米国市場:販売がリーマンショック以前のレベルまでほぼ回復

投資は商品開発や省燃費のパワートレイン生産へ

2014/08/07

要 約

要 約

米国ライトビークル販売販売が大不況以前のレベルまで回復

 米国市場は2008-2009年の大不況からほぼ回復した。LMC Automotiveの予測によれば、2014年のライトビークル販売は約1,630万台になるだろうと予測されている。2000年に記録した1,740万台には及ばないものの、米国経済の回復、労働市場の改善、消費者心理の改善から堅調に販売を伸ばし、今後数年で1,700万台レベルに到達すると思われる。

メーカー別の販売台数とシェアは大きく変動

 メーカー別の2000-2013年の販売推移をみると、GM、Ford、Chryslerの米国3社は大きく販売台数を落としている。2000年に米国3社合計で1,164万台を販売していたが、2013年は707万台の販売と450万台以上も減少した。一方、日本のトヨタ、日産、ホンダ、韓国の現代グループが大きく販売を伸ばした。

 メーカー別の2000-2013年の市場シェア推移でも、GM、Ford、Chryslerの米国3社が大きく市場シェアを落としている。2000年米国3社の合計シェアは66.9%だったが、2013年では45.4%と21.5%ポイントの市場シェアを失っている。一方、日本のトヨタ、日産、ホンダ、韓国の現代グループが大きく市場シェアを伸ばした。

2014年は新車ラッシュ

 新車の投入状況をみると、2014年はFordが16の新車またはマイナーチェンジ車を投入するなど、各メーカーとも積極的に新型車を投入しており、新車投入ラッシュとなっている。

米国内の投資は主に省燃費のパワートレイン刷新と商品ラインナップの刷新

 大不況で米国内の過剰生産能力に大鉈を振るった後だけに、米国3社は既存工場の能力拡大にとどめ、組立工場の新設投資はない。2014年の米国内向けの投資は、主に省燃費のパワートレイン刷新と商品ラインナップの刷新に向けられている。



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メーカー別の2000-2013年の販売台数推移

メーカー別販売台数推移(米国市場) メーカー別の2000-2013年の販売推移をみると、GMは2000年には492万台を販売していたが、2006年以降販売が急落して2009年には207万台まで落ち込んだ。その後、順調に回復しているが2013年では279万台にとどまり、2000年時の半分強となっている。FordもGM同様に2000年には420万台を販売していたが、2009年に168万台まで落ち込んだ。その後順調に回復しているが、2013年で249万台の販売にとどまり、2000年と比べると170万台も少ない。Chryslerは2000年には252万台販売してトヨタを大きく引き離していたが、2005年にトヨタに追い抜かれた。2009年には93万台まで落ち込む苦難の時期を経験した後、順調に回復してきたが2013年の販売は2000年比で70万台減の180万台にとどまっている。GM、Ford、Chryslerの米国3社が大きく販売台数を落とした一方、日本のトヨタ、日産、ホンダ、韓国の現代グループが大きく販売を伸ばした。

 

メーカー別の2000-2013年の市場シェア推移

 メーカー別の2000-2013年の市場シェア推移をみると、GMは2000年には28.2%の市場シェアを持ちマーケット・リーダーとしての地位を確保していたが、2004年以降市場シェアは漸減し続けている。2009年には20%を切り、2013年でも17.8%と2000年比で10.3%ポイントもの市場シェアを失ったままである。FordもGM同様に2000年には24.2%という高い市場シェアを持っていたが、2008年には15.1%まで落ち込んだ。2007-9年の3年間はトヨタの後塵を拝していたが、2010年からトヨタを抜き返して市場シェア2位の座にとどまっている。ただし、2013年の市場シェアは15.9%と2000年比で8.3%ポイント減少している。Chryslerも2000-2013年の間に2.9%ポイントの市場シェアを失った。

 

メーカー別市場シェア推移(米国市場)

メーカー別市場シェアの増減(2013年と2000年との対比)

 

 GM、Ford、Chryslerの米国3社が失ったシェアを奪ったのは、韓国の現代グループ、日本のトヨタ、日産、ホンダである。特に現代グループは2000年には市場シェアはわずかに2.3%しかなかったが、堅実にシェアを伸ばし続けて2008年に5%に達した後、大不況時に大きくシェアを高めて2011年には8.9%まで市場シェアを伸ばした。その後、日本車にシェアを奪回されたが2013年に8.1%となっている。2000年時と比べると5.8%ポイントもシェアを奪ったことになる。

