デトロイトモーターショー 2014 (3):日本・韓国メーカーの展示取材

レクサス・インフィニティ・アキュラなど高級車と最新技術を出展

2014/02/18

要 約

Toyota FT-1
Toyota FT-1

 2014年北米国際自動車ショー (デトロイトモーターショー 2014) は1月13日から26日まで開催された (一般公開は18~26日)。

 日本・韓国の自動車メーカーは、高性能車市場に強いインパクトを与えるべく、数多くのラグジュアリーモデルを出展した。LexusはRCを北米初公開し、RC Fを世界初披露した。日産は、Q50 Eau Rouge、日産スポーツセダンコンセプト、Sentra NISMOなど、高性能に焦点を当てた一連のコンセプト車を展示した。 このほか、AcuraのTLX Prototype、スバルのWRX STI、KiaのGT4 Stingerが初公開された。

 また、日本・韓国メーカーの多くは、新モデルの基盤となる様々な最新技術も披露した。トヨタとホンダは燃料電池車のコンセプトを出展。日産は、従来とは異なるデザイン手法で開発したIDxコンセプトを展示した。Hyundai GenesisやKia K900は、先進的な運転支援技術や安全技術を紹介した。

 本レポートはデトロイトモーターショー2014の展示取材レポート全3本の最後のレポートで、日本および韓国メーカーの展示を取り上げる。トヨタ、日産、ホンダ、Hyundai/Kiaの展示概要を紹介するほか、スバルとマツダの展示についても触れる。なお、1本目のレポートは米国メーカー、2本目のレポートは欧州メーカーの展示を紹介した。


関連レポート:
デトロイトモーターショー 2014 (1):米国メーカーの展示取材
デトロイトモーターショー 2014 (2):欧州メーカーの展示取材



トヨタはスタイリッシュなFT-1、最新技術を駆使したFCV、高性能な高級車Lexusモデルを出展

 トヨタとレクサスの展示エリアは、いずれも広大なスペースに出展モデルをゆったりと並べ、来場者を歓迎するムードにあふれていた。

Toyota FT-1 コンセプトカー

Toyota FT-1  今回のデトロイトモーターショーで世界初公開されたFT-1 (Future Toyota 1) は、顧客に活力・情熱・興奮を呼び起こすコンセプトカーである。FT-1は、トヨタの米国デザイン拠点 Calty Design Researchが、「機能を追求した彫刻」というデザイン手法を採用して設計した。 その結果、ボディのフォームは、風によって形作られた彫刻物のようである。数多くの吸排気口やダクト類は、車体の周囲の空気の流れが最適になるよう設計されている。可動式リアウィングは、同モデルの高い運動性能を強調している。
 同車はエンジンをフロントに置き、コックピットを思い切って後方に配置している。このレイアウトにより、後輪駆動方式における重量配分の向上を図るとともに、スポーツカーらしいスタイリングを実現している。装飾を極力排したインテリアは、フォーミュラカーを思わせるステアリングホイールやできるだけ後方に置かれたAピラーが特徴である。これにより、ドライバーはコーナリング時の視界を確保でき、運転に神経を集中させることができる。
Toyota FT-1
Toyota FT-1
Toyota FT-1 内装
Toyota FT-1 内装

 

Toyota FCV Concept

Toyota FCV Concept  トヨタは、20年にわたる燃料電池技術の研究開発の集大成であるFCVコンセプトを展示。この試作モデルは路上テストで、航続距離が約300マイル、0-60 mph加速が10秒という数字を常に達成。FCVコンセプトは4人乗りで、水素タンクを満充填するのにかかる時間は3~5分と、電気自動車の充電に必要な時間よりはるかに短くすむ。
 同車では、大幅に小型化・軽量化された2本の水素タンクが床下に置かれる。パワートレインシステムの出力は100 kW以上。 外部給電装置があれば、満充填されたFCVは一般家庭の使用電力1週間分以上を供給することができる。トヨタは2015年に、米国カリフォルニア州でFCVの市販を開始する予定。
Toyota FCV Concept
Toyota FCV Concept
Toyota FCV Concept Cutaway
Toyota FCV Concept カットモデル

 

