(株) ショーワ 2016年3月期の動向

業績

(IFRS、単位:百万円)
2016年
3月期
2015年
3月期
増減率 (%) 要因
全社
売上収益 258,246 266,407 (3.1) -二輪車用製品、四輪車用製品およびステアリング製品の販売が減少したため減収。
営業利益 7,568 15,978 (52.6) -ガススプリング製品の一部における不具合の保証費用 (製品保証引当金繰入額) 等を計上したため、減益。
税引前当期利益 7,454 18,222 (59.1)
親会社の所有者に帰属する当期利益 (2,348) 11,570 -
四輪事業
売上収益 94,203 96,039 (1.9) -主に日本における販売の減少により減収。
営業利益 4,683 3,971 17.9 -
ステアリング事業
売上収益 74,738 74,380 0.5 -主に北米および中国において販売は減少したものの、為替換算の影響により、増収。
営業利益 94 3,144 (97.0) -
ガススプリング事業
売上収益 3,188 2,952 8.0 -
営業利益 (9,036) (122) - -ガススプリング製品の一部における不具合の保証費用 (製品保証引当金繰入額) 等を計上したため、減益。



事業動向

デュアルピニオンアシスト式電動パワーステアリングシステム (DPA-EPS)
-2015年5月、新開発したデュアルピニオンアシスト式電動パワーステアリングシステム (DPA-EPS) の生産を御殿場工場で開始したと発表。操舵フィールの向上と高出力化を実現し、マツダの新型 「Roadster」 に初採用された。同方式はピニオンギアをステアリング側とアシスト側の2カ所に設けていることが特徴。パワーアシスト機構をステアリング部から遠ざけることにより操舵フィールを向上させた。ステアリング軸から独立した部分に減速機構を設定することにより減速比の最適化が可能になり、効率良く出力を高めることができる。「Roadster」 に続き、ホンダが英国で生産する予定の 「Civic Type R」 にも搭載される予定で、御殿場工場で生産して輸出する。ホンダの次期 「Civic」 向けも受注しており、メキシコ工場で生産する。(2015年5月29日付日刊自動車新聞より)

デュアルピニオンアシスト式電動パワーステアリングの現地生産を開始

  • 2015年6月:Showa Autoparts Mexico, S.A. de C.V. (メキシコ グアナフアト州)
  • 2016年2月:Showa Autoparts (Thailand) Co., Ltd. (タイ チョンブリ県)
  • 2016年3月:広州昭和汽車零部件有限公司 [Guangzhou Showa Autoparts Co., Ltd.] (中国 広州市)


-2016年3月、新型電動パワーステアリング(EPS)のメキシコでの生産能力を2018年度に16年度見通しの2倍にあたる年間100万台に増強すると発表。操舵感に優れるデュアルピニオンアシスト(DPA)式の生産を拡大する。ラインを改造し、既存のピニオンアシスト(PA)式からの置き換えを進める。(2016年3月1日付日刊自動車新聞より)

2017年3月期の見通し

(IFRS、単位:百万円)
2017年3月期
(予測)
2016年3月期
(実績)
増減
(%)
全社
売上収益 251,000 258,246 (2.8)
営業利益 12,200 7,568 61.2
税引前当期利益 12,800 7,454 71.7
親会社の所有者に帰属する当期利益 4,700 (2,348) -


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
二輪・汎用事業 2,945 2,517 2,344
四輪事業 3,562 3,354 2,992
ステアリング事業 3,902 3,767 3,296
ガススプリング事業 101 110 94
合計 10,534 9,750 8,044



研究開発拠点

事業所 (所在地) 主な研究開発内容
4輪開発
(埼玉県行田市)
四輪車用ショックアブソーバー、ガススプリングの研究・開発
栃木開発センター
(栃木県芳賀郡)
油圧機器、パワーステアリング、ドライブトレインならびに材料の研究・開発
栃木開発センター 塩谷プルービンググラウンド
(栃木県塩谷郡塩屋町)
テストコース
2輪開発
(静岡県袋井市)
二輪車用ショックアブソーバーの研究・開発