 トヨタは、2000年に9.3%の市場シェアであったが、堅調にシェアを伸ばし続けて2009年には16.9%にまで達した。しかし、2010年以降は円高、東日本大震災、リコール騒動などで市場シェアを失い、2012年には12.9%まで落ち込んだ。2013年にはリコール騒動も落ち着き14.4%まで少し回復した。ホンダは2000年6.7%の市場シェアだったが、2013年には9.8%まで伸ばし、日産も2000年の4.3%の市場シェアから2013年には8.0%まで伸ばしている。

 2014年前半の販売状況をみると、GMとFordのシェアが微減となる一方、Chryslerがシェアを伸ばしている。GMは2月にイグニッションスイッチのリコールを発表して以降、安全に対する社内プロセスが十分機能していないと運輸省のNHTSAや議会から厳しく追及を受けた。この安全プロセス見直しで、7月末までにGMは60件で約2,900万台という前代未聞の大規模なリコールを発表した。このリコール問題でGMの販売は落ちるとみられたが、リコールされたのは古いGMの車で、新生GMの車はコンシューマーリポートなどから高く評価されているという認識を消費者に持たせることに成功し、これまでのところシェアは微減ながら予想外に堅調な販売を続けている。Fordは北米で16の新型車またはマイナーチェンジ車を投入するために、工場での生産休止期間が長くなり生産台数が伸びない計画になっている。一方、市場でSUVとピックアップの人気が高まっており、Chryslerはその恩恵を受けてJeepのSUV車とRamピックアップの販売が好調で2014年前半はシェアが12.5%まで伸長した。

 2014年前半の日本車は、日産が8.6%と2013年の8.0%から大きくシェアを伸ばしている一方、ホンダはシェアを9.8%から9.1%へ減らしている。トヨタは14.3%で0.1%ポイントの微減。現代グループは2011年にシェアを8.9%まで高めた後は減少が続いてきていたが、2014年前半は2013年と同じ8.1%でシェアの減少が止まっている。

 

 



主要メーカーの新車ラッシュ続く

 

GMの新型車投入状況

OEM 発売年 新型車の概要
GM 2013 ・「Chevrolet Corvette Stingray」: 7世代目となる新型スポーツカーの2014年型「Corvette Stingray」の販売を2013年9月から開始した。GMではアルミボディを初めて自社生産している。
2014 ・「Cadillac ELR」: 高級クーペの新型PHV「Cadillac ELR」を2014年1月から販売開始。2014年型車の価格は輸送費込みで7万5,995ドルからだが、連邦政府のタックスクレジット7,500ドルが適用されると、6万8,495ドルになる。テスラ「Model S」(85kWhタイプ)の6万9,900ドルを意識した価格設定をしている。
・「Chevrolet Tahoe」、「Chevrolet Suburban」、「GMC Yukon」、「GMC Yukon XL」、「GMC Yukon Denali」、「Cadillac Escalade」: 大型ピックアップトラックベースの新しい大型SUV車は2014年春から販売開始された。標準サイズとロングホイールベースの2種類がある。
・「Cadillac ATS Coupe」: 若い顧客をキャデラックに取り込む狙いで、小型ラグジュアリーセダン「Cadillac ATS」のクーペを2014年夏から投入すると発表した。
・「Chevrolet City Express」: 日産からOEM供給を受けるシボレーの小型バン。メキシコの日産Cuernavaca工場で生産された後、GMのRamos Arizpe工場で改修され出荷される。販売は2014年秋からの予定。
・「Chevrolet Colorado」と「GMC Canyon」: 新型ミッドサイズピックアップで、ミズーリ州のWentzville工場で生産される。2015年型モデルとして2014年秋に発売する予定。
2015 ・「Chevrolet Trax」: サブコンパクト車ベースの小型SUVで、2013年から販売されている「Buick Encore」の姉妹車。2015年初め頃から販売が開始される。
・「Chevrolet Cruze」: コンパクトセダンのグローバルカー「Cruze」の新型車は2015年末に2016年型車として投入される予定。

 

