第3回クルマの軽量化技術展取材報告(1)

3Dデータによる積層造形法/軽量金属の活用

2013/01/31

要 約

 2013年1月16~18日に、東京ビッグサイトで開催された「第3回クルマの軽量化技術展」の取材概要を2回に分けて報告する。本レポート「軽量化展報告(1)」では、3Dデータによる積層造形法と、アルミニウム、マグネシウムなどの軽量な金属の採用による軽量化を中心に報告する。

 第2回目として、近く樹脂化による軽量化について報告する予定。


※写真はクリックすると拡大されます。


関連レポート:第2回クルマの軽量化技術展取材報告(1):軽量素材関連(2012年2月掲載)



3D積層造形法(Additive Manufacturing)

 NTTデータエンジニアリングシステムズ、コイワイ、アルテック、シーメット(ナブテスコ・グループ)の4社が、複雑な形状の製品・部品を短期間で製作できる積層造形法(Additive Manufacturing)の機器、材料やサービス、製作した部品を紹介した。

 積層構造法には幾通りかのバリエーションがあるが、基本の構造は、例えばNTTデータエンジニアリングシステムズの粉末積層造形システム(Laser Sinteringの一種、"Sintering"は「焼結」の意)の場合、3D CADなどで作成された3Dデータを薄い層ごとにスライスする。そのデータに基づきレーザーを粉末材料に照射することで、粉末材料を1層ごとに固める。そのプロセスを繰り返すことにより立体形状を造形する。金属や樹脂で実際の商品・部品を製作する場合と、砂型を製作する場合とがある。

 システムの名称は、積層造形法、光造形、インクジェット方式3Dプリンターシステム、英語表記ではLaser Sintering、Additive Fabrication、Additive Manufacturingなどと呼ばれている。

 シーメットは、光造形装置「Rapid Meister」および、この装置で使用する樹脂として開発した、(1)世界で初めて耐熱性と透明性を兼ね備えた「TSR-884」と(2)高温になるとガス化し消滅することで、ロストワックス製法に替わる光造形精密鋳造を可能にした「TSR-883」を紹介した。

 アルテックは、3Dプリンター技術とレーザー・ダイレクト・ストラクチャリング技術を組み合わせて、複雑な立体形状に回路を描く3D回路製造技術を紹介した。

 なお、シーメットの資料によると、積層造形法の活用領域は、最近までは試作品のデザイン確認、プレゼンテーションツールとしての使用や、機能評価・性能評価が中心であったが、今後は製品・部品製造での活用が進むであろうとのこと。


積層造形法で製作したラティス(格子)構造モデル
積層造形法で製作したラティス(格子)構造モデル
(NTTデータエンジニアリングシステムズの出展)


二輪車用ハンドルに、レーザー・ダイレクト・ストラクチャリングを利用し、回路を製作した
二輪車用ハンドルに、レーザー・ダイレクト・ストラクチャリングを利用し、
回路を製作した(アルテックの出展)


透明耐熱樹脂TSR-884で製作した、透明なエンジンブロック
透明耐熱樹脂TSR-884で製作した、透明なエンジンブロック (シーメットの出展)


光造形精密鋳造法で製作したターボチャージャーのインペラー鋳造用マスターモデルと、鋳造品
光造形精密鋳造法で製作したターボチャージャーのインペラー鋳造用
マスターモデルと、鋳造品(シーメットの出展)

 

積層造形システム(Additive Manufacturing)

