中国の日系部品メーカー(2):華南/華中地域の動向

広東省の広州/佛山/中山/東莞、湖北省の武漢/襄樊、湖南省の長沙、河南省の鄭州など

2013/07/23

要 約

  以下は、日系部品メーカーの2012年4月から2013年6月までの約1年2カ月における、華南地域の広東省、華中地域の湖北省と湖南省および河南省での事業動向である。


  反日デモの影響を受けていた日系自動車大手のトヨタ/ホンダ/日産/三菱自動車が投資計画を変更せず中国工場の増強を継続すると表明したことを受けて、日系部品メーカーは投資活動を活発化し始めた。トヨタ/日産/ホンダの乗用車やパワートレイン工場の集積地である華南地域の広東省広州市、または、日産/ホ ンダの乗用車・エンジン工場を擁する華中地域の湖北省武漢市/襄樊市と河南省鄭州市、ならびに、三菱自動車/Fiat/VWの工場 (建設中を含む) を有する華中地域の湖南省長沙市において、既存工場の拡張や新工場の建設を進めている。

  更に、反日デモの直後に新工場建設または既存工場拡張など中国事業の拡大計画を先送りにしたり、棚上げした日系部品メーカーも、既存計画を進めることを再決断したケースも増えている。

  一部のメーカーは、中国での生産子会社に、拡販のため開発機能をもたせて顧客企業のニーズに対応できるよう開発の現地化に進めている。さらに、コスト削減のために日本生産の一部を中国の生産子会社に移管するケースもある。

日系部品メーカー動向関連レポート:

  中国 (華東地域) 編 (2013年6月27日)
  中国 (華中地区/西南地区)編 (2012年7月)、
  中国 (華南地区-広東省)編 (2012年7月)、
  中国 (華東地区)編 (2012年6月)、
  中国 (東北/華北地区)編 (2012年5月)、
  米国編 (2013年7月)、メキシコ・ブラジル編 (2013年5月)、
  タイ編 (2013年3月)、 ASEAN編 (2013 年2月)、
  欧州編 (2012年12月)、インド編 (2012年11月)、
  メキシコ・ブラジル編(2012年9月)、米国編 (2012年7月)

華南周辺地図
華南周辺地図

華中周辺地図
華中周辺地図
 


華南地域の広東省における日系各社の動向

(配列は企業名50音順、以下同)