Fordの新車投入状況

OEM 発売年 新型車の概要
Ford 2013 ・「Lincoln MKZ」: リンカーンのエントリーレベルの中型セダン。フュージョン、欧州モンデオの姉妹車。メキシコHermosillo工場で生産。2013年初めに販売が開始された。
2014 ・「Lincoln MKC」: 新型の高級小型SUVであるリンカーン「MKC」は、ケンタッキー州Louisville工場で生産し2014年5月から販売開始。
・「Transit Connect」: 北米市場向けの新型小型商用車「Transit Connect Wagon」の販売開始を発表。(2014年5月2日) スペインのValencia工場で生産され、北米へ輸出される。25%の関税を回避するためにWagonで輸入され、バンへも改造される。
・「Transit」: ミズーリ州のKansas City工場で、「Eシリーズ」に代わる新しい大型商用バン「Transit」の生産を2014年4月から開始、6月から販売を開始した。バン、ワゴン、シャシーキャブ、カットアウェイの4車型、3種類の長さ、3種類のルーフ高、2種類のホイールベース、XLとXLTの2種類のトリムが用意される。
・「Mustang」: 新型スポーツカーの2015年型「Mustang」を2013年12月5日に世界5カ所で公開した。2014年5月に受注を開始、販売は2014年秋から。
・「F-150」: デトロイト・モーターショーで新型となる2015年型「F-150」を発表した。フォードの最量販車種で、新モデルは軽量化のためにボディがアルミ製となる。生産開始はミシガン州のDearborn工場が第4四半期から、ミズーリ州のKansas City工場は2015年から。販売は2014年末から。
2015 ・「Edge」: 第2世代となる新型ミッドサイズSUVの2015年型「Edge」を発表。新型「エッジ」はグローバルモデルとして販売される。北米では2015年第1四半期に販売が開始され、続いて他の市場へも投入される。7億米ドルを投資してグローバル拠点に改良したカナダのOakville工場で生産。
・「Lincoln MKX」: 新型の高級ミッドサイズSUVであるリンカーン「MKX」は、「Ford Edge」の姉妹車でカナダのOakville工場で生産。2016年型車として2015年に販売される予定。
・「F Series Super Duty」: 2015年型「F Series Super Duty」を発表。 新型「F-250」、「F-350」、「F-450」には、新型ディーゼルエンジンが搭載される。
・「F-650」と「F-750」: 新型となる中型トラックの「F-650」と「F-750」を発表。新型トラックは、メキシコのBlue Diamond Truck LLCから、オハイオ州のAvon Lake工場へ生産移管され、2015年春から生産開始。2016年型として販売。(Fordは2001年にNavistarと合弁でBlue Diamond Truck LLCを設立したが、この提携を解消する。)

 

Chryslerの新車投入状況

OEM 発売年 新型車の概要
FCA 2013 ・「Dodge Durango」: 大幅に改良した3列シートのSUV2014年型「Dodge Durango」を2013年9月末から販売開始。外観の変更に加え、新型パドルシフト付き8速AT、前面衝突警報やアダプティブ・クルーズコントロールなど先進的な安全技術が導入された。
・「Jeep Cherokee」: ミッドサイズSUV「Jeep Liberty」は2012年8月に打ち切られたが、その後継車となる2014年型「Jeep Cherokee」の販売が2013年10月から開始された。セグメント初となる9速AT、大幅に燃費が改善された2つのエンジン、3種類の四駆システムなど多くの先進技術を取り入れたクライスラー期待の新型車。
・「Ram ProMaster」:ラム・ブランド商用車の新モデルとなる大型バンで、「Fiat Ducato」がベースとなっている。2014年型「ProMaster」の生産はメキシコのSaltillo工場で2013年9月から開始された。米国での販売は10月から開始された。
2014 ・「Chrysler 200」: 新型「Chrysler 200」を2014年1月のデトロイトショーで発表。「クライスラー200」と今年で生産が中止された「Dodge Avenger」の2車種の後継車となる。ミッドサイズセダン初となる9速ATを標準装備としている。2014年6月から販売が開始された。
・「Alfa Romeo 4C」: 新型の小型スポーツカー「Alfa Romeo 4C」で、アルファロメオ・ブランドが北米に再参入すると発表。米国では2014年夏から発売予定。イタリアのModena工場で製造。カーボンファイバー製コックピットなどの生産量制限のために限定供給となる。
2015 ・「Jeep Renegade」: 新型の小型SUVである2015年型「Jeep Renegade」を発表した。ジープ・ブランドのエントリーモデルとして 、若く冒険心のある顧客をターゲットに開発された新型サブコンパクトSUVで、グローバル市場向けに投入される。イタリアのMelfi工場で生産され、北米では2015年初めに販売が開始される予定。
・「Ram ProMaster City」: ラム・ブランドに新しく加わる小型商用バンで、「Fiat Dublo」をベースにしている。トルコにあるFiatの合弁企業TOFAS社のBursa工場で生産。関税の関係でワゴンとして輸入し、バン仕様車はメリーランド州バルチモアのChrysler Group Transformation Centerで改造する。販売開始は2015年初め。