2015 Lexus RC クーペ

Lexus RC Coupe  東京モーターショーで発表された2015年型Lexus RCクーペは、今回のデトロイトショーで北米デビューを果たした。GSプラットフォームを採用するLexus RCには、2種のパワートレインを設定。RC 350には、3.5L V6エンジン (最高出力314 hp、最大トルク280 lb-ft) に8速ATを組み合わせる。レクサス初のハイブリッドクーペRC 300hは、2.5L 4気筒で2つのインジェクターを持つ直噴エンジンと105kWの電気モーターを搭載し、システム全体では最高出力176 hp、最大トルク163 lb-ftを発生。トランスミッションには電気式無段変速機 (CVT) を採用する。
 同車は、標準では後輪駆動、オプションで四輪駆動を選択できる。サスペンションは、フロントにダブルウィッシュボーン、リアにマルチリンクを採用。外観は、新たにデザインされたヘッドランプと低く構えたワイドスタンスを特徴とする。車内装備としては、ダッシュボードに7インチナビゲーション画面、センターコンソールに新型リモートタッチインターフェースを搭載した。2014年秋に発売される予定。
Lexus RC
Lexus RC
Lexus RC Interior
Lexus RC 内装

 

2015 Lexus RC F クーペ

Lexus RC F Coupe  2015年型Lexus RC Fは、Lexus RCクーペの高性能グレードとして世界初公開された。新型5.0L V8 32バルブエンジンを搭載したRC Fは 、最高出力450 hp以上、最大トルク383 lb-ft以上を発生。8速スポーツダイレクトシフトATを組み合わせ、最高速度は約168 mphに達する。標準では後輪駆動方式を採用。2015年型 RC FはRCと同様、2014年秋に発売される予定。
 RC Fの走行性能を高める装備の一つに、トルク・ベクタリング・ディファレンシャル (TVD) がある。TVDシステムは、走行中、ディファレンシャルにより各輪に伝達する駆動力を変化させる。3つのモードがあり、「スタンダード」は走行性能と安定性能のバランスをとり、「スラローム」はステアリング操作を向上させ、「トラック」は安定性能を高める。サスペンションシステムも走行性能の向上に貢献しており、フロントにはインディペンデントサスペンション、リアにはコイルスプリングサスペンションが搭載されている。
 Lexus LFAからデザインのヒントを得たRC Fは、エンジン冷却用にエンジンフードのエアベント、フロントのクーリングダクト、フロントフェンダーのダクトを採用。トランクカバーに組み込まれたアクティブリアスポイラーは、走行速度が50 mphを超えると立ち上がり、車両が浮き上がるのを防ぐ。室内では、液晶画面にメーター類を表示し、必要な情報を提供するインストルメントパネルを採用。また、断面が楕円形で肉厚なグリップを持つステアリングホイールを、レクサスとして初めて搭載。ドライバーの正確なステアリング操作を支援する。
Lexus RC F
Lexus RC F

 

Lexus LF-NX コンパクト クロスオーバー コンセプト

Lexus LF-NX  2013年フランクフルトモーターショーで初公開されたLexus LF-NXコンセプトは、レクサスが、成長するコンパクトクロスオーバーセグメントを重視していることを示すものである。同コンセプトは、レクサス初のターボエンジン、2.0L 4気筒ターボエンジンを搭載する。 報道によると、Lexus LF-NXの量産モデルは2014年のジュネーブモーターショーに出展される予定。
 LF-NXコンセプトのスタイリングには、2つの大きな特徴がある。1つ目は、フロントグリルから後方に続くダイアモンド型のベルトラインで、力強さを表現している。2つ目はフロント部を締める大胆なデザインのスピンドルグリルで、バンパー下部にまで広がるその姿は、堂々としたワイドスタンスを引き立てる。室内では、センターコンソールがキャビン全体に伸び、リアシートを二分する。インストルメントパネルは上部のディスプレイゾーンと下部のオペレーションゾーンに分かれ、オペレーションゾーンでは様々なスイッチやLexusリモートタッチインターフェースにアクセスできる。
Lexus LF-NX Concept
Lexus LF-NX Concept
Lexus LF-NX Concept Interior
Lexus LF-NX Concept内装

 



日産:高性能コンセプトのスポーツセダンコンセプトとQ50 Eau Rougeを出展、IDxコンセプトは新デザイン手法を提示

 日産の展示は、円形ステージにスポーツセダンコンセプトとIDxコンセプトが置かれ、その周囲を客席が取り巻いている。同社の役員がいつものようにステージ上のモデルを紹介したが、非常にカジュアルな雰囲気で、展示されたコンセプトのスタイルにマッチしたものであった。

