PSA:欧州依存からの脱却を目指し、新興市場へ展開
コスト削減と上級セグメント強化により収益を改善する
2013/06/28
- 要 約
- PSAの戦略:収益構造の改善と費用削減策
- 欧州市場での動き:工場閉鎖と生産縮小の一方、新モデル生産に向けた投資を行う
- 欧州域外市場での動き:欧州依存の生産・販売体制の脱却を目指す
- PSAのモデル:各ブランドの高収益化
- PSAグループの業績
- LMC Automotive 生産予測:地域別/ブランド別生産予測
要 約
欧州の厳しい販売環境や、イランへの経済制裁措置によるCKDキット輸出大幅減の影響を受け、PSAの2012年の売上高は前年比7.5%減の554億4,600万ユーロ、5億7,600万ユーロの営業赤字、50億1,000万ユーロの純損失となった。
PSAは今後、業績改善のためコスト削減策として、フランス国内の工場閉鎖、従業員の削減、GMとの共同開発/共同部品・コンポーネント調達、開発費・資本支出の削減を行う。
欧州市場以外の販売比率を2015年までに50%以上にすることを目標にして、中国・ロシア・ラテンアメリカなどへの生産投資と販売網の整備を行い、収益構造の見直しを行う。そして、PeugeotとCitroenブランドの定義を見直し、異なる顧客基盤に向けて展開する。Peugeot 301、Citroen C4-L等の新興国市場向けのモデルや、Peugeot 2008などのグローバル市場向けモデル、Citroen DS5のような上級ラインを展開していく。
LMC Automotive社は2013年のPSA の世界販売台数は前年比 5.4%減の278万台に落ち込むとしている。 同社は「PSAの目下の問題は落ち込んでいる欧州市場に依存していることにある。フランス、イタリア、スペインが欧州市場での販売台数の半数以上を占めている。輸出もほとんど販売台数増加に寄与せず、見通しは暗い」とコメント。 PSAの世界販売台数は2014年に前年比5.3%増加の293万台になり、2016年には、2012年比で13.6%増の316万台まで拡大すると予測している。
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