自動運転車(AV)エコシステムの分析
自動運転車テクノロジーの構成要素
2019/04/22
- 要約
- はじめに
- VSIの自動運転車(AV)エコシステムマップとは
- AV車両開発(Functioning AV Builds) - OEM
- AV車両開発(Functioning AV Builds) - モビリティ
- AVスタック(AV Stacks)
- センシング(Sensing)
- プロセシング(Processing)
- データ/コネクティビティ(Data/Connectivity)
- マッピング(Mapping)
- ソフトウェア/アルゴリズム(Software/Algorithm)
- 安全性/セキュリティ(Safety/Security)
- 開発ツール(Development Tools)
- おわりに・VSI Labsについて
要約
本レポートについて
本レポートは、MarkLinesのポータルユーザー向けにVSI Labs(VSI)によって作成された。VSIは、アクティブ・セーフティと自動運転を支えるテクノロジーを対象に、深い洞察と分析を行い業界に発信するテクノロジー調査会社である。
目次
はじめに
VSIの自動運転車(AV)エコシステムマップとは
AVテクノロジーの最新の展望
- AV車両開発(Functioning AV Builds) - OEM
- AV車両開発(Functioning AV Builds) - モビリティ
- AVスタック(AV Stacks)
- センシング(Sensing)
- プロセシング(Processing)
- データ/コネクティビティ(Data/Connectivity)
- マッピング(Mapping)
- ソフトウェア/アルゴリズム(Software/Algorithm)
- 安全性/セキュリティ(Safety/Security)
- 開発ツール(Development Tools)
おわりに
VSI Labsについて
VSI Labs レポート:
CES 2019: 自動運転車両の業界動向 (2019年2月)
はじめに
自動運転車(ここでは「自動運転車」をAVと表記)のシステムは、この分野で競い合う全ての者にとって複雑な挑戦である。OEMや従来型の自動車部品サプライヤーは、自分たちの戦略的地位を強化するため、積極的に他社との提携、投資、買収を展開している。大手ハイテク企業も、プラットフォーム戦略の完成を急ぎ、またベンチャーファンドを活用した積極的な投資を進めている。
従来型の自動車メーカーやハイテク企業の他にも、文字どおり何百という企業がAVエコシステムの一角を占めようと躍起になっている。それらの企業の多くは新たな投資ラウンドを活用するスタートアップ企業で、センサー、ローカライゼーション(位置特定)、シミュレーション、またはマッピングの分野で、画期的なテクノロジーの探求に取り組んでいる。多くは、ジオサイエンス、ロボティクス、人工知能など隣接する分野からの参入企業であり、航空宇宙、防衛、鉱業、物流といった関連産業からの参入も多い。
本レポートでは、VSIが作成したAVエコシステムを構成する主要企業を視覚化したインフォグラフィックを基に、AVエコシステムを構成する各ドメイン(事業領域)の解説と、現在のAV市場の動向を分析する。
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AVシステムの開発、製造に利用される車載テクノロジー分野でのキープレイヤーを示すインフォグラフィック |
VSIの自動運転車(AV)エコシステムマップとは
AVエコシステムは、自動運転をサポートする製品や技術を提供する大小の企業群から成っており、その数は膨大なものである。このエコシステムは絶え間なく変化しており、新規企業の参入により拡張を続けるこの複雑なエコシステムを理解することは継続的なタスクと言える。 VSIが自動運転のエコシステムのマッピングを開始してから、5年近くになる。エコシステムマップを作成する際には、ある程度のカテゴリー分けや分類をするフレームワークが必要である。VSIのインフォグラフィックで記載されている各事業領域のカテゴリー分けは大まかなものだが、各領域下には各社が取り扱う製品に基づく多くのカテゴリーやサブカテゴリーが設けられている。 このインフォグラフィックの作成にあたって私たちは、市場で提供されている製品や各社の自動運転ビジネス戦略の調査・分析を行い、対象企業の選択を行っている。もしある会社が社外秘でAV技術開発を行っている場合には、何をしている会社で、資金はどこから得ているのかを確認できない限り当リストに載っていないかもしれない。さらに重要なポイントとして、このインフォグラフィックは車載テクノロジーに限っており、インフラストラクチャ、クラウド、またはエンタープライズ(企業内)分野のテクノロジーは、モビリティ関連エコシステムの重要な一部であったとしても含めていない。