 

トヨタの新車投入状況

OEM 発売年 新型車の概要
トヨタ 2013 ・「RAV 4」: 4代目となる新しい小型SUV「RAV4」は2014年1月から販売開始。カナダ・オンタリオ州のWoodstock工場で生産されている。トヨタでは新型「RAV4」について年販20万台を目指しており、このうちAWDモデルが3分の2を占めると見ている。
・「Tundra」: 大幅に改良された大型ピックアップの2014年型「タンドラ(Tundra)」をシカゴ・モーターショーで公開し、2013年9月に販売開始。
・「Lexus IS」: 3代目となる高級コンパクトスポーツセダン2014年型「レクサスIS(Lexus IS)」を2013年夏に発売開始。大胆なスピンドルグリルのフロントデザインを採用した。
・「Corolla」: 11世代目となる2014年型「Corolla」の販売を8月末から開始した。新型車の外観は「Iconic Dynamism」というデザインテーマに基づいて、ダイナミックなデザインになった。ミシシッピ州Blue Springs工場製。
2014 ・「Highlander」: 3代目となる2014年型トヨタ「Highlander」は、インディアナ州Princeton工場で生産され、2014年1月に販売が開始された。九州の宮田工場から生産移管された。7~8人乗りミドルクラスSUVの新型「Highlander」は、全長が3インチ、全幅が1.5インチ拡大された。
・「Lexus RC F」: レクサスの高性能クーペ「RC F」を発表。レクサスのスポーツモデル「F」の中核モデルとして開発された。5.0Lの直噴V8エンジン(450PS以上)を搭載。2014年後半に発売する予定。
・「Lexus NX」: レクサスのラインナップに新たに追加される小型SUV「NX」が、北京モーターショーで公開され、2014年秋に2015年型として販売される。生産工場は宮田工場。2.0L ターボとハイブリッドを設定。
2015 ・「FCV」: トヨタの新しい燃料電池車(FCV)が発表された。カリフォルニア州での販売は、2015年夏になる予定。
・「Prius」: トヨタの主力ハイブリッドコンパクトセダン。新型はトヨタの新たな自動車開発手法「TNGA:Toyota New Global Architecture」をベースに開発され、Priusが最初のTNGA採用モデルとなる。新型より四輪駆動も設定される。
・「Lexus RX」: 4世代目となる中型ラグジュアリークロスオーバーSUV。カナダCambridge工場で生産。新型車は2015年秋に発売される見込み。

 

