AB SKF 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万SEK)
  2011年
12月期
2010年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 66,216 61,029 8.5 -
営業利益 9,612 8,452 13.8 -
自動車部門
売上高 17,771 18,231 (2.5) 1)
営業利益 1,362 1,855 (26.6) -

要因
1)
-2011年12月期の売上高は、前年比2.5%減となった。本業の成長により6.1%増加したが、工場売却による0.9%の減少、および為替差損による7.7%の減少により相殺。

企業買収

-2011年4月、同社は2001年に50%の株式を取得していた、International Component Supply社 (ICS) の残りの50%の株式を6百万スウェーデンクローナで取得。ICS社はブラジルで、鍛造および旋盤加工を施した軸受の材料を製造。自動車部門に組み込まれた。

売却

-スウェーデンGothenburgのベアリングケージ工場を中西金属工業株式会社へ売却することで合意したと発表。中西金属工業は、ベアリングリテーナーのサプライヤー。今回売却する工場は、同社のベアリング生産拠点(Gothenburg、英国Luton、米国ペンシルバニア州Hanover、マレーシアNilai、ドイツSchweinfurt)向けにベアリングケージを供給している。(2011年2月3日付プレスリリースより)

受注

-中国重型汽車(China National Heavy Duty Truck Group Corporation: CNHTC) との長期供給契約を締結したと発表。トラック用ハブユニット、テーパーローラーベアリング、シールをCNHTCのトラックへ納入する。受注金額は52億スウェーデンクローナ(約577百万ユーロ)。ベアリングとハブユニットは、中国・山東省済南(Jinan)に建設中の新工場で生産される予定。2012年の上半期にフル稼働となる見込み。また、シールの生産は同国の安徽省蕪湖(Wuhu)に位置する工場で行われる計画。(2011年12月19日付プレスリリースより)

-同社の製品およびソリューションをBollore GroupのEV向けに供給すると発表。同社が供給するのは、セラミックボールベアリングとセンサー。電動パワートレイン用で、新型トラクションシステムの効率性・信頼性向上に貢献する。なお、BolloreのEVは、フランスのパリと周辺地域で開始されるカーシェアリングプログラム「Autolib」で使用されるもの。2012年半ばまでに3,000台の使用を予定しており、年間22,000トンのCO2削減を見込んでいる。(2011年11月28日付プレスリリースより)

-フライホイール式運動エネルギー回収システム(KERS)の量産に向けて、Volvo Groupに協力すると発表した。KERSは、燃費向上・CO2削減に大きく貢献すると見込まれている。SKFは今回、このフライホイールシステムの主要部品を供給する。このプロジェクトは、スウェーデンエネルギー庁より6.57百万スウェーデンクローナ(約744千ユーロ)を支援されている。Volvoは2011年秋に、乗用車用フライホイールシステムの試験を行う予定。(2011年5月27日付プレスリリースより)

受賞

-SKF Sealing Solutions Koreaは、GMより「Supplier of the Year」を受賞した。SKFは2009年より、ボンデッドピストンシールをGM KoreaおよびGM Chinaのトランスミッション「GF6」向けに供給している。(2011年5月10日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万SEK)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
全社

1,481

1,184

1,217
特許数(ファーストファイル件数) 325 251 218

研究開発拠点

-インドのBengaluruにGlobal Technical Centre-India (GTCI)を開設したと発表。ベアリング、シール、メカトロニクス、潤滑システム、サービスの5分野における製品開発を行う。投資額は約75百万スウェーデンクローナ(約8.2百万ユーロ)。インド・東南アジアの顧客をはじめ、グローバルにサービスを提供する。なお、GTCIは今後、同じくBengaluruに位置するGlobal Testing Center(2009年開設)およびAutomotive Development Centre(2004年開設)を統合する予定。(2011年12月14日付プレスリリースより)

製品開発

-低フリクションエンジンシールの新製品を開発した。従来のエンジンシールに比べて摩擦レベルを最大55%低減し、CO2排出削減・燃費向上に貢献する。(2011年5月18日付プレスリリースより)

-軽量型ハブベアリングユニットの新製品を開発した。大幅な軽量化を実現し、燃費向上とCO2削減に貢献する。スチール製のローリングベアリング部品と、アルミ製のフランジ構造部品を組み合わせることで、このユニットは従来品に比べて30%の軽量化を実現。電気自動車を含む様々な車両の走行距離伸張や、小型商用車の積載量増加にも寄与する。(2011年5月17日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万SEK)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
全社 1,839 1,651 1,975

 

海外投資

<ブラジル>
-ブラジルのCajamar工場を拡張したと発表。ABS内蔵の第二世代ハブベアリングユニット(HBU2)の生産を行う。ブラジルでは国内で生産する全車両に対して、ABSシステムの導入を義務化する安全基準が、2014年までに施行される予定。同社のHBU2は、欧州・米国・アジアで幅広く使用されている。(2011年10月24日付プレスリリースより)

<中国>
-中国の山東省済南(Jinan)市に新工場を建設中。同工場では、主にテーパーローラーベアリングおよびトラック用ハブユニットを生産する。投資額は約590百万スウェーデンクローナ(約67百万ユーロ)。面積16,000平方メートルの同工場は、約500名の従業員を雇用し2012年第1四半期にフル稼働となる見込み。(2011年3月8日付プレスリリースより)