株式会社ユニバンス 2006年度の動向
ハイライト
業績
国内動向
2007年1月23日開催の取締役会で自己株式を処分することを決議。このたび処分される普通株式数は30万株(1株単価648円)で、大同特殊鋼(株)が全株式を買い取る。処分価格の総額は1億9,440万円。処分先である大同特殊鋼(株)との取引拡大、関係強化を図るためのもの。自己株式の処分による収入金は、運転資金等へ充当する。(2007年1月23日付け同社プレスリリースより)
受注
マツダがタイ拠点で生産する新型ピックアップトラック「BT-50」に4WD車用の駆動切り替え装置であるトランスファーが採用されたと発表。マツダとの取引は初めてで、軽量コンパクトなユニットで高いトルク容量を確保したことなどから受注を獲得した。年産予定は4万台分。同社では今後、こうした実績を生かして新規開拓を活発化する。トランスファーはFRベースのパートタイム4WD車用に新開発したもので、2.5リットルおよび3リットルの直噴ディーゼルエンジン車に組み合わされる。従来のトルク容量が同等のユニットに対して約8キログラムの軽量化を実現したほか、ケース形状を見直しオイルの攪拌を抑えてフリクションロスを低減し、燃費性能の向上につなげた。ユニットの外側の張り出しを抑えて搭載性を高めた。副変速機を備え、二駆および四駆ハイ、四駆ローのポジション切り替えを同社初のダイレクトコントロール式として、操作フィーリングを改善した。本社工場(静岡県湖西市)で生産する。(2006年5月11日付日刊自動車新聞より)
環境対策
国内全工場でコ・ジェネレーションシステムを導入した結果、CO2(二酸化炭素)排出量を従来比25.5%削減できたなどの効果があったと発表。同システムは、2005年10月にフジユニバンスとアイエス精機との合併を機に、環境改善活動の一環として取り組んできたもので、浜松工場と湖西工場は2005年10月に、本社工場は2006年4月に導入が完了した。システムの総合効率アップを目指し、電力利用のほか排出ガスボイラーの設置による蒸気利用(本社工場)、冷房、ヒーターへの利用(全工場)を実施した結果、総合エネルギー効率が火力発電による従来の40%から62%へと向上したとしている。同社としては今後さらにエネルギー効率向上を図るため、排熱を利用した各種施策を実施しており、これについても動力費の大幅なコスト削減効果が表れている。(2006年6月14日付日刊自動車新聞より)
2008年3月期の課題
中期経営計画の目標達成のため、以下の点を課題とする。
単位: 百万円 |
2007年 3月期 |
2006年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 |
全社 | ||||
売上高 | 75,453 | 67,805 | 11.3 | 北米向け大型SUV車をはじめとする四輪駆動車の販売減の影響を受け、四輪事業が減収となったが、前年度のアイエス精機との合併による部品事業の売上が増加。 |
営業利益 | 1,566 | 2,091 | (25.1) | 高付加価値製品の売上が大幅に減少。また、新規立上設備投資に伴う償却費が増加。 |
経常利益 | 2,134 | 2,507 | (14.9) | - |
当期純利益 | 1,289 | 1,811 | (28.8) | 米国Univance Inc.繰延税金資産計上による減益。 |
M/T事業 | ||||
売上高 | 7,599 | 7,071 | 7.5 | 既存の中型トラック用M/Tは減少したが、新規SUV車用M/Tが好調に推移。 |
営業利益 | 42 | (311) | - | 増収および合理化効果。 |
四輪駆動装置事業 | ||||
売上高 | 25,391 | 25,619 | (0.9) | 原油価格の高止まりにより、主力の北米市場において大型SUV車から中小型車両等への移行の影響を受けた。 |
営業利益 | 1,159 | 1,511 | (23.3) | 高付加価値製品の減少。 |
部品事業 | ||||
売上高 | 36,238 | 28,389 | 27.7 | 主要メーカー減産の影響を受け、ATユニット部品・デフ部品が減少したが、アイエス精機との合併により販売増加。 |
営業利益 | (87) | 504 | - | 新製品立上費用や償却費の増加。 |
国内動向
2007年1月23日開催の取締役会で自己株式を処分することを決議。このたび処分される普通株式数は30万株(1株単価648円)で、大同特殊鋼(株)が全株式を買い取る。処分価格の総額は1億9,440万円。処分先である大同特殊鋼(株)との取引拡大、関係強化を図るためのもの。自己株式の処分による収入金は、運転資金等へ充当する。(2007年1月23日付け同社プレスリリースより)
