富士機工株式会社 2006年度の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円) 2007年3月期 2006年3月期 増減率(%) 要因
全社
売上高 106,366 93,514 13.7 下記1)参照
営業利益 (206) (411) -
経常利益 (691) (447) -
当期純利益 274 (667) -
-ステアリング部品事業
売上高 48,889 43,341 12.8 下記2)参照
営業利益 (906) (509) -
-シート部品事業
売上高 31,295 26,011 20.3 下記3)参照
営業利益 154 264 (41.7)
-シフター部品事業
売上高 9,898 11,026 (10.2) 下記4)参照
営業利益 (17) (485) -
-機関駆動部品事業
売上高 5,979 6,228 (4.0) 下記5)参照
営業利益 165 178 (7.3)
-大型車部品事業
売上高 1,592 1,627 (2.2) 下記6)参照
営業利益 76 84 (9.5)
-その他自動車部品事業
売上高 1,454 1,890 (23.1) -
営業利益 100 48 108.3

要因
1)全社
ステアリング部品事業における株式会社ジェイテクト、シート部品事業における株式会社タチエスとのシナジー効果および海外子会社の生産本格化による売上高への寄与等により、連結売上高は13.7%増。
損益は、新規受注製品準備費用の発生および北米におけるステアリング部品事業会社での販売落ち込み・品質管理強化費用等により、営業利益と経常利益が損失。

2)ステアリング部品事業
主要得意先の既存車種の生産台数減少の影響はあったものの、株式会社ジェイテクトとのシナジー効果による国内外の新車拡販および海外子会社の生産本格化が寄与。

3)シート部品事業
主要得意先の既存車種の生産台数減少の影響はあったものの、株式会社タチエスとのシナジー効果による国内外の新車拡販および新たに連結対象となった海外子会社の売上高が寄与。

4)シフター部品事業
国内外の新車立上がり効果はあったものの、主要得意先の既存車種の生産台数減少が影響し、減収となったものの、営業損失は減少。

5)機関駆動部品事業
新車立上がり効果はあったものの、主要得意先の既存車種の生産台数減少が影響し、減収減益。

6)大型車部品事業
自動車NOX・PM法に伴う新車代替の減少が影響し、減収減益。

合弁事業
同社は2006年8月11日、タイ大手自動車部品メーカーのサミット・オート・ボディ・インダストリー社、クラタ産業とタイにステアリングコラムを製造する合弁会社Summit Fujikiko Kurata Manufacturing Co., Ltd. を設立することに合意した。タイへの進出は日系自動車メーカーのアセアン地域での引き合いに対応し、また北米向けの部品輸出を視野に入れた拠点設立。資本金は1.2億タイバーツ(約3.6億円、出資比率は富士機工51%、サミットグループ45%、クラタ産業4%) (2006年8月同社プレスリリースより)

開発動向

研究開発費
(単位:百万円) 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
全体 1,394 1,460 1,994
自動車部品 1,371 1,406 1,972
-ステアリング部品 498 491 986
-シート部品 525 515 538
-シフター部品 168 191 189
-機関駆動部品 116 132 152
-大型車部品 32 35 42
-その他自動車部品 29 40 63

・研究開発には376名が携わっており、うち自動車部品事業は361名。
・2007年3月末時点の産業財産権は、全て自動車部品事業に係るもので、総数は136件。


2007年3月期
の研究開発活動
-ステアリング部品

・ステアリングコラムに要求される機能・性能を最も合理的な機構・構造で実現するとともに、塑性加工技術の水準向上によるコスト低減、軽量化及び安全性・商品性の向上に取り組んでいる。
・グローバル化に対応し、日、米・欧の三極開発体制強化を図り、米国・欧州の納入先も考慮した競争力の強化と品揃えの充実に取り組んでいる。
・2006年よりインドへの展開をスタート。
・自動車メーカーおよびシステムメーカーと走行性向上に関する将来技術、製品の開発を共同で進めている。

-シート部品
・シートのリクライナー、ハイトアジャスター、スライドをはじめとするシート機能部品のコア部品開発及びシステム開発を実施。
・小型・軽量・高強度・高機能化とコスト低減活動に取り組み中。
・車両の使い勝手向上のためRV車等のシートアレンジ対応製品の開発も実施。

-シフター部品
・A/Tシフターの構造合理化によるコスト低減・軽量化に取り組み一段の競争力強化を図るため、普及型シフター開発に取り組んでいる。
・操作感、操作音など操作フィール改善を図る商品力向上対応に継続的に取り組んでいる。
・小型化対応に備えた商品開発を進めている。

-機関駆動部品
・プーリー、ドライブプレート等の機関駆動部品については、板材の増肉成形工法やすり割り成形工法に代表される独自の塑性加工技術と解析技術、ノウハウを活かし、市場の板金化へのニーズに対応した各種形状プーリーの開発を推進。

-大型車部品
・M/T、A/Tコントロール部品を中心に開発に取り組んでいる。

技術導入(2007年3月現在)
国 名 契約先 内 容 契約期間
ドイツ Keiper GmbH&Co. シートリクライニングメカニズム及びヘッドレストアジャスターの製造技術 1987.09.25 - 2007.04.11
(自動継続)
くさび使用タイプ・シートリクライニングメカニズムの特許実施権 1997.04.18 - 2008.03.31
(自動継続)
Dr.Ing.h.c.f.Porsche AG 自動車用自動変速機操作装置の特許実施権 1995.11.30 - 2008.03.09
Winkelman Pannhoff GmbH 一体成型ドライブプレートの製造技術 1996.01.29 - 2008.01.28
(自動継続)

