Hanon Systems Corp. (旧 Halla Visteon Climate Control) 2014年12月期の動向

業績 (連結)

(単位:百万ウォン)
2014年
12月期
2013年
12月期
増減率 (%)
売上高 5,454,949 5,189,355 5.1
営業利益 370,316 363,535 1.9
当期純利益 290,448 312,103 (6.9)

親会社変更

-Visteonは、同社が保有するHalla Visteon Climate Controlの株式約70%を、韓国の非公開投資会社Hahn & Companyの関連会社およびHankook Tireへ売却することで合意したと発表した。売却金額は約36億ドル。手続きは2015年上期に完了する見込み。(2014年12月17日付プレスリリースより)

受注

<現代自動車>
-現代自動車が開発した世界初の水素燃料電池自動車の量産モデル「ix35/Tucson」向けに、さまざまな製品を納入していると発表した。このコンパクトクロスオーバーSUVは2013年に欧州で発売されており、2014年春には米国で限定販売される予定。搭載されるHVCC製品には、遠心分離式エアコンプレッサー、クーラントヒーター、高電圧冷却モジュール、PTCヒーター、電動コンプレッサー付きHVACシステムなどが含まれる。(2014年2月21日付プレスリリースより)

事業買収

-2014年8月、Cooper-Standard Holdings子会社のCooper-Standard Automotiveより、自動車向け熱交換・排ガス関連の製品事業の買収を完了したと発表した。買収金額は46百万ドル。この買収については2014年6月に両社より発表済み。買収した製品ラインには、EGRモジュール、電動クーラントポンプおよびバルブ、電動ウェストゲートアクチュエーター、電動スロットルボディなどが含まれる。(2014年8月1日付プレスリリースより)

-2014年6月、日本クライメートシステムズの中国子会社である杰希思 (南京) 汽車空調 [Jie Xi Si (Nanjing) Automotive Climate Control] の株式51%を取得し、主要株主となることで合意したと発表した。取得金額は6.4百万ドル (65億ウォン)。手続きは、2014年第3四半期に完了する見込み。杰希思 (南京) は、自動車用熱交換器の生産会社。なお、日本クライメートシステムズは、HVCC、マツダ、パナソニックによる等分出資の合弁会社。(2014年6月3日付プレスリリースより)

生産関連

-2014年5月、コンプレッサーの累積生産数量が1億個を突破したと発表。同社は1991年に韓国で初めて同部品の国産化開発に成功し、同年10月より量産を開始した。現在は韓国をはじめ中国、インド、タイ、欧州の6工場でコンプレッサーを生産している。(2014年5月13日付プレスリリースより)

受賞

-2014年12月、アジア太平洋地域においてFiat Chrysler Automobiles (FCA) Groupより2013年「Supplier of the Year」を「electrical export」部門で受賞したと発表した。HVCCは現在、FCAのさまざまなモデル向けにサーマルマネジメント関連製品を納入している。(2014年12月10日付プレスリリースより)

-2014年3月、Volvo Carsから「Quality Excellence Award」を受賞した。同社の製品品質、生産工程、ロジスティクス等のパフォーマンスが総合的に評価されたもの。(2014年3月25日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ウォン)
2014年12月期
(連結)
2013年12月期
(連結)
2012年12月期
(単独)
金額 247,051 210,355 67,719
対売上高比率 4.5% 4.1% 3.1%

研究開発体制

-1989年、大田 (Daejeon) 市に技術研究所を開設。

-研究開発拠点は韓国に1拠点、欧州に2拠点、米州に1拠点を保有している。

研究開発活動

-2014年12月期に電気自動車用高効率ヒートポンプシステムの量産を開始し、同年度に売上高46億ウォンを記録した。このシステムは同社が現代自動車と共同開発したもので、既存のヒーターに比べて暖房時の走行距離を20%以上増加させるとともに、エネルギー消費を30~60%低減させることに成功したという。なお、Halla Visteonは2017年12月期に同製品の売上高370億ウォンを見込んでいる。(2015年4月14日付プレスリリースより)

-2015年4月3日から12日まで開催されるソウルモーターショーにおいて、「HV iCool」と呼ばれる新技術を公開する。この「HV iCool」はHVAC、コンプレッサー、コンデンサーを一つに統合した空調システム。既存製品に比べて重量を20~30%軽量化するとともに、電気自動車基準で走行距離を30%以上向上させることに成功した。(2015年4月3日付プレスリリースより)

-EV用の新型ヒートポンプシステムを開発した。バッテリーからの電力供給のみで車室内を暖める従来の電気ヒーターに比べて、ヒートポンプは外気の熱を利用 することで電力消費を軽減できる。また、車のモーターやインバーターから再循環した廃熱も熱源として利用する。バッテリーからの電力消費を減らすことで、車両の走行距離伸長につながるという。このヒートポンプにより得られた廃熱は、車の暖房装置を補助するため、氷点下の厳しい気温下でも希望の車室温度に合わせられる。これにより、車のエネルギー消費を大幅に低減し、1回の充電で走行できる距離を20%超伸ばすことができるという。このヒートポンプシステム は、グローバルで販売される複数のモデル向けに生産が行われ、2015年4月のソウルモーターショーで展示される予定。(2015年3月9日付プレスリ リースより)

