市光工業株式会社 2009年3月期の動向
ハイライト
業績 | (単位:百万円) |
2009年 3月期 |
2008年 3月期 |
増減率(%) | 要因 | |
売上高 | 102,000 | 121,143 | (15.8) | -大幅な自動車生産の減少。 |
営業利益 | (1,668) | 2,389 | - | - |
経常利益 | (1,463) | 2,565 | - | - |
当期純利益 | (17,086) | 3,238 | - | - |
海外事業
<タイ>
-バンコク市内に自動車用ランプの設計開発および営業活動を行う新会社「イチコウ・タイランド」を設立したと発表。10月から業務を開始する。タイ法人の資本金は6千万バーツで、同社が全額出資した。東南アジアではインドネシア、マレーシアに次ぐ3番目の拠点。(2008年9月17日付日刊自動車新聞より)
事業提携
-ランプに次ぐ第2の柱であるミラー事業でも近く、筆頭株主である仏Valeoと業務提携することを発表。Valeoはミラー部門は持たないが車載用CCDカメラや映像解析技術などミラーの付加価値を高める要素技術を有しており、ミラー事業で業容を拡大したい同社との思惑が一致した。(2008年11月19日付日刊自動車新聞より)
2010年3月期の見通し
事業方針
-国内最大のヘッドランプ専用工場でテクニカルセンターも併設する伊勢原製造所(神奈川県伊勢原市)を、2011年までに移転・新設する構想を発表。現在ある同社の国内生産拠点としては最も古く、かつ余剰スペースもないため、最新の生産設備などを導入するには移転が不可欠と判断した。用地取得も含む総工費は200億円規模となる見通し。10年度中に新工場を竣工し、11年度中には移転を完了させたい考え。(2008年10月30日付日刊自動車新聞より)
-中国に自動車用ランプなどの金型製作を行う新工場を2009年末までに建設すると発表。総投資額は約50億円で、2010年にも本格稼働を目指す。現地生産部品向けの社内調達分や提携先の仏Valeo向けに加え、中国の現地サプライヤーにも拡販する。建設地は現在のところ未定だが、Valeoとのランプ合弁会社「市光法雷奥(佛山)」(FIV、広東省佛山市)のある広州周辺と、同社、Valeoがそれぞれ生産拠点を持つ無錫市周辺を軸に候補地の選定を進めている。金型内製による一貫生産比率を高め、製品開発のリードタイム短縮やコストダウンにつなげる。(2008年11月21日付日刊自動車新聞より)
-LCC(ロー・コスト・カントリー)からの部品の現地調達率を2012年をめどに70%に引き上げる。独自に生産拠点を持つ中国やインドネシアなどで新規調達先を開拓するほか、筆頭株主で業務提携関係にある仏Valeoの進出先周辺でも調達ネットワークを開拓する。日米欧など主要市場で自動車生産台数が低迷し数量減が加速する中、低賃金国からの調達インフラを拡充し製品の価格競争力を高める。同社が独自に進出するインドネシア、マレーシア、中国などで調達するランプなどの構成部品比率は、2004‐2007年の4年間を平均し約12‐13%程度だった。(2008年12月1日付日刊自動車新聞より)
-生産体制の再構築や早期退職などを柱とした経営体質強化策を発表。神奈川、岐阜の工場閉鎖や730人の人員削減を実施する。一方で、九州でヘッドランプ新工場の増設を行うほか、群馬の製造所にヘッドランプレンズ生産ラインを新設する。生産体制の再構築を図ることや労務費の低減などのコスト削減策を展開することにより、以前から推進している「アジアグローバル」を主眼とした戦略的な経営体制の強化につなげる。2009年9月末に中津川製造所(岐阜県中津川市)、2010年2月末に伊勢原製造所(神奈川県伊勢原市)の操業を停止する。また、リアコンビネーションランプの生産を藤岡製造所(群馬県藤岡市)に集約して月間30万個の生産体制を確立する。一方、子会社の九州市光工業では月産14万個レベルのヘッドランプ製造工場を新設。さらに、大泉製造所(群馬県大泉町)にヘッドランプのレンズ生産ラインを新設して、月産10万個の生産体制を構築する。(2009年3月10日付日刊自動車新聞より)
開発動向
研究開発費 | (単位:百万円) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | |
