アイシン・エーアイ (株) 2016年3月期までの動向

近年の動向

トヨタのパワートレイン事業再編

-2015年9月30日、トヨタはアイシン精機と同社の子会社アイシン・エーアイ (AI) の3社でマニュアルトランスミッション (MT) 事業集約に関し追加合意したと発表した。2016年内をめどに量産車向けのMT開発機能をアイシン・エーアイに集約するとともに、トヨタの国内生産分を16年2月までにアイシン・エーアイの国内工場へ移管を完了する。また海外生産では、フィリピンインドのトヨタ子会社にアイシンが16年1月と7月をめどにそれぞれ資本参加し、競争力強化を目指す。(2015年10月1日付日刊自動車新聞より)

-2014年11月、トヨタはディーゼルエンジン (DE)、マニュアルトランスミッション (MT) などの開発・生産事業を系列サプライヤーに集約・移管すると発表した。DEの開発、生産は豊田自動織機、 MTはアイシンAIに集約する。2016年以降、順次、実施する。さらにデンソーアイシン精機が中部地区で実施しているブレーキ部品の生産をアイシングループのアドヴィックスに集約する。アイシングループは2016年1月をめどに愛知県半田市に新工場を建設し、移管分の受け皿を整える。トヨタはパワートレイン事業の再編によって生まれる経営資源を環境、安全分野の技術開発に振り向け、競争力を高める。(2014年11月29日付日刊自動車新聞より)

受注

BMW

-2015年4月、独BMWから前輪駆動(FF)車用の6速マニュアルトランスミッション(MT)を受注し、初の取引を開始したと発表した。BMWの 「2 Series Active Tourer」 向けに2014年11月から供給を開始した。BMWに供給を開始したのは、2005年に製品化した 「BG6」 を大幅改良した新型ユニット。シフトの滑らかさなどを向上し、世界トップレベルの軽快なシフトフィーリングを実現した。さらにトランスミッションケースの最適設計により、低振動、低騒音化を図った。生産は愛知県西尾市の本社工場で実施し、BMWが海外に設置する完成車工場に供給している。(2015年4月6日付日刊自動車新聞より)

スバル

-2012年、6速マニュアルトランスミッションが2012年発売開始の 「BRZ」 に搭載。

トヨタ

-2012年、6速マニュアルトランスミッションが2012年発売開始の 「86」 に搭載。

-2011年7月、タイで生産する中容量FRトランスファーが「Hilux Vigo」に搭載されていると発表。

-2011年2月、後輪駆動車用の高トルク容量6速トランスミッション 「SA6」 とフロントカウンタギア 「FA1」 を、Toyota 「Lexus LFA」 に納入していると発表。SA6とFA1は、同社のトランスミッションとして最大となる許容トルク (480Nm以上) を実現しつつ、同社従来製品に比べてトルクに対する重量で大幅な軽量化を達成した。(2011年2月16日付プレスリリースより)

-2009年5月、トヨタ自動車が欧州で生産するコンパクトFF車向けの新型6速手動変速機(6MT)を受注、生産を開始。当面の月産計画は5千台。トヨタは 「Urban Cruiser」 (日本名 Ist)、「Corolla」、「Auris」 に搭載する。(2009年5月12日付日刊自動車新聞より)

-2009年1月、トヨタ自動車と共同開発した新型の「中容量FF6速マニュアルトランスミッション (MT)」がトヨタ自動車の欧州向け新型 「Avensis」 に搭載されたと発表。2008年8月末から吉良工場で生産を開始。(2009年1月30日付日刊自動車新聞より)

-2008年、タイの生産子会社Aisin AI (Thailand) Co., Ltd.がピックアップトラック「Hilux Vigo」向けのトランスファー (T/F) を受注。

