原田工業株式会社 2008年3月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)
2008年
3月期
2007年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 27,733 23,181 19.6 -自動車関連機器事業の米国での拡販が好調により増収。
営業利益 1,102 1,507 (26.9) -原材料価格高騰等の影響及び地域別売上構成の変化による原価率の上昇等により減益。
経常利益 703 1,496 (53.0) -急激な円高の影響による多額の為替差損を営業外費用で計上により減益。
当期純利益 561 861 (34.8) -
自動車関連機器事業
売上高 26,070 21,167 23.2 -自動車用アンテナ及び中継ケーブルの拡販が寄与。
営業利益 1,125 1,587 (29.1) -


事業展開

-車載用電装部品事業に参入する。自動車用と携帯電話用のアンテナで培った電磁波、ノイズ対策のノウハウを応用可能なフィルターやコイルなどを中心に、新規部品を開発する。自動車では高度な電動制御を利用したユニットの搭載が活発化しており、その誤作動を防止するパーツの需要拡大が確実な状況だ。こうした状況を追い風として、電装部品を新たな柱に育成し、経営体質の強化に結びつける。同社は2016年を最終年度とした長期ビジョンで、新規事業を立ち上げ、アンテナに続く第2の柱とする方針を打ち出した。こうした中、グループのノウハウと、自動車メーカー、サプライヤーとのネットワークを生かしやすいと判断し、車載用電装部品に参入する。(2007年7月2日付日刊自動車新聞より)


今後の課題
-2007年度を起点とする第8次中期経営計画(3ヵ年)を策定。
1. 目標:連結売上高30,000百万円
2. コア技術を活かし、新事業領域を開拓
3. 「HARADA」標準の確立
①開発力の深化 ②製造技術力の進化 ③トータルコスト力の深化
4. 良質な組織風土と財務基盤の実現

開発動向

-2008年3月期の研究開発費の総額は1,250百万円。

-内、自動車関連機器事業で1,135百万円。


自動車アンテナ分野
-現行のTV・ラジオ放送は世界各国でデジタル化が進められており、本格的なデジタル放送化に対応するため、基本開発を完了。

-自動車メーカーへのゲストエンジニア駐在を実施し、複合ルーフアンテナ、ショートポールタイプルーフアンテナの開発や、ガラスアンテナ用アンプモジュールの高性能化、低コスト化を目指し開発を実施。また、ガラスアンテナパターンの開発にも着手。

次世代自動車アンテナ分野
-アンテナの統合、無突起化が更に進み、衛星ラジオ車載アンテナやテレマティクスサービス用複合多機能アンテナを車のボディ内へ搭載するシステムの開発に着手。

基礎研究開発
-産学連携及び他企業との協業により未来型アンテナ構想の開発に着手。 

-昨今の環境保全に対する対応として、同軸ケーブル内製の強みを活かし、軽量同軸ケーブルの開発を進め、カーメーカーの燃費低減活動に対する提案を実施。

設備投資

設備投資額
-2008年3月期は、移動体通信関連の高度化等に対応するため自動車関連機器事業、通信関連機器事業を中心に979百万円の設備投資を実施。

-内、自動車関連機器事業では、生産設備、研究開発設備等の充実を図るため939百万円。


主な設備の新設
会社名/事業所名 所在地 設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着工 完成
予定
完成後の
増加能力
Harada Industries(Mexico), S. A. de C. V. メキシコ
ケルタロ州
中継ケーブル内製に伴う生産設備 167 2007年4月 2008年7月 中継ケーブルの160万M/月増産