奇瑞汽車 (上): 自主ブランド事業を大きく戦略転換

4ブランドから 「奇瑞」 1ブランドへ、商用車事業強化

2014/07/08

要 約



奇瑞汽車の生産台数 本レポートは、中国民族系自動車大手の奇瑞汽車 (Chery Automobile) の最新事業動向をまとめる。上編は、「奇瑞」(Chery)自主ブランドの中期事業計画および国内における生産体制整備の最新動向を、下編はイスラエル・コーポレーション (Israel Corporation) やジャガー・ランドローバー (JLR:Jaguar Land Rover) などの外資との合弁事業ならびにグループの海外事業の動向を報告する。

・中国国内販売と輸出の頭打ち状態に直面

 奇瑞汽車の中国での乗用車生産と、輸出を含む中国工場出荷ベース販売台数は、2010年を頂点に頭打ち状態が続いている。2014年1~4月の生産販売台数も、前年同期と比べて減少している。

・低価格車による台数拡大志向から高品質車の販売へ大転換、9,000人をリストラ

 2013年に奇瑞汽車は、「奇瑞」自主ブランド事業にかかわる従業員9,000人のリストラを発表。これに加えて、自主ブランド完成車事業を、販売台数増追求の拡大志向から、品質向上・装備の充実・利益率向上などの高品質車の販売による収益重視に経営方針を転換し、「奇瑞」ブランド車生産を当面縮小する方向に進めている。

・4ブランドから1ブランドへ再編

 拡大志向で「奇瑞」(Chery)、「開瑞」(Karry)、「瑞麒」(Riich)、「威麟」(Rely) との4ブランドを展開したが、このブランド戦略を転換して、「奇瑞」(Chery) ブランドに収束する。
 また、2013年から導入した奇瑞汽車の品質を高めた新世代の戦略車合計4車種 (2013年に「艾瑞澤7」「E3」「瑞虎5」、2014年1~4月「新型QQ」)の自社の乗用車モデルに占める生産台数のウェートは、2013年の10.6%から43.3%に上昇傾向にある。

・他メーカーとの提携

 イスラエル・コーポレーションとの合弁事業「観致」(Qoros) ブランド乗用車、「Jaguar」「Land Rover」ブランド乗用車の合弁生産などの外資ブランド事業に加えて、広州汽車集団との提携に合意、経営資源の有効活用を狙う。

  ▽関連レポート:
  2014年北京モーターショー奇瑞汽車の展示取材 (2014年5月掲載)、
  2013年上海モーターショー奇瑞汽車の展示取材 (2013年5月掲載)、
  奇瑞汽車:海外企業との合弁事業を推進 (2012年4月掲載)

奇瑞汽車の自主ブランド完成車生産状況

車型 2010年 2011年 2012年 2013年 2013年
1~4月
2014年
1~4月
乗用車 セダン、ハッチバック 509,304 466,678 409,132 334,055 122,150 82,313
SUV 82,687 115,205 119,109 94,880 30,583 36,113
MPV 30,635 16,812 5,278 7,768 2,014 2,356
微型バン 61,963 30,691 17,046 22,580 9,387 6,025
小計 684,589 629,386 550,565 459,283 164,134 126,807
商用車 微型トラック 7,335 6,345 11,838 17,408 7,166 6,896
軽型バス 0 1,692 1,548 475 125 467
小計 7,335 8,037 13,386 17,883 7,291 7,363
奇瑞汽車合計 691,924 637,423 563,951 477,166 171,425 134,170

 



「奇瑞」(Chery) ブランド事業に関する中期計画

 

