Mando Corporation[(株) 万都] 2019年12月期の動向

業績 (連結)

(単位:百万ウォン)
2019年12月期 2018年12月期 増減率 (%) 備考
売上高 5,981,877 5,664,833 5.6 -
営業利益 834,120 197,411 15.2 -
当期純利益 218,566 141,417 10.7 -

 

事業再編

-2019年からビジネスユニット (BU) 制を導入し、ブレーキ、ステアリング、サスペンション、ADAS (先進運転支援システム) の4つのBUの運営を開始した。特に、自動運転技術の中核となるADASに注力し、グローバル競争力を高めていく考え。同社のADAS部門の売上高は2016年に2,873億ウォンだったが、2018年には4,944億ウォン規模に増加したものと見られる。現在は供給先が現代起亜自動車に集中しているが、今後はその他のグローバルメーカーに拡大することを目指している。(2019年1月14日付各種リリースより)

 

事業動向

-同社は、韓国の水素融合アライアンス推進団との間で、水素ステーションの情報を提供するアプリの開発および運用における相互協力のための業務協定を締結した。現在の韓国では、水素ステーションはホームページ上で位置や基本情報のみが確認できるに留まっており、ユーザーおよび水素ステーションの運用者を中心として、SNSで関連情報を共有している。両者が開発するアプリは、Androidをはじめとして各OS向けに順次発表される予定で、無料で利用できる。万都は「水素燃料電池車向けサービスプラットフォームを通じて、車両の普及と水素経済の活性化に寄与していく」と説明した。(2019年10月22日付各種リリースより)

 

受注

-米国の電気自動車 (EV) メーカーCanooに完全電子制御式ステアリングシステムを供給する契約を締結した。2021年から5~6年間にわたって50万台分を納入し、受注額は数千億ウォン (数百万円) に達する。万都の製品はCanooが米国および中国向けに発売する7人乗り小型EVバスを皮切りに複数車種に採用される予定。(2019年10月21日付各種リリースより)

-マヒンドラとの間でADAS製品の供給契約を締結したと発表した。今回万都が受注した製品は緊急時に車両を制御する自動緊急ブレーキ (AEB)のフロントレーダーとフロントカメラで、インドの不均一な道路状況を考慮して、同社が蓄積した技術とノウハウを活用して開発を行う。インドの研究開発センターを通じて収集されたビッグデータを使用することにより、特に大型動物を検出できる特別仕様の製品開発に取り組むという。(2019年4月16日付プレスリリースより)

-2019年1月、江原道の原州 (Wonju) ステアリング事業本部において「Ford C519 Flawless Launching」の記念式を行った。同社はFord「Focus」(コードネームC519) 向けにステアリングギアやインターメディエイトシャフトなどを納品している。このFocus向け製品は2018年5月から原州、同年9月からポーランドおよび中国で量産に入っており、現在まで約250日以上欠陥なく製造を続けている。なお、同社の原州工場ではステアリングギア、ステアリングコラム、インターメディアシャフト、C-EPS、R-EPSなどを生産しており、現代・起亜に加えてFord、GM、Fiat、日産などにステアリング関連製品を供給している。(2019年1月21日付プレスリリースより)

 

受賞

-2019年8月9日にイタリアのローマで開催されたTata Motorsの「Annual Suppler Conference 2019」において「品質大賞(Quality Excellence Award)」を受賞した。キャリパーとマスターブースターなどブレーキシステムの不具合ゼロ実現、開発期間を短縮しつつ量産に成功した電子制御式ステアリング (EPS) などが評価されたもの。また万都は、2019年6月にドイツのベルリンで開かれたMahindra & Mahindraのサプライヤーイベントにおいても、ステアリング部門で「最高サプライヤー賞」および「最高開発メーカー賞」を受賞している。なお、万都のインド法人は、TataやMahindraに加えて現代・起亜やFordにもシャーシ製品や先進運転支援システム(ADAS) などの製品を供給している。(2019年8月21日付各種リリースより)

 

研究開発体制

<韓国>
-京畿道 城南 (Sungnam) 市 (Mando Global R&D Center)

  • 2019年9月24日、京畿道の板橋グローバルR&Dセンター内に新事業担当組織「WGキャンパス」を開設した。この組織はF3 (Future, Frontier & Freedom) ラボ、電気自動車(EV) ラボ、ニュービジネス (New Business) チームで構成され、EV・自動運転車・コネクテッドカーなど次世代自動車向け技術の競争力を確保するために注力する。(2019年9月26日各種リリースより)

 
<海外R&Dセンター>
-米国 ミシガン州デトロイト
-米国 シリコンバリー (Mando Innovations Silicon Valley)
-中国 北京
-インド ハリアナ州
-ドイツ フランクフルト

  • ドイツのフランクフルトに欧州R&Dセンターを開設した。万都は2010年からフランクフルトで欧州研究所を運営してきたが、今回建物を新築して拠点を拡張した。当センターには研究者120人余りが在籍し、自動運転車、電気自動車など次世代車向け関連技術を研究・開発していく計画。(2019年9月19日付各種リリースより)

 
<冬季テストセンター>
-米国 ミシガン州スーセントマリー
-中国 黒龍江省黒河 (Heihe)
-スウェーデン アリエプローグ
-ニュージーランド ワナカ
 

研究開発費

(単位:百万ウォン)
2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
金額 360,880 315,021 302,256
対売上高比率 (%) 6.03 5.56 5.32

 

研究開発活動

-2019年1月、韓国の板橋グローバルR&Dセンター周辺において、自動運転レベル4 (高度運転自動化) の実証試験を行った。今回の試験において同社の自動運転車「Hockey」は、R&Dセンター周辺の公道2.7kmを約15分間走行し、混雑した都心の道路でも安全走行が可能な技術を披露。同社は「2021年までにAI技術を補強し、韓国内外のパートナーと協力して商用化レベルを達成する計画」と説明した。(2019年2月1日付プレスリリースより)