小島プレス工業 (株) 2015年12月期の動向

近年の動向

国内事業

-2014年9月、次世代バイオマテリアルQMONOSの開発を行うスパイバー (株) と小島プレス工業 (株) は、QMONOS量産化に向けた次世代パイロットラインの開発・導入に伴い、共同で新棟を建設することを決定し、建設工事を開始。また、今後の共同事業の拡大を見据え、9月26日付で新会社、Xpiber (エクスパイバー) (株) を山形県鶴岡市に設立したと発表。QMONOSはクモ糸の主成分であるフィブロインをベースとした次世代バイオマテリアルであり、その強度だけでなく、原料を石油に依存しない環境負荷の極めて少ない次世代素材として注目され、工業化が期待されている。

-2011年、同社は10年後の自動車を想定した次世代のインパネモジュールコンセプトを試作した。空調やディスプレー、携帯機器の充電機能、死角補助など各機能を進化させ、統合的に配置した。初出展した「人とくるまのテクノロジー展2011」で公開した。コンセプトの実現にはグループ内での対応が難しいディスプレーや制御ソフトウエアが必要となる。このため、電子関連技術や運転に関するインターフェースなどについては、将来的に他社との協業を視野に入れる。(2011年5月23日付日刊自動車新聞より)

買収

-2013年、河西工業の製造子会社「岩手河西」の発行済み株式の76%を取得すると発表。同子会社は2005年、関東自動車工業 (当時) 向けの内装部品を生産するために設立したが、最近は同社からの生産委託業務の割合が増えていた。同社は岩手河西を子会社化することにより、東北初の生産拠点を持つことになる。14年1月に株式を取得し、社名を「東北KAT」に変更する。河西工業は新会社の株式を引き続き24%保有する。新会社は14年度に12億円の売り上げを目指す。

受賞

-2014年、トヨタより「品質管理優秀賞」、「原価改善優秀賞」、「技術開発賞」、「部品標準化賞」、「TNGA推進優秀賞」、「VA推進優良賞」を受賞。原価改善賞は今回で34年連続、品質優秀賞は7年連続での受賞となった。(2014年2月28日付プレスリリースより)

-2013年、トヨタより「品質管理優秀賞」、「原価改善優秀賞」、「VA推進優秀賞」、「技術開発賞」を受賞したと発表。(2013年2月21日付プレスリリースより)

-2012年、トヨタより「品質管理優秀賞」および「品質特別賞」、「原価改善優秀賞」、「技術開発賞」、「部品標準化賞」、「MI賞」の6賞を受賞したと発表。(2012年2月23日付プレスリリースより)

-2011年2月、トヨタから「品質管理優秀賞」、「原価改善優秀賞」、「VA推進優秀賞」、「技術開発賞」の4賞を受賞した。(2011年2月28日付プレスリリースより)

受注

-2008年、空力や歩行者保護性能を高めたエンジンアンダーカバーを開発。トヨタの「iQ」に採用された。今回開発された技術はトヨタのハイブリッド車「Prius」にも活用され、今後、他車種への適用拡大に向け提案を進めていく計画。

研究開発拠点

名称 所在地 概要
黒笹技術センター 愛知県みよし市 電子部品の開発・試作、生産の研究
小島総合研究所 愛知県みよし市 自動車部品の研究および開発

製品開発

「フィンレスレジスター」と「カスタマイズオーナメント」
-2012年、インストルメントパネル周辺の意匠を大幅に向上する内装部品として、業界初の「フィンレスレジスター」と「カスタマイズオーナメント」を開発。レジスターがインパネ周りの面積を大きく占有している現状に対し、空調性能を落とさずに開口部を簡素化する新技術を確立。より大きなオーナメントを配置した。新開発のオーナメントは“着せ替えパネル”としてユーザーが気分に合わせて交換可能な設計を施した。今後、トヨタ自動車向けに提案し、2014年度にも供給開始することを目指す。新開発のフィンレスレジスターは、送風口内部で気流をぶつけて風向き制御を行う新技術を採用した。内部で気流の通り道を縦横、上下に分断し、開口部手前で合流させることで、空気の流れをコントロールする。これにより、開口部を、よりシンプルに目立たない形状に変更できるため、デザインの自由度が飛躍的に向上すると見ている。新たなフィンレスレジスターと風向き制御手法は、11年度に特許を取得した。「エアコンユニットから送られて来る気流の強さなどを含めて一体開発が必要となるため、搭載段階ではエアコンメーカーとの共同開発に取り組むことになる」(同社) としている。(2012年5月29日付日刊自動車新聞より)

エンジンアンダーカバー

-2008年、空力や歩行者保護性能を高めたエンジンアンダーカバーを開発。トヨタの「iQ」に採用された。通常、アンダーカバーと路面の隙間は約160ミリメートルだが、取付位置を40ミリメートルほど下げ、空気抵抗を低減させた。路面との隙間が狭まることで縁石などにあたり壊れやすくなるという問題には、縁石が滑りやすい角度や復元しやすい溝加工、樹脂素材の変更などで最適形状を割り出し対処した。また、従来、ロアアブソーバーには鉄の補強材を入れていたが、車両本体に組み込むことで剛性を上げ、さらに重量を1,400グラムと半分以下に低減させた。これらの開発により、車両走行時の軽量化効果は90キログラム相当になり、CO2排出量を年間1,200キログラム削減できるようになった。