海外事業

<ブラジル>
-2014年4月、同社とアイシン精機、アドヴィックスの3社は、ブラジルの生産体制を拡充すると発表した。アイシン精機がサンパウロ州イトゥ市に持つ生産拠点にアイシンAIとアドヴィックスが入居し、自社製品の生産ラインを設置する。アイシンAIは2014年8月をめどにマニュアルトランスミッション、アドヴィックスは2015年10月をめどにブレーキ部品の生産を開始する。アイシン精機は現地に新建屋を建設、2016年2月からエンジン部品の生産をする。設備投資額は3社合計で41億円。(2014年4月23日付日刊自動車新聞より)

<タイ>
-2015年7月、トヨタと共同で開発した後輪駆動 (FR) 車用の高容量6速マニュアルトランスミッション 「AC6」 を、タイ拠点である Aisin AI (Thailand) で生産し、トヨタのIMV向けに供給を開始したと発表した。(2015年7月22日付プレスリリースより)

-2011年、四輪駆動車用のトランスファー (動力分配装置) をタイの子会社で生産開始したと発表した。トヨタ自動車の 「Hilux Vigo」 向けの中容量FRトランスファーを年間13万台生産する。同社がトランスファーの海外生産を行うのは今回が初めて。タイの生産拠点であるAisin AI (Thailand) の第2工場で中容量FRトランスファー 「TV2」 の生産を開始した。トランスファーはエンジンから出力され、トランスミッションを経た動力を前後輪に分配・伝達する装置。アイシンAIは今回トヨタ自動車から生産委託を受けて生産に乗り出すこととなった。タイ工場では 「Hilux Vigo」 向けの部品としてすでに手動変速機の生産を行っていた。(2011年7月15日付日刊自動車新聞より)

-2009年、タイの生産子会社Aisin AI (Thailand) Co., Ltd.が新工場を建設。

国内事業

MTと動力分配装置の国内累計生産台数、2,000万台を突破
-2011年、MTと動力分配装置の国内累計生産台数は2千万台を突破しており、トヨタ自動車を始めとする内外16社の自動車メーカーに供給している。同社は1991年7月、アイシン精機の城山工場(当時)がMT専門メーカーとして分離・独立したもの。(2011年7月1日付日刊自動車新聞より)

MT累計生産が1,500万台達成

-2010年7月に国内でのMT生産台数が累計1,500万台を達成。同社はトヨタなど国内11社、海外5社にMTを納入中。2010年度は約100万台の生産を見込んでいる。(2010年7月20日付プレスリリースより)

生産体制の強化
-2008年1月、愛知県幡豆郡吉良町に「吉良工場」が完成。

受賞

-2014年3月、 いすゞ自動車株式会社より「品質達成賞」を受賞(2014年03月28日付プレスリリースより)
-2014年3月、 トヨタ自動車東日本株式会社より「感謝状」を受賞(2014年03月20日付プレスリリースより)
-2014年3月、 日野自動車株式会社より「品質管理優秀賞」を受賞(2014年03月05日付プレスリリースより)
-2013年3月、 いすゞ自動車株式会社より「品質達成賞」を受賞(2013年03月28日付プレスリリースより)
-2011年7月、三菱自動車より「品質優秀賞」を受賞したと発表。(2011年7月5日付プレスリリースより)
-2011年3月、日野自動車から「品質管理優秀賞」を受賞。(2011年3月3日付プレスリリースより)
-2011年2月、トヨタから「技術開発賞」を受賞。「Lexus LFA」向けフロント減速機「FA1」と高容量FR6速トランスアクスル「SA6」を開発したことが評価されたもの。(2011年3月1日付プレスリリースより)

