Hella KGaA Hueck & Co. 2011年5月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2011年5月期 2010年5月期  増減率(%)
売上高 4,371 3,550 23.1
売上総利益 164 81 102.5

海外投資

<日本>
-日系自動車メーカーの新規開拓を目指し省燃費、予防安全技術の提案を活発化する。日米欧で規制強化が予定される二酸化炭素(CO2)排出規制への対応で日 系各社が求める技術をにらみながら、ハイブリッド車(HV)や内燃機関の効率を高める次世代機構を順次投入する。合わせて小型で検知能力に優れる新型ステ アリング角度センサーや時速15キロメートル程度の低速域での障害物検知を実現したレーダーシステムによって高度化の進む運転支援のニーズを吸収する。こ れらの受注を獲得し日系向けのグローバル売上高を2015年に現在の2倍に引き上げる計画。(2011年6月22日付日刊自動車新聞より)

<韓国>
-Mando-Hella Electronics(MHE)は、韓国の松島(Songdo)工場で竣工式を行った。この工場では万都(韓国)のブレーキ、ステアリング、サスペン ション向けECUと各種センサーを生産する。生産能力は年間でECU300万個、センサー200万個。また、運転者支援システムや自動駐車システムなどの 中核部品である超音波センサー、レーダー、カメラも製造する。 MHEは2008年11月、万都とHellaの合弁によって設立された。2010年3月よりABS用ECU「MGH60」の量産を開始し、現代・起亜自動 車向けに供給している。(2010年6月30日付プレスリリースより)

<米国>
-車載エレクトロニクスの需要増に対応するため、米国でエンジニアなどを増員する。ミシガン州Plymouth、イリノイ州Floraの両拠点が対象。まず は2010年第3四半期末までに20人以上を雇用し、同年末までにさらに増員する計画。HellaはNAFTA地域における同社の車載エレクトロニクス事 業について、年率20%を上回る成長を見込んでいる。製品では24GHzレーダーセンサーを用いた車間距離維持支援システム、車線変更支援システム、死角 検知システム、後側方車両検知システムなどの売上が拡大するとみている。(2010年6月23日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2011年5月期 2010年5月期 2009年5月期
照明 128 111 120
電子機器 204 171

169

アフターマーケット等 14 14 16
合計 346 263 305
売上高に占める割合 7.9% 8.3% 9.3%
スタッフ数 3,882 3,517 3,262

製品開発

次世代電源制御装置
-ガソリン車、ディーゼル車の燃費改善支援を狙い48~60ボルト系と12ボルト系の2系統を備える次世代電源制御装置の開発に着手した。48~60ボルト の高電圧で発電、蓄電することを基本としたシステムで、これにより電動パワーステアリング(EPS)、電動ポンプといった大電流の必要なユニットの小型軽 量化につなげる。合わせて電圧を12ボルトに落とす電圧変換装置(コンバーター)を活用し、大電流の不要な部位ではコストの優位な既存の電装部品を搭載し やすくする。燃費規制対応に取り組む自動車メーカーのニーズの吸収に向けて、2015年の実用化を目指す。同社は48~60ボルト系の電源をメーンとし、 必要に応じて12ボルトの電源を供給可能にする新しい電源システムによって、コストアップを抑えながら大電流の必要なユニットの小型軽量化につなげていく 考えだ。すでに100~300ボルトの高圧なバッテリーを搭載するハイブリッド車では、電圧を60ボルト以下に変換しEPSなどに供給することが可能と なっている。新システムを活用するとハイブリッド車の最新の電動ユニットをガソリン車などで使用しやすくなる。大電流の必要なユニットの搭載が増えるほど 高電圧のメリットが大きくなる。(2011年6月8日付日刊自動車新聞より)

電動バキュームポンプ
-電動式バキュームポンプの新製品「UP30」を開発した。Hellaの電動バキュームポンプは、車両の用途に応じてフルタイムあるいは定時的に負圧供給を 行う。また、従来の機械式バキュームポンプに比べ、CO2を最大4g/km削減する効果を持つ。このポンプは、欧州ではVolkswagen 「Touareg Hybrid」、日本ではスズキ 「Swift Range Extender」、富士重工「Subaru Plug-in Stella」に搭載。なお、同社はバキュームポンプをドイツ、ルーマニア、米国、メキシコ、中国で生産している。(2011年2月4日付プレスリリース より)

ボルトスタビライザー DC/DCコンバーター
-ボルトスタビライザーとDC/DCコンバーターの新製品を開発した。2002年以来、同社は両製品を9百万個以上生産している。また、2007年には BMWやVolkswagen向けとして、200Wのボルトスタビライザーを発表している。(2010年11月15日付プレスリリースより)

電子制御式ウエストゲートアクチュエータ
-電子制御式ウエストゲートアクチュエータの新製品を開発。ガソリン直噴エンジン向けで、ターボチャージャー制御の精密性を向上させる。同社は、このアクチュエータが遅くとも2015年モデルの米国仕様車に採用されるものと見ている。(2010年11月1日付プレスリリースより)

車載リアビューカメラ
-韓国のSamsung Electro-Mechanics Co., Ltd. (SEMCO)は共同で、小型・軽量タイプの車載リアビューカメラを開発した。SEMCOはカメラモジュールなど光学部品の開発・生産を行っている。今回 開発したカメラ「RVC3」は、乗用車やトラックを問わず全車種に対応。車両後方の状況を、水平方向130度の視野角でカバーすることが可能という。 2011年までに「RVC3」の生産に着手したい考え。(2010年7月12日付プレスリリースより)