ホンダの新車投入状況

OEM 発売年 新型車の概要
ホンダ 2013 ・「Acura RLX」: アキュラ最上級の大型セダンRLの後継モデル。前輪駆動。2013年3月に2014年型として発売。
・「Acura MDX」: 3代目となる7人乗り高級SUVの2014年型「Acura MDX」は、2013年6月から開始された。クラストップの燃費・新しいレベルの快適性・トップレベルの安全性、の3つの価値に焦点を当てて開発された。
2014 ・「Fit」: 3代目となるサブコンパクト車。北米市場向けの新型「Fit」は、メキシコのCelaya工場で生産が2014年春から開始され、2014年夏に販売開始予定。
・「Acura TLX」: 高級ミッドサイズセダンの新型「Acura TLX」は、オハイオ州Marysville工場で生産される。2014年8月から販売開始。2輪駆動車には次世代の「Precision All-Wheel Steer (P-AWS)」を採用。3.5Lの4輪駆動車には、次世代の 「Super Handling All Wheel Drive (SH-AWD)」を搭載する。
2015 ・「HR-V」: 新しくホンダブランドのラインナップに投入されるサブコンパクトSUV。新型「HR-V」は「Fit」とプラットフォームを共有し、同じメキシコのCelaya工場で生産される。生産販売は2015年初め頃を予定。
・「Acura NSX」: 高級スポーツカーの新型「Acura NSX」は、オハイオ州レイモンドのホンダR&Dアメリカで開発中。Marysville工場近くのPerformance Manufacturing Centerで生産される。2015年から販売される予定。
・「Ridgeline」: 中型スポーツユーティリティ・ピックアップトラックの「Ridgeline」の新型車を2年以内に投入すると発表。現行車はアラバマ州のLincoln工場で生産されているが、2014年中頃で一旦生産を中止する予定。
・「FCX」: 日米でリース販売されている燃料電池車(FCV)。米国ではカリフォルニア州南部で個人向けにリース販売している。2013年11月のロサンゼルスモーターショーに、2015年半ばに一般発売するFCVのコンセプトを出展した。

 

日産の新車投入状況

OEM 発売年 新型車の概要
日産 2013 ・「Versa Note」: 新型コンパクトハッチバックのグローバルモデル。日産「Versa Note」は2013年6月から販売開始。日本と欧州市場向けノートの姉妹車。現行車より車名もヴァーサノートに改められた。メキシコAguascalientes工場で生産。
・「Infiniti Q50」:新型スポーツセダンの「Infiniti Q50」を2013年8月から販売開始。Gセダンの次期型としてQ50を2013年8月に発売。3.7L V6エンジン搭載。3.5L V6エンジン搭載のHVも設定された。
・「NV200」、「NV200T」: 小型バンのグローバルモデル。「NV200T」は、タクシー仕様車でニューヨーク市の新イエローキャブに選定され、2013年10月から納入が開始された。メキシコCuernavaca工場で生産。
・「Rogue」: 新しくなった小型SUVの「Rogue」を11月から販売開始。生産工場はテネシー州のSmyrna工場で、九州工場から生産移管された。日産ブランドでは「Altima」に次ぐ量販車種。旧型車は九州工場で生産を継続し、「Rogue Select」として2014年1月に再導入された。
2014 ・「Murano」: 北米でデザインされた5人乗りミッドサイズ・クロスオーバーSUV車のグローバルモデル。新型SUV日産「Murano」は、2014年末から販売開始予定。
2015 ・「Titan」: 新型の大型ピックアップ「Titan」を2016年型として2015年末から販売開始予定。新型「Titan」には、V8ガソリンエンジンに加えてカミンズ社製のV8ターボディーゼルも搭載される。
・「Armada」: 大型ピックアップをベースにした大型SUVで、大型ピックアップの「Titan」と同時期にを販売が開始されると思われる。
・「Infiniti Q30」: 日産は提携関係にあるダイムラー社のプラットフォームを採用して、インフィニティの小型車を発売する。日産の英国工場で生産。2015年末に販売開始予定。

 

