市光工業株式会社 2006年度の動向
ハイライト
単位: 百万円 | 2007年3月期 | 2006年3月期 | 増減率(%) | 要因 |
売上高 | 120,524 | 121,214 | (0.6) | 主力の自動車部品関連の売上高は117,140百万円(前期比0.8%減) |
営業利益 | 3,277 | 2,156 | 52.0 | 合理化による原価改善や設備投資の効果 |
経常利益 | 4,162 | 2,941 | 41.5 | |
当期純利益 | (900) | 1,448 | - | 製品の品質問題に関わる処置費用の見込額を特別損失として計上 |
国内事業
生産体制強化
・2006年4月、同社は07年4月にも大分県中津市に自動車用ランプの新工場を稼働すると発表。
・自動車用ミラーの国内生産を群馬製造所に集約。
海外事業
合弁・技術援助
・2006年4月、インドの二輪車用ランプ・ミラーメーカーのFIEM(ニューデリー)への技術援助契約を締結したと発表。
・2006年6月、中国・広東省に自動車用ランプの合弁生産拠点を設立したと発表。
・2006年12月、北米で自動車用ミラーなどを生産する合弁会社を独立系部品メーカーのミツバとの合弁で設立すると発表。
開発動向
主な研究開発
照明機器及び信号機器関係
1)カーデザインを生かす高機能自動車用照明機器の開発
2)環境に対応した配光特性と評価システムの研究
3)高品位自動車信号機器の開発
4)新光源の開発
視界機器関係
1)防惑防止ミラーシステムの開発
2)機能薄膜とエレクトロニクスなどを応用した視界システムの開発
3)自動車制御システムと制御機器の開発
4)車両周辺情報収集安全機器の開発
オプトメカトロニクス関係
1)LEDなど新光源を応用した表示装置の開発
2)自動車用多種伝送システムの開発
3)薄膜技術、精密成形技術を応用したメカトロニクス装置の開発
2006年人とくるまのテクノロジー展情報 |
<展示ハイライト> |
技術供与(2007年3月時点)
契約会社名 | 国名 | 契約の対象 | 契約の内容 | 契約期間 |
アンパス・インダストリーズ(Anpas Industries) | タイ | 自動車用ランプ・バックミラーの製造技術 | パテント及びノウハウの提供 | 1992年12月16日~2007年4月14日 (1年間毎の自動延長) |
トウキョウ・エレクトリカ・デ・メキシコ(Tokyo Electrica de Mexico) | メキシコ | 自動車用ランプ・バックミラーの製造技術 | パテント及びノウハウの提供 | 1997年11月21日~製品販売終了まで |
フィエムインダストリーズ (FIEM Industries) |
インド | 自動車用バックミラーの製造技術 | ノウハウの提供 | 2005年11月11日~2010年11月10日(1年間毎の自動延長) |
設備投資
国内生産体制
07年4月にも大分県中津市に自動車用ランプの新工場を稼働すると発表した。子会社の九州市光工業が運営する九州工場を移転するとと もに、一貫生産体制を構築する。総投資額は約19億円。08年度には現在の2・3倍にあたる年間115万個のリアコンビランプ(標識灯)を生産、年間売上 高で34億円を目指す。新工場の敷地面積は現工場の5倍強にあたる8万2550平方メートル。現地雇用を中心に従業員を40人ほど増やし、136人体制と する。九州市光の売上高は06年3月期で約28億円。大半は日産自動車の九州工場向けだった。新工場移転による能力拡張を機に、現地のトヨタ自動車やダイ ハツ工業をはじめ、中国地区の自動車メーカーなどにも拡販する。(2006年4月25日付日刊自動車新聞より)