AVテクノロジーの最新の展望
以下のセクションではインフォグラフィックに記載されている企業のカテゴリー分類を説明し、各カテゴリーの構造と、そこに含まれる製品の種類について考察を行う。
AV車両開発(Functioning AV Builds) - OEM
このカテゴリーは、AV機能を持つ完結した自動車プラットフォームを製造する企業群を示す。 この分野はさらに2つのサブカテゴリー:OEMとモビリティに分類される。
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L2 / L2+ 量産車を製造、あるいはL4搭載車を開発している自動車OEM |
OEMカテゴリーには、市販モデル向け、または将来的なロボタクシー/ MaaS(サービスとしてのモビリティ)車向けにAV技術を開発している従来型の自動車OEMが含まれる。これら企業の最終目的は、消費者、および/またはAVサービス事業者にAVを販売することである。
このカテゴリーの対象となるOEMは、量販レベル(通常L2またはL2+)の車両、および/またはL4+の「ロボタクシー」車両の開発に向けた自動運転機能を提供していると想定される。これらのOEMが自動運転に係わる活動を1つのグループに統合していることはまれで、通常は切り離された別の複数の事業ユニットとなっている。さらに、L4+の方向性は往々にして、タイムラインや市場導入戦略に大きな影響を持つモビリティ・モデルに基づくものとなる。
ここ数年の間に、多くのOEMが市販車にL2システムを搭載し始めた。一部のOEMはさらに高度な安全機能や先進的なL2 +システムを市販モデルに採用しており、L3機能を持つモデルを市場投入しているOEMもいくつかある。しかしながら、L3システムを展開するにあたっては、法規制やハンドオーバー(システム/ドライバー間の運転受け渡し)問題での多くの課題がある。結果として、L3機能の一部がドライバーの関与が常時必要となるL2の領域に取り込まれているケースもある。
AV車両開発(Functioning AV Builds) - モビリティ
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将来のモビリティ・サービスに向けた完全なAVの開発、実験に取り組んでいる企業 |
「モビリティ」のカテゴリーには、将来のモビリティ・サービスへ向けてのAV車両の開発そして実験を行っている企業が含まれる。これらの企業の多くは、市販の車両を改造し複数のサプライヤーから提供されたシステムと自社で蓄積した自動運転技術を組み合わせてAV車両の開発行っている。 これらの企業は、一般ユーザー、並びに輸送業界向けにAVモビリティサ-ビスを運営することを最終目標としている。
このカテゴリーに含まれる製品の多くは、ライドシェアリング・プラットフォーム、ロボタクシー、デリバリー車両、あるいは制限された地域内で操業するシャトル、といったオペレーション運営者向けのものである。大手の輸送事業者、および輸送サービス・プロバイダーの中には、資金の潤沢なスタートアップと並んで、このカテゴリーの一角を占めるものもある。
AVスタック(AV Stacks)
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AVのハードウェア/ソフトウェア・プラットフォームを提供する企業 |
「AVスタック(AV Stacks)」カテゴリーには、認識、意思決定、並びに制御といったタスクをこなすAVハードウェア、および/またはソフトウェア・プラットフォームを提供する企業が含まれる。これらの企業は、AV機能を支える複数のドメインをコントロールするAVプラットフォーム・テクノロジーの開発を行っている。