Nissan Sport Sedan Concept

Nissan Sport Sedan Concept  雑誌Autoweek Magazineが選出するデトロイトモーターショー2014の「ベスト・コンセプト」賞を受賞した日産スポーツセダンコンセプトは、次世代のスポーツスタイルを示すデザインスタディモデルである。同コンセプトは前輪駆動を採用し、最大出力300 hp以上を発生させる3.5L V6エンジンを搭載。スポーツ向けにチューニングされたエクストロニックCVT(無断変速機)、パフォーマンスダンパーを備えたサスペンション等も搭載する。
 日産スポーツセダンコンセプトは、2013年に発表されたコンセプトカー ResonanceとFriend-MEと同様、3つのデザインコンセプトVモーションのフロントエンド、フローティングルーフ、ブーメラン形状のヘッドライト、テールライトを採用している。Vモーションとは、フロントグリルからエンジンフードへのV字型ラインが作り出す動きを指す。フローティングルーフのデザインは、ピラーがまったく無いかのように見え、広々とした空間と軽快さを感じさせる。ブーメラン形状のヘッドライトとテールライトは、特徴的なデザインであるだけでなく、人々の注意を車両の中心に集める役割を果たしている。
 スポーツセダンコンセプトのインテリアにも、将来の量産車の方向性が見られる。ダイヤモンドキルト加工を施したシートやステッチ、パネル類は、従来の単調な室内に比べて深みが感じられる。インテリアにはコントラストの強い色も使用されており、モダンなフィーリングを加えている。
Nissan Sport Sedan Concept
Nissan Sport Sedan Concept

 

日産IDx FreeflowコンセプトとIDx NISMOコンセプト

IDx Freeflow & IDx NISMO  今回のショーで北米初公開された日産IDx FreeflowとIDx NISMOは、新たな手法で開発された2台のコンセプトカーである。デザインのアイデアを出したのは、1990年代以降に誕生した人々で、生まれた時からデジタル機器に囲まれて育ってきた、いわゆる「デジタルネイティブ」世代。日産の開発者とこの若い世代の人々は、基本的なフレームワークの設計から仕上げのディテールに至るまで、すべてのデザインプロセスにおいてコミュニケーションを重ねた。そして、最終的なデザインは、両コンセプトともにシンプルなスリーボックスデザインとなった。日産は、2台のコンセプトカーのうち少なくとも1台は量産化すると表明している。
 IDx Freeflowは、実用性と心地よさを組み合わせたカジュアルなモデルである。インテリアはリビングルームを思わせるデザインで、シート素材にはデニムを採用。シンプルなステアリングホイール、アナログ時計、モダンなデザインの速度計など、簡素だが居心地のよい雰囲気を醸し出す。全長13.5フィートx全幅5.6フィートx全高4.3フィートのコンパクトカー。実用性を重視するIDx Freeflowには、燃費性能に優れた1.2Lまたは1.5LのガソリンエンジンとCVTの組み合わせが推奨される。
 一方、IDx NISMOは、レースシーンが似合うスポーツモデルである。Freeflowと全長・全高は同じだが、全幅は5.9フィートで、より低く、よりワイドなスタンスを持つ。逆スラントノーズ、サイドマフラー、エアロダイナミクススポイラーが、スピード感を表現。同コンセプトで多用されている炭素繊維など、使用素材もNISMOの高性能なイメージを強化する。NISMOに推奨されるパワートレインは、1.6L直噴ターボエンジンと6速マニュアルシフトモード付きCVTの組み合わせである。
Nissan IDx Freeflow Concept
Nissan IDx Freeflow Concept
Nissan IDx NISMO Concept
Nissan IDx NISMO Concept

 

Nissan Sentra NISMO Concept

Nissan Sentra NISMO Concept  ロサンゼルスモーターショーで初公開されたSentra NISMOコンセプトは、2014年型日産Sentraの高性能バージョンである。同コンセプトが搭載する1.8L直噴ターボエンジンは、最高出力240 hp以上、最大トルク240 lb-ft以上を発生させる。この数値は、 標準モデルを最高出力で110 hp、最大トルクで110 lb-ft上回る。このパワフルなエンジンには、6速MTを組み合わせる。さらに、走行性能を高める装備として、リミテッド・スリップ・デフやカスタムチューニングされたサスペンションが搭載される。
 空力性能を向上させるために、Sentra NISMOの外観にはいくつかの変更が加えられた。LEDライトを下げ、グリルをよりワイドで低くしたため、フロントフェイスはよりシャープになった。低い位置にある幅広のフロントスポイラー、車両の両サイドにある大きなフェンダーフレア、組み込まれたサイドシル等も空気の流れを改善する。インテリアには、Recaro製の"Sportster"フロントシートや、本革・Alcantara(スウェード調人工皮革)巻きステアリングホイールなど、高性能モデルにふさわしい装備が搭載されている。
Nissan Sentra NISMO Concept
Nissan Sentra NISMO Concept

