Ficosa International, S.A. / Headquarters 2019年12月期の動向

受注

-パナソニックオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 (パナソニックAIS社) は25日、Ficosaとの協業開発による新製品「ETC2.0車載器内蔵インナーミラー」 (ETCミラー) が、BMWの日本市場向け新型「X5」の標準装着品として採用されたと発表した。この製品は、電子インナーミラー、テレマティクス・コントロール・ユニットに次ぐ協業開発の新製品で、Ficosaが持つミラー技術と、パナソニックのETC無線通信技術を融合させて開発した。(2019年3月26日付日刊自動車新聞より)

-主要OEMメーカーから既に取得した受注をもとに、2028年までに800万台以上のパーキングカメラを生産する予定であることを発表した。2014年に後方視界に関するソリューションを開発し始めてから、世界で300万台のリアビューカメラを生産した。リアビューカメラは先進運転支援システム(ADAS)の一種であり、ドライバーが車を始動させた際に後方のカメラも作動して後方の画像がセンターモニターに映し出されることから、車を駐車させる際の補助機能となるという。(2019年5月30日付プレスリリースより)

 

研究開発活動

-SEATは、Mobile World Capital Barcelona、Ficosa、ETRAおよびi2CATとコネクテッドカーのパイロットプロジェクトを実施するための共同契約を締結したと発表した。このプロジェクトは、Barcelonaを欧州の5Gハブのベンチマークとして統合することを目的とした5G Barcelonaコンソーシアムの範囲内にあり、UPCやCTTCなど他の5G Barcelonaメンバーとの協業も含まれる。SEATとTelefonicaが主導する今回のパイロットプロジェクトは、自動運転の実現に向けた協調の第一歩で、低レイテンシ、エッジコンピューティング(IoTデバイスのトラフィック簡素化、リアルタイムのローカルデータ分析を可能にする技術)などの5G技術機能が自動車、インフラおよび他の走行中の車両間の通信を容易にするとしている。(2019年1月28日付プレスリリースより)

-セルラー技術 (C-V2X) を搭載した「CarCom」プラットフォームで、グローバルメーカーでは欧州初となる欧州無線機器指令 (European Radio Equipment Directive : RED) の認定を受けたと発表した。このプラットフォームはQualcommの最新技術を統合しており、Dekraの研究機関と共に認定を受けた。DSRCやセルラー技術 (C-V2X) などの現在使用できる技術を活用して、自動車とインフラ間や自動車同士間の接続などのコネクテッドカー向けのソリューションを発展させてきた。「CarCom」プラットフォームでは、モジュラー接続とデュアルモード接続の2種類の接続オプションが使用可能だ。今回のREDの認定を受けて、都市部での協調型高度道路交通システム(C-ITS) における自動車部品の主要サプライヤーの1つになったとしている。(2019年6月17日付プレスリリースより)

-製品に対する攻撃に対して適切なレベルのセキュリティを定義し実装することを目的とするプロジェクト「SECREDAS」への参加を発表した。「SECREDAS」は2018年5月から、2021年4月までの3年間にわたるプロジェクト。同社は、ハードウェアとソフトウェアの両方で最高セキュリティレベルの最先端技術を持つ車載ユニット「ITS-G5 V2X」を提供し、その結果と得られたノウハウをテレマティクスユニットのポートフォリオに反映させる。また、ドライバーの眠気とストレスに関する情報を提供するため、呼吸情報を分析するドライバー監視システムも開発する予定。(2019年5月17日付プレスリリースより)

 

製品開発

テレマティクスプラットフォーム「Bitax」
ーFicosa は、Wi-Fi技術(DSRC)とセルラー技術(C-V2X)の統合を可能にするテレマティクスプラットフォーム「Bitax」を発表した。このハイブリッドソリューションは、同じハードウェアプラットフォームを使用して両方のタイプの通信を可能にするという。同社はまた、さまざまなコネクティビティソリューションをモジュール方式で統合できるプラットフォーム「CarCom」も提供する。MWC 2019 (Mobile World Congress 2019)では、5Gコネクテッドカーのパイロットプログラムの枠組みの下、パートナーのTelefonica、SEAT、 Mobile World Capital、 ETRA、 i2CatとともにC-V2X技術を備えた5Gコネクテッドカーの3件のユースケースを出展した。(2019年2月28日付プレスリリースより)

「StreetSmart Door」コンセプトモデル
-AGCグループ傘下のAGC Automotive Europeは、International Automotive Components Group (IAC)と共同開発の「StreetSmart Door」コンセプトモデルを、Ficosaと共同でCES 2019に出展すると発表した。「StreetSmart Door」はドアパネルに一体化されたガラス面、デジタルサイドカメラモニタリングシステム(CMS)のディスプレイ、照明制御機能などが特徴で、将来のマルチメディアアプリケーション用に個人、自動運転、ライドシェアなどあらゆる運転モードをサポートする。業界初の透明なオーディオガラススピーカーは、従来の自動車用スピーカーシステムと比較して製造の複雑さを軽減し、重量を50%削減しながら独自の音響体験を提供するという。(2019年1月4日付プレスリリースより)

 

投資

-ビジョンシステム、コネクティビティ、安全性およびeモビリティシステム強化のため、今後4年間で500百万ユーロの投資を行うと発表した。従来のアウトサイドミラーに代わり、カメラとスクリーンで構成されるデジタルリアビューシステムを開発、製造し、アウディ「eトロン(e-Tron)」に初採用された。また、2018年後半には電動モビリティ技術を開発する「e-Mobility Hub」をスペインに新設している。(2019年3月15日付プレスリリースより)