三菱電機 (株) 2017年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2017年
3月期
2016年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 4,238,666 4,394,353 3.5 -
営業利益 270,104 301,172 (10.3) -
税金等調整前当期純利益 296,249 318,476 (7.0) -
当社株主に帰属する
当期純利益
210,493 228,494 (7.9) -
産業メカトロニクス
売上高 1,297,646 1,308,776 (0.9) -自動車機器事業は、欧州等の新車販売市場が堅調に推移したが、国内の軽自動車販売市場の低迷に加え、円高の影響もあり、受注・売上ともに前連結会計年度を下回った。
営業利益 140,073 159,160 (12.0) -

業務提携

-2016年11月、スイスの自動車向け測位用・ワイヤレス通信用半導体メーカーのユーブロックスと、「センチメータ級測位補強サービス(CLAS)」に対応した自動車向け受信チップを共同開発すると発表。先進運転支援システム(ADAS)や自動運転など自動車分野に展開し、準天頂衛星システムの利用に対応する。CLASは準天頂衛星システムの提供サービスの一環として2018年度から開始する予定で、準天頂衛星から配信される測位補強データ(L6信号)を利用する。三菱電機はユーブロックスのL6信号対応の自動車向け受信チップ開発を支援する。 (2016年11月7日付日刊自動車新聞より)

-自動車メーカー9社と新会社「ダイナミックマップ基盤企画」を設立すると発表。自動走行や安全運転支援システムの実現に必要な高精度三次元地図などの整備や実証、運用に向けた検討を進める。新会社は6月設立の予定。資本金は3億円で、三菱電機が18%、ゼンリンとパスコが17%ずつ、アイサンテクノロジーとインクリメント・ピー、トヨタマップマスターが6%ずつ、自動車メーカーはいすゞ自動車とスズキ、トヨタ自動車、日産自動車、日野自動車、富士重工業、ホンダ、マツダ、三菱自動車が3.3%ずつ出資する。(2016年5月20日付日刊自動車新聞より)

研究開発費

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
全社 201,300 202,900 195,300
-産業メカトロニクス 66,400 70,800 70,500

-2018年3月期の研究開発費は、全社で213,000百万円を予定。

製品開発

高精度3次元地図の「自動図化技術」および「差分抽出技術」
-AIと三菱モービルマッピングシステムの技術を活用し、高精度3次元地図を効率的に作成・更新できる「自動図化技術」と「差分抽出技術」を開発したと発表した。2017年3月20日からドイツのHannoverで開催されるCeBIT 2017に出展する。2017年10月から、同社が出資するダイナミックマップ基盤企画をはじめとする地図メーカーに対し、高速道路用高精度3次元地図向けの「自動図化・差分抽出ソフトウェア」を販売予定。(2017年3月16日付プレスリリースより)

HEV用超小型SiCインバーター
-「HEV用超小型SiCインバーター」を開発したと発表した。本開発技術はEVなどにも適用可能。今後、量産化に向けた開発を行い、2021年度以降の事業化を目指す。開発製品の特徴は次の通り。
・ストロングハイブリッド車で用いられる2モーター方式HEVに対応
・世界最小の体積5Lと世界最高レベルの電力密度86kVA/Lを達成
・フルSiCパワー半導体モジュールの採用により電力損失を低減し、インバーターの小型化の実現とHEVの燃費向上に寄与
・パワー半導体モジュールと冷却器をはんだで接続する高放熱構造によりインバーターを小型化しつつ、長期信頼性を確保

ディープラーニングの自動設計アルゴリズム
-データの特徴を学習して推論処理を行うディープラーニングを自動設計する「ディープラーニングの自動設計アルゴリズム」を世界で初めて開発した。専門知識がなくても人工知能(AI)を短期間、低コストで導入できる。機器の使用環境に合わせた多様な推論処理や機器制御を実現する。独自アルゴリズムの開発によって学習データを用いてディープラーニングを自動設計できる。機器の使用環境に合わせた高度な推論処理が可能なほか、学習データの中から特徴的なデータのみを抽出することで、効率的に適切なネットワークを構築し、設計時の試行錯誤を削減できる。(2016年10月26日付日刊自動車新聞より)

高精度GPS移動計測装置
-高精度GPS移動計測装置「三菱モービルマッピングシステム(MMS)」の新製品「MMS-G220」を開発。MMSは自動運転車に必要となる3次元地図を作成するのに活用するもの。GPSアンテナやカメラなどのセンシング機器を集約したセンサーボックスを新たに設けたことで、車両への移設を容易とした。同社ではまず、自動運転システムの検討が進められている韓国をターゲットに新製品を投入する。将来的にはアジアやオセアニア地域にも投入することで、事業基盤の強化につなげる方針だ。日本には2017年度の市場投入を予定している。(2016年9月29日付日刊自動車新聞より)

設備投資額

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
全社 175,542 177,801 194,458
-産業メカトロニクス 60,233 54,653 54,238


-産業メカトロニクス事業においては、FA機器および自動車用機器における増産等を目的として投資を実施。

国内投資

-姫路製作所広畑工場(兵庫県姫路市)に新棟を建設すると発表。モータージェネレーターとハイブリッド車(HV)・電気自動車(EV)用インバーターの生産体制を強化し、自動車機器事業を拡大する。投資額は約70億円。2018年5月に稼働する予定。始動と発電の両機能を統合したモータージェネレーターやHV・EV用インバーターなど、電動車両の普及に伴い、需要が拡大している自動車機器を生産する。(2017年3月13日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画

(単位:百万円)
2018年3月期
(計画)
主な内容・目的
全社 210,000 -
-産業メカトロニクス 74,000 FA機器および自動車用機器の増産等

2018年3月期の見通し

(単位:百万円)
2018年3月期
(予測)
2017年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 4,300,000 4,238,666 1.4
営業利益 280,000 270,104 3.7
税金等調整前当期純利益 300,000 296,249 1.3
当社株主に帰属する当期純利益 215,000 210,493 2.1


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)