この分野で活動する企業のほとんどが、実験に使う研究用AVを自ら所有している。彼らの最終目標は、AV車両の開発を進めるOEM、及びモビリティ・サービス事業者にAVハードウェアおよび/またはソフトウェア・スタックを提供することである。
このカテゴリーに挙げられた企業の中には、ソフトウェア開発キット(SDK)と組み合わせたハードウェア・リファレンス・デザインを用意し、自動運転機能を構築するためのより包括的なパッケージを提供しているものもある。また、他社からAVハードウェアやコンポーネントの提供を受けて、自身はAVのソフトウェア・プラットフォームにより重点を置く会社もある。
この中の大多数の企業は、AVハードウェア、および/またはソフトウェア・スタックを商品化し、「OEM」、および「モビリティ」カテゴリーの企業に供給している。一方で、このカテゴリーのいくつかの企業は自社のソフトウェアをオープンソース化し、広く業界からの参加とコラボレーションを呼びかけ、知識の共有と自社オープンソースAVソフトウェア・リポジトリの拡充を図っている。さらにそれを、収集したデータの販売などの収益源として活かす企業もある。
Appleはこのカテゴリーにリストアップされているが、AppleのAVプログラムは極めて機密に進められており、AV分野で彼らが何を狙っているのかは不明である。同社は自社が保有するAV車両の走行試験を行っており、WaymoとGM-Cruiseに次いで、カリフォルニアで3番目に多いAV車両を保有している。Appleはおそらく発売の準備が整うまで情報を明らかにしないだろうが、VSIとしては、Appleは自らがAV車両製造メーカーになるのではなく、自身の持つAVスタックのテクノロジー・プロバイダーになるだろうと考えている。
センシング(Sensing)
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自動運転に対応するセンサーモジュール/コンポーネントを提供している企業 |
「センシング」カテゴリーは他のカテゴリーよりも企業数が多く、競争も激しい。センシングはAVスタックの大きな部分を占め、ここのコンポーネントはセンサー単体から完結したセンシング・モジュールまで全てのフォーマットが含まれている。
このインフォグラフィックでは見て取れないが、センシングカテゴリーは、さらに細かく、CMOS/CCD、レーダー、LiDAR、超音波、IR/NIR(または温度)、GPS/GNSS、および慣性計測ユニット(IMU)などのセンサータイプに分類される。
数ある機能の中で、センサーは車の周りの3D環境のみならず、そこに入った車両、歩行者、さらには動物といった他の対象物を検知するために使われる。たとえば、ビジョン・センサーは、対象物の分類やシーン・セグメンテーションには最適だが、レーダーは他の車両の(正確な動きの)追跡性能に最も優れている。
LiDARは、一般的にはベースマップ上でのローカライゼーション(位置特定)に最も利用されている。LiDARは高価なものがほとんどで量産車には適さないが、より低価格のLiDARデバイスを開発中の企業は70社以上にのぼる。LiDARは通常360度をスキャンするものだが、スタートアップの何社かは、メカニカルなデバイスよりもはるかに低価格を狙った固体センサーデバイスの開発に取り組んでいる。
GPSによる位置決めはAVには不可欠なものだが、それだけでは精度が十分でないため、多くのAVメーカーは地上トランスポンダを利用した高性能のGNSS受信機を使うことでGPS機能を向上させようとしている。
IMUセンサーは、検知された位置からの車両の動きを予測するといった、GPSなどのセンサーでは十分に対応できないケースで利用される。また、その他のAVに使用されるセンサーとして、ドライバー、および/あるいは乗員のモニターに使用される様々な車室内のセンサーが挙げられる。
プロセシング(Processing)
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プロセシング・ロジック、あるいはIPライセンスを提供する企業 |
「プロセシング」カテゴリーは、プロセシング・ロジック、またはライセンス取得済みIPを提供する企業群である。このドメインに含まれるプロセッサーのテクノロジーと種類としては、デジタル信号処理(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)、マイクロコントローラ、システム・オン・チップ(SoC)、およびビジョン・プロセッシング・ユニット(VPU)などが代表的なものである。