現代と起亜の新車投入状況

OEM 発売年 新型車の概要
現代起亜 2013 ・「Kia Cadenza」: 起亜は新型上級セダンの「Cadenza」を第2四半期から販売開始。「Cadenza」は、FWDで現代ブランドの「Azera」と多くのメカニズムを共有。韓国名はK7。韓国華城 (Hwasung) 工場生産。
・「Kia Forte」: 起亜ブランドの新型コンパクトカー。2013年の第2四半期から販売開始。韓国での車名はK3。韓国華城 (Hwasung) 工場生産。
・「Kia Soul」: 5ドアのコンパクトMPV。「Soul」を2013年10月から販売開始。ボクシーなスタイルは新型でも維持された。「Optima」とともに起亜ブランドの主力車になっている。
2014 ・「Hyundai Genesis」: 現代ブランドの上級セダン。2014年春から販売開始。後輪駆動のフルサイズセダンで、3.8L V6と5.0L V8のエンジンが搭載される。韓国蔚山(Ulsan)工場生産。
・「Tucson FCV」: 小型SUVの「Tucson 」をベースにした燃料電池車「Tucson FCV」のリース販売を2014年春に開始した。韓国蔚山(Ulsan)工場で生産。
・「Hyundai Sonata」: 現代自動車がグローバルに展開するFFの中型セダン。北米市場では「Sonata」を5月末から販売開始。生産工場はアラバマ州のMontgomery工場。2011年から3年連続で20万台以上販売された現代ブランドの主力車。
・「Kia K900」: 起亜ブランドのフラグシップセダンで、現代ブランドの「Equus」とプラットフォームを共有する。米国では2014年3月から販売開始。韓国所下里 (Sohari)工場生産。
・「Kia Sedona」: 3列シートの新型ミニバンの「Sedona」を2014年秋から販売開始予定。韓国ではカーニバルの名称で販売。韓国所下里 (Sohari)工場生産。
2015 ・「Tucson」: 現代ブランドの小型SUVで、蔚山(Ulsan)工場生産。新型「Tucson」は2015年に販売開始予定
・「Kia Sportage」: 小型SUVで、現代ブランドの「Tucson」とは姉妹車。韓国光州 (Gwangju) 工場生産。新型「Sportage」は2015年販売開始予定。
・「Kia Sorento」: 起亜ブランドのミッドサイズSUVで、現代ブランドの「Santa Fe」とは姉妹車。ジョージア州West Point工場生産。新型「Sorento」は2015年に販売開始予定。
・「Kia Optima」: 起亜ブランドのミッドサイズセダンで、現代ブランドの「Sonata」とは姉妹車。ジョージア州のWest Point工場生産。新型「Optima」は2015年に販売開始予定。

 

 



主要メーカーの生産投資は省燃費パワートレインが中心

 