広州市: 曙ブレーキ/小糸製作所は生産体制増強、エフテック/河西工業/ジヤトコは開発機能整備

曙ブレーキ工業: 広州子会社に生産ライン増設計画を再開、2015年に年産能力倍増へ
 曙ブレーキ工業は2013年7月、反日デモの影響で凍結していた、2012年に開始する予定であった広州生産子会社、「広州曙光制動器有限公司」(Akebono Corporation (Guangzhou) Co., Ltd.) における生産ライン増設計画を再開すると明らかにした。2014年に本格的に稼動を開始し、2015年の乗用車用ディスクブレーキの年産能力を2013年計画に比べて2倍に拡大する。投資総額は約4億円。現地の既存日系メーカーのほか、新規受注を得た欧米系メーカーにも納入する。
アーレスティ: 広州工場を拡張、新規製品の生産を開始
 アー レスティの広州市生産子会社、「広州阿雷斯提汽車配件有限公司」(Guangzhou Ahresty Auto Parts Co., Ltd.) は2013年4月、既存工場隣接地に第3工場の1期建設を完工。ダイカスト新規製品の生産を開始した。同新工場の建屋面積は1.6万㎡ (既存広州第1工場2.63万㎡、広州第2工場1.04万㎡)。敷地面積は2万㎡。
内山工業: 広州市子会社に生産ライン9本増設を完了
 内山工業は2012年4月、広州市 (永和経済区) にある、ベアリング用シールの構成部品である磁性ゴムローターを生産する子会社、「広州内山工業有限公司」(Guangzhou Uchiyama Manufacturing Co., Ltd.) に、生産ライン合計9本を新設したと明らかにした。これに併せて、同子会社の従業員も従来の180名から200名に増員し、2012年4月下旬から増産体制を始動した。
エフテック: 広州で開発子会社を移転、将来は日米並みの開発機能をもたせる
 エフテック (F.tech)は2013年1月、2013年秋をめどに、広州市にある開発子会社「偉福(広州)汽車技術開発有限公司」(F.tech (Guangzhou) Technical Center) を、現行の仮施設から広州市内にある新研究棟に移転すると明らかにした。同子会社の敷地面積は合計4,569㎡で将来の拡大予定分を含む。研究棟は建屋面 積6,617㎡の鉄筋4階建て。
 移転に伴い、開発子会社には、2016年度までに約900万元を投資し、試験設備 を導入するほか、リサーチ機能も持たせる。開発技術者を2014年中に40~50名に増員する。耐久性/強度などの各種試験のほか、中国地場自動車メー カー向けに市場調査から、フレーム部品を主に、懸架モジュール/ペダル等の足回り部品の開発までを行う。
 今後は同開発子会社に試作用の設備を導入し、日本や米国などの自社開発センター並みの開発機能をもたせる。現地ニーズに即時に対応し、それに沿った製品・仕様の提案力も高めて更なる拡販を狙う。
オーハシテクニカ: 広州合弁工場でプレス部品の生産を開始
 オーハシテクニカは2012年7月、広州市にある、ナカヒョウとの生産合弁会社「広州大中精密件有限公司」(Ohashi Nakahyo Precision Parts (Guangzhou) Co., Ltd.) で、精密プレス加工と独自の圧入プロジェクション技術によるエンジン用のプレス部品の生産を開始。同年10月から納品を始めた。(同合弁会社の資本金は600万米ドルで、オーハシテクニカが70%、ナカヒョウが30%出資。)
 なお、オーハシテクニカは、2012年5月に発表した2012~2014年度中期経営計画「Challenge to Change」に、中国/メキシコに子会社を設立し、新興国を中心に自動車部品事業を拡大する方針を示した。うち、中国で2014年度売上高35億円 (2011年度実績20億円)の目標を掲げている。
河西工業: 広州生産子会社に開発センターを設置へ
 河西工業は2013年5月、設計開発体制を従来の日本1極体制から、主な納入先である日産に合わせて将来的に世界5拠点に研究開発拠点を設けると表明。まずは、日米中の3拠点体制に切り替え、その一環として、中国では広州市に開発センターを設立すると発表した。日産/ホンダなどの現地需要拡大 に対応し、これまで日本で行っていた試作/実験や設計データのCAD製図を中国で実施するなど、中国における技術支援機能を強化する。
 河西工業は、広州市の花都区にある生産子会社「広州河西汽車内飾件有限公司」の敷地内に開発建屋を建設。2014年4月をめどに既存設計部門「設計部」をベースにした開発センターの運営を開始する。開発技術者は、現行の6名に加えて、20~30名を現地で採用する予定。
小糸製作所: 建設再開した広州第2工場は2013年9月に稼働へ
 小糸製作所は、一時中止していた、広州市生産子会社「広州小糸車灯有限公司」(Guangzhou Koito Automotive Lamp Co., Ltd.) の敷地内における第2工場の建設を再開した。完工時期は、2013年9月の見込み (当初の計画は2013年春だった)。
 同広州第2工場は、ヘッドランプ(前照灯)や標識灯など自動車ランプを生産する。年産能力は最終的に100万台分 (年産能力50万台分の既存広州第1工場と合わせて150万台分) に拡大する計画。納入先も、これまでのトヨタ/日産/ホンダ等日系自動車メーカー向けから、欧米メーカーなどにも拡販していく計画。
 なお、小糸製作所は2015年度までに、中国での生産体制を増強するほか、現地開発体制も充実させる方針を明らかにしている。
ジヤトコ: 広州生産子会社に開発センター設置、CVT新機種追加など年産能力を90万基に
 ジヤトコは2012年4月、広州市にある、無段変速機 (CVT) の生産子会社、「加特可 (広州)自動変速機有限公司」(Jatco (Guangzhou) Automatic Transmission Ltd.) に、中国初の開発センター「JGZ品質技術中心」を設置し、中国での部品開発を開始した。
 投資総額は2.6億円。ジヤトコは同センターに品質保証機能/統計的品質管理(SQC)、車両適用開発/量産化時の設計の微調整を含む開発機能および調達機能をもたせる。開発技術者は当初約40名で、今後70名に増員して現地の道路事情/環境規制に応じられる開発の現地化を進める。
 なお、 ジヤトコは、中国をはじめ、メキシコ/タイの各海外拠点における部品現地調達率を 90%以上に引上げる目標を掲げている。
 ジヤトコは2013年4月、広州生産子会社での第4期工場拡張建設を完工し、(CVT) 年産能力を73万基から90万基に引き上げた。同時に、軽型・小型FF車向けCVT 「CVT7」および「CVT2」に続き、最新型の中・大型FF車向け機種「CVT8」の生産を開始した。
 これに併せて、ジヤトコは、2015年に中国の新規顧客だけでも年間20万基以上の販売を目指す。これまで日系自動車メーカーや日産の合弁相手である東風汽車集団にATを供給してきたが、2012年6月には地場大手の江淮汽車から新たにATを受注した (年間約2万基規模)。

注: 2013年4月、加特可 (広州)自動変速機有限公司は上海新事務所を開設した。これまでのリサーチ機能、新規顧客・新規サプライヤー開拓機能に、来場者見学用のショールームを加えた。