 

Infiniti Q50 Eau Rougeコンセプト

Infiniti Q50 Eau Rouge Concept  Infiniti Q50はプレミアムスポーツセダンだが、デトロイトで初公開されたInfiniti Q50 Eau Rougeコンセプトは高性能スポーツセダンである。同コンセプトの性能について、InfinitiのJohan de Nysschen社長は、「量産するとすれば、最高出力は500 hp以上、最大トルクは600 lb-ft以上となるだろう」と語っている。
 Q50 Eau Rougeコンセプトの外観は、ベース車両のQ50に対し、ほとんどすべてが変更された。新しいフロントフェンダーとリアフェンダーにより、車幅は約0.8インチ拡大。ダウンフォースを確保するため、リアスポイラーをトランクに装着。エンジンフードにはエアベントが2つ設けられ、エンジンの冷却特性を改善する。インテリアには、ハイグリップのスポーツステアリングホイールとパドルシフターを採用し、スポーティ性を強調する。
Infiniti Q50 Eau Rouge Concept
Infiniti Q50 Eau Rouge Concept
Infiniti Q50 Eau Rouge Concept Interior
Infiniti Q50 Eau Rouge Concept Interior

 



ホンダはFitとFCEVを出展、AcuraはTLX プロトタイプとRLX スポーツハイブリッドを展示

 ホンダの展示は、ホンダFitのスピリットを表現するように、カジュアルな雰囲気と遊び心に満ちていた。一方、ホンダの持つ高い技術をテーマとしたムービーも何本か上映しており、その中には人型ロボットASIMOのムービーもあった。これは、燃料電池車FCEVコンセプトの展示と、よく調和がとれていた。Acuraの展示には多くの曲線が使われ、ラグジュアリーな雰囲気を醸し出していた。

2015年型ホンダFitサブコンパクトカー

Honda Fit  ホンダはサブコンパクトカークラスの新しいベンチマークモデルとして、2015年型新型ホンダFitを北米初公開。同モデルは、新開発のDOHC Earth Dreams 1.5L 直噴エンジン (最高出力130 hp、最大トルク114 lb-ft) を搭載。旧モデルのエンジンより軽量だが、最高出力で13 hp、最大トルクで8 lb-ft上回る。オプションのCVTと組み合わせると、EPA推定燃費はシティモードで33 mpg、ハイウェイモードで41 mpgの見込み。標準では6速MTが搭載される。
 コンパクトカーである新型ホンダFitは、収納力と広い車室を重視している。新開発のプラットフォームは、従来と同様、センタータンクレイアウトを採用。新型車の全長は先代より1.6インチ短くなり、全幅は0.3インチしか拡大していないのに、室内スペースは4.9立方フィート、後席のレッグルームは4.8インチ大きくなった。先代と同様、新型車の後席シートは折り畳んで収納できる。後席を折り畳むと、荷物スペースは52.7立方フィートとなる。その他の標準装備には、Bluetooth接続機能、マルチアングルリアビューカメラ、外縁を凸面鏡にして視野を拡大した運転席側サイドミラーなどがある。
 同車は2014年春に発売される。Fitとしては初めて北米で生産される予定で、メキシコCelaya市のホンダ新工場で生産される。

 

Honda Fit
Honda Fit

 

Honda FCEV Concept

Honda FCEV Concept  今回のデトロイトモーターショーで、来場者の多大な関心を集めたホンダモデルの一つが、FCEVコンセプトである。2015年に発売予定のFCEV市販車のプレビューとして、同コンセプトは洗練されたスタイルと空力性能に優れたボディを提示した。このコンセプトが量産化されれば、燃料電池車のパワートレインをすべてエンジンコンパートメントに置いた、世界で初めてのモデルとなる。このことで、ホンダFCEVコンセプトは、5人が快適に乗車できる車室を確保した。
 ホンダFCEVコンセプトは、継続的に100 kW以上の出力が可能。ホンダの現行燃料電池車FCX Clarityと比較すると、FCEVコンセプトの燃料電池スタックは33%小型化されているが、出力密度は3 kW/L で60%増加している。このような進歩により、FCEVコンセプトの航続距離は300マイル以上となり、水素タンクの再充填は3分程度で完了する。ホンダは2015年に米国と日本で量産モデルを投入する予定。
Honda FCEV Concept
Honda FCEV Concept