OEM 投資概要
GM ・オハイオ州のLordstown工場: コンパクトセダン「Chevrolet Cruze」の次期型モデル生産準備のため、5,000万ドルを投資すると2014年5月2日発表した。新型「Chevrolet Cruze」の投入時期については、後ほど発表される予定。
・ミシガン州のDetroit-Hamtramck工場とBrownstownバッテリー組立工場: 2つの工場に合計で4億4,900万ドルを投資すると2014年4月10日発表した。3億8,400万ドルはDetroit-Hamtramck工場の新車体工場や次期型「Chevrolet Volt」と2つの将来モデルの生産準備に充てられる。6,500万ドルは、Brownstownバッテリー組立工場へ投資され、次世代のリチウムイオン電池の生産準備に充てられる。
・オハイオ州のParma Metal Center: 1,400万ドルを投資して、金型製作およびプレス部品生産の両方に使用するプレス設備を導入し、2014年末から2015年初に稼動する計画。新設備の導入で、品質向上ならびに生産性の向上を図る。
・オハイオ州のディーゼルエンジン生産子会社DMAX: 6,000万ドルを投資して、将来の排出ガス規制強化へ対応する。(2014年2月16日発表)DMAXはいすゞとの合弁工場
・中西部の5工場: 新型V6エンジン、新型10速AT、6速ATの生産と設備増強のために、中西部の5工場に約13億ドルを投資する。(2013年12月16日発表)
・テキサス州のArlington工場: 2億ドルを投資した新プレス工場が稼働したと発表(2013年10月14日)。新工場での新規雇用は180人。
・テネシー州のSpring Hill工場: 1億6,700万ドルを追加して、総投資額を3億5,000万ドルとし、2つの新型ミッドサイズ車を生産すると発表(2013年8月5日)。
Ford ・北米の生産能力を20万台増強: 北米での好調な販売に対応して、米国の生産能力を20万台増強すると発表した。20万台分の生産能力増強は、Chicago組立工場、Flat Rock組立工場、Kansas City組立工場で行われる。能力拡大に伴い、フォードは3,500人弱の時間給従業員を雇用する。(2013年5月22日発表)
・ミシガン州Flat Rock工場: 中型セダン「Fusion」の生産を2013年8月29日に開始した。5億5,500万ドルを投資して、フレキシブル組立工程の新設や塗装工程の改修を行った。
・ニューヨーク州Buffaloプレス工場: 1億5,000万ドルを投資して、増産のために第3シフトを加える計画で、350人の新規雇用が創出される。 (2013年11月21日発表)
・ミズーリ州Kansas City工場: 新型「トランジット」生産準備のために1,000人を採用した。(2014年1月16日発表)
・オハイオ州のLimaエンジン工場: 新型2.7L EcoBoostエンジン生産のため、5億ドルを投資すると発表(2014年3月28日)。
FCA ・ミシガン州のTrenton工場とダンディーDundee工場: 5,200万ドルを投資して4気筒の「Tigershark」エンジンの生産能力を拡大すると発表(2013年8月7日)。
・インディアナ州Tipton工場: ティプトン工場は一度閉鎖されたが、クライスラーが1億6,200万ドルを投資して復活させた。新9速ATの生産開始(2014年5月13日)。
・ミシガン州のWarrenプレス工場: 6,300万ドルを投資して生産能力を拡大すると発表。2015年12月から新設備が稼動する予定。
トヨタ ・インディアナ州のPrinceton工場: 3,000万ドル投資を投資して、2014年からミッドサイズSUV「Highlander」を年間1万5,000台増産する。
・ウェストバージニア州のBuffalo工場とBodine Aluminum: 2015年初めに6速ATの生産能力を月産2万基分増強するため、1.02億ドルを投資すると発表した。
・インディアナ州Princeton工場: 新型「Highlander」を宮田工場からPrinceton工場へ生産移管するために、4億3,000万ドルが投資された。(2013年12月5日)
・2014年の増産計画を発表(2014年1月9日)
 ①2014年後半にIndiana工場での「Highlander」の1.5万台増産
 ②Alabama工場でのV6エンジンの21.5万基増産
 ③カナダ・オンタリオ州Cambridge工場での「レクサス RX350」ガソリンと ハイブリッド車の3万台増産
 ④West Virginia工場での6速ATの24万基のライン新設
ホンダ ・オハイオ州のPerformance Manufacturing Center: 新型「Acura NSX」を生産する新工場「Performance Manufacturing Center」をオハイオ州に建設すると発表した。新工場は2015年から量産開始となる予定で、投資額は7,000万ドル。オハイオ州にある既存工場から約100名の従業員を選抜する。
・オハイオ州Annaエンジン工場: 2億1,500万ドルを投資して、エンジン工場を増強するとともに、トレーニングセンターを開設する。(2013年8月7日発表)
日産 ・2014年に米州での生産能力200万台超を達成。北米日産は2014年初までに、米国、メキシコ、ブラジルでの生産能力が合計で200万台に達すると発表した。同社は米州における新工場の設立ならびに生産能力の増強に向け、50億ドル以上を投資するとともに、1万人以上の雇用を創出するとしている。
・テネシー州Smyrna工場: 新型「Rogue」の生産を九州工場からテネシー工場へ生産移管。2015年までに米国販売車の85%を北米で生産する戦略に基づいて実施された。新たに900名が増員された。
・ミシシッピ州Canton工場: 3代目となる新型「Murano」の投入を機に九州工場からミシシッピ工場へ生産移管。2014年末の生産移管に伴い、新たに500人が採用される。
現代起亜 ・米国での生産関連投資は過去1年はなし

 

 



LMC Automotive 生産予測:米国ライトビークル生産は2017年にかけて堅調に増加

(LMC Automotive社、2014年6月)

LMC Automotive 米国生産予測(トップメーカー) LMC AutomotiveのGlobal Automotive Sales Forecast (2Q, 2014)によれば, 2014年の米国販売は1,620万台に達すると予測している。厳しい大雪で低調な販売だった第1四半期から販売が力強く回復して、第2四半期の季節調整済みの年率換算の販売では 1,700万台近くになった。2015年の米国ライトビークル販売は、2014年から更に1.9%増加して、1,650万台超になると予想する。

 
 2016年のライトビークル販売は2015年から1.1%増加して1,670万台になると予想される。2016年を過ぎると市場の成長率は低下して、世帯の増加、引退を遅らせた結果の需要増と買い替え需要に支えられる、1-2%の範囲でより安定的に推移すると考えられる。

 LMC AutomotiveのGlobal Automotive Production Forecast (June, 2014)によれば、2014年の北米生産は3%増加して1,660万台と予測されている。このうち、米国生産は1,130万台、メキシコは310万台、カナダが220万台を生産すると予測される。


 米国生産は2017年にかけて、堅調な販売に牽引されて、安定的に増加するだろう。LMC Automotiveは販売予測を10万台、生産予測を20万台上方修正することを検討している。