受注
マツダがタイ拠点で生産する新型ピックアップトラック「BT-50」に4WD車用の駆動切り替え装置であるトランスファーが採用されたと発表。マツダとの取引は初めてで、軽量コンパクトなユニットで高いトルク容量を確保したことなどから受注を獲得した。年産予定は4万台分。同社では今後、こうした実績を生かして新規開拓を活発化する。トランスファーはFRベースのパートタイム4WD車用に新開発したもので、2.5リットルおよび3リットルの直噴ディーゼルエンジン車に組み合わされる。従来のトルク容量が同等のユニットに対して約8キログラムの軽量化を実現したほか、ケース形状を見直しオイルの攪拌を抑えてフリクションロスを低減し、燃費性能の向上につなげた。ユニットの外側の張り出しを抑えて搭載性を高めた。副変速機を備え、二駆および四駆ハイ、四駆ローのポジション切り替えを同社初のダイレクトコントロール式として、操作フィーリングを改善した。本社工場(静岡県湖西市)で生産する。(2006年5月11日付日刊自動車新聞より)
環境対策
国内全工場でコ・ジェネレーションシステムを導入した結果、CO2(二酸化炭素)排出量を従来比25.5%削減できたなどの効果があったと発表。同システムは、2005年10月にフジユニバンスとアイエス精機との合併を機に、環境改善活動の一環として取り組んできたもので、浜松工場と湖西工場は2005年10月に、本社工場は2006年4月に導入が完了した。システムの総合効率アップを目指し、電力利用のほか排出ガスボイラーの設置による蒸気利用(本社工場)、冷房、ヒーターへの利用(全工場)を実施した結果、総合エネルギー効率が火力発電による従来の40%から62%へと向上したとしている。同社としては今後さらにエネルギー効率向上を図るため、排熱を利用した各種施策を実施しており、これについても動力費の大幅なコスト削減効果が表れている。(2006年6月14日付日刊自動車新聞より)
2008年3月期の課題
中期経営計画の目標達成のため、以下の点を課題とする。
事業セグメント | 主な課題 |
M/T | -日産ディーゼル(ボルボ系列)向けビジネスの確保 |
四輪駆動装置 | -主要製品を重点とした原価改善活動の実施による収益力の向上 -FR用T/Fのラインナップ化による新規顧客への拡販 -高性能乗用車用T/Fの新規顧客への拡販 -軽量、コンパクトなトルクマネジメントシステムの開発、拡販 -ハイブリッド、電動駆動ユニットの開発、拡販 |
部品 | -主要製品を重点とした原価改善活動の実施 -選択と集中による収益力向上 -生産ラインの集約・統合による生産効率、資本効率の向上 |
開発動向
研究開発費
2007年3月期の研究開発費は2,134百万円(売上額の約2.8%)
研究開発体制
研究開発スタッフは全員で182名(グループ従業員の約10.2%に相当)
研究開発活動
-マニュアルトランスミッション (M/T)事業
・主力製品である、RV車および中型商用車向けのトランスミッションは、排ガス規制等の環境及びドライバーへの負担軽減をより一層配慮した研究開発を実施。
・高性能ディーゼルエンジン対応のマニュアルトランスミッションの研究開発に取り組み、供給中。
-四輪駆動装置事業
・北米フルサイズ車 (SUV、ピックアップ)に最適なトランスファーユニットの研究開発に重点を置き、軽量化・フリクション低減を図り競争力を高める開発に取り組む。
・独自技術を有するカップリングの技術をいかした、次世代4WDシステムとコスト競争力を高めるための研究開発を行う。
-部品事業
・製造技術面での強みをいかした、駆動系部品を受注拡販するために研究開発面での支援を実施。
・独自技術によるワンウェイクラッチの競争力を向上させ、シェア拡大を狙った研究開発を実施。
設備投資
設備投資額(2007年3月期)
設備の新設計画(2008年3月期)
セグメントの名称 | 金額 (百万円) |
主な内容・目的 |
全社 | 4,985 | - |
M/T | 555 | 増産および合理化のための設備投資。 |
四輪駆動装置 | 800 | 設備の維持更新および合理化のための投資。 |
部品 | 3,346 | 新規立ち上がりに対応するための設備追加、合理化のための投資。 |
設備の新設計画(2008年3月期)
セグメントの名称 | 計画金額 (百万円) |
主な内容・目的 |
全社 | 3,112 | - |
M/T | 303 | 能力維持更新に対応するための設備投資。 |
四輪駆動装置 | 670 | 合理化のためのコストダウン設備投資等。 |
部品 | 1,926 | 新規立ち上がりに対応するための設備追加、合理化のためのコストダウン投資等。 |