全社 | 5,700 | 5,900 | 5,800 |
研究開発体制
部門 | 業務 |
研究開発部 | 先端技術の開発 |
設計本部 | 新製品を創造する製品開発 |
生産技術本部 | 開発製品の商品化 |
-伊勢原製造所内にテクニカルセンターを保有。
主な研究開発
照明機器及び信号機器関係
1)カーデザインを生かす高機能自動車用照明機器の開発
2)環境に対応した配光特性と評価システムの研究
3)高品位自動車信号機器の開発
4)新光源の開発
視界機器関係
1)防惑防止ミラーシステムの開発
2)機能薄膜とエレクトロニクスなどを応用した視界システムの開発
3)自動車制御システムと制御機器の開発
4)車両周辺情報収集安全機器の開発
オプトメカトロニクス関係
1)LEDなど新光源を応用した表示装置の開発
2)自動車用多種伝送システムの開発
3)薄膜技術、精密成形技術を応用したメカトロニクス装置の開発
製品開発
-次世代の安全機構として普及が期待されているAFS(自動配光制御ヘッドランプ)にLEDを組み合わせて、運転者の疲労軽減や対向車の幻惑防止を実現する新手法を開発。左右に一対のLEDユニットを配置、その照射角をそれぞれ独立制御するもので、通常走行時には二つの光を重ねて遠方路面の照度を高める。さらに、対向車の幻惑が予想される場合には瞬間的に自動消灯、再点灯するというようなきめ細かな制御を盛り込んだ。LED光源ならではの点灯レスポンスの速さや、視認性に優れる特徴を生かしたシステムとしており、これらを提案して新規ニーズの吸収を目指す。(2008年5月24日付日刊自動車新聞より)
技術供与(2009年3月現在)
契約会社名 | 国名 | 契約の対象 | 契約の内容 | 契約期間 |
Anpas Industries | タイ | 自動車用ランプ・ バックミラーの 製造技術 |
パテント及び ノウハウの提供 |
1999年4月15日~ 2009年4月14日 (1年間毎の自動延長) |
Tokyo Electrica de Mexico | メキシコ | 自動車用ランプ・ バックミラーの 製造技術 |
パテント及び ノウハウの提供 |
1997年11月21日~ 製品販売終了まで |
FIEM Industries | インド | 自動車用 バックミラーの 製造技術 |
ノウハウの提供 | 2005年11月11日~2010年11月10日 (1年間毎の自動延長) |
Valeo Sylvania L.L.C. | 米国 | 自動車用ランプの 製造技術 |
パテント及び ノウハウの提供 |
2008年2月18日~ 製品販売終了まで |
市光法雷奥(佛山)汽車照明系統有限公司 [Foshan Ichikoh Valeo Auto Lighting Systems Co.,Ltd.] |
中国 | 自動車用ランプの 製造技術 |
パテント及び ノウハウの提供 |
2006年3月24日から5年間(3年毎の延長有り) |
設備投資
設備投資額 | (単位:百万円) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | |
全社 | 3,908 | 2,144 | 3,909 |
-新製品、モデルチェンジに伴う設備及び省人化、合理化のために自動車部品製造販売事業に設備投資を実施。
主な内訳
事業所名 | 所在地 | 事業部門 | 投資予定金額 (百万円) |
伊勢原製造所 | 神奈川県伊勢原市 | 自動車部品製造販売 | 529 |
ミラー製造所 | 群馬県藤岡市 | 自動車部品製造販売 | 1,868 |
藤岡製造所 | 群馬県藤岡市 | 自動車部品製造販売 | 73 |
設備の新設計画(2009年3月現在)
事業所名 | 所在地 | 投資予定金額 (百万円) |
着手 | 完了 | 完成後の 増加能力 |
伊勢原製造所 | 神奈川県伊勢原市 | 2,514 | 2009年4月 | 2010年5月 | 軽微 |
ミラー製造所 | 群馬県藤岡市 | 184 | 2009年4月 | 2010年3月 | 軽微 |
藤岡製造所 | 群馬県藤岡市 | 86 | 2009年4月 | 2010年3月 | 軽微 |