中期目標 <経営方針>
・限られた経営資源を効率よく集中させ、奇瑞のブランド力を高める。
・販売台数重視の量的拡大から、品質・ブランド力・販売効率などの質的向上の重視へ。
・グローバル化を推し進める
<リストラ>
・2013年4月頃から、3.3万人から2.4万人に9,000人の従業員の削減を実施。
<完成車販売台数>
 *注: 奇瑞自主ブランドのみ、工場出荷台数で中国からの輸出を含み、外資系ブランドは除外。
・2014年: 75万台
 内訳: 中国販売56万台(中国からの輸出を含む)、国外製販売 19万台
・中期目標: 輸出40万台を含めて100万台 (内訳不明)
<戦略> (2013年4月発表)
▽フェーズ1: 2013~2016年
 エントリー車市場でのリーダーシップを強化。
 中国自主ブランドにおける優良メーカーを目指す。
▽フェーズ2: 2016~2020年
 自社製品の技術性能を外資自動車大手並の水準に引き上げる。
▽フェーズ3: 2020年~
 グローバル競争力を有する世界有数の自動車大手になると同時に、技術性能も世界一流レベルを目指す。
完成車生産体制 <組織体制>
▽国内
 安徽省の蕪湖本工場のほか、遼寧省大連市、河南省開封市、内モンゴルのオルドス市 (鄂尓多斯市)、貴州省貴陽市にも工場を保有。
▽海外
 ブラジルに併設エンジン生産施設やプレス/溶接/塗装/組立ラインを有する本格的な完成車工場 (2014年7月前後稼働へ) とするほか、ウクライナ、ロシア、イラン、エジプト、インドネシア、ミャンマー、ベネズエラ、ウルグアイを含む合計16拠点の完成車ノックダウン (KD) 工場を運営。 (2014年7月時点)
<年産能力>
▽生産ラインの再整備
 生産ラインは2013年4月頃から、奇瑞ブランドのもとに統合された、「QQ」「瑞虎」「風雲」「艾瑞澤」4つのモデルシリーズごとに完成車生産ラインに整備。
▽年間生産能力
・2014年初: 新エネルギー仕様モデル1万台超を含めて、完成車90万台 (そのほか、エンジン 90万基、変速機 80万基)。
  但し、合弁工場が含まれているか否か等の詳細は明らかにされていない。
奇瑞
自主ブランド車
販売体制/
モデル体制
<現状> (2014年初時点)
▽乗用車
 A00級/A0級/A級/B級/SUVといった5つのセグメントに11車種21バージョンに整備。
▽既存市場
 輸出を含む、中国以外の80数カ国でも販売中 (販売国地域は合計100以上との報道もある)。
  うち、海外では販売代理店計1,100店舗、サービス ステーション計900数カ所を保有。(2014年7月時点)
▽販売ブランド体制
 四つのブランド(四つのロゴ) から、一つのブランド (一つのロゴ、四つのシリーズ)に統合。
 【旧体制】 「奇瑞」「開瑞」「瑞麒」「威麟」ブランド/ロゴ合計四つ
 【現在の新体制】 「奇瑞」ブランド/ロゴ計一つ、QQ/瑞虎/風雲/艾瑞澤シリーズ合計四つ
<モデル計画>
 モデルのライフサイクルは約5年に設定。
 2013年1月~2016年末までに、1年に新型1車種以上を導入 (うち、SUV合計2車種、中型車1車種以上)。
 2016年頃までに、モデルチェンジを経てすべての旧モデルを廃止し、消費者に比較的に納得される新型モデル車種シリーズのラインナップを完成させる。
・2014年末までに、市販旧モデル車種をこれまでの約20数車種から、7~8車種に縮小させる。
・旧モデルの生産販売を中止に伴って、新しい次世代新型モデルを追加導入。中期・長期的に、11~12車種の完成車ラインナップを構築。
・2013年には、奇瑞汽車戦略車となる「奇瑞E3」「艾瑞澤7」「瑞虎5」を新規導入。2014年には新型QQとなる「2代目QQ」(4月発売済み) や新型SUVなどを追加。
<国内マーケティング戦略>
 モデル/ブランド体制変更に併せ、これまでのマーケティング体制も再編。
・以前の中国国内14の販売地域から、8つの販売地域に統合し、各地域センターにより大きな販売権限を与える。
・その傘下の販売網を2系統に分ける。第1系統は「風雲2」「奇瑞A1」「奇瑞A3」「瑞虎」などを、第2系統は「QQ」「旗雲」「東方之子」「奇瑞E5」等を販売する。
研究開発 <組織体制>
・上海/北京のほか、海外ではイタリア/日本/オーストラリアにも設置している。
・主な保有技術: TGDI ターボチャージャー、DVVT、CVT及び新エネルギー技術など (2014年初時点)

 

