VWグループ(上):2017年に売上高最大4%増、営業利益率6-7%を見込む
2017年にグループ全体で約60車種の新型車を投入
2017/05/31
- 要約
- 2017年1-3月期の乗用車販売は1.1%減の233万台、中国販売が6.8%減少
- 業績:2017年1-3月期の売上高は10.3%増の562億ユーロ、営業利益は26.9%増の44億ユーロ
- ディーゼル排出ガス不正問題
- LMC Automotive生産予測:VW Groupの世界生産は2020年に1,160万台に達する見込み
要約
VW Groupの2016年の世界販売台数は前年比3.8%増の1,039万1,000台。ディーゼル排出ガス不正問題の影響やブラジル・ロシアの販売不振を、西欧、中欧、アジア大洋州地域の販売拡大がカバーし、販売台数は過去最高。トヨタ(ダイハツ、日野自動車を含む)の1,017万5,000台を上回り、VW Groupが初の世界首位を占めた。2017年1-3月期の世界販売は前年同期比1.3%増の261.0万台。欧州、北米、南米地域の販売が拡大した。 2016年の売上高は前年比1.9%増の2,172億6,700万ユーロで過去最高。営業利益は、ディーゼル問題対策費用の64億ユーロを含む75億2,000万ユーロの特別損失を計上したうえで、前年の40億6,900万ユーロの赤字から71億300万ユーロの黒字に回復した。2017年1-3月期の売上高は前年同期比10.3%増の561億9,700万ユーロ、営業利益は26.9%増の43億6,700万ユーロ。新型Tiguanなど利幅の大きい新型車が好調だったのに加え、コスト削減策も功を奏した。 VW Groupの2017年見通し(2017年5月時点)によると、ディーゼル問題では下記の課題が残り、また為替変動、競争激化の影響を引き続き受けるが、売上高は最大で前年比4%増、営業利益率は6-7%(2016年6.7%)を見込んでいる。 ディーゼル問題については、米国では大半の訴訟で和解が成立し、VWが米国で支払う額は約222億ドルにのぼっている。(VWがディーゼル問題対策費用として2015・2016年に計上した226億ユーロのうち、121億ユーロは訴訟関連費用に充当。)欧州では主にソフトウェアの改修で対応しており、2017年3月時点で約400万台の改修が終了した。今後は、米国司法省によるVWの経営陣に対する責任追及、株主による損害賠償請求訴訟等が課題として残っている。 なお、VW Groupが2016年6月に発表した新経営計画「Together – Strategy 2025」、今後の電動化計画を含む新型車投入計画、VW Groupの主要市場である中国、米国市場の動向については、近日掲載予定の「VWグループ(下)」で取り上げる。 関連レポート |
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