 

2015 Acura TLX Prototype Sports Sedan

Acura TLX Prototype  高級車と高性能車を融合させた2015年型Acura TLXプロトタイプが、今回のデトロイトモーターショーで発表された。2種のパワートレインが用意され、2.4L直4直噴エンジンは、トルクコンバータ付き8速デュアルクラッチトランスミッションと組み合わせる。さらにパワフルな3.5L V6直噴エンジンは、可変シリンダーシステム(VCM)という気筒休止機構を採用。同エンジンは9速ATと組み合わせる。駆動方式は、前輪駆動か四輪駆動かを選択できる。
 2015年型TLXプロトタイプは、高い旋回性と安定性を両立させるプレシジョン・オール・ホイール・ステア(P-AWS)や四輪駆動力自在制御システム(SH-AWD)など、多様な先進装備を搭載している。また、統合ダイナミクスシステム(IDS)には、エコノミー、ノーマル、スポーツ、スポーツプラスの4種の走行モードがあり、選択モードに基づいてSH-AWDやP-AWSの制御ロジックなど様々なシステムを調整する。このほか、衝突被害軽減ブレーキシステムや車線逸脱警告システムも設定する。
 彫刻のような造形のエンジンフード、ワイドで低いスタンス、Acura特有の宝石を並べたようなLEDヘッドライトが、TLXプロトタイプのスポーティな特性を際立たせる。サイドミラーの下端に装着されたLEDライトは、方向指示器に合わせてキラキラと輝く。室内では、遮音材とアクティブノイズコントロールにより、騒音が大幅に低減されている。
 2015年型Acura TLXプロトタイプは、カリフォルニア州Los AngelesのAcuraのデザインスタジオとオハイオ州RaymondのAcuraのR&Dセンターで開発・設計された。量産モデルはオハイオ州MarysvilleのAcura工場で生産され、2014年夏に投入される予定。
Acura TLX Prototype
Acura TLX Prototype

 

2014 Acura RLX Sport Hybrid SH-AWD Sedan

Acura RLX
Sport Hybrid SH-AWD
 2014年型Acura RLX スポーツハイブリッドSH-AWDは、2014年型Acura RLXの環境性能と走行性能を高めたバージョンである。パワートレインには、Acura RLXと同じ3.5L V6エンジンに加え、3つの電気モーターを搭載する。35 kWのモーターは7速デュアルクラッチトランスミッションと一体設計。左右の後輪にはそれぞれ27 kWのモーターが搭載される。システム全体では、最高出力377 hp、最大トルク 273 lb-ftを引き出す。複合モード燃費は30 mpgで、Acura RLXより25%改善されている。
 操作面では、市販されているホンダのハイブリッド車としては初めてSH-AWDを標準装備する。他の新装備としては、プッシュボタン式のエレクトロニックギアセレクター、アクセルペダルの反力によりドライバーに様々なインフォメーションを与えるリアクティブフォースペダル、ヘッドアップディスプレイ等がある。
 2014年型RLX スポーツハイブリッドSH-AWDは、2014年春に米国で発売される予定。
Acura RLX Sport Hybrid SH-AWD
Acura RLX Sport Hybrid SH-AWD

 



マツダは市販車Mazda3を出展、プロトタイプレーシングカーも披露

 マツダは市販車のMazda3を出展したが、展示の中心はディーゼルエンジンを搭載したプロトタイプレーシングカーだった。「2014年チュードル・ユナイテッド・スポーツカー選手権」でディーゼルエンジンを使用するOEMチームはマツダだけであるとして、モータースポーツにおけるマツダの活動が披露されていた。レースのシミュレーターを楽しむ来場者もいた。

