2016年中国市場:排気量1.6L以下の乗用車の減税で過去最高の2,803万台を達成

SUVが乗用車市場の37%を占め、中国系ブランドはシェア拡大

2017/01/30

要約

中国自動車販売台数(資料:中国自工会の発表及びMarkLinesデータベースより作成)

 2016年通年の中国市場の新車販売台数は、過去最高の2,802.8万台(工場出荷台数ベース、輸出を含む)で、中国汽車工業協会(以下、中国自工会)(CAAM)の年初の販売予測2,604万台を超え、前年比13.9%増となった。

 要因として、2015年10月から施行された排気量1.6L以下の乗用車を対象にした減税政策が挙げられる。12月は当初減税終了だったため、駆け込み需要もあり、乗用販売台数の74%の198万台を占めた。また、2016年通年でも、乗用車販売台数のうち約7割の1,760.7万台となった。

 グループ別販売台数は、上位5社(上海汽車、東風汽車、第一汽車、長安汽車、北京汽車)で、前年比10.7%増の約1,971.4万台となり、市場全体の約7割を占め、引き続き上位5社による寡占状態となった。

 車型別では、中国で人気のSUVモデルが前年比45%増で900万台を突破。乗用車市場の37%を占め、SUVの57%が中国ブランドとなった。その一方で、セダン・ハッチバックは、1,200万台超で乗用車市場でのシェアは前年の55%から50%と縮小した。

 乗用車の中国/外資ブランド別シェアでは、SUVモデルを積極的に市場投入した中国系メーカーが1,000万台超の約43%でトップ。外資ブランドの多くは台数増となったものの、シェアを若干落とした。とりわけフランス系のPSAは、シェアのみならず、販売台数も約16%の減少。VWグループは、2015年は台数が減少したが、2016年は前年比12.1%増の387万台となった。

 2016年の輸出台数は、前年に引き続き減少し70.8万台。一方、乗用車は、前年比11.5%増の47.7万台となった。輸入台数は、1-11月で前年同期比3.3%減の95.8万台となっている。

 新エネルギー車(EV及びPHV)の販売は、政府による補助金支給により購買が促進され50.7万台と前年から約1.5倍に拡大。このうち乗用車は、約33.2万台となっている。なお、シェアトップは、引き続きBYDで約3割を占める。

  中国自工会(CAAM)の発表によると、2017年中国の自動車販売予測台数は、約2,940万台で、中国車のブランド力が強化され、更に競争激化すると予測としている。次回の中国レポートでは、2017年のメーカー別の販売台数の見通しを報告する予定である。



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