 主要メーカーをみると、大半のメーカーは米国での生産を増加させると予想される。例外はFCA、ホンダ、日産。最近ホンダと日産は、米国での生産能力を補完するためにメキシコで工場を新設した。

 

メーカー別米国生産予測

2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
Ford Group 1,886,930 2,082,725 2,301,030 2,325,770 2,434,310 2,381,762 2,368,148
  Ford 1,864,100 2,058,391 2,279,523 2,276,614 2,362,864 2,304,183 2,291,786
  Lincoln 22,830 24,334 21,507 49,156 71,446 77,579 76,362
GM Group 1,877,455 1,992,098 2,022,439 2,088,856 2,370,232 2,425,431 2,542,586
  Buick 166,152 175,987 173,173 166,004 159,489 146,256 133,818
  Cadillac 98,183 99,780 109,197 143,128 177,280 243,484 310,528
  Chevrolet 1,278,765 1,385,201 1,381,057 1,443,950 1,695,541 1,682,385 1,745,119
  GMC 334,355 331,130 359,012 335,774 337,922 353,306 353,121
FCA 1,162,549 1,330,823 1,498,217 1,592,331 1,527,572 1,420,219 1,440,554
  Chrysler 122,625 151,639 130,786 164,417 185,000 218,778 244,206
  Dodge 243,020 237,081 282,055 166,346 138,447 145,986 151,647
  Jeep 603,152 714,648 793,911 973,480 930,568 777,602 742,559
  RAM 193,752 227,455 291,465 288,088 273,557 277,853 302,142
Honda Group 823,650 1,219,146 1,309,912 1,305,931 1,241,470 1,179,533 1,200,156
  Acura 55,140 107,251 151,856 193,755 215,017 217,345 223,232
  Honda 768,510 1,111,895 1,158,056 1,112,176 1,026,453 962,188 976,924
Toyota Group 793,272 1,201,120 1,288,717 1,308,489 1,429,886 1,529,797 1,562,168
  Lexus 0 0 0 0 10,282 49,364 50,961
  Toyota 793,272 1,201,120 1,288,717 1,308,489 1,419,604 1,480,433 1,511,207
Renault-Nissan 561,026 643,019 791,591 917,573 888,176 868,915 844,997
  Infiniti 0 32,578 45,590 43,345 39,739 43,408 41,520
  Nissan 561,026 610,441 746,001 874,228 848,437 825,507 803,477
Hyundai Group 610,431 719,547 768,534 771,417 776,486 848,731 844,137
  Hyundai 429,282 459,439 505,507 500,155 499,891 500,841 501,079
  Kia 181,149 260,108 263,027 271,262 276,595 347,890 343,058
BMW Group 275,020 301,519 297,114 344,090 365,173 369,205 387,778
  BMW 275,020 301,519 297,114 344,090 365,173 369,205 387,778
Daimler Group 163,236 195,950 198,765 236,949 283,268 306,819 304,980
  Mercedes 163,236 195,950 198,765 236,949 283,268 306,819 304,980
Fuji Heavy 161,716 184,783 169,163 172,993 182,739 192,428 293,529
  Subaru 161,716 184,783 169,163 172,993 182,739 192,428 293,529
VW Group 40,401 152,543 137,662 125,571 124,383 149,477 207,068
  VW 40,401 152,543 137,662 125,571 124,383 149,477 207,068
Mitsubishi 37,150 37,019 67,362 59,316 75,773 90,738 88,674
  Mitsubishi 37,150 37,019 67,362 59,316 75,773 90,738 88,674
Tesla Motors 795 3,259 20,395 25,153 32,750 42,642 64,819
  Tesla 795 3,259 20,395 25,153 32,750 42,642 64,819
Other 791 1,552 0 0 0 0 0
  VPG 791 1,552 0 0 0 0 0
Mazda Motors 43,527 37,366 0 0 0 0 0
  Mazda 43,527 37,366 0 0 0 0 0
Suzuki Group 1,341 1,625 0 0 0 0 0
  Suzuki 1,341 1,625 0 0 0 0 0
Total 8,439,290 10,104,094 10,870,901 11,274,439 11,732,218 11,805,697 12,149,594
Source: LMC Automotive "Global Automotive Production Forecast (June, 2014)
(Note) 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値。
2. 本表の無断転載を禁じます。転載には LMC Automotive 社の許諾が必要となります。
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