラクチュアリング
-グローバル競争力を維持するため、過去数年にわたり、合理化活動を行ってきた。
主に、過剰且つ高コストの生産能力の削減や、人員の削減が中心。

<工場閉鎖>
北米タイヤ
-テキサス州Tyler (2008年第1四半期): タイヤ工場
-ケベック州Valleyfield(2007年第2四半期): タイヤ工場

欧州連合タイヤ
-英国 Washington,(2006): 乗用車用タイヤ工場

東欧、中東、アフリカタイヤ
-モロッコ Casablanca (2007年第1四半期): タイヤ工場

アジアパシフィックタイヤ:
-ニュージーランドUpper Hutt (2006): 乗用車用タイヤ工場


事業売却

-2007年3月、工業製品事業(Engineered Products business)を、Carlyle Partners IV, L.P.傘下のEPD, Inc.に、売却することで合意に達したと発表。 (3月23日付けプレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万米ドル) 2007年度 2006年度 2005年度
合計 372 342 346

新製品開発
-トラックのフリートとオーナー・オペレーター(個人業者)のトータル・コスト削減のためGoodyear Tire & Rubber Compnay は、トラック・ショー(Great American Trucking Show)で、新開発の低燃費商用車タイヤ技術及び長距離輸送トラック用の新型タイヤ3種を発表した。同社の新らしいFuel Max Technology はトラックの燃費とタイヤのコストにフォーカスしている。操舵車輪、駆動車輪、被牽引車輪の3種があり、トラックのフリートとオーナー・オペレーター(個人業者)のためにすべてを網羅した(いわゆる、”ゆりかごから墓場まで”の)タイヤ・システムを提供する。このFuel Max Technologyのタイヤ18本をつけたトラックは、最大4%の燃費改善をすることが出来る。(2007年8月24日付同社プレスリリースより)

設備投資

設備投資額
(単位:百万USドル) 2007年度 2006年度 2005年度
北米タイヤ

281

248

237

欧州連合タイヤ

179

133 126
東欧/中東/アフリカタイヤ

62

 58 51
ラテンアメリカタイヤ 115  67 72
アジア太平洋地域タイヤ
74 70 70
セグメント合計設備投資額 711 576 556
その他 28 61 45
合計 739 671 634


海外投資

-2007年3月、ポーランドにある関連会社が、100百万ドルを上回る追加投資を行い、ハイパフォーマンスタイヤの生産拡充を図ると発表。追加投資は、Goodyear中で生産コストが最も低い生産施設のひとつであるTC Debica工場に対してで、今後4年にわたり実行される。このたびの新たな投資は、ハイパフォーマンスタイヤ、ウルトラハイパフォーマンスタイヤの生産能力向上、拡充を掲げる同社の戦略にそったもの。(2月20日付けプレスリリースより)

-2007年8月、事業の成長を加速させ、負債のさらなる圧縮を図るため、グローバル規模での大規模な投資を実施すると発表した。先頃、工業製品事業部門(Engineered Products business)の売却を完了したことや株式発行によって投資に必要な資金が調達できたとしている。Goodyear は、先に、既存タイヤ工場に設備投資を行い、グループ全体としての高付加価値タイヤの生産能力を現行より40%、また、低コスト生産国にある既存タイヤ工場の総生産能力を現行より33%、それぞれアップする方針を打ち出しているが、そうした施策に加え、東欧およびアジアに新たなタイヤ工場を建設することも検討している。こうした一連の投資により、2012年を目処に、グループ全体のタイヤ生産に占める低コスト生産国でのタイヤ生産比率を50%にまで引き上げるという同社の戦略目標達成にこぎつけたい考え。新たな投資構想には、Fayetteville工場(ノースカロライナ州)およびGadsden工場(アラバマ州)の改修工事を行い、高付加価値タイヤの生産能力増強を図る計画も含まれる。(8月15日付プレスリリースより)