奇瑞汽車 (下): ジャガー・ランドローバーの合弁生産開始へ

「観致」(Qoros) ブランド生産開始、富士重工との合弁生産模索、海外での拡販を進める

2014/07/10

要 約

観致 3 ハッチバック
観致汽車の2車種目量産車「観致 3 ハッチバック」
北京モーターショー2014より

 奇瑞汽車 (Chery Automobile Co., Ltd.) は、低価格車による台数拡大志向から高品質車販売による収益重視志向へ戦略を大転換し、外資との提携、中国メーカーとの提携で、技術力の向上と経営の効率化を進めようとしている。戦略変更に伴い、グループ全体のグローバル販売目標を、2014年の75万台から、中期的に100万台と下方修正した。

 本レポートは、外資との中国国内合弁生産と奇瑞汽車グループの海外事業に焦点を当てて報告する。

・「観致」Qorosブランド(観致汽車)の生産開始

 イスラエルの国際的投資会社「イスラエル・コーポレーション」(Israel Corporation) との合弁会社である「観致汽車有限公司」(Qoros Automotive Co., Ltd.)は、2013年12月に江蘇省の常熟市工場を稼働させて中国国内と欧州向けの販売を開始した。

・ジャガー・ランドローバーとの合弁生産は2015年初から

 インドのタタモーターズ傘下のジャガー・ランドローバー (JLR: Jaguar Land Rover) と奇瑞汽車は、2012年11月に合弁生産の認可を受けて、江蘇省の常熟市工場の建設を開始した。2014年7月に完工予定だが、工場の生産開始は2015年初になる見込み。

・富士重工との合弁生産を模索

 2011年に奇瑞汽車は富士重工との合弁生産を中国政府に申請し却下されたが、引き続き合弁生産の可能性を模索している。

・ブラジルでの本格生産を開始へ

 中南米市場での更なる拡販を目指す一環として、ブラジルではエンジン工場および完成車の生産ラインを揃えた本格的な完成車生産を2014年11月頃開始する予定。

・海外輸出事業の展開

 海外での拡販を目指して、80カ国以上の国々で販売網の整備を進めている。また、進出国でのCKD生産も積極的に進めている。

 ▽関連レポート
  奇瑞汽車 (上): 自主ブランド事業を大きく戦略転換 (2014年7月掲載)
  2014年北京モーターショー奇瑞汽車の展示取材 (2014年5月掲載)
  2013年上海モーターショー奇瑞汽車の展示取材 (2013年5月掲載)
  奇瑞汽車:海外企業との合弁事業を推進 (2012年4月掲載)

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