三桜工業 (株) 2011年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2011年 3月期 |
2010年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 79,768 | 72,274 | 10.3 |
1) |
営業利益 | 6,623 | 4,643 | 42.6 |
- |
経常利益 | 6,206 | 4,577 | 35.5 |
- |
当期純利益 | 3,204 | 2,342 | 36.8 |
- |
要因
1)
-主力製品である自動車・輸送用機器用配管製品ならびに自動車用樹脂製品は、海外を中心として自動車生産の回復傾向が続いたことにより、全体として前年同期と比べて生産が増加。
-製品別では車輌配管製品(ブレーキ・燃料配管用等)、エンジンシステム向けのブレージング製品(燃料噴射用、冷却水循環用、オイル冷却用等)、樹脂製品(クイックコネクター、樹脂チューブ製品等)及び車輌安全製品(シートベルト用)のいずれの製品も、前期と比べて売上げが増加。
地域別動向
日本当期前半まで続いた環境対応車向けの補助金制度の効果により、取引先自動車メーカーでの生産回復が進み、製品受注が増加。
北南米
取引先自動車メーカーの生産回復と構造改革による業務効率化と生産性の向上による収益改善により増収増益。
中国
中国自動車市場の拡大により売上げ、利益ともに好調に推移いたしましたが、円高による為替の影響を受け増収減益。
アジア
タイ、インドネシアをはじめとする東南アジアにおける自動車市場の大幅な回復により増収増益。
欧州
取引先自動車メーカーの生産回復の遅れにより収益を確保できず売上は増加したが損失を計上。
会社設立
2010年10月、中国本社「三桜企業管理(中国)有限公司」を上海市に設立した。新会社は管理、営業、購買、開発、製造の各機能を持ち、中国国内のグループ企業を統括する。同時に、中国本社に開発センターを設置し、中国国内向けの製品開発をすべて中国で行う。2015年には約300名体制とする計画。(2011年2月17日付プレスリリースより)受注
ホンダ「Fit Hybrid (Jazz Hybrid)」向けにフューエルインジェクションレールや集合配管を含む様々な部品を納入している。三桜工業の製品がホンダのハイブリッドモデルに採用されるのは、「Insight」と「CR-Z」に続いて3車種目となる。(2011年1月発行プレスリリースより)日産「Fuga Hybrid (Infiniti M Hybrid)」向けにチューブを納入している。1モーター2クラッチ式パラレルハイブリッドシステムには、アクチュエーター駆動用のオイルチューブが採用。また、同社はインバーター冷却用の配管も供給している。(2011年1月発行プレスリリースより)
受賞
インドネシア子会社のP.T. Sanoh Indonesiaは、PT Hino Motors Manufacturing Indonesiaから「Best Quality Award」を受賞した。2009年度の納入で不良品ゼロを達成したことが評価されたもの。また、品質実績が認められ、Aisan Nasmoco IndustriとToyota Motor Manufacturing Indonesiaからも表彰された。(2010年7月発行プレスリリースより)インドのSTI Sanoh India Ltd.は、Honda Siel Cars India Ltd. (HSCI)から2010年度「Gold Award」をコスト部門で受賞した。STI Sanohは「City」、「Jazz」、「Accord」、「Civic」などのブレーキチューブやフューエルチューブを納入している。(2010年5月発行プレスリリースより)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 2009年3月期 | |
全社 | 1,855 |
1,463 | 1,582 |
研究開発体制
-2010年より、独立した研究開発部門としてグローバル研究開発部を設置し、中長期的な視野に立った技術の研究開発を推進している。研究開発活動
自動車用配管部品関連-エネルギー効率向上及び排出ガス中の環境負荷物質低減に繋がる、軽量化、新システム対応を重要テーマとして、プラスチック、アルミ等の軽量素材及び加工方法の研究開発と共に、高圧用フューエルインジェクションレール、燃料配管、EGRパイプ、超高圧燃料噴射管等の新製品開発。
-EV/HEV用モジュール製品の開発及び拡大するグローバル市場でのコスト競争力強化に重点を置いた新製品、工法開発。
設備投資
設備投資費 |
(単位:百万円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 2009年3月期 | |
日本 | 2,086 | - | - |
北南米 | 1,450 | - | - |
欧州 | 78 | - | - |
中国 | 248 | - | - |
アジア | 307 | - | - |
全社 | 4,169 |
2,731 | 5,789 |
2010年度の設備投資
-生産性向上・設備の更新等を中心に実施。
-中国子会社である三桜(無錫)汽車部件有限公司は、新工場の建設計画を発表した。ブレーキチューブの生産能力を現行の3倍に拡大するほか、樹脂製品(樹脂チューブ、クイックコネクター等)とエンジン部品(フューエルデリバリーパイプ、ウォーターパイプ等)の工場を新設する。完成後は、三桜グループで生産している自動車部品の全てを、中国国内で製造できるようになる。新工場への投資額は15億円。なお、無錫拠点は2009年に11億円の売上を記録。2015年には売上高63億円を計画している。(2011年2月17日付プレスリリースより)
-米国子会社Sanoh America Inc.は、オハイオ州Archbold工場の稼働を開始した。同工場では自動車配管用の金属チューブ(ダブルチューブ、シングルチューブ)を生産中。三桜グループのチューブ生産拠点としては、日本、中国、インド、タイに次いで5ヵ所目となる。(2010年4月発行プレスリリースより)