2014 Mazda3 Compact Car

Mazda3  展示の中心ではなかったが、マツダの最量販車である2014年型Mazda3も出展されていた。Mazda3には2種のエンジンが用意され、SKYACTIV-G 2.0L 4気筒エンジン (最高出力155 hp、最大トルク150 lb-ft)またはSKYACTIV-G 2.5L 4気筒エンジン (最高出力184 hp、最大トルク185 lb-ft)を選択する。安全装備では、i-ACTIVSENSEと呼ばれる安全システムパッケージが用意される。Mazda3は6つのグレードを展開する。
 2014年型Mazda3は現在販売中で、ベース価格は16,945ドル。生産は日本の防府工場とメキシコのSalamanca工場で行われている。
Mazda Mazda3
Mazda3
Mazda Mazda3 Interior
Mazda3 Interior

 



富士重工は高性能フラッグシップ車WRX STIを出展

 富士重工の展示はシンプルそのもので、来場者の目はすべてワールドプレミアされたSubaru WRX STIに引きつけられた。

2015 Subaru WRX STI Sedan

Subaru WRX STI  富士重工は、フラッグシップの高性能車、2015年型WRX STIを今回のデトロイトモーターショーで世界初公開した。新型WRX STIは、2.5L 4気筒ターボエンジン (最高出力 305 hp、最大トルク290 lb-ft) を搭載。新開発のアイシン製6速MTを組み合わせ、EPA推定燃費はシティモードが17 mpg、ハイウェイモードが23 mpgである。 2015年型Subaru WRX STIは2014年春に発売される予定。
 同車は、車両全体に走行性能を高める技術が導入されている。エンジンフードはアルミニウム製で、車両の軽量化につながる。車体構造には、先代より多くの高張力鋼が利用され、シャシーの剛性を高めると共に操舵性を向上させている。アクティブトルクベクタリング、パワートレインの制御システムであるスバルインテリジェントドライブ、センターデフの制御特性を選択できるマルチモードDCCD (ドライバーズコントロールセンターデフ)等の機能は、四輪駆動方式と連動することにより、各輪に対する駆動力と制動力の配分を最適化する。
 新型WRX STIのフロントフェイスは、グリルとバンパーキャップが一体化したデザインとなっている。細く引き締まったLEDヘッドライトは、ワシやタカなど猛禽類の目を思わせる。室内は、ホイールベースが1インチ拡大されたため、ゆったりと広くなった。インストルメントパネル上の3.5インチの液晶画面はドライバーに必要な情報を表示し、センターコンソール上の4.3インチの画面は様々な機能の操作に使用する。
Subaru WRX STI
Subaru WRX STI

 



Hyundaiは次期型Genesis、KiaはGT4 Stingerコンセプトを発表

 Hyundaiの展示の中心は新型Genesisで、Genesisのカットモデルも出展されたほか、各種装備について解説した大型の円形ボードが目を引いた。Kiaの展示は従来のスタイルで、控えめなものだった。

2015 Hyundai Genesis Luxury Sedan

Hyundai Genesis  2009年の北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したモデルの2代目、2015年型Hyundai Genesisは、4年連続で記録を更新しているHyundaiの販売台数を、さらに増やすモデルとなるだろう。エンジンは2種設定され、3.8L V6 直噴エンジンは最高出力311 hp、最大トルク293 lb-ftを発生。5.0L V8 エンジンは最高出力420 hp、最大トルク383 lb-ftを引き出す。いずれのエンジンも8速ATと組み合わせる。
 新型Genesisには、新開発の四輪駆動システムHTRACを設定。また、HIRACは、路面状況に応じて4種の走行モードを選択できる新インテリジェントドライブモードシステムと組み合わせることも可能。その他の安全装備には、自動緊急ブレーキや緊急ステアリングサポートモードがある。利便性装備には、ヘッドアップディスプレイ、9.2インチのインフォテインメントディスプレイ、Hyundaiの第2世代Blue Linkサービス等があげられる。
 2015年型Genesisは、Hyundaiの新たなデザイン言語、Fluidic Sculpture 2.0を最初に採用したHyundaiモデルである。 Fluidic Sculpture (流れるような彫刻) は、流体の美学、モダンなHyundaiらしさ、高級感という3つのデザインエレメントを重視する。これら3つの特性は、フロントの六角形グリルとリアの折り目のようなアクセントに垣間見ることができる。室内空間は123立方フィートと広く、様々な人間工学的デザインにより、乗員の快適性を向上させている。
 2015年型Hyundai Genesisの販売は2014年春に開始される予定。ベース価格は40,000ドル以下。韓国の蔚山にあるHyundaiの工場で生産される。
Hyundai Genesis
Hyundai Genesis
Hyundai Genesis Cutaway
Hyundai Genesis Cutaway