奇瑞ブランドの新エネルギーモデル計画とその戦略

奇瑞ブランド
新エネルギー車
事業の現状と
中期戦略
<生産・開発体制>
・新エネルギー車の開発・生産を手掛ける子会社「奇瑞新能源汽車技術有限公司」に、専用生産ラインを設置。年産能力は2013年に1万台超。2015年計画は5万台。
<モデル計画>
・2013年9月時点、すでに合計11車種の新エネルギー車の生産許可を国から取得済み。
 なお、2014年4月末時点の既存販売モデルは、「奇瑞QQ3 EV」「瑞麒M1 EV」の合計2車種。
・2013~2016年には、1年に新型1車種を発表する計画。2015年までに、中高級新エネルギー乗用車の新型3車種 (「奇瑞A16EV」「奇瑞S15EV」のEV乗用車計2車種、「奇瑞M16PHEV」のPHV乗用車計1車種) を発売へ。
<技術開発の成果>
・駆動用二次電池、駆動モーター、電子制御システムといった三つの中核部品およびその技術を自主開発した。
・低騒音・低振動・高性能の発電用小型のレンジエクステンダーを独自で開発した。
・2013年10月、広州汽車集団と新エネルギー車の共同開発も取り入れた戦略提携契約に調印。
<開発中の構成部品と技術>
・HV/代替燃料仕様車などのエコカーの先端技術
・レンジエクステンダー/ カーエアコン・ヒートポンプ技術/ バッテリーサーマルマネジメント技術/ 高圧監視制御安全技術/ 駆動用二次電池技術
<中核部品搭載>
・2012年4月、蓄電池大手CBAK (中国名称"比克電池股份") と、奇瑞「瑞麒M1 EV」(製品コードSQR7000BEVS184) 向けの高出力仕様の駆動用リチウムイオン電池の購買契約を締結。
<販売体制>
・新エネルギー車の販売とアフターサービスのネットワークは2012年から、華東地域を中心として、安徽省/山東省/河南省、上海市/合肥市などの政府指定の新エネルギー車テスト運行許可都市で展開中。

 

 



広州汽車集団と、小型車分野で戦略提携契約に調印、包括提携も協議中

 これまで、民族自主ブランドメーカーのイメージが強い奇瑞汽車は、近年、外資および中国メーカーとの提携を強化している。

 外資では、グローバル・マーケティング・リソースに強いイスラエル・コーポレーションとの乗用車合弁生産提携を皮切りに、インドTata Motors 傘下のJLRとの合弁生産も2015年初までに始める。更に、中国政府の生産許可取得に難航している日本メーカー富士重工との合弁生産プロジェクトも、協議を継続して模索しているとされる。

 中国メーカーとの提携では2013年後半に、小型車の戦略提携について、ホンダ/トヨタ/三菱自とも提携している広州汽車集団と契約を締結した。

 

広州汽車集団と提携強化、小型車プラットフォーム共有へ

 奇瑞汽車は2013年10月、広州汽車集団と提携プロジェクトに関する契約書に調印した。両社はA級以下の微型乗用車を中心とした小型乗用車における、プラットフォームの共有に合意している。
 これに先立ち、2012年11月、中国自動車メーカー同士の初の戦略連携を結んだ。両社は、完成車開発、動力システム、中核部品、研究開発資源、省エネ・新エネルギー車、グローバル業務、生産及びマネジメントなど、広範囲における提携を目指す。
 これまで、広州汽車集団は10億元を投じて、微型・小型車向けのA級プラットフォームを開発。それを採用した初モデル「傳祺GA3」を2013年に発売した。両社は今後、このA級プラットフォームを共有して、微型・小型車ラインナップを拡大していく。

 

 



国内生産体制: バス/小型トラック等の商用車事業強化、西部・海外拡販にも布石

 奇瑞汽車は、2014年の国内生産目標を輸出を入れて合計56万台 (工場出荷ベース) としており、中期的に輸出40万台を含む100万台 (内訳不明) の販売を目指している。
 傘下の商用車子会社「奇瑞商用車(安徽)有限公司」を通して、安徽省の蕪湖に新工場建設・再編を急いでいる。ほかに、貴州省の貴陽市および河南省の開封市において、既存商用車工場の買収再編を含めて、バスや小型トラックを中心とした商用車事業を強化するための生産体制づくりを加速化している。
 また、西部市場への進出・拡販のため、内モンゴルのオルドス市に、乗用車および商用車ならびに特装車などを生産する新しい生産会社を建設。2015年初の生産開始を目指して生産体制を整えている。

 更に、今後の輸出工場、または、富士重工との合弁工場としても視野に入れた、遼寧省の大連にも生産体制の拡充を進めている。

 