NTTデータ
エンジニアリング
システムズ
粉末積層造形
システム
 複雑な形状の製品を一体で成形し、部品点数を減らすことが可能。試作品が中心だが、少量の最終製品の製作にも使用されている。また同じ材料の鋳造品と同等の強度を持つとのこと。
 NTTデータが提供する装置には、(1)鋳砂を使用し、砂型鋳造用の主型および中子を3Dデータからダイレクトに造形するEOSINT-S、(2)金属材料を使用し、試作品や最終製品および金型を3Dデータから造形するEOSINT M、(3)プラスチック材料を使用し、試作品、最終製品およびロストワックスモデルを造形するEOSINT P、などの種類がある。テスト造形サービスや、同上機で使用可能なプラスチック材料、金属材料、鋳物材料の販売も行っている。
 (注)ロストワックス製法では、初回に金型を製造し、それを用いてワックスパターンを製造し、ワックスパターンから鋳型を作成して鋳造する。
コイワイ
KOIWAI
3D砂型積層工法で
生産
 試作、量産鋳物部品製造・販売のコイワイは、NTTデータが取り扱う"EOSINT-S(砂型作成用)"などの加工機を導入し、砂型製作に使用している。受注した試作砂型製作の他、鋳造用中子を量産している。月産1万個程度まで対応可能とのこと。
電子ビーム積層
造形工法(EBM)
 コイワイは、2012年から電子ビーム積層造形工法(EBM)による金属粉末積層品の製造にも取り組んでいる。金属粉末に電子ビームを当てて溶解・凝固させて金属部品を製作する方法。ターボチャージャーのインペラー(羽根車)などを展示した。
 真空状態で行うので、不純物の混入がなく材料の純度を保つことができ、高品質・高密度な製品ができる。造形後にひずみを除去するための熱処理も不要。またチタンのように酸化しやすい材料も使用できる。
アルテック
ALTECH
インクジェット方式
3DプリンターOBJET
 イスラエルに拠点を持つOBJET社(2012年12月に米国STRATASYS社と経営統合した)製、「OBJETインクジェット方式3Dプリンター」と、製品例を展示した。OBJETのプリンターは、3D CADデータを16ミクロンの厚さでスライスし、インクジェット方式で一層分のモデル樹脂(常温で液体)を噴射し、UVランプで硬化させ、これを繰り返して立体モデルを造形する装置。モデル樹脂は、透明・ゴム系、ABS系など17種類以上の樹脂材料から選択できる。
 試作品の形状・構造確認を目的とする。デザインや機能を確認し、開発期間の短縮と外注費用の削減が図れる。外部に設計データを持ち出す必要もなく、機密を保持できる。
 日野自動車、Jaguar Land Rover、(旧)三洋電機などの導入例を紹介する資料が配布された。いずれも、試作品製作の期間とコストを短縮する効果があるとしている。日野自動車が現在使用している"H"をベースとするエンブレムは、OBJETのプリンターで造形したモデルに蒸着メッキをほどこしたもの。
シーメット
CMET
装置
(Rapid Meister
ATOMm-4000)
 シーメット(株)のRapid Meisterは、液体状の光硬化性樹脂に紫外線レーザーを照射し、3Dデータを一定厚みでスライスした断層データを元に1層毎に硬化させ、積層して立体物を生成する方法を採用。従来からの大型機 "NRM-6000"に加え、ミドルサイズの光造形装置"ATOMm-4000"を開発した。価格は、大型機の3,000~5,000万円から約2,000万円に半減。造形できるサイズは、最大400×400×300mm。
透明耐熱樹脂
TSR-884
 Rapid Meisterで使用する樹脂として、透明耐熱樹脂TSR-884(エポキシ系アンチモンフリー樹脂)の開発に成功した。この樹脂は、製品開発段階における透明試作品による可視化という潜在ニーズ(代表的な事例として、エンジン内部での液体の流れ評価を行いたいというニーズ)が開発の動機となった。着色した水を循環させ流れ具合を確認し、CAE解析の結果と照合する実評価として有効。
 透明性と耐熱性を兼ね備えた樹脂開発は世界初。HIDランプ試作品のアウターレンズに使用して、8時間連続点灯が可能とのこと。
光造形精密鋳造法
(TSR-883樹脂の開発)
 シーメットは、ロストワックス製法に替わる、燃やした後に灰が残らないTSR-883(エポキシ系アンチモンフリー樹脂)という樹脂を使用する「光造形精密鋳造法」を開発した。この樹脂を利用してRapid Meisterによる光造形でマスターモデルを作成し、そこから鋳型を作成する。
 光造形精密鋳造法は、光造形品をワックスパターンモデルの代用とするため金型を使用しない。それゆえ、小ロット生産や開発初期段階での少量試作に最適である。ターボチャージャーのインペラー(羽根車)を6個同時に作成する場合、リードタイムを67%、コストを45%削減できた(ロストワックス製法では、数量が限定される場合、最初の金型設計・製作の費用が大きい)。
 この方法は10数年前からあったが、これまでは樹脂を燃やした灰が残り精度が出せなかった。TSR-883の開発により、この方法による精密鋳造が可能になった。