サンコール: 広州工場でエンジン弁ばねを増産へ
 サンコールは2012年7月、広州市にある生産子会社、「広州新確汽車配件有限公司」(Suncall (Guangzhou) Co., Ltd.)で、エンジン用合金製弁ばねの月産能力を、2015年までに現行の7割増となる120万個に拡大すると明らかにした。(タイでの増産と合わせて、サンコールの海外生産の割合を現行の約30%から40%に引上げる。)
タイガースポリマー: 広州工場でクリーナー関連製品の生産を増強
 タイガースポリマーは2013年5月、広州市にある生産子会社、「広州泰賀塑料有限公司」(Guangzhou Tigers Polymer Co., Ltd.) で、自動車向け高性能エアクリーナー関連製品の生産体制を拡充すると明らかにした。約1.7億円を投じてプラスチック成形機や組立ラインを増設するほか、約8,000万円を投資して金型を追加導入する。クリーナーの生産能力を現行(2013年5月時点)比50%、フィルター部品を同70%増やす。ホンダからの受注を確保したほか、大気汚染問題が深刻度を増す中国で今後の需要増を見込んでいる。
 なお、同広州子会社は、2013年の3月時点すでに年間50万個のフィルター部品の生産体制を整えている。7月までには、年間30万個のエアクリーナー本体の生産体制を構築。エアクリーナーは広汽ホンダ/東風ホンダに納入。フィルター部品の一部は、タイガースポリマーの米国工場 (これまで日本から供給を受けてきた) にも供給する予定。
タチエス: 広州管理子会社を投資性公司に変更、中国事業計画は変更なし
 タチエスは2013年5月、中国での経営を強化するため、広州市にある既存管理子会社 (前・泰極愛思 (広州) 企業管理有限公司) に増資して、同子会社を投資性公司 (投資子会社) に会社形態変更をした。同時に、会社名称も「泰極愛思 (中国) 投資有限公司」(Tachi-S (China) Investment Co., Ltd.) と改称した。
 新会社 (投資性公司) の資本金は約 3,300万米ドル。主に中国における投資業務、中国グループ会社の統括および支援業務を行う。2013年末までに従業員を約19名に増員する予定。中国では、外資の現地法人(子会社)が現地で更に会社設立や資本参加などの投資機能を持つために、資本金3,000万米ドル以上を保有するという規制がある。
 なお、タチエスは2013年6月時点、2012年7月に発表した中国でのシート生産体制を強化する方針およびそれに伴う投資計画に変更がないと明らかにした。中国でのシート年間生産を、2011年度の自動車68万台分から2016年度に150万台分に拡大する計画。これに併せて、Infiniti/Venucia(啓辰)を含む日産の現地生産ブランド車に加えて、ホンダや吉利汽車など民族系メーカーへの拡販に注力する。
テイ・エステック: 広州市に開発孫会社を設立へ
 テイ・エステック (TS Tech) は2013年6月、2013年8月に広州市で、研究開発を手掛ける孫会社、「広州提愛思泰汽車内飾科技有限公司」(Guangzhou TS Tech Automotive Interior Research & Development Co., Ltd.) を設立すると発表した。テイ・エステックが中国で開発拠点を設けるのは初めて。
 新会社の資本金は80万米ドル。テイ・エステックの香港完全子会社である、TS Tech (HongKong) Co., Ltd. が100%出資。ホンダなど日系メーカーのニーズに素早く対応できる体制を整え、既存顧客への対応強化に加えて、欧米韓メーカーを視野に入れて新規受注を狙う。2013年7月時点、VWの現地工場向けへの営業に一層注力している。
ニッパツ: 延期した広州懸架ばね新工場の建設計画を見直しで再検討へ
 ニッパツ (NHK:日本発条) は2013年1月、中国新工場の開設計画を見直して、広州市内に懸架ばねを生産する第2工場の建設計画を延期すると明らかにした。詳細は明らかにされていないが、2013年1月時点、工場用地は既に確保しており、当初の計画では現地 (広州) の日系自動車メーカー向けに、2014年から量産開始を予定していた。
 一方、ニッパツは2013年7月、中国新工場の建設計画を、立地は広州市内に限らず複数の都市を候補地として再検討に入ったと明らかにした。但し、詳細は決定していない段階にある。
ハイレックス: 広州市郊外の増城工場で生産ライン増設
 ハイレックスは2012年4月、広州市郊外の増城市にある、自動車用コントロールケーブルとウィンドウ・レギュレーターの生産子会社、「広東海徳世拉索系統有限公司 (Guangdong Hi-Lex Cable System Co., Ltd.)」 (前・広州利時徳控制拉索有限公司) に、2013年に合計7.36億円の設備投資を実施すると明らかにした。生産ライン増設で既存工場を拡張し、2013年9月に竣工する。2013年6月時点、同工場の従業員は500名。製品は主に、トヨタ/日産/ホンダ/ヤマハ/日野に納入。
 なお、ハイレックスが2012年4月に明らかにした2013年の中国における自社の設備投資計画は、同広州市(増城市)工場と吉林省長春市および重慶市を加えた3拠点を合わせて計22.73億円になっている。
丸順: 広州プレス部品工場の生産能力を30%増強へ
 丸順は2013年5月、金型および車体プレス部品を生産する、広州市の生産子会社「広州丸順汽車配件有限公司」(Guangzhou Marujun Co., Ltd.) を増強することを明らかにした。得意取引先のホンダ/日産/トヨタに加えて、広汽Fiat/北京汽車などからの受注拡大に対応する。また、これまで生産してなかった新規部品の受注も可能になる。
 同工場増強への設備投資は18億円で、加圧能力3,000トンのトランスファープレス機と同1,200トンの順送プレス機を、各1台導入する。2014年4月をめどに、生産能力を現行(2013年5月時点)比30%増強する。

 