蕪湖に部品合弁会社設立: 乗用車・商用車生産も視野に、「凱翼」ブランドで事業展開へ

 奇瑞汽車は2014年1月、傘下の商用車子会社「奇瑞商用車(安徽)有限公司」を通して、蕪湖市 (江北集中産業園) に新しい会社、「蕪湖凱翼汽車有限公司」を設立。2015年に工場稼働を開始する予定。2014年1月時点、新会社が認可された業務内容は、完成車や部品の技術開発、自動車部品生産、9座席以下モデルを除く大型車およびその部品の販売。
 但し、MarkLines の独自調査で奇瑞汽車との資本提携がある関係者のインタービュでは、今後、完成車も生産する計画があると明らかにした。
 新会社の資本金は20億元で、奇瑞汽車傘下の同商用車子会社と、蕪湖市の関連現地政府系の開発投資会社、「江北開発有限責任公司」および「蕪湖市建設投資有限公司」が出資。今後の完成車の年産能力は、1期建設で33万台、2期建設後には70万台に拡大する計画もある。
 また、各種の報道によると、新会社は、「奇瑞」ブランドに比べて下位のセグメントに位置付ける「凱翼」ブランドを使用。初の量産モデルは、「開瑞 Q26」をベースにした自社の戦略微型バン (MPVとも称される)。今後、前・開瑞ブランドの微型車や軽型トラック、旧旗雲シリーズ等、同新ブランドの微型・中型車やSUVを追加導入する。奇瑞汽車の技術プラットフォームが多く採用される見通し。

 

大連分工場: 中高級乗用車最大30万台の年産体制整備、Subaru生産も視野に

 遼寧省の大連市保税区 (大窯湾填海区) にある、奇瑞汽車の大連完成車分工場「奇瑞汽車股份有限公司大連分公司」は、2014年6月時点で少量生産を開始しており、2期工場建設を進行中。同工場の年産能力は、1期建設で中高級乗用車最大20万台、将来は輸出工場として更に30万台に引上げると報じられている。
 同工場の1期建設 (敷地120万㎡/建屋30万㎡) は2012年8月に完工。VWの製品評価基準および日本式工場マネジメント基準を参考にした生産基準を導入済み。主に、大連工場は「瑞虎5」(SUV) や「新東方之子」を含む新しいシリーズ新型車と、一部の輸出仕様車種の生産を担当。
 1期建設への投資総額は47億元 (うち、固定資産投資は約30億元)。プレス/溶接/塗装/組立ライン及び樹脂生産ラインを含む。うち、溶接ラインは合計108台のロボットを保有(但し、レーザー溶接は未採用)。モジュール化生産方式を導入した組立ラインは異なる4モデル、塗装ラインは異なる8モデルの併行生産も可能。
 なお、同大連工場は、テストコースも併設。更に、今後の富士重工との Subaru ブランド車の合弁生産を念頭に入れ、同工場の現行プレス/溶接/塗装/組立工場に、今後増産するための空き地も用意しているとの報道もある。

 

貴州省バス架装工場: 大型バスの生産事業を拡大へ

 奇瑞汽車は、傘下の商用車子会社を通して、買収した貴州省貴陽市のバス架装会社 (貴州万達客車股份有限公司) を母体にし、貴陽市 (小孟工業園区) に、バス生産会社「奇瑞万達貴州客車股份有限公司」として再編。2013年4月は新会社初のバスモデル、「万達」ブランド大型架装バスをラインオフした。
 2014年7月時点、ボディ全長5m~12mクラスの、中高級路線バス(一汽四川トヨタ「Coast」等の競合車種)、上級軽型バン (前・威麟シリーズ) を生産中。今後、バスを中心に、新エネルギー仕様バスを含めて合計15シリーズモデルのラインナップを構築。
 同工場は2011年9月に建設に着工。工場1期建設の敷地面積は34.5万㎡。バス年産能力は、2014年7月時点、1直6,000台 (内訳:バス3,000台、軽型バン等商務車 3,000台)。2020年には3万台に引上げる計画がある。稼働から5年間の累計売上高の計画は100億元。
 また、2013年4月時点建設中の構成部品などの補完生産施設を建設中。同補完施設への投資総額は8億元。施設の敷地面積は20万㎡で、建屋面積は14万㎡。
▽蕪湖市のバス子会社: 営業停止に
 奇瑞汽車が42%出資する、安徽省の蕪湖市 (鳩江経済開発区) にある合弁会社「蕪湖市瑞鵬客車有限公司」(Rappan Buses Co., Ltd.)は 2014年6月時点、営業資格が取り消された状態になった。同会社は2011年1月に設立。工場敷地内にはテストコースを併設。年産能力は1,500台 (敷地面積33.33万㎡)。
 同会社は主に政府機構などの公用車市場向けの上級軽型バス、中型・大型上級バスを生産。国内市場のほか、欧米等の先進国市場への輸出・拡販を目指していた。また、2012年5月に同蕪湖バス会社は、自社製品 (バス) に対するオーストラリア輸出に必要とされるADR認証にも合格していた。