自動車用ミラーの国内生産を群馬製造所に集約する。07年4月にも大分県中津市に自動車用ランプの新工場を立ち上げるのを機に、既存の九州工場で行ってき たミラーの生産を群馬に移管し集約する。同社のミラー生産はこれまで、藤岡製造所に近いミラー製造所(群馬県藤岡市)と、全額出資子会社の九州市光工業 (大分県中津市)で行ってきた。しかし中津市内に19億円を投じて新工場を建設、九州市光を自動車用ランプの一貫生産拠点として移転するのを機に、ランプ 生産に特化。ミラー生産からは撤退することにした。同社のミラー事業は年間300億円規模で、売上高の約25%にあたる。国内シェアでは34%を占める。 しかしミラーは、ランプに比べ付加価値が低く薄利多売の状態が続いていた。このため藤岡市のミラー工場にすべての国内生産を集約することで、量産効果によ るコストダウンを図り収益力を高める。(2006年6月6日付日刊自動車新聞より)
海外生産体制
インドの二輪車用ランプ・ミラーメーカーのFIEM(ニューデリー)への技術援助契約を締結したと発表した。インドへの将来的な生産進出を計画する同社 と、四輪車にも事業分野を拡大したいFIEMの思惑が一致した。FIEMとの契約は05年末に締結し、ミラーグラスなどの生産に向けた調整を進めてきた。 近く新設備をFIEMに導入し、年内にも生産・供給を開始する。同社はこれまでインドに現地法人がなかったが、FIEMとの契約締結を足がかりにスズキ、 ホンダなど現地日系メーカーへの供給を拡大したい考え。FIEMは二輪車用のランプやミラーではインド最大手。従業員800人で、年間売上高約41億 円。(2006年4月21日日刊自動車新聞より)
中国・広東省に自動車用ランプの合弁生産拠点を設立したと発表した。すでに工場建設に着手しており、07年4月から生産を開始する。中国では江蘇省無錫市 にミラーの生産拠点はあるが、本業のランプでは初の進出となる。新会社は「市光法雷奥汽車照明系統」。広東省佛山市の国家高新技術産業開発区に3月に設 立。同社とヴァレオ・バイエンが50%ずつ出資した。ヘッドランプおよびリアコンビネーションランプなどの一貫生産体制を整え、日産自動車など現地日系 メーカーに供給する。11年度までに従業員数を400人規模に引き上げる。(2006年6月30日付日刊自動車新聞より)
北米で自動車用ミラーなどを生産する合弁会社を独立系部品メーカーのミツバとの合弁で設立すると発表した。同日、合弁契約を締結し、07年2月から操業開 始する。これに伴い、全額出資のミラー生産会社であるイチコウ・マニュファクチャリング・インク(IMI、ケンタッキー州)は解散する。新会社は「イチコ ウ・ミツバ・インク」。資本金は1200万㌦(約14億円)で、同社が75%、ミツバが25%を出資する。生産拠点はケンタッキー州シェルビービル、営業 および設計・開発事務所をミシガン州ノヴァイに置く。取締役は同社側からグレンダ社長ほか3人、ミツバから1人を派遣。従業員数は214人でスタートす る。操業初年度となる07年度には5200万ドルの売上高を見込む。(2006年12月19日付日刊自動車新聞より)
設備の新設計画 (自動車部品製造設備)
事業所名 | 所在地 | 投資予定金額 (百万円) |
着手 | 完了 | 完成後の 増加能力 |
伊勢原製造所 | 神奈川県伊勢原市 | 356 | 2007年4月 | 2008年3月 | 5%増加 |
ミラー製造所 | 群馬県藤岡市 | 717 | 2007年4月 | 2008年3月 | 8%増加 |
藤岡製造所 | 群馬県藤岡市 | 482 | 2007年4月 | 2008年3月 | 3%増加 |
大泉製造所 | 群馬県邑楽郡 | 1,272 | 2007年4月 | 2008年3月 | 14%増加 |
九州市光工業(株) | 大分県中津市 | 132 | 2007年4月 | 2008年3月 | 14%増加 |