Plastic Omnium 2007年度の動向

ハイライト

業績
単位:
百万ユーロ
2007年度 2006年度 増減率 要因
全社売上高

2,685.1

2,325.6

15.5%

-

自動車部品部門売上高 2,249.5 2,005.5 12.2% (1)参照

(1) 自動車部品事業では、世界自動車市場をしのぐ勢いで販売好調が継続。同年度の売上高は前年比で12.2%増(05年度:16%増、06年度:15%増)。これは、外装品の開発、自動車生産量が急激に伸びる市場に立ち上げた工場の稼働開始などによるもの。売上増は、下半期に顕著であった。フランス工場は、ルノーとプジョーの新車立ち上がりが売上増に貢献。また米国工場ではBMWとGMから受注が急激に伸びた。ルノー・日産とGMは同事業部門の最大の顧客であり、それぞれ売上の20%を占める。以下、 PSA Peugeot Citroen (16%)、 Volkswagen (11%)、BMW (11%)が続く。

自動車部品事業の営業利益は、特にフランスにおける受注が低迷したことを背景に、上半期に7.4百万ユーロ減。下半期に営業利益は大幅に改善されたものの、上期の落ち込みをカバーするに至らなかった。通年での営業利益は対前年比で6.4百万ユーロの減少。同事業部門の売上構成比率は3.5% (06年度:4.2%)。

企業買収
-2007年1月、Cadence Innovation社のVernon工場(フランス・ノルマンディー)を買収。 同工場ではCitroen C2・C3、Peugeot 1007、Renault Twingoなどの車種向けにバンパーを製造する。中期的に相当量の生産注文を確約する PSA Peugeot Citroënの支援を受けたこの買収により、同社はフランスにおけるポジションを強化することができた。また、この買収による2007年の売上げ増は26百万ユーロ。
-2007年7月、従来は少数株主持分(16%)であったInoplast社を買い取り、完全子会社化した。同社は、熱硬化性複合材料を使ったハッチバックの欧州有数メーカー。

新会社
-中国では、2007年度に Plastic Omnium Auto Exteriorsが49.95%の株式を所有するYanfeng Plastic Omnium Automotive Exterior Systems Co., Ltd. (YFPO)を設立。外装品を製造するこの会社ではAnting工場とChongqing工場を2007年度上半期の後半より生産体制が整い、自動車メーカーへの供給を開始。従業員総数500名。YFPOの立ち上げ後、Inoplastが2006年4月に買収したXieNO社への60%出資を実施。同工場は、主にFAWとChina National Heavy Trucks社に製品を製造供給している。
-インドのVarroc社との合弁Plastic Omnium Varrodが2007年10月に設立された。同社では外装品をインドの国内外の自動車メーカー向けに製造供給される。また、同社では12月に燃料システムの生産工場建設を開始。竣工は2009年が予定されており、トヨタ向けの製品を生産する。

リストラクチュアリング
-燃料システムを行う日本の追浜工場閉鎖。また、Blenheim工場(カナダ)を2008年に閉鎖することを発表。

展望
同社によれば、自動車部品事業の2008年度も引き続き市場を上回る業績を期待。同社にとっての2大生産拠点であると同時に販売拠点である西欧と北米の事業が07年度並みに推移するものとしている。

自動車生産が急激に増加する市場での事業展開を継続:
(1)ロシアの工場を立ち上げ、Renault Loganへの部品供給を開始。
(2)中国工場の生産を開始。同社にとって中国初となる燃料システムとフロントエンドモジュールの生産工場。
(3)インドでは外装品と燃料システムの生産工場を建設。生産開始予定は2009年度。

以上の工場が立ち上がることにより同社が保有する69か所の自動車部品製造拠点が拡充されることとなる。また、同社の西欧外で展開される生産工場の数は全工場の半数以上に及ぶ。

開発動向

研究開発費用
-2007年度の研究開発費用は127.9百万ユーロで連結売上の4.8%に相当。(2006年度:105百万ユーロ)

研究開発体制

-自動車メーカーの各本拠地近郊に27か所のR&Dセンターを保有。世界各国で1,190名のエンジニアと技術者が研究開発に従事。
-同じく2007年末の取得特許件数は635件。うち47件を2007年度に取得。

2007年度の研究開発のハイライト
-自動車部品部門が重点的に取り組む研究開発;CO2と微粒子の排出量削減、車体構成部品の軽量化、より機能的なモジュールの開発、歩行者安全性向上など。これらの目標を達成する目的で、同社は部品構成、注入技術と塗装技術、材料配合などの分野における特殊技術を強化する。

設備投資

設備投資費用
単位:百万ユーロ 2007年度 2006年度 2005年度
グループ合計 120 94 117
海外投資
-Inergy Automotive Systemsが武漢n市(中国湖北省)に工場を建設中。2008年の稼働を予定するこの工場では日産とGM向けに燃料システムを製造する予定。また、HBPOでは同じく2008年度に福州工場にてクライスラー向けのフロントエンドモジュールを製造する予定。同社が中国での事業展開を始めたのは2006年度であるが、2012年度までには売上を概ね200百万ユーロまで達成できるとしている。
-アルゼンチンではPilar工場で新型外装品の生産が2006年度からスタート。