 

2014 Hyundai Elantra Compact Car

Hyundai Elantra  2013年のロサンゼルスモーターショーで初公開された2014年型新型Hyundai Elantraが、今回のデトロイトモーターショーにも出展された。2014年型Elantraは3グレードを設定し、グレード毎に多様な装備を搭載している。ベースグレードのElantra SEは1.8L 直4エンジン(最高出力 145 hp、最大トルク130 lb-ft)を搭載。一方、Elantra SportとElantra Limitedには2.0L 直4直噴エンジン(最高出力173 hp、最大トルク154 lb-ft) を搭載する。全グレードとも標準では6速MT、オプションでは6速ATを設定する。
 先代からの変更点はフロントとリアのスタイルで、特にフロントマスクは大きく変更された。インテリアでは、エアベント、制御装置、アームレスト等に人間工学的な改良を施した。また、車両全体に新素材を使用することにより、車内の騒音は低減された。新型車に搭載されたドライバーセレクタブルステアリングモードは、ドライバーの嗜好や路面状況に応じて、走行特性を変更することができる。
 2014年型Hyundai Elantraは現在販売中で、エントリーグレードのElantra SEのベース価格は17,200ドル。アラバマ州MontgomeryにあるHyundaiの工場で生産されている。
Hyundai Elantra
Hyundai Elantra

 

Kia GT4 Stinger Concept

Kia GT4 Stinger  世界初公開されたKia GT4 Stingerコンセプトは、高性能スポーツカーの可能性を追求したデザインスタディである。全長169.7インチx全幅74.4インチx全高49.2インチ、ホイールベースは103.1インチ。パワートレインは、2.0L 4気筒直噴ターボエンジン (最高出力315 hp) と6速MTを組み合わせる。
 フロントには、Kia特有のグリルが地面に近い位置に置かれ、エンジンの冷却機能を向上させている。 グリルの両側には縦型のLEDヘッドライトがあり、フロントブレーキ用の冷却ベントはバンパーに組み込まれた。Aピラーが透明であるため、ドライバーの視界は向上し、ルーフはまるで浮かんでいるように見える。リアには、2本の排気口の上にLEDテールライトが装着されている。インテリアは、GT4 Stingerの機能性を際立たせている。ドアハンドルの代わりにプルストラップがあり、カーペットやオーディオシステムがなく、ステアリングホイールがD字型であることは、いずれもGT4 Stingerがまぎれもなくレースカーであるということを示唆している。
 Kia GT4 Stingerコンセプトは、カリフォルニア州Irvineに本拠を置くKiaのデザインチームに開発された。同チームは、2012年のシカゴモーターショーに出展されたTrack'sterコンセプトも設計している。Kiaは、GT4の量産モデルを2014年中に投入する予定とされる。
Kia GT4 Stinger Concept
Kia GT4 Stinger Concept

 

2015 Kia K900 Luxury Sedan

Kia K900  2013年のロサンゼルスモーターショーで世界初公開された2015年型Kia K900は、Kiaの新型フラッグシップモデルである。K900には2つのグレードが設定され、それぞれ異なるエンジンを搭載する。3.8L V6エンジンは最高出力311 hpを引き出し、Kiaブランド車が搭載するエンジンの中で最もパワフルなV6エンジンである。5.0L V8エンジンを搭載するモデルは、V8エンジンを搭載するKia初のセダンとなるが、最高出力420 hpを発生する。両グレードとも8速ATと組み合わせ、後輪駆動方式を採用する。
 両グレードとも、9.2インチ画面を備えたインフォテインメントシステム、フロント/リアカメラ、 フロント/リアパーキングセンサーを標準装備。安全装備では、トラクションコントロールシステム、EBD、ヒルスタートアシストコントロールを標準搭載する。オプションのVIPパッケージでは、先行車との車間距離を一定に維持し、必要なら自車を停止させるアドバンストスマートクルーズコントロールや、電動リクライニング後席シート等の装備が追加される。
 2015年型Kia K900は2014年春に発売される予定。韓国の所下里 (ソハリ) にあるKiaの工場で生産される。V8エンジン搭載グレードの価格は60,400ドルからだが、ベースグレードの価格は未発表。
Kia K900
Kia K900
Kia K900 Engine Comparment
Kia K900 Engine Compartment

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