佛山市:愛三/市光工業/FCCは生産体制強化、トヨタ紡織は日本の一部生産機能を継承

愛三工業: 佛山市の生産子会社に第2工場棟を稼働
 広州市に近い佛山市にある愛三工業の生産子会社、「愛三(佛山)汽車部件有限公司」(Aisan (Foshan) Auto Parts Co., Ltd.) は2013年4月、既存工場敷地内に増設した第2 (新)工場棟で、エンジン機能部品の生産を開始した。現時点では、主にトヨタ/日産の現地エンジン工場の増強に対応する。
市光工業: 佛山市の車載ランプ新工場を稼動
 市光工業の佛山市にある生産合弁会社、「市光法雷奥(佛山)汽車照明系統有限公司」(Foshan Ichikoh Valeo Auto Lighting Systems Co., Ltd.) は2013年4月、既存工場構内の新工場棟で、車載ヘッドランプ/リアコンビネーションランプの生産を開始した。これにより、同生産会社の生産能力は倍増した。同新工場棟の敷地面積は2.3万㎡。うち、部品組立工場は密閉式ガラス塀を採用、ラインの自動化率は60%以上に達する。
 また、市光工業とValeoは2012年、両社がアイルランドのダブリン市に設立した中国事業統括会社「Valeo Ichikoh Holding Ltd.」を通し、両社の中国におけるランプ生産会社 (工場) を統合・再編した。これに先立ち、両社は、2012年7月に中国での包括的業務提携契約を締結。2012年9月に、市光法雷奥(佛山)汽車照明系統を含む、両社の中国ランプ関係子会社および関連会社の再編について基本合意書を締結した。
FCC: 佛山工場でのCVT用クラッチ生産ライン1本を追加導入
 FCC (エフ・シー・シー) は2013年1月、佛山市にある生産子会社「佛山富士離合器有限公司」で、約15億円を投じて、2014年度までにCVT向けクラッチ用の新生産ライン1本を追加導入すると明らかにした。また、これに先立ち、同佛山子会社のAT向けクラッチ用既存生産ライン1本を、2013年度にCVT向けに改修する。これにより、ホンダのCVT搭載車の現地生産拡大に対応するほか、他社への拡販も進めていく方針。
神戸製鋼所: 佛山合弁工場で高級ばね用鋼線の生産を開始
 神戸製鋼所は2013年2月、佛山市 (南海区) にある生産合弁会社、「神鋼新確弾簧鋼線(佛山)有限公司」 (Kobelco Spring Wire (Foshan) Co., Ltd.)の工場で、車載エンジンバルブ用弁ばね等の、高級ばね用鋼線の生産を開始した。月産能力は600トン。
 同新会社の資本金は13億円。出資比率は、神鋼 (中国) 投資有限公司 50%、神鋼鋼線 25%、サンコール 25%。なお、同生産合弁会社の工場は、隣接する、冷間圧造 (CHQ: Cold Heading Quality) ワイヤー/磨棒鋼を生産する神戸製鋼所の佛山子会社、「神鋼線材加工 (佛山) 有限公司」から、原材料であるワイヤーなどを調達する。
東プレ: 佛山工場でハイテン材を用いる車体骨格部品を生産へ
 東プレは、2012年6月に佛山市にある生産子会社 「東普雷 (佛山) 汽車部件有限公司」を稼動した。これに併せて、日産Sylphy向け (1車種) の骨格部品の生産を開始。2013年1月はさらに1車種の骨格部品の生産を追加した。佛山工場の従業員は2013年2月時点約150名。
 東プレは2013年内に、日産大型セダン向けにハイテン材を用いた車体骨格部品の生産を開始する。素材のハイテンは現地鉄鋼大手の宝鋼集団から調達する。さらに中国で超ハイテン(高張力鋼板)材980MPa骨格部品の採用拡大も推進する方針。今後、輸送など立地がより良い湖北省の襄樊工場「東普雷 (襄樊) 汽車部件有限公司」(2014年1月稼働予定)に、同ハイテン材使用骨格部品の生産事業を移管する。
トヨタ紡織: 佛山工場に、日本工場から中型エンジン向けフィルターの生産を移管
 トヨタ紡織は、車載エンジン用オイルフィルターの生産を2014年までに日本から海外工場(中国とタイ)に全面移管する計画。佛山市にある生産子会社「佛山豊田紡織汽車零部件有限公司」には2013年1月、日本 (愛知県刈谷工場) から、中型エンジン向けの直径75ミリメータのフィルターの生産を移管した。
 これに加えて、トヨタ紡織は2013年5月、2013年9月までに、タイのラヨーン県にある生産子会社に小型エンジン向けの直径65ミリメートル品の生産を移管する方針を表明したほか、2014年以降には中国工場またタイ工場に、日本から大型エンジン向けの大口径フィルターの生産事業も移転する計画を明らかにした。
ヒルタ工業: 佛山工場で懸架部品/ステアリングコラム部品の生産を開始
 ヒルタ工業は2012年、佛山市 (南海区) にある生産子会社、「昼田 (佛山)汽車部件有限公司」(Hiruta Kogyo (Foshan) Auto Parts Co., Ltd.)を稼動し、自動車懸架部品、パワートレイン部品、ステアリングコラムの生産を開始した。
 2013年6月時点、三菱自動車/日産/マツダ/いすゞなどの日系自動車メーカーに加えて、中国民族系自動車メーカーからの受注も獲得しており、2014年3月から納入を開始する予定。ヒルタ工業は今後、欧米メーカーへの拡販にも注力し、中国での売上高を2016年度に現行の50%増の30億円以上を目指す。
ファルテック: 佛山市工場で自動車外装部品の生産を開始
 ファルテックが全額出資する、佛山市にある生産子会社、「佛山発尓特克汽車零部件有限公司」(Foshan Faltec Automotive Parts Co., Ltd.) は2012年9月、工場建設を完工し、自動車用外装部品の生産を開始した。(新会社の資本金は2,500万米ドル。)
 なお、ファルテックは、今後、佛山生産子会社を含む中国工場での生産体制を拡張する。佛山市工場と2014年稼働予定の湖北省工場を合わせて、中国における売上高を2012年度の実績28億円から2015年度に86億円に拡大するとしている

 