-燃料電池車用の遠心式エアコンプレッサーを現代自動車と共同開発した。従来の容積式ではコンプレッサーの稼働に約10kWの動力を要するが、新製品では7.5kWに低減。また、高速回転領域 (42,000RPM) での騒音も25dB以上減少させることに成功したという。(2014年6月17日付プレスリリースより)

-車両暖房用温水ヒーターおよび薄膜PTCヒーター一体化技術を開発した。この技術によって既存製品に比べて車両装着空間を42%削減するとともに、重量も10%の軽量化が可能になるという。本技術は先行開発が完了しており、現在は製品化開発を進めている。同社はこの新型ヒーターをガソリンおよびディーゼル車のみならず、ハイブリッド車向けにも搭載させる考え。(2014年4月23日付プレスリリースより)
 

近年の研究開発実績

研究課題 研究結果 等
CO2センサーを利用した空調負荷低減技術 -CO2センサーを活用した内気循環制御技術の開発
-燃費、冷暖房性能、除湿・換気快適性の向上
-国内外で特許取得あるいは出願中
超小型HVAC -量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
燃料電池車向け空気供給装置 -量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
歩行者保護フロントエンドモジュール -量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
燃料電池車向け高電圧冷却ファンおよびインバーター設計技術 -量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
電気自動車向けヒートポンプシステム -量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
メタルシールフィッティング -量産中
-国内外で特許取得あるいは出願中
マグネシウム合金プーリー -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
電気自動車向けエアミックスドア -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
蓄冷エバポレーター -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
ハイブリッドヒーターコア -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中
複合式エアコンシステム -量産予定
-国内外で特許取得あるいは出願中

設備投資

海外投資

<インド>
-2015年3月、インドのグジャラート州Sanandに建設した新工場が生産を開始したと発表した。グローバル自動車メーカーからの受注増加と、同州を含むインド西部の顧客の要望に対応する。新工場の生産スペースは約8,890平方メートルで、生産能力は熱交換器、HVACモジュール、エアコンラインなど200万ユニット。受注の拡大に応じて、生産能力を倍増できるという。(2015年3月11日付プレスリリースより)

<ブラジル>
-2014年8月、同社にとって南米初の生産工場を開設したと発表した。ブラジルのサンパウロ州Atibaiaに位置する新工場「HVCC Climatizacoes do Brasil Industria e Comercio Ltda.」では、同地域の自動車メーカー向けにHVAC部品の組み立てを行う。生産スペースは3,000平方メートル (約32,000平方フィート) で、需要に応じて拡張が可能だという。従業員約40名を雇用し、6月初旬に生産を開始している。(2014年8月13日付プレスリリースより)

<チェコ>
-2014年11月、チェコのHlukに位置する生産拠点Halla Visteon Autopalにおいて新工場を開設したと発表した。既存の床面積37,230平方メートルに生産スペース7,330平方メートルが加わり、これにより同拠点の生産能力は約30%拡大する。新工場は、2015年第1四半期に生産を開始する予定。今回の拡張は、2013年にHlukでHVCCが設立されて以来、2度目となる。1度目は8,000平方メートルを拡張し、2013年に完了した。現在は約450名を雇用し、欧州の大手自動車メーカー向けに空冷・水冷式チャージエアクーラー、低温ラジエーター、EGRなどパワートレイン冷却部品を生産している。(2014年11月4日付プレスリリースより)

<メキシコ>
-2014年9月、メキシコ中部に建設した新工場「Climate Systems Mexicana, S.A. de C.V.」が、2014年9月中に生産を開始すると発表した。同地域に拠点を持つグローバル自動車メーカーからの受注増加に対応する。ケレタロ州に位置する新工場では、HVACユニットを生産する予定。当初の生産能力は年間26万ユニット超を計画しており、50万ユニット超まで拡大が可能だという。HVCCは現在、メキシコ北部のCiudad Juarez市に、3つの全額出資の生産子会社を保有している。(2014年9月12日付プレスリリースより)

2014年12月期の設備投資

(単位:億ウォン)
事業部門 投資の種類 投資目的 設備
投資額
投資期間
自動車用
エアコン
増設 -生産能力増強 894 2014年1月~12月
新設および
自動化
-新車種受注への対応
-経費削減
-生産性向上
1,773 2014年1月~12月
合計 2,667 -

2015年12月期以降の投資計画

(単位:億ウォン)
事業部門 投資の種類 投資目的 予定投資額 2015年
12月期
2016年
12月期
2017年
12月期
自動車用
エアコン
増設 -生産能力増強 3,075 1,025 1,025 1,025
新設および
自動化
-新車種受注への対応
-経費削減
-生産性向上
4,614 1,538 1,538 1,538
合計 7,689 2,563 2,563 2,563