 

立体形状への3D回路製造法
アルテック
ALTECH
レーザー・ダイレクト・
ストラクチャリング
(LDS)
 ドイツLPKF社(LPKF Laser & Electronics社)のレーザー・ダイレクト・ストラクチャリング(LDS)を利用する、電子回路製造技術を紹介した。立体的な、複雑な形状の製品上に回路を効率的に描くことが可能になった。
 レーザービームを当てることにより活性化する特殊な添加剤でコーティングされた熱可塑性樹脂を使用し、製品を成形する。LPKF社製Fusion 3D 1100 レーザー加工機により、製品上に電子回路を描くと、レーザーがあたった部分が活性化し銅メッキ用触媒として機能する。銅メッキすることにより、回路を成形することができる。
 レーザー加工機は、ベースとして、加工する製品の情報と、加工される表面の情報を含むCADデータを使用する。
 BMW車のハンドル周辺の部品に適用されている(TRW Automotiveがこの技術を使い生産)。VW、Audiも採用を検討中とのこと。また既に携帯電話のアンテナ作成に多く利用されている。

 

 



森村商事他が出展した、アルミニウム、マグネシウム製品など

 森村商事は、海外の有力金属素材メーカーの日本代理店として、軽量金属や製造方法を取り扱っている。


Magontec社のマグネシウム合金製ハッチバック・インナーパネル
VW Lupoが搭載する、Magontec社のマグネシウム合金製ハッチバック・インナーパネル


スロベニアAkrapovic社製の、チタン鋳造製品
スロベニアAkrapovic社製の、チタン鋳造製品(森村商事の出展)


スーパーフォーミング成形したドアインナーパネル
スーパーフォーミング成形したドアインナーパネル(森村商事の出展)


現代自動車Genesisが搭載するECO-Al製バンパー
韓国の"IONE & BOWON Light Metal"が出展した、
現代自動車Genesisが搭載するECO-Al製バンパー

 

森村商事が出展した、アルミニウム、マグネシウム、チタン製品や製造方法など

RSP Technology 急速凝固製法
微細結晶
アルミ合金
 オランダのRSP Technology社の急速凝固製法による、微細結晶アルミ合金を紹介した。急速凝固製法(Meltspinning process)は高温で溶かした合金を、急速に冷却する製法で、数種類の、新たな特性を持つアルミ合金、平滑な表面粗さのRSA-6061、低熱膨張率&高比剛性のRSA-483などがラインアップされている。
 また、高耐力(アルミ7075合金の1.4倍、チタン6242合金の1.3倍)の特性を実現した「RSA 708」は、自動車用ピストン生産に用いられている。
Magontec ダイカスト用
Mg合金
 ダイカストMg合金製品のメーカーMagontecは、本社をオーストラリア、合金工場を中国に、リサイクル工場をドイツ、ルーマニアと中国に置く。欧州では、軽量化のため、パワートレインとインテリアでのMg使用量が増加している。
 上記写真のVW Lupoの他に、Porsche PanameraはAE44合金製のバルブカバー、タイミングチェーンケース、オイルハウジングを搭載し、従来材料比12.5kg軽量化した。
Magnesium
Elektron
特殊用途
Mg合金材料
 英国のMagnesium Elektron社は、欧州と北米に計7生産拠点を持ち、航空機、電化製品、自動車へ、汎用および特殊Mgを供給している。
Akrapovic チタン鋳造品  スロベニアのAkrapovic社製の、二輪および四輪用チタン鋳造品を展示した。チタンはステンレス対比で40%軽量。Akrapovic社は、レースで蓄積したマフラーなど排気系部品のノウハウを提供する。ロストワックス製法で鋳造する。
Superform
Automotive
Superformed
Lightweight
Automotive
Structure
 英国Superform Automotive社が独自開発したスーパーフォーミング成形(超塑性成形)を紹介した。アルミニウム・マグネシウム・マンガンなどの合金"5083"をシート状にして金型内に置き、450℃から500℃の熱風で金型に押し当てて成形する。
 開発に要する投資額を抑えながら、ユニークなスタイリングが可能。Aston Martinなどニッチな高級車のドアインナー、ボディーサイド、ルーフ等の生産や航空機Boeing 777などに使用されている。製造する部品のサイズは、最大3m×2m×0.6m(奥行き)まで可能で、大型の複雑な形状の部品製造に向く。