 

河南省の開封市工場: 組織再編に伴い、軽型トラック等の商用車の生産体制構築

 奇瑞汽車は2013年、グループ生産体制整備の一環として、河南省の開封市にある小型商用車生産の子会社、「奇瑞汽車河南有限公司」を、奇瑞汽車の40.97%出資の筆頭株主「奇瑞控股有限公司」に譲渡した。詳細進捗は不明であるが、2014年3月時点に国営系信用会社の調査で、奇瑞汽車は同開封市工場が年間合計5万台ほどの完成車生産規模であると明らかにした。
 2010年5月に工場建設に着工した同開封市工場は、2014年7月時点生産を続けている。同工場建設への投資総額は約100億元。最終的に開瑞 (Karry) シリーズ微型車 20万台、工事用及び農業作業用車を含む軽型トラック 8万台の年産体制を整備する計画があった。
▽河南省の焦作市に、エンジンおよびその構成部品の生産・販売合弁会社を設立
 奇瑞汽車は2012年10月頃、現地政府と共同で、河南省の焦作市に、エンジンおよびその構成部品の研究開発、生産、販売(輸出)を行う合弁会社、「瑞慶汽車発動機技術有限公司」を稼働した (同年2月設立)。エンジンの年産能力は25万基、36万基に引上げる計画がある。
 主に、次世代小排気量車種向けに、自主開発した、「372型」「472型」「372A型」などのシリーズ小型エンジンを生産。海外にも輸出する。

 

内モンゴルのオルドス市工場: 建設中で、2015年稼働予定

 奇瑞汽車は2015年までに、内モンゴルのオルドス市 (東勝区) に新しい乗用車工場の建設を完工する予定 (2014年3月時点テスト生産中との報道もある)。稼働当初は自動車部品の生産を皮切りに、完成車の架装/組立生産を追加し、最終的には「奇瑞A13」、とりわけ、SUV/MPV/Pickup を主に生産。年産能力は合わせて当初20万台で、30万台に拡大する予定。
 同工場建設への投資総額は200億元。敷地総面積は400万㎡超で、建屋面積は 131.4万㎡ (うち、生産工場40万㎡、部品工場38万㎡)。同工場にはR&Dセンター (技術中心)、構成部品工場などの加工・補完施設も併設し、工場完成後の売上目標は年間300億元で、従業員は1万人超える見通し。
▽オルドス市のパワートレイン工場: 2014年稼働へ
 奇瑞汽車傘下のパワートレイン生産会社、「瑞隆汽車動力有限公司」は、同オルドス市乗用車分工場向けにパワートレインを生産する。早ければ2014年4月に1期建設を完工し生産を開始すると報じられていたが、2014年7月時点の詳細進捗は明らかにされていないが、2014年3月には既に少量生産を開始したと報道された。
 1期建設の年産能力は、「E4G13型」ガソリンエンジン 30万基と、4速AT 15万基。1期完工後直ちに入る2期建設に着工する予定。年産能力を、エンジン 35万基 (排気量 3.0L V6 エンジン 5万基追加)、変速機 20万基 (6速AT 5万基追加) に引上げる。従業員数は約800人の予定。

 

 