-2015年9月、栃木県塩谷郡塩屋町に建設していた「栃木開発センター 塩谷プルービンググラウンド」の開所式を行い、正式に運用を始めた。同社としては四輪用で初のテストコースとして2013年に建設を決め、14年11月に着工。15年9月、全長約1キロメートルの直線路、旋回路など第1期工事が完了した。これまで四輪用製品の実走行試験は主に本田技術研究所の施設を借り行ってきたが、自前の施設を持つことで開発の迅速化とともに将来の自動運転社会に対応できるサスペンション技術、ステアリング技術の開発を加速する。第2期工事は17年6月に完成する予定でワインディング路などを整備する。(2015年9月28日付日刊自動車新聞より)

研究開発活動

四輪事業

  • さらなる乗り心地と操縦安定性の性能向上を高い次元で両立させた、高性能改良型ショックアブソーバー「S-SEES II」の量産を開始。
  • 電子制御可変ダンパーシステム「IECAS (Intelligent Electronic Control Adaptive Suspension)」の開発が完了し、生産を開始した。独自に開発した制御ロジックにより、車輪速センサーからストロークを推定。追加センサーが不要のため、コスト競争力と軽量化が実現されている。


ステアリング事業

  • デュアルピニオンアシスト式電動パワーステアリングシステム (DPA-EPS) の更なる性能向上を図るため、高出力化・軽量化・小型化等、適用車種拡大に向け開発を進めている。
  • 中大型車両向けの電動パワーステアリングの新商品ラインナップとして、ベルトラックアシスト式電動パワーステアリングシステム (BRA-EPS) の開発を継続。



設備投資額

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
二輪・汎用事業 1,788 3,074 4,287
四輪事業 3,496 3,386 3,776
ステアリング事業 7,216 7,442 4,104
ガススプリング事業 166 35 51
その他 255 383 676
合計 12,921 14,321 12,896


-2016年3月期における設備投資の主な内容は、ステアリング事業における国内およびメキシコでの新機種立ち上によるもの。

設備の新設計画

-2016年3月期末現在における投資予定総額は、18,383万円であり、主要な設備の新設等の計画は以下のとおり。

会社名/事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定総額
(百万円)
着手 完了予定 完成後の
能力増加
埼玉工場他
(埼玉県行田市)
四輪車用部品生産設備・製造機械設備他 2,248 2015年4月 2017年3月 (注) 1
御殿場工場
(静岡県御殿場市)
四輪車用部品生産設備 1,632 2015年4月 2017年3月 (注) 1
栃木開発センター
(栃木県芳賀市)
研究開発設備 1,187 2015年4月 2017年3月 (注) 2
浅羽工場他
(静岡県袋井市)
四輪車用・二輪車用部品生産設備 1,212 2015年4月 2017年3月 (注) 1
American Showa, Inc.
Sunbury Plant
(米国オハイオ州)
四輪車用・二輪車用部品生産設備 1,194 2015年1月 2017年3月 (注) 2
American Showa, Inc.
Blanchester Plant
(米国オハイオ州)
四輪車用部品生産設備 669 2014年1月 2017年3月 (注) 2
Showa Canada Inc.
(カナダ オンタリオ州)
四輪車用部品生産設備 675 2015年9月 2017年3月 (注) 1
Showa Autoparts Mexico, S.A. de C.V
(メキシコ グアナフアト州)
四輪車用部品生産設備 3,910 2015年9月 2017年3月 (注) 2
Showa Autoparts (Thailand) Co., Ltd.
(タイ チョンブリ)
四輪車用・二輪車用部品生産設備 555 2015年12月 2017年3月 (注) 2
Showa India Pvt. Ltd.
(インド ハリアナ州)
四輪車用・二輪車用部品生産設備 590 2013年8月 2017年3月 (注) 2
広州昭和汽車零部件有限公司
武漢工場
[Guangzhou Showa Autoparts Co., Ltd.]
(中国 武漢)
四輪車用部品生産設備 532 2014年12月 2017年3月 (注) 2

(注) 1: 主に能力拡充、合理化等のための設備計画であるため、完成後の能力増加が若干見込まれる。
(注) 2: 完成後の増加能力は、算定が困難なため記載を省略。