中山市: 日本プラスト/八千代工業は生産増強、ホンダエレシスは開発拠点設置検討

エフテック: 中山工場への現地化投資を計画通り実施へ
 エフテック (F.tech) は2013年1月、生産効率化を含む現地生産化のため、中山市にある生産子会社、「偉福科技工業(中山)有限公司」(F.tech Zhongshan Inc.) への投資を、計画通りに進める方針を表明した。2013年1月時点、エフテックは中山工場にハイドロフォーミングの設備を導入済みで、これによって、部品点数が減り、加工費の削減や軽量化の実現、生産スピード約20%向上が実現した。
 エフテックは今後、素材や加工法の進化を重ねて、既存顧客ホンダ/日産以外の日系メーカーや、GM を含む欧米メーカーおよび中国民族系メーカーへの拡販も2~3年を見据えて展開して行く。
日信工業: 中山市工場でESC生産能力を増強へ
 日信工業は2013年6月、自動車用ブレーキ製品を生産する、中山市にある全額出資子会社「中山日信工業有限公司」(Zhongshan Nissin Industry Co., Ltd.)で、市場需要増に応じ、横滑り防止装置 (ESC) の生産能力を順次拡充する方針を明らかにした。2013年6月時点の年産能力は、ESCが約15万個で、自動車用ブレーキは30万個。
日本プラスト: 中山市生産子会社にエアバッグ工場を増設、中国での調達・コスト削減を強化
 日本プラストは、伊藤忠商事と合弁の、中山市にある生産子会社「中山富拉司特工業有限公司」(Nihon Plast (Zhongshan) Co., Ltd.) に、エアバッグ工場を増設。2013年秋に稼動を開始する予定。
 なお、日本プラストは、プレス品/樹脂メッキ品/ハンドルの皮革/樹脂原料など、海外生産拠点の幅広い原材料ならびに構成部品の現地調達率を、2013年度に70%に引上げる目標を掲げている。
ホンダエレシス: 中山市生産子会社を拡張、開発拠点設置も検討中
 ホンダエレシスは2012年6月、中山市にある生産子会社、「中山艾莱希斯電子有限公司」(Zhongshan Elesys Electron Co., Ltd.) を拡張し、車体系ECU (電子制御モジュール)の生産を拡大する方針を明らかにした。
 同生産品は、車載滑り止め防止装置「VSA」 (ホンダのESCの商品名で、Vehicle Stability Assistの略称) 等のブレーキ系システムECU、電子パワーステアリングECUを含む。新生産ラインを順次導入し、天災と人的リスクに備え、タイ・アマタラコン新工場と補完関係を持たせる。さらに、日本と米国の工場を加えて、今後、4拠点の役割分担を明確化していく。
 このほか、ホンダエレシスは2013年4月、2013年内に、中山市を最有力候補地として、開発拠点を新たに設置する計画を明らかにした。新開発拠点は完成車の適合試験や派生機種の開発および一部のソフトウェア開発の機能をもたせる。
八千代工業: 中山工場で樹脂製燃料タンク生産工場を増設へ
 八千代工業は、中山市にある生産子会社「八千代工業 (中山) 有限公司」を拡張する。主要供給先であるホンダの現地需要に対応して、樹脂製燃料タンクの新工場を建設し、2014年3月までに同燃料タンクの年産能力を、現行より20万台増の60万台に拡大。また、サンルーフの生産能力も増強する。これに加えて、サンルーフと樹脂製燃料タンクの工場を連結して一体化し、効率よく管理できる生産体制に構築する。
 八千代工業は2013年1月、自社の中国事業計画について変更しない方針を表明。また、2013年3月は、湖北省の武漢工場の拡張計画も明らかにした。反日デモで落ち込んだ現地での販売も回復傾向にあり、2013年1月時点、広東省中山市および湖北省武漢市にある生産子会社は既に正常の2交代勤務に戻った。
ユーシン: 中山市の現行工場敷地内に、新工場を建設中
 ユーシンは2012年6月、中山市にある、自動車用キーセットなどを生産する子会社「有信製造(中山)有限公司 (U-Shin Manufacturing (Zhongshan) Co., Ltd.)」の敷地内に、新工場を建設すると明らかにした。新工場は、2013年8月前後に稼動する予定。新工場完工にともない、現行工場の生産を新工場に移管する。