(参考) 奇瑞汽車の自主ブランド完成車生産状況

 ▽乗用車
車型 モデル 生産実績
(台)
前年同期比
増減比率
2010年 2011年 2012年 2013年 2013年
1~4月
2014年
1~4月
2013年 2014年
1~4月
2box/
3box
旗雲1 31,898 28,622 15,464 6,995 4,951 0 -54.8% -100%
旗雲2 70,661 53,689 31,510 22,007 9,224 3,639 -30.2% -60.5%
旗雲3 77,292 42,668 20,551 4,326 153 4,615 -78.9% 2916.3%
旗雲5 - - 1,229 25 25 0 -98.0% -100%
風雲 3box 1.5L 32,663 31,787 22,404 15,220 6,702 1,958 -32.1% -70.8%
風雲 2box 1.5L 40,794 56,544 57,073 55,862 19,501 8,588 -2.1% -56.0%
QQ3
(0.8/1.0/1.1L, EV)
153,676 147,971 144,502 115,466 47,779 22,159 -20.1% -53.6%
QQme 330 90 - - - - - -
東方之子
(1.8/1.9/2.0/2.4L)
2,801 1,145 703 452 110 157 -35.7% 42.7%
奇瑞 A1 15,067 20,663 18,596 8,954 2,552 4,364 -51.8% 71.0%
奇瑞 A3 3box
(1.6/1.8/2.0L)
34,725 22,019 12,005 6,763 1,135 1,286 -43.7% 13.3%
奇瑞 A3 2box
(1.6/2.0L)
23,668 15,483 7,247 2,598 1,119 84 -64.2% -92.5%
瑞麒 M1 2/3box
(1.0/1.1/1.3/L, EV)
23,410 7,451 867 169 67 155 -80.5% 131.3%
瑞麒 G5 2,319 1,719 1,267 501 269 4 -60.5% -98.5%
E5
(1.5/1.8L)
0 35,196 62,342 49,443 27,778 4,154 -20.7% -85.0%
B12 0 199 410 258 102 33 -37.1% -67.6%
A22
(1.3/1.6/1.8L)
0 1,432 11,902 1,122 683 5 -90.6% -99.3%
B16 - - 1,060 92 - - -91.3% -
★艾瑞澤7 - - - 12,534 0 7,185 - -
★E3 - - - 31,268 - 22,828 - -
★新型QQ - - - - - 1,099 - -
小計 509,304 466,678 409,132 334,055 122,150 82,313 -18.4% -32.6%
SUV ★瑞虎5 - - 0 4,847 0 23,758 - -
瑞麒 M1小型SUV 18,101 14,428 13,066 12,528 2,124 2,713 -4.1% 27.7%
X5 0 1,922 785 393 14 63 -49.9% 350.0%
瑞虎 3/DR 64,586 98,855 105,258 77,112 28,445 9,579 -26.7% -66.3%
小計 82,687 115,205 119,109 94,880 30,583 36,113 -20.3% 18.1%
MPV 威麟 V5
(1.8/1.9/2.0/2.4L)
11,187 6,308 1,978 1,118 640 33 -43.5% -94.8%
開瑞・優雅 18,571 10,494 3,299 6,650 1,374 2,323 101.6% 69.1%
開瑞・優翼 877 10 1 0 - - -100% -
小計 30,635 16,812 5,278 7,768 2,014 2,356 47.2% 17.0%
微型
バン
開瑞・優優 61,963 30,691 13,315 20,343 8,931 5,785 52.8% -35.2%
開瑞・優勝 2,167 1,520 456 240 -29.9% -47.4%
開瑞・優勝2代目 1,564 717 0 0 -54.2% -
小計 61,963 30,691 17,046 22,580 9,387 6,025 32.5% -35.8%
上記 (乗用車) 合計 684,589 629,386 550,565 459,283 164,134 126,807 -16.6% -22.7%
 ▽商用車
車型 モデル 生産実績
(台)
前年同期比
増減比率
2010年 2011年 2012年 2013年 2013年
1~4月
2014年
1~4月
2013年 2014年
1~4月
小型
商用車
微型トラック 7,335 6,345 11,838 17,408 7,166 6,896 47.1% -3.8%
軽型バス 0 1,692 1,548 475 125 467 -69.3% 273.6%
上記 (商用車) 合計 7,335 8,037 13,386 17,883 7,291 7,363 33.6% 1.0%
(奇瑞汽車) 総合計 691,924 637,423 563,951 477,166 171,425 134,170 -15.4% -21.7%
(注) 1. ★付太い文字になっているモデルは、最近量産発売を開始した奇瑞汽車の次世代新型戦略車。
2. 前「瑞麒」「威麟」ブランドモデルは、名称を改定中。

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