自動化との関連で見ると、これらのプロセシング技術は、画像認識、ローカライゼーション、制御信号、ニューラル・ネットワーク、コネクティビティ、セキュリティ、および安全性といった分野で使用されている。自動車業界に係わる大手半導体会社の大部分が、アクティブ・セーフティ、および自動運転制御の様々なドメインでのソリューション(すなわちノード)を提供している。チップそのものを供給しているシリコン・プロバイダーもあれば、カスタム・コンフィギュレーション用にライセンス取得も可能な指示書のセットを提供するプロバイダーもある。
プロセシングという観点からは、AVで要求されるものは、何百万ものピクセル(またはデータポイント)がリアルタイムで処理されるゲーム用コンピューターに近いものがある。したがって、プロセシングの方法として、複数のデータ流列を並列処理できる超並列(massively parallel)アーキテクチャが必要となることがしばしばである。
GPUは、この種のコンピューティング環境に対応する際によく用いられる選択肢である。これらのアーキテクチャは、AIベースのアルゴリズムの処理にも適している。
データ/コネクティビティ(Data/Connectivity)
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車載ネットワーク、あるいはワイヤレス・ネットワークでのデータ移動をサポートするハードウェア/ソフトウェアを提供している企業が含まれる |
「データ/コネクティビティ」カテゴリーには、車載ネットワークを利用した、または車外のワイヤレス・ネットワークを介したデータ移動をサポートするハードウェア、および/あるいはソフトウェア・ソリューションを提供する企業が含まれる。そのうちのいくつかは、必要に応じてデータ・トラフィックの処理、メッセージの圧縮/解凍または暗号化を行うコネクティビティ・モジュール(すなわちゲートウェイ)を作る「Tier 1」サプライヤーである。 ここには車両のネットワーク・アーキテクチャの一部となるネットワーク・インターフェイスやスイッチ類を作る企業も含まれる。
さらに、V2Xデバイスやテレマティクス・コントロール・ユニット(TCU)などの外部通信モジュールを製造する会社もこのカテゴリーに含まれる。 AVは将来他の車両やインフラストラクチャと交信することが必須となるため、これらの企業群はデータ・コネクティビティの集積において欠かすことのできないメンバーと言える。 さらに、AVは車載ソフトウェア類のアップデートを始めとする様々なアプリケーションのために、サービス・プロバイダーやデータセンターへのコネクティビティを維持することも必要である。
マッピング(Mapping)
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AVにデジタル形式のマップデータを供給する地図会社が含まれる |
自動運転車に用いられる地図データは、自動運転の性能と安全性確保にとって不可欠のものである。AV用の地図データは非常に詳細なもので、車線が見えないときや、悪天候等の外的要因で車線が覆われてしまっている場面でも、車両の走行を可能にする高精度車線モデルを備えている。さらに、AV用地図データは、車両の位置特定に必要な目印となる建物や、その他の構造物の情報を持っている。これらに加えて地図データには、制限速度、カーブ警告、車線閉鎖などのデータが収められている。
このカテゴリーには、AVにデジタル地図データを提供する地図会社が含まれる。これらの地図会社は、地図データを収集、処理、アップデートし、OEMや他のAV企業に供給する完結したマップ全体の提供をサービスとする会社もあれば、マッピングをサービスとして行う企業もある。
自動運転車にとってマップがその性能発揮と安全性確保に不可欠であることは明らかである。既存企業かスタートアップかを問わず、多くの企業にとって、デジタルマップ資産を活用した新しいサービスやビジネスモデルを展開するチャンスが見込まれる。
ソフトウェア/アルゴリズム(Software/Algorithm)
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ミドルウェア、ランタイム・ソフトウェア、アプリケーション・ソフトウェア、およびAIソフトウェアを提供している企業 |