技術供与(2007年3月現在)
国 名 契約先 内 容 契約期間
台湾 台湾厚木工業股份有限公司
Taiwan Atsugi Co., Ltd.
ステアリング・コラムの製造技術 1992.10.06 - 2007.10.05
(自動継続)
タイ Srithai Auto Seats Industry

シート・リクライニング装置の製造技術

1996.07.04から5年間又は該当車種の製造期間
台湾 常裕富士機工股份有限公司
Joyu-Fuji Machinery Co., Ltd.
ATデバイス・MTリンケージ・プーリーの製造技術 1996.10.08 - 2007.10.07
(自動継続)
タイ Thai Steel Cable Co., Ltd. ウインド・レギュレーターの製造技術 2000.01.12から10年間
マレーシア Auto Parts Manufacturers
Co.SDN BHD
シート・リクライニング装置及びシート・リフター装置の製造技術 2003.03.25から5年間
(その後自動継続)
中国 協富光洋(厦門)機械工業有限公司
Shye Fu Koyo (Xiamen) Mechanical Industry Co., Ltd.
ステアリング・コラム及び中間シャフトの製造技術 2005.12.01から5年間
(その後自動継続)
米国 Douglas Autotech Corporation ステアリング・コラム及びATデバイスの製造技術 2006年4月1日から5年間又は該当車種の製造期間
米国 Fuji Autotech U.S.A L.L.C. シート・リクライニング、シート・リフター及びシート・スライド機構の製造技術 2006年4月1日から5年間又は該当車種の製造期間
チェコ Fuji koyo Czech s.r.o. ステアリング・コラム及び中間シャフトの製造技術 2006年4月1日から5年間又は該当車種の製造期間
フランス Fuji Autotech France S.A.S. シート・リクライニング、シート・リフター及びシート・スライド機構の製造技術 2006年4月1日から5年間又は該当車種の製造期間
インドネシア PT. Autotech Indonesia ステアリング・コラム及び中間シャフトの製造技術 2006年4月1日から5年間又は該当車種の製造期間
中国 広州富士機工汽車部件有限公司
Fuji Autotech Guangzhou Co., Ltd.
シート・リクライニング、シート・リフター及びシート・スライド装置の製造技術 2006.04.01から10年間

提携基本契約 (2007年3月現在)

国 名 契約先 内 容 契約日
日本 (株)タチエス 自動車用シート部品事業に関し、開発から販売までの幅広い分野での業務提携ならびに資本提携を行う。 1999.08.30

設備投資

設備投資費
(単位:百万円) 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
全体 7,165 6,940 4,826






ステアリング部品 3,303 4,100 1,956
シート部品 3,234 2,164 2,515
シフター部品 245 298 350
機関駆動部品 - 8 5
大型車部品 - - -
その他自動車部品 382 - -

・自動車部品事業(ステアリング事業・シート事業・シフター事業)においては、新規受注、モデルチェンジによる新製品製造対応のための生産体制整備等を中心に設備投資を実施。


生産体制再構築
同社新居工場(静岡県浜名郡)の生産体制を再構築する。ステアリング部品を生産している新居第1、第2工場を、年内にレイアウトを変更してプレス加工専門工場とする。自動車メーカーからの受注が好調に推移しているため、生産能力増強と効率化を推進するのが狙い。同社は昨年12月、ステアリング部品を生産している新居工場に、新たに第3工場を新設した。主に第1工場で行っているステアリングコラムの組み立て工程はこの第3工場に集約する計画。(2006年6月12日付日刊自動車新聞より)


設備の新設計画 (自動車部品生産設備) (単位:百万円)
事業 投資予定金額 着手 完了 完成後の増加能力
富士機工 鷲津工場 (静岡県湖西市)
シート部品事業、機関駆動部品事業 2,530 2006年6月 2008年3月 約10%の能力増強
富士機工 新居工場 (静岡県浜名郡)
ステアリング部品事業 2,555 2007年1月 2008年3月 約10%の能力増強
富士機工 本庄工場 (埼玉県本庄市)
シフター部品事業、大型車部品事業 1,773 2007年1月 2008年3月 変動なし
Fuji Autotech France S.A.S. (フランスバランティネ市)
ステアリング部品事業 1,396 2007年1月 2007年12月 (新規設備導入)
Fuji Koyo Czech s. r. o. (チェコ ピルゼン市)
ステアリング部品事業 1,061 2007年1月 2007年12月 約70%の能力増強
Douglas Autotech Corporation ホプキンスビル工場 (米国ケンタッキー州)
ステアリング部品事業、シフター部品事業 663 2007年1月 2007年12月 変動なし


設備の改修 (自動車部品生産設備) (単位:百万円)
事業 投資予定金額
着手 完了 完成後の増加能力
富士機工 鷲津工場 (静岡県湖西市)
シート部品事業、機関駆動部品事業 61 2007年3月 2008年3月 変動なし
富士機工 新居工場 (静岡県浜名郡)
ステアリング部品事業 138 2007年4月 2008年3月 変動なし
富士機工 本庄工場 (埼玉県本庄市)
シフター部品事業、大型車部品事業 68 2007年3月 2008年3月 変動なし