 新工場建設への投資総額は約40億円。敷地面積は、現行(本)工場の約2倍に当たる8.9万㎡ (建屋面積は同約3倍の7.9万㎡)。同生産工場の部品現地調達率は2012年6月時点約30%であり、製品は、日本/米国にも輸出している。

 

東莞/雲浮/河源市:アイシン/小倉/三桜工業/トヨタ紡織は生産強化、マブチは高付加価値品に集中に

アイシン高丘: 雲浮市で自動車用鋳造・塑性加工部品工場を生産開始
 アイシン高丘は2013年1月、雲浮市に、生産子会社「高丘六和(雲浮)工業有限公司」 (Takaoka Lioho (Yunfu) Industries Co., Ltd.) を稼動させ、ディスクローターを含む自動車用鋳造・塑性加工部品の生産を開始した。将来はエンジン部品生産や機械加工も行う予定。
 同子会社の2013年度の売上は20億円規模になる見込み。ブレーキ部品のディスクローターは現在、主に広汽トヨタ向けで、年産能力は3万トン。
アドヴィックス: 広東省の雲浮市に新会社を設立、2013年12月稼動へ
 アドヴィックスは2012年4月、雲浮市に、生産子会社「愛徳克斯(雲浮)汽車零部件有限公司」(ADVICS Yunfu Automobile Parts Co., Ltd.) を設立した。2013年12月をめどに稼動し、ブレーキブースター/ディスクブレーキキャリパの生産を開始する予定。工場の立ち上げ時期は計画通りであるが、反日デモの影響で、新工場のフル稼働時期や増強のタイミングなどは当初計画より遅れる。
 新会社の資本金は1億元。アドヴィックスが80%、六和機械投資(中国)が20%を出資。工場敷地面積は6.67万㎡ (建屋面積1.84万㎡)。設立当初の計画は、2016年度は従業員数約350名に増員し、売上高目標は4億元(約48億円)だった。
小倉クラッチ: 東莞工場の鍛造部品年産能力を拡大
 小倉クラッチは2013年6月、米フォードのピックアップ車向けデフロック関連部品の受注増を受けて、同関連部品を生産・供給する東莞市工場 (小倉離合機(東莞)有限公司) および米国ミシガン州工場での生産能力を、2013年10月に合わせて、現行比約4倍に引上げる計画を明らかにした。
 小倉クラッチが100%出資する東莞市工場は、2011年9月から工場の拡張建設を開始。2013年6月時点すでに建設が完工しており、年産能力を15万台から55万台に引上げた。東莞工場で鍛造や巻線加工を施した製品を輸出し、米国工場で組立てて最終製品に仕上げる。
三桜工業: 東莞工場でエンジン部品生産を開始へ
 三桜工業は2013年2月、東莞市にある生産子会社、「三桜 (東莞) 汽車部件有限公司 (Sanoh Industrial (Dongguan) Co., Ltd.)」 (2012年設立) の工場建設を2013年夏に完工し稼働すると明らかにした。同工場では、メッキから組立てまで一貫して、フューエルデリバリーパイプ/ウォーターパイプを含む、エンジン用パイプ類部品を生産する。
トヨタ紡織: 河源市工場で内装部品を生産開始へ
 トヨタ紡織は2013年6月、2013年7月に河源市で、広州汽車集団傘下の部品統括会社 (広州汽車集団零部件有限公司) と、生産合弁会社「河源豊田紡織汽車部件有限公司」を設立すると発表した。同新会社は2013年9月に稼動し、自動車用シートカバーなど内装部品の生産を開始する。年産能力は自動車23万台分。
 新会社の敷地面積は約1.7万㎡ (建屋面積約8700㎡)。資本金は約210万米ドル (投資総額約414万米ドル)で、トヨタ紡織の中国地域統括子会社である豊田紡織(中国)有限公司が75%、広州汽車集団零部件が25%を出資。従業員は約230名。製品は主に、広汽トヨタ向けの車載シートを生産する広州桜泰へ納入する予定。
マブチモーター: 東莞工場で高付加価値品生産を拡大、廉価品生産を江西省2工場に移管
 マブチモーターは2012年、東莞市にある生産子会社、「東莞道滘万宝至馬達有限公司」(Dongguan Daojiao Mabuchi Motor Co., Ltd.) で、自動車用やマルチ・ファンクション・プリンター (MFP) など用の、高付加価値小型モーターの生産を追加。同工場での高品位製品の生産事業を強化した。
 一方、これまで同東莞工場で行ってきた非高品位/比較的廉価の製品の生産事業を、生産体制を整備・増強した内陸部の江西省2工場 (贛州市の万宝至馬達(江西)有限公司、鷹潭市の万宝至馬達(鷹潭)有限公司) に移管した。

