VWグループ(下):最大市場の中国と100万台販売を目指す米国での取組み

中国市場に"Budget car"シリーズを投入、中国・米国ともSUVの品揃えを強化

2015/09/18

要 約

Tiguan
Frankfurtモーターショー2015に出展した新型Tiguan

 本レポートは9月7日付で掲載した「VWグループ(上)」に続き、VWの最大市場である中国と、2018年にGroupで100万台(VWブランドで80万台)販売を目指す米国市場での取組みについて報告する。


 中国市場全体の販売台数は、2015年4月から前年実績を割り始め、7月は7.1%減、8月は3.0%減。VW Groupの販売台数も前年を割り、VW Groupは、2019年までの中国での「500万台生産能力構築計画」を再検討している。

 また、シェアも下降している。車型別需要で見ると、MPV、SUVのラインアップが不十分であることが、不振要因の一つとされている。VW Groupは、SUV、セダン、ハッチバックの低価格車 "Budget Car"シリーズを開発し、2018年にも中国市場に投入、さらに他の新興国市場への投入を検討している。


 米国市場では、2011年にChattanooga工場を稼動開始させ、2018年にVW Groupで100万台、VWブランドで80万台販売を目指している。2014年VW Groupの米国販売は60万台、2012年の62万台をピークに漸減傾向にある。シェアも、2012年の4.2%から2015年1~8月は3.5%に低下している。

 商品ラインアップを見ると、中型セダンVW Passatの販売は10万台未満で、トヨタCamryやホンダAccordの約1/4にとどまり、また2014年に285万台の需要があった中型SUVセグメントに参入していないなど、商品力の不足が目立つ。

 VW Groupは、2017~2018年に新SUV 3車種を投入し、また現在の7年ごとのモデル更新を5年に短縮するなど、商品力の強化を進める計画。Chattanooga工場に配置された開発部門にエンジニア200人を集結し、米国仕様車の開発を強化している。


関連レポート:
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