「ソフトウェア/アルゴリズム」のカテゴリーは非常に広範で、ミドルウェア、ランタイム・ソフトウェア、アプリケーション・ソフトウェア、さらにAIソフトウェアを提供している企業に及ぶ。これらの製品は自動運転制御のための様々な機能要素として活用されている。例えば、知覚ドメインは、特徴の検知、および分類を行うソフトウェアを含んでおり、一方でローカライゼーション・ドメインには、相対位置をピンポイントで特定するためのソフトウェアがある。
多くのアルゴリズムが、特徴検知や対象物の分類などの知覚機能に適用されており、また走行進路プランニングや周囲のモノや人の動きなど、予測アプリケーションに使われるアルゴリズムもある。
ソフトウェア開発ツールはソフトウェアのカテゴリーではないが、「開発ツール・ドメイン」に含まれている。ソフトウェア開発ツールの会社が提供するものは一般にソフトウェア開発キット(SDK)と呼ばれ、そこでは開発者が自らアプリケーションを作る責任を持つ。リアルタイム・オペレーティングシステムや関連するランタイム・コンポーネントなど、ハードウェアの集積体の奥深くに内蔵されたソフトウェアは、通常プロセッサー・アーキテクチャに合わせた形で開発される。
安全性/セキュリティ(Safety/Security)
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自動車に係わる機能の安全性とサイバーセキュリティに関連する製品やサービスを提供する企業 |
このカテゴリーには、自動車の機能安全とサイバーセキュリティに関連する製品および/あるいはサービスを提供する会社が含まれる。機能安全性、ISO26262は、アクティブ・セーフティと、さらに自動運転においては特にその中核要素となっている。これは、ASIL A、B、C、Dなどの自動車安全性レベル(Automotive Safety Integrity Level, ASIL)によってさらに明確に定義されている。ここに含まれる企業の多くが設計、提供するコンポーネント(ハードウェアまたはソフトウェア)は、誤動作を最小限に抑え、異常動作を検知し、さらには安全機能の限界を知らせるもので、安全性基準の評価を得ている。多くの場合これらのテクノロジーは、ソフトウェア・スタック(リアルタイム・オペレーティングシステムなど)内のランタイム・コンポーネントに適用されている。
サイバーセキュリティの分野では、自動車向けのサイバーセキュリティに係わる企業が増加している。サイバーセキュリティ製品は、ハードウェア/ソフトウェア両方、あるいはそのいずれかのこともある。プロセシング・ロジックのサプライヤーはほとんどがこれをプロセッサに組み込んでいるが、パートナー企業から提供を受けるゲートウェイ・セキュリティやモデム・セキュリティもある。L4/L5の自動運転の場合には、クラウド内にもセキュリティ機能を持たせることが求められる。
開発ツール(Development Tools)
「開発ツール」カテゴリーには、アルゴリズム、コード生成、開発環境、ネットワーク分析、データ・アノテーションとバリデーション、およびデバッグ/コンパイルのためのソフトウェア開発ツールを提供する企業が含まれる。さらに、シミュレーション、モデリング、プロトタイプ作成、記録(recording)/検証(examination)、バリデーション/ベリフィケーションのためのツールを提供する企業もある。
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AVシステムを作成、開発するための開発ツールを提供している企業 |
高度なAVシステムを設計するためには開発ツールが不可欠となる。開発サイクルでは早い段階でまずモデリングが行われ、続いて場面設定、路上の人やモノ、センサー、および物理的現象をモデル化した仮想環境の中で様々な段階でのパフォーマンスのテストが行われる。シミュレーションの中には、個々のコンポーネントをテストする機能を提供するものもあれば、アルゴリズムのパフォーマンスをテストするために使われるものもある。
ランタイム・コンポーネント開発のためのツールも多くある。これらはしばしばコード・チェッカーと呼ばれ、コードベース内のエラーや異常を探し出し、対象となるハードウェア・スタックに合わせてコードベースを最適化する。
