J. Eberspaecher 2007年度の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ) 2007年度 2006年度 増減率
(%)
要因
売上高 2,250.4 2,023.3 11.2 -
税引前利益 63.1 29.7 112.5
部門別売上
エキゾーストテクノロジー部門 1,914 1,695.5 12.9 下記要因(1)参照
車両用ヒーター部門 336.6 327.8 2.7 下記要因(2)参照

要因
(1)
-エキゾーストテクノロジー部門の売上高は、前年比13%増の1,914百万ユーロを記録。 地域別では、ドイツの生産拠点に加え、南アフリカおよび米国の生産拠点が売上増に大きく寄与した。 2007年8月1日、Unnaに本拠を置く Eberspaecher Unna GmbH & Co. KG (旧:PUREM Abgassysteme GmbH & Co. KG)を買収したことが売上増の主な要因。

-純売上高は大幅に増加し、対前年比15%増となった。これは製品構成の変更によるもの。 主要顧客で生産が中止された車型の売上減少分の一部を、 主要新製品の発売によって補完することができた。 さらに、2007年度は主要製品シリーズの量産が通年にわたって行われた最初の年度となり、 商用車分野でも売上増を記録。 この増加は、ドイツ国内外の好調な経済環境(販売数量効果)と、 EURO 4およびEURO 5に適合する排ガスの後処理システムの量産が開始されたことによる。

-今後多数の新車種の量産が開始されるため、十分な受注が見込まれ、 今後数年間にわたる市場見通しは、継続受注と新規受注増加により、非常に良好。 2007年度以降も売上増が見込まれる。

(2)
-車両用ヒーター部門の売上高は前年度比3%増加し、336.6百万ユーロを計上。 しかし、国内のOEM車両事業および販売事業は売上はわずかに減少。 国内の販売事業は新車登録台数の減少の影響を受けたが、 特殊車両や船舶分野などの他の市場セグメントによって相殺。

-欧州およびアジアでは、主要乗用車メーカーへの納入において地位を強化し、 特に国外販売および商用車事業は好調に推移した。 国外向け販売事業では、 東欧市場およびアジア市場において非常に好調な伸びを示した。 商用車事業では、欧州における非常に安定した経済状態の恩恵を享受。その一方で、北米の販売状況は大幅に低迷。これは2007年度排出ガス規制(EPA07)の施行に伴う消費者の買い控えが要因。 排ガス規制によって複雑な技術が導入された結果、低排ガス車の価格が大幅に上昇したが、 近い将来、北米の需要が再び緩やかに回復することを見込む。また同社は、長期契約を締結すると同時に新規受注を獲得することによって乗用車事業並びに商用車事業において地位を強化・拡大した。


企業買収
-2007年11月、The Eberspaecher Groupは、ドイツ・Unnaに本拠をおくPurem GmbH & Co. KGを買収した。Puremはダイムラーの完全子会社で、中・大型トラック向けに排気後処理システム、エキゾーストシステム一式を供給している。従業員数は135名で、年商は1億ドル(2006年実績)。取引額については非公開。Eberspaecherの商用車部門では、今後、Puremで統括部長を務めたBernd Hofmann氏の指揮のもと、中・大型トラック、建設機器、商用車向けの先進的なエキゾーストシステム開発に注力する。Hofmann氏は、また、同社子会社として継続される旧Purem事業部門の統括部長も兼任する。(2007年11月19日付プレスリリースより)

-2008年1月1日、Herxheinに本拠を置くcatem Holding GmbH & Co. KGへの出資比率を50%から100%に引き上げた。 これにより、合弁事業であったcatem Groupを完全に同社グループに統合した。catem GmbH & Co. KGは、電気補助ヒーターの世界的市場リーダーであり、このヒーターは毎年数百万台ものディーゼル乗用車に搭載され、ガソリン車やハイブリッド車への搭載数も増加している。 同社は、子会社のcatem DEVELEC GmbH & CO. KGを活用し、パワーエレクトロニクスが重要な役割を担う将来の市場に対する責務を大幅に強化し、同社の事業をグループ内の他の関連事業にリンクさせ、拡大する。

開発動向

(単位:百万ユーロ) 2007年度 2006年度 2005年度
研究開発費 70.2 63.5 66.4
売上に占める割合(%) 3.1% 3.1% 4.1%


R&D組織
R&Dセンター: Esslingen及びDetroit
R&Dオフィス: フランス、イタリア、英国、ブラジル


部門別の開発活動
エキゾーストテクノロジー部門
-エキゾーストテクノロジー部門では、尿素処理を向上させる新ミキサーの研究・開発に注力。 この他のプロジェクトとして、将来乗用車セグメント並びに商用セグメントに適用される排気ガス基準EPA10およびEURO 6に備え、統合DPF(ディーゼル微粒子フィルター)/SCR(選択的触媒還元)システムを開発中。また、これ以外にもActiveSilenceシステムおよび燃料処理装置の改良に取り組む。 Eberspaecher Unna GmbH & Co. KGの買収により、尿素SCR触媒コンバーターから、サーマルマネージメント、吸音に至るまで排気ガス後処理製品の全領域を網羅する地位を確立した。

車両ヒーター部門
-パーキングヒーターシステムでは、高級車メーカー向けの新開発5kWウォーターヒーターが量産に移行した。 Hydronic IIファミリー製品は特に高級車OEMから要求されていた始動時間の短縮(25秒未満)を達成し、柔軟な燃料系統の要求事項を満たす。 この製品は加熱エバポレーターを利用したバーナ概念によって実現した。 自動車メーカーからのシステム要求事項は増加の一途をだどっており、その1つとして、車両全体の電子アーキテクチャーへのパーキングヒーターシステムの統合が挙げられる。 これに関しては、制御装置のサプライヤーを全体のプロジェクト構造に組み入れ可能なことを証明した。

-また、車両ヒーター部門における現行の研究プロジェクトは主に同社開発部門の中核能力を基盤として行われており、このような研究プロジェクトには、出力が0.8~40kWの小型バーナー用燃焼プロセスの開発がある。 この領域においては、同社と研究所および研究施設が緊密に連携することで、大きな成果につながることが証明された。 成功事例として、燃料電池(APU)用の改質器および残留ガスバーナの開発のみならず、住宅用途向け「世界最小のオイルヒーター」用燃焼プロセスの開発が挙げられる。

設備投資

(単位:百万ユーロ) 2007年度 2006年度 2005年度
設備投資額 47.3 58.5 61.3
減価償却費 47.2 41.5 39.7