パナソニック (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率(%) 備考
全社
売上高 7,303,045 7,846,216 (6.9) -
営業利益 160,936 43,725 268.1 -
当期純利益 (754,250) (772,172) - -
オートモーティブシステムズ
売上高 769,034 624,878 23.1 -
営業利益 16,606 4,941 236.1 -
エナジー
売上高 323,311 319,877 1.1 -
営業利益 8,316 (20,880) - -

自動車事業

-2013年4月1日の組織改編により、カーナビゲーションシステムやカーオーディオ、電装部品などを扱うオートモーティブシステムズ社、半導体や電子部品を手掛けるデバイス社、蓄電池事業のエナジー社、実装機や溶接ロボットなどを手掛けるマニュファクチャリングソリューションズ社を統合し、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ (AIS) 社を新たに設立。

-同社のAV機器の技術を自動車分野に生かすため、AV機器を扱うAVCネットワークス社内にオートモーティブ開発センターを設立。

-パナソニックオートモーティブ&インダストリアルシステムズ (AIS) 社 は2013~15年の中期計画を発表。車載、産業、ICT (インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジー) の3分野に注力し、成長と収益拡大を目指す。同時に、赤字事業の半導体や光ピックアップなどの構造改革を進めて14年度に黒字化を図る。車載分野の18年度売上高を12年度実績の2倍となる2兆円達成に向けて、グループの連携を強化して新たな領域で事業を創出していく。 (2013年6月1日付日刊自動車新聞より)

受注

-パナソニックオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 (AIS社) は、米国Teslaの電気自動車 (EV) 「Model S」 向けリチウムイオン電池セルの累計出荷数が、6月に1億個を達成すると発表した。2012年に米国で納車を開始したモデルSは、今年2万台以上の販売が見込まれている。モデルSに搭載する電池セルは、18650サイズの円筒形リチウムイオン電池セルではトップクラスの高エネルギー密度と性能を持ち、EVに最適化した設計とした。パナソニックはTesla 「Roadster」 にも電池セルを供給しており、両社でEV用電池セルの共同開発を進めてきた。高性能電池の開発・製品化を加速し、グローバルで環境対応車用電池事業の拡大に取り組む。 (2013年6月13日付日刊自動車新聞より)

-富士重工業のハイブリッド車 (HV) 「XV Crosstrek」 (米国仕様) にニッケル水素電池を供給すると発表した。「XV Crosstrek」ハイブリッドは、米国で13年3月27日~4月7日まで開催される「ニューヨーク国際自動車ショー」で発表、13年秋に発売される予定。 (2013年4月5日付日刊自動車新聞より)

-トヨタ自動車の電気自動車 (EV) 「eQ」 にリチウムイオン電池が採用されたと発表。トヨタにはすでにハイブリッド車 (HV)、プラグインハイブリッド車 (PHV) 用のリチウムイオン電池を供給している。EVにも採用されたことによりHV、PHV、EVにリチウムイオン電池を供給することになる。トヨタは12月末から日米で限定発売するeQに総電圧277.5ボルト、総電力量12キロワット時のリチウムイオン電池を搭載。最高出力47キロワットのモーターを組み合わせ、104ワット時/キロメートルの世界最高電費を実現した。 (2012年9月26日付日刊自動車新聞より)

受賞

-パナソニック ファクトリーソリューションズ (間接購買部門) がBosch Groupよりサプライヤー賞を受賞。 (2013年7月4日付プレスリリースより)

2014年3月期の見通し

 (単位:百万円)
  2014年3月期
(予想)
2013年3月期 増減
(%)
要因
全社
売上高 7,200,000 7,303,045 (1.4) -
営業利益 250,000 160,936 55.3 -
当期純利益 50,000 (754,250) -
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社
売上高 2,540,000 2,518,000 0.9 -
営業利益 76,000 29,500 157.6 -

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

 (単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 502,200 520,217  527,798
オートモーティブシステムズ 53,400 43,981 -
エナジー 27,700 31,533 -
デジタルAVCネットワーク 124,500 - 252,101

研究開発体制

<オートモーティブ分野>
主要開発部門 所在地
オートモーティブ事業開発センター 神奈川県横浜市
eコックピット事業開発室 大阪府門真市
商品開発センター 神奈川県横浜市
グローバル基盤技術開発センター 神奈川県横浜市
グローバル生産革新センター 長野県松本市
Panasonic Automotive Systems Company of America (PASA) 米国ジョージア州
(カーオーディオ)
Panasonic Automotive Systems Europe GmbH (PASE) ドイツ ランゲン市
天津松下汽車電子開発有限公司 (パナソニックAS開発天津有限会社: PASDT)
[Panasonic Automotive Systems Development Tianjin Co., Ltd.]
中国天津市
(カーオーディオ、カーナビ)
Panasonic Automotive Systems Asia Pacific (Thailand) Co., Ltd. (PASAP) タイ サムットプラカーン

製品開発

<オートモーティブシステムズ社>
EV用車載充電システム
-新たに電気自動車 (EV) 用車載充電システムを日産と共同開発したと発表。日産自動車が11月にマイナーチェンジしたEV「Leaf」へ納入を開始している。グループが手がける家電 製品の環境技術とデバイスを車載製品として応用することで製品化を実現した。今後も新たな製品開発に取り組み、EVなど次世代自動車向け製品の新規需要の 獲得を目指す。 (2012年12月26日付日刊自動車新聞より)

車載機とスマートフォンとの連携サービス
-欧州で開始した車載機とスマートフォンとの連携サービス「MirrorLink」を日本市場に導入するシステムを開発。自動車メーカーに納入しているディスプレイオーディオとスマートフォンとがBluetoothなどでつながり、機器間連携サービスを利用することで、スマートフォン画面を車載ディスプレイにも複製表示し、車載機側からスマートフォンアプリの操作が可能になった。

アイドリングストップ車向け「12ボルトエネルギー回生システム」
<エナジー社>
-車載用ニッケル水素電池を活用したアイドリングストップ車向け「12ボルトエネルギー回生システム」を開発したと発表。減速時に発生するエネルギーを蓄電して電装品や駆動用モーターへのエネルギー供給を実現する。メーンバッテリーとなる鉛蓄電池の長寿命化や燃費向上に貢献する。 (2013年2月9日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額

 (単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 310,866 294,821 403,778
オートモーティブシステムズ 8,605 5,522 -
エナジー 64,643 53,364 -
デジタルAVCネットワーク 56,491 -  153,701

-オートモーティブシステムズでは、カーマルチメディア機器、電装品・環境関連機器の新製品生産および増産のための投資を実施。
-エナジーでは、太陽電池や二次電池等の新製品生産および増産のための投資を実施。

設備の新設計画

 (2013年3月31日現在)
  計画金額
(百万円)
主な内容・目的
全社 205,000 -
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ 83,000 -カーマルチメディア機器、電子部品、二次電池等の新製品生産および増産