研究開発拠点

名称 所在地
テクニカルセンター 愛知県西尾市

製品開発

電気式四輪駆動(4WD)ユニット

-2016年1月21日、アイシン精機は同社を含むグループ3社とトヨタ自動車が電気式四輪駆動(4WD)ユニットを共同開発したと発表した。トヨタが2015年12月に発売した新型「プリウス」に採用された。競合製品に比べてユニットを小型化したほか、磁石レスとして磁力による引きずり損失を抑えた誘導モーターの採用などで高性能化も実現した。グループ3社ではアイシン精機が4WDユニットの設計を統括し、アイシン・エィ・ダブリュがモーターを、アイシン・エーアイがギアやデファレンシャルなどの設計を担当した。グループ各社が共同で新製品の開発に取り組むのは初めて。また、アイシンとして電気式4WDユニットを手がけるのも初になるという。(2016年1月22日付日刊自動車新聞より)

オートメーテッドマニュアルトランスミッション

-2011年人とくるまのテクノロジー展に、中容量FF6速オートメーテッドマニュアルトランスミッションを出展。クラッチペダルを踏むことなく変速ができる 「自動クラッチ」 システムとシフトを自動切り替えする 「オートシフト機構」 をMTに付加することで、従来ドライバーが行なっていたクラッチ操作やシフト操作を自動化。ドライバーは、車両速度やアクセル開度に対応し自動で変速を行なう自動変速モードと、シフトポジションを自由に選択できるマニュアルモードを選択できる。トヨタ 「Yaris」、スズキ 「Swift」 などに搭載。

FF用小中容量6速MT

-2009年5月、トヨタ自動車が欧州で生産するコンパクトFF車向けの新型6速手動変速機 (6MT) を受注、生産を開始したと発表。1.3-1.5リットル級に対応する小中容量ユニットで、従来の同等ユニットと比べてトルク容量を8%引き上げる半面、全長を11%短縮して搭載性を高めた。当面の月産計画は5千台。トヨタは 「Urban Cruiser」 (日本名 Ist)、「Corolla」、「Auris」 に搭載する。新型MTはCAE解析を活用してケース形状を最適化するとともに、シフトコントロールカバーを廃止した。同時にケースのデザインを従来の3分割から2分割に変更、軽量・コンパクト化につなげた。オイルセパレーターを装着して回転中のオイルかくはん抵抗を低減し、動力伝達効率を向上した。(2009年5月12日付日刊自動車新聞より)

中容量FF6速マニュアルトランスミッション(MT)

-2009年1月、トヨタ自動車と共同開発した新型の「中容量FF6速マニュアルトランスミッション (MT)」がトヨタ自動車の欧州向け新型 「Avensis」 に搭載されたと発表。新開発の6速MTは、「Avensis」 のガソリン車に搭載された。シフトコントロールカバーの廃止や2分割ケース (従来は3分割ケース) の採用により軽量・コンパクト化を図った。またオイルセパレータを装着し動力伝達効率を向上。高効率のシフトレイアウトによりシフト操作力を低減し軽快で滑らかなシフト感を実現したとしている。2008年8月末から吉良工場で生産開始。(2009年1月30日付日刊自動車新聞より)

国内投資

-2008年1月、愛知県幡豆郡吉良町に「吉良工場」が完成。同社はMTの受注拡大に対応するため、国内2番目の生産拠点として、前輪駆動(FF)車用MT専門の生産工場建設を進めていた。今回の投資額は約100億円。これにより、国内でのMT生産能力は現在の約160万基(トランスファー含む)から、2010年には約1.5倍に拡大する見込み。(2008年1月16日付プレスリリースより)

海外投資

<タイ>
-2008年、タイの生産子会社が新工場を建設し、トヨタ自動車のピックアップトラック「Hilux Vigo」向けのトランスファー (T/F)を生産すると発表。新工場は2009年5月の竣工を予定している。新工場を建設するのはAisin AI (Thailand) Co., Ltd. (チャチェンサオ県)。これまで、「Hilux Vigo」向けのマニュアルトランスミッション(MT)の生産を行ってきたが、このほどT/Fの新規受注を獲得したため、既存工場の隣接地に新工場を建設することにした。総投資額は約20億円。新工場の稼働に伴い、生産能力は現在の年間30万基から80万基規模にまで拡大する。(2008年5月23日付日刊自動車新聞より)