Hyundai Mobis Co., Ltd. [現代モービス (株)] 2016年12月期の動向

業績 (連結)

(単位:億ウォン)
2016年
12月期
2015年
12月期
増減率 (%)

備考

売上高 382,617 360,197 6.2 -韓国内外でSUV等の車種増加およびアフターマーケット用部品の販売で売上は増収につながったものの、新規拠点の初期費用、品質向上の費用増加等の影響を受けて営業利益は減少。

-2016年12月期はモジュール事業の売上が315,748億ウォンで、全体の82.5%を占める。
営業利益 29,046 29,345 (1.0)
当期純利益 30,472 30,400 0.2 -



国内事業

総合ボディユニット (IBU) 量産
-同社は、韓国で初めて統合ボディユニット (Integrated Body Unit: IBU) を開発し、2017年3月から国内の鎮川 (Jincheon) 工場で本格的な量産を開始した。IBUは、既存のBCM (ボディコントロールモジュール)、スマートキー、TPMS (タイヤ空気圧監視システム)、PAS (駐車支援システム) の4つのECUを1つに統合したもの。同社は車載ソフトウェアの国際標準プラットフォームであるAUTOSARベースのIBUも開発が完了しており、2017年上半期中に量産を開始する予定。なお、現代モービスはAUTOSARベースの電装品の開発プロジェクトを現在20件以上進めている。(2017年3月22日付プレスリリースより)

海外事業

<米国>
-同社の米国法人Mobis North America, LLC (MNA) は、モジュールの累計生産台数が2016年6月末に360万台を突破し、同年12月末には400万台に達する見込みと発表した。MNAは現在、オハイオ州およびミシガン州の工場でモジュールの生産を行っている。オハイオ工場ではChrysler 「Jeep Wrangler」 向けコンプリートシャシーモジュールを生産しており、生産能力は年間24万6,000台。一方、ミシガン工場ではChrysler 「Jeep Grand Cherokee」 および 「Dodge Durango」 向けフロント&リアシャシーモジュールを生産しており、生産能力は年間36万台。(2016年7月13日付プレスリリースより)

受注


-PSAグループから220億ウォン規模の統合型スイッチモジュール (Integrated Center Stack: ICS) を受注した。ICSの生産は中国の天津工場で行い、PSAのフランス現地工場に供給する。2017年に量産開始予定のPeugeotのモデルに搭載される予定。(2015年8月19日付プレスリリースより)

研究開発拠点

拠点名 所在地
麻北 (Mabuk) 技術研究所 韓国
京畿道 龍仁 (Yong-in) 市
義王 (Uiwang) 研究所 韓国
京畿道 義王 (Uiwang) 市
上海R&Dセンター 中国
上海
デトロイトR&Dセンター 米国
ミシガン州デトロイト
フランクフルトR&Dセンター ドイツ
フランクフルト
インドR&Dセンター インド
ハイデラバード

研究開発費

(単位:百万ウォン)
2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
金額 695,683 623,169 492,700
対売上高比率 1.8% 1.7% 1.4%



研究開発活動

CES2017出展技術
-同社は、2017年1月に米国ラスベガスで開催されるCES (Consumer Electronic Show) に出展する。同社の展示は「Facing Future with MOBIS Technology」をテーマとして、「スマートカー」、「グリーンカー」、「部品ゾーン」の3ゾーンで構成される。「スマートカー」ゾーンでは、自律走行シミュレーターを使用して安全性や利便性などについてデモを行う。「グリーンカー」ゾーンでは、水素燃料電池車の中核部品や駆動原理を紹介する。また、「部品ゾーン」では、DAS (Driver Assist Systems)、AVN (Audio Video Navigation)、ランプ、ブレーキ、ステアリングなど、現在量産中または量産準備中の技術を展示し、積極的な受注活動を展開する計画。なお、同社がCESに出展するのは2016年に続いて2回目となる。(2016年12月22日付プレスリリースより)