一方、データ・アノテーション(データの注釈)とバリデーションを行う企業は、ここ数年間にAVエコシステム、およびバリューチェーンにおいてその存在感を高めてきた。データ・アノテーションとバリデーションは、自動運転車の開発全体を通して極めて重要なプロセスとなっている。それらは、AVに搭載されたセンサー類(すなわちカメラ、レーダー、LiDAR)が生み出す膨大な量のデータを意味あるものにし、またドライバーが毎日のように遭遇する無数の異なるシナリオを正しく認識し、それらに対処するようアルゴリズムに学習させる、といった役割を持つ。アノテーションが付加されたデータは、AVに知性を与えるものと言える。データ・アノテーションを専門とするこれらの企業は、規模に対応してラベル付けされた高品質のデータを提供することで、AV/ADASテクノロジーの開発をスピードアップさせる。
おわりに・VSI Labsについて
総体として見ると、AVテクノロジーは何兆ドルにも値する規模のものである。テクノロジー、テレコミュニケーション、データセンター、IoT、輸送、および商業といった分野からのあらゆる企業が、将来の自動運転テクノロジーの一部分と、その背後にあるモビリティのトレンドを捉えようとしている。したがって、AVエコシステムを理解することは、すでに参画しているか、あるいはこれからAV市場に参入しようとしている企業や組織全てにとって重要な意味を持つ。
急激な変化と成長を続けるこの市場を理解するために、VSIはデジタル版のAVエコシステム・インフォグラフィックを当社のポータルサービスを通して提供している。デジタル版には刻々と変化するAV業界の状況がダイナミックに反映されている。VSIはまた、今後AVエコシステム分析ツールをさらに強化するために、より詳細なレベルでのエコシステム分析を可能にするサブカテゴリーのインフォグラフィックの提供を予定している。新しい分析ツールは、今年内に当社のポータルサービスの一部として提供する予定。お問い合わせ頂ければ、VSIのポータルサービスの詳細についてご説明いたします。
VSI Labsについて:
2014年に設立されたVSI Labsは、自動運転分野への展開、あるいは製品供給を行う企業へ向けた調査およびアドバイザリーのリーディング・プロバイダーとなった。VSIは自ら複数のテスト車両を保有し応用研究を行うという点でユニークな存在である。この実践的な調査を通じて、VSIは他の研究/アドバイザリー会社とは一線を画したテクノロジーレベルでのソート・リーダーシップ(thought leadership)を担っている。
コンポーネントやツールチェーンの概要調査から、AVアプリケーションの精密な分解に至るまで、VSIの提供するサービスは顧客企業の時間と費用を節減する。VSIが提供するポータルサービスには様々なパッケージが用意されおり、VSI InsightsとそのAVエコシステム調査は、AV分野に参入したい、競争上の地位を一層優位なものにしたい、あるいはテクノロジー・プランニングを強化したいと望むサプライヤーにとって理想的なものと言える。開発をスピードアップしたいと考えているAV開発者のためには、VSI ProがAV機能とアプリケーションの徹底した解析を提供する。VSI Proでは、AVソフトウェア・スタック内の異なるシステム、あるいは機能間の橋渡しをするために必要となるプログラミングコードも紹介している。
VSI Labsのポータルサービス詳細については下記にお問い合わせ下さい。
ウェブサイト;www.vsi-labs.com
英語;Grant Faulkner (grant@vsi-labs.com)
日本語;シュワルツ菜月 (natsuki@vsi-labs.com)
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キーワード
VSI、自律走行、自動運転、自動運転車、AV、ADAS、エコシステム、モビリティ、AVスタック、AVプラットフォーム、センシング、LiDAR、GPS、IMU、プロセシング、DSP、FPGA、GPU、マイクロコントローラ、SoC、VPU、コネクティビティ、ハードウェア、ソフトウェア、V2X、テレマティクス、TCU、マッピング、ソフトウェア、アルゴリズム、安全性、セキュリティ、サイバーセキュリティ、開発ツール
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