 

 



華中地域の湖北省における日系各社の動向

湖北省:武漢市/襄陽市に生産拡張集中、日産/ホンダなど現地ユーザーの工場建設・拡張に対応

今仙電機: 襄陽工場でシートアジャスタ生産を開始
 今仙電機製作所の武漢市にある生産子会社、「武漢今仙電機有限公司」(Wuhan Imasen Electric Industrial Co.,Ltd.) は、2012年5月に稼働した武漢本工場に続き、湖北省の襄陽市分工場で操業を2013年2月に開始した。シートアジャスタ製品を生産する。生産規模など詳細は明らかにされていないが、従業員数は、武漢と襄陽の2工場を合わせて2012年末時点183名 (広州子会社711名)。
カルソニックカンセイ: 襄陽分工場で樹脂成形部品生産を開始
 カルソニックカンセイの広州市生産子会社「康奈可汽車科技 (広州) 有限公司」は2013年春に、湖北省の襄陽分工場(「康奈可 (広州) 汽車科技有限公司襄陽分公司」(Calsonic Kansei (Guangzhou) Corporation Branch, Xiangyang Plant)で、東風日産襄陽工場の新型Teana向けの樹脂成形部品生産・供給を開始した。
 このため、カルソニックカンセイの広州本工場からインパネ本体の供給を受け最終組立てのみを行ってきた、カルソニックカンセイの同襄陽分工場は、基材と表皮を一体で製造できる射出成形機を新規で導入。これまで広州本工場のみで行っていたインパネ等の樹脂成形部品の生産体制を、同襄陽分工場でも整えた。今後、Infinitiモデルなど東風日産襄陽工場の新型車向けにも対応する予定。
キリウ:仙桃市で内陸部顧客向けのブレーキ部品生産体制を整備
 キリウは2012年4月、湖北省仙桃市 (経済開発区) にある、住友商事と台湾の六和機械との合弁会社 (富士和機械) の生産子会社、「富士和機械工業(湖北)有限公司」 (Fujiwa Machinery Industry (Hubei) Co., Ltd.)に、資本参加し18%の株式を取得したと発表した。同時に、富士和機械工業(湖北)は、設備投資を行って第2工場を新たに建設した。
 第2工場は2012年後半に稼動しており、ブレーキ用などの鋳造部品の生産能力を、2012年4月時点に比べて80%増の月4,500トンに増強した。キリウの資本参加によって、生産が可能になったキリウの受注分の生産開始時期は2013年第4四半期になるとされる。
 キリウはこれまで、広東省広州市にある六和機械との既存合弁生産会社「六和桐生機械有限公司」(Kiriu-Liohe Co., Ltd.) で、日産の広州工場および河南省の鄭州工場向けのディスク・ドラムなどブレーキ部品を生産している。キリウは、今後の日産などの中国における自動車生産増強に備え、富士和機械工業(湖北)工場で、日産の河南省工場 (鄭州日産) など、内陸部の顧客向けにブレーキ部品を生産する。
ジーテクト: 武漢工場でプレス部品用金型を生産へ
 ジーテクトは、武漢市にある子会社「武漢艾帕克汽車配件有限公司」 (Wuhan Auto Parts Alliance (China) Ltd.) で、これまで日本やタイなどから輸入してきたプレス部品用の金型を2013年内に自社生産に切り替えると、2012年7月に明らかにした。ホンダなどの現地生産拡大に対応するため。
 ジーテクトは約6億円を投じ、武漢子会社の建屋内に金型生産に必要とされる工作機械、設計ソフトなどを導入し対応する。現地従業員のトレーニング教育のため、2012年7月に既に日本人技術者を派遣した。ジーテクトは2013年5月時点、中国で、三菱自動車の受注を拡大しており、さらに北京汽車/広汽トヨタ (HV仕様を含むCamry)/東風ホンダ(CR-V、Elysion)/広汽三菱 (ASX 勁炫:RVR) の新規受注を獲得した。
ショーワ: 武漢市にプロペラシャフトの生産子会社を設立へ
 ショーワは2013年1月、武漢市に、自動車用プロペラシャフトの生産子会社「武漢昭和汽車零部件製造有限公司 (Showa (Wuhan) Auto Parts Manufacturing Co., Ltd.)」(仮称) を設立すると発表した。2013年7月時点、中国政府の承認申請を提出した (資本金払い済み、許可待ち段階)。
 新会社工場は、ショーワの広州子会社の武漢分工場「広州昭和汽車零部件有限公司武漢分公司」の既存敷地 (延べ床面積2.4万㎡) に増築。工場建設は当初計画より若干遅れており、2014年5月の工場稼働予定も少し延期される見通し。
 また、広州汽車傘下の部品統括子会社も出資計画を取り消しており、ショーワグループの全額出資となっている。(なお、現行の出資情報の詳細は明らかにされていないが、当初の発表では、資本金4,000万元で、投資総額は4,200万元。)
東プレ: 襄陽市で車体骨格工場の建設に着工
 東プレは2012年12月に、襄陽市にある生産子会社、「東普雷 (襄樊) 汽車部件有限公司」の工場建設を開始した。2014年1月に稼動を開始する予定。同工場建設への投資総額は約50億円 (資本金20億円)。敷地面積は9.5万㎡。2015年3月期の売上高目標は30億~35億円。
タチエス: 武漢市にシートカバーの生産子会社を設立へ
 タチエスは2013年6月、2014年に武漢市に新生産子会社、(仮称)「泰極愛思(武漢)有限公司 (Tachi-S (Wuhan) Co., Ltd.)」 を設立すると明らかにした。早ければ2014年内に稼動を開始し、シートトリムカバーを生産する。年産能力は40万台。製品は主に、中国と日本の既存シート工場に納入する。
 タチエスは2014年以降に、中国での生産拠点 (工場) を、現行の2拠点に加え、2014年に新設する同武漢市の新工場を含めて4拠点に増やす計画がある。
中央発條: 孝感市に懸架ばねの生産子会社を設立へ
 中央発條は2013年2月、中国弾簧製造と折半出資で、2014年4月頃に湖北省の孝感市で、懸架ばねの生産合弁会社「孝感中星汽車零部件有限公司」(Xiaogan Zhongxing Auto Parts Co., Ltd.) を設立すると明らかにした。新工場は、中央発條の6番目の中国におけるばね工場で、懸架ばね工場では天津市と江蘇省の昆山市に次ぐ3番目の工場になる。
 新会社の資本金は6,000万元。1期建設への投資総額は3,000万元。主に華南地域/華中地域の自動車メーカー向け、自動車の懸架ばねを、成形から熱処理・塗装まで手がけて生産する。生産能力は2016年に月間3万本を構築する。
パイオラックス: 武漢工場でファスナー/機構部品の生産を開始
 パイオラックスは2013年4月、湖北省武漢市にある生産子会社、「武漢百楽仕汽車精密配件有限公司」で、自動車用樹脂モジュール部品 (樹脂製ファスナー/各種開閉機構など) の生産を開始した。2013年末までにフル稼働の予定。製品は主に日産/ホンダ/GM/Fordの中国現地工場向け。
 同新工場は、自動車用金属製部品生産を手がける広東省東莞工場に続く、バイオラックスの中国第2生産拠点。敷地面積は約7,000㎡。資本金は1,000万米ドル (パイオラックス80%、東莞百楽仕汽車精密配件 19%、三龍産業 1%出資)。成形機は、既存の広東省東莞工場から移管した5台を含めて、合計17台を導入。
 同新工場は、2013年3月に北京現代汽車からグローブボックスに用いられるファスナー/機構部品の受注を獲得した (2014年半ばから納入開始)。今後、新規受注の確保など拡販に注力し、2014年度に売上約25億円の実現を目指す。
ファルテック: 襄陽市に外装部品の生産子会社を設立
 ファルテックは2012年11月、襄陽市 (高新技術開発区) に、中国自動車用品大手の広東時利和汽車用品有限公司と、外装部品を生産する合弁会社、「湖北発尓特克汽車零部件有限公司」(Hubei Faltec Automotive Parts Co., Ltd.) を設立した。新会社は2014年3月までに稼動し、Infiniti向けなど乗用車用外装部品の生産を開始する。当初の年産能力は乗用車30万台分。(資本金は8,800万元。年間売上高は4億元。)
八千代工業: 湖北省の武漢工場に生産用建屋を増築
 八千代工業は2013年3月、ホンダの中国増産に対応するため、武漢市にある連結子会社「八千代工業 (武漢) 有限公司」を拡張する計画を明らかにした。生産用建屋を増築して、乗用車用サンルーフおよび樹脂製燃料タンクの生産能力を拡大する。