自律走行システム
-同社は、3大モジュール(シャシーモジュール、コックピットモジュール、フロントエンドモジュール)およびエアバッグ、ブレーキシステム、ランプ、マルチメディア、電装部品等の核心部品を研究開発している。ハイブリッドや電気自動車、車両IT分野、自立走行関連部品の開発も進めている。特に、自立走行分野の部品や技術開発のため、欧州、北米、インドの研究所と協業している。(2016年12月期事業報告書より)

-同社は、韓国の国土交通部から、現在開発中である自律走行システムの実道路性能を開発、検証するための臨時運行許可証とナンバープレートの発行を受けたと発表した。現代自動車「Sonata」に制御装置 (MicroAutobox)、レーダー、前方カメラを搭載し、政府が試験運行区域に指定した高速道路や国道など計320kmの区間を走行する。現代モービスでは2020年以降に自律走行技術を量産することを目指している。なお、韓国部品メーカーで政府から自律走行車の臨時運行許可を取得したのは同社が初めて。(2016年6月9日付プレスリリースより)

製品開発

-同社は、大型ピックアップトラック用電動パーキングブレーキ(eDIH)の開発に成功したと発表した。従来の機械式ブレーキに比べて制動性能を1.5倍以上向上させるとともに、一部部品を一体化して約30%の小型化に成功した。同社はeDIHの早期量産を実現させることで、北米市場の攻略につなげる方針という。(2016年8月29日付プレスリリースより)

-環境対応車向け電動式統合回生ブレーキシステムの開発に成功したと発表した。同社はこの製品を「iMEB (Integrated Mobis Electronic Brake)」と名付けた。今回開発したiMEBは、回生ブレーキシステムを構成する圧力供給部と圧力制御部を一つの電動式システムに統合し、コストおよび重量を30%以上低減させた。これにより、ESC (Electronic Stability Control)、ABS (Anti-Lock Brake System)、SCC (Smart Cruise Control)、AEB (Autonomous Emergency Braking) などのブレーキ機能を統合させることも可能になったという。(2015年11月22日付プレスリリースより)

技術提携

-NXP Semiconductorsと同社は、インドで設計されたMOBIS DRMレシーバとNXPチップの実証試験を成功裏に完了したと発表した。このチップとDRMレシーバは、大手OEMがインド市場で発売する車両のDRM対応型インフォテインメント・レシーバに導入されることになる。チップ (SATURN-SAF360X) とソフトウェアの開発においては、インドのNXP R&Dセンターが重要な役割を担った。All India Radio、NXP Semiconductors、現代モービス、およびDRMコンソーシアムの域内連携により開発され、1月31日のDRMラウンドテーブル会議でその開発と導入に関する展示がされた。DRMは革新的なデジタルラジオの標準となるものであり、FMに匹敵する音、あるいは高音質のAMラジオを楽しむことができる。DRMはラジオの音域と音質を大幅に向上させる。この技術は価格が手頃であり、交通情報、自然災害の警告やニュースなどのデータサービスを付加することもできる。All India RadioによるDRM送信機の全国的な設置が完了しようとしており、DRMレシーバの車両搭載が可能になることで、より多くの企業によるDRMレシーバ導入が進むものと見込まれる。 (2017年2月2日付プレスリリースより)

設備投資額

(金額:億ウォン)
品目 投資効果 2016年
12月期
2017年
12月期
(計画)
国内法人 工場新設・補完投資 等 生産設備増設により
稼働率向上 等
5,848 6,617
海外法人 7,145 5,267
合計 - - 12,993 11,884



海外投資

<中国>
-2015年6月、中国重慶市両江新区 (Chongqing Liangjiang New Area) に生産拠点を建設すると発表した。第一期建設の投資額は250百万米ドル。2015年6月末に着工し、2017年3月に完成する予定。稼働後は年間売上高1,200百万米ドルを見込む。(2015年6月23日付け各種リリースより)