 

 



華中地域の湖南省における日系各社の動向

湖南省: 長沙市に生産拡張集中、VW/三菱/Fiatなど現地ユーザーの工場建設・拡張に対応

アステア (Asteer): 長沙市で自社工場建設、受注活動を加速化
 アステアは、台湾伍享工業との合弁生産子会社、「長沙阿斯鉄亜伍享汽車零部件有限公司」(Changsha Asteer WuuShiang Auto Parts Co., Ltd.) での生産体制を拡張し、2014年6月に新(自社)工場を稼動させる予定。
 長沙阿斯鉄亜伍享は2012年に設立。レンタル工場で臨時生産体制を整えて、三菱自動車の長沙合弁工場 (広汽三菱汽車) など向けに車体骨格部品の生産を開始した。長沙阿斯鉄亜伍享は2013年5月時点、上海GMの武漢新工場からブレーキに水や泥およびほこりなどが浸入するのを防ぐプレス部品を新たに受注した (2014年11月から納入開始)。2014年から納入開始を目指し、広汽Fiatの長沙工場納入に向けての受注交渉を行っている。
住友ゴム工業: 長沙市で乗用車用ラジアルタイヤの生産を開始
 住友ゴム工業は2012年7月、長沙市にある100%出資の生産子会社、「住友橡胶 (湖南) 有限公司」(Sumitomo Rubber (Hunan) Co., Ltd.) で、自動車用ラジアルタイヤの生産を開始した。同長沙工場の日産能力を、2013年末に1.5万本に整備、2015年末は3万本、さらに将来的には6万本まで段階的に拡大する計画。従業員は、2012年8月時点の234名から2013年末に1,200名に増員する。
 生産体制の拡充に併せて、同長沙工場は既存の市販用に加えて、新車装着用タイヤの生産を追加し拡販を目指す。同長沙工場は、新車装着用のタイヤ開発を2012年9月に着手済み。2014年からは広東省佛山/湖南省長沙に進出するVWや、トヨタ/日産/ホンダを中心に販売を開始し拡販を目指す。(同長沙工場の敷地面積は55万㎡。資本金は2.19億米ドルで、1期建設への投資総額は2.97億米ドル。)
太平洋工業: 一時先送りされた長沙新工場の建設を着工
 太平洋工業は2013年5月頃、長沙市で、生産子会社「長沙太平洋半谷汽車部件有限公司」 の工場建設に着工した。新工場は2014年以降に稼働する予定で、三菱自動車の長沙合弁工場 (広汽三菱汽車) で生産する次期新型車(Pajero Sports等) など向けにプレス部品を生産する。なお、太平洋工業は2012年10月、同工場の建設を、反日デモの影響で無期限で先見送りする方針を表明した経緯もあった。
 同長沙生産子会社は2011年11月に設立した。広汽三菱汽車の初モデル「ASX勁炫 (RVR)」向けのプレス部品 (約50品目) を供給するため、2012年7月から長沙市のレンタル工場で車体部品の溶接など応急生産体制を整えて、グループの天津既存工場 (天津太平洋汽車部件有限公司) からプレス品を受けて「ASX勁炫」用プレス部品の溶接・組立生産で対応してきた。長沙新工場ができ次第、「ASX勁炫」用プレス部品の生産も新工場に移管する予定。
フタバ産業: 長沙市でマフラー/燃料タンク/懸架部品の生産を開始
 フタバ産業は2012年12月、長沙市(経済技術開発区)にある、全額出資子会社「長沙双叶汽車部件有限公司」(Changsha Futaba Auto Parts Co., Ltd.) を稼動 (当初予定の2012年8月より約4カ月遅れた)。広汽三菱汽車の長沙工場向けに、マフラー、燃料タンク、懸架部品などの生産を開始した。
 資本金は10億円。工場建屋は約5,400㎡。設立当初の従業員数は87名で、2012年末までに110名に増員する予定であった。

 

 



華中地域の河南省における日系各社の動向

河南省: 鄭州市に生産拡張集中、日産など現地ユーザーの工場建設・拡張に対応

カルソニックカンセイ: 鄭州分工場で樹脂成形部品の自前化生産体制を整備へ
 カルソニックカンセイの広州市子会社「康奈可汽車科技 (広州) 有限公司」(Calsonic Kansei (Guangzhou) Corporation) は2012年10月、鄭州分工場「康奈可(広州)汽車科技有限公司鄭州分公司 (Calsonic Kansei (Guangzhou) Corporation Branch, Zhengzhou Plant)」に、設備投資を実施すると明らかにした。日産の現地工場で次期新型車生産に対応するため。
 これまで外部にインパネを委託生産してきたが、鄭州分工場にはソフト表皮が射出成形機でつくれるインジェクションスキン(射出成形表皮)技術と樹脂成形機を導入。インパネ等の樹脂成形部品の生産を2013年半ばまでに自前化し、2013年後半から、鄭州日産の新型車向けに樹脂成形部品への供給を始める。
鬼怒川ゴム: 鄭州市に車体シール部品/防振部品工場を設立
 鬼怒川ゴムは2012年11月、鄭州市に、生産子会社「鬼怒川橡塑(鄭州)有限公司」を設立した。同社の中国生産拠点としては5番目。主に鄭州日産/東風日産乗用車向けに、車体シール部品/防振部品を生産・供給する。2013年末まで操業を開始する。2015年12月期の売上30億円以上の目標を掲げている (2013年5月発表より)。
シロキ工業: 鄭州日産構内に広州生産子会社の分工場を建設
 シロキ工業は2013年5月、鄭州市にある鄭州日産汽車の敷地内に、広州生産子会社の分工場 (生産サテライト拠点) として、「広州白木汽車零部件有限公司鄭州分公司」を設立すると発表した。同分工場で2013年12月にドアサッシの組立生産を開始。広州市本工場 (広州白木汽車零部件) からは、ドアサッシの半製品を調達する。同新工場の建屋面積は1,800㎡。投資総額は約1,500万元。従業員は2014年度に約35名が見込まれる。
富士機工: 鄭州市にシフター部品工場を設立
 富士機工は2012年11月、台湾常裕富士機工と、鄭州市に、合弁生産子会社「鄭州常富汽車配件有限公司」(Zhengzhou Jofu Auto Parts Co., Ltd.) を設立した。2013年末までには、同新会社工場でシフター部品などの生産を開始する予定。同新会社の資本金は250万米ドル。富士機工が67%、常裕富士機工が33%出資。
ユニプレス: 2013年8月稼動予定の鄭州工場に、3,000トン大型TRFを導入
 ユニプレスは2012年5月、車体軽量化に寄与する超高張力鋼板(ハイテン)材の世界生産・供給体制を拡充すると表明した。世界での自社の同生産に対応する大型トランスファー(TRF)プレス機を、2014年までに既存の14機から19機に増やす計画。うち、中国では2013年8月に量産稼動を開始する予定で、鄭州市にある生産子会社「鄭州優尼冲圧有限公司」(Unipres Zhengzhou Corporation)に、ハイテン材に対応する3,000トンクラスの大型TRFプレス機を導入する。
 ユニプレスは、中国工場にすでに2,000トン超クラスの大型TRFプレス機合計3機を導入済み。今後、鄭州工場に3,000トンクラスの大型TRFプレス機の導入に伴って、プレス成形技術とシミュレーション解析技術による車体軽量化、コスト低減につながるハイテン材活用策の提案活動にも注力して、将来的に原価15%削減を目指す。

 

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>