 

韓国IONE & BOWON社の新Mg合金と新Al合金
IONE & BOWON
LIGHT Metal
韓国で開発  韓国政府系の韓国生産技術研究院"KITECH (Korea Institute of Industrial Technology)"が開発した新合金Eco-MgとEco-Alを紹介した。"IONE & BOWON Light Metal Co., LTD"が生産・供給する。日本の代理店は森村商事。
ECO-Mg  ECO-Mg(エコマグ)はCaOを添加して、難燃性、高強度、鋳造性を有する新合金を開発した。ダイカスト不良率も低下した。現代自動車車両のオイルパンに使用されている。Mgは酸化しやすいため、従来は工程中に酸化を防ぐ保護ガスが必要だったが、Eco-Mgは酸化しないため不要。
ECO-Al  ECO-Al(エコアル)は、ECO-Mgを添加し(従来は通常のMgを添加していた)、引張強度、疲労強度を高め、鋳造性、成形性も向上した。現代自 Genesisのバンパー、起亜自 Grand Carnivalのシートレール、またピストンの部品にも使用されている。

 

その他のアルミニウム、マグネシウム合金や製法

京信の、3つの
新開発技術
アルミダイカストと
樹脂の一体成形
 アルミ製品に、「ダイカスト表層粗化処理(化学エッチング処理)」を施す。処理済みのアルミダイカスト品を樹脂射出成型金型に装填して成形する。溶融した樹脂がエッチングしたダイカスト品表層組織に入り込み固化し強固に接合される。一部樹脂化による軽量化などに適用可能。特許取得済み。
MMCダイカスト
成形技術
 SiC粒子を25~30%含むアルミ合金材料MMC(Metal Matrix Composites)を使用する精密鋳造化技術を、(株)日本セラテックと共同開発した。軽量&高剛性、熱膨張率が小さい、熱伝導性が良いなどの特性を持ち、ヒートシンク、放熱筐体などの製造に最適
アンダーカット
ダイカスト(置中子)
成形技術
 複雑な凹凸や袋状などで、金型を開いて取り出すことができない形状のことをアンダーカット形状という。従来は金型の開き方向を変えたり、分割して取り出すか、またはダイカストでは製造不可としていた。
 アンダーカット形状に対する、ダイカスト成形後に取り出すことのできる置中子を用いる製法を提案する。置中子には、特殊なコーティングを施した崩壊性中子や、塩類を用いて鋳造後に水に溶解させる可溶性中子などがある。
NNH マグネシウム鋳造品  NNHは、マグネシウム合金の鋳造品を供給している。大型(1200cc)北米輸出向け二輪車のエンジンヘッドカバーを展示した。マグネシウムは、実用金属中で最も軽く(アルミの3分の2)、変形に対する抵抗力が強い、機械加工性・溶接性が良好、資源も豊富などのメリットがある。

 

 



タッピンネジ、樹脂と金属の接合技術、溶接加工機

 タッピンネジは、メネジのない下穴に、オネジが自分でねじ切りしながら締結するタイプのネジで、事前のねじ切りの工程が省け、また戻りトルクが高く振動による急激な緩みがない。ヤマシナとナテックが出展した。

 三菱電機は、1,200台の出荷実績がある溶接機「電子ビーム加工機」と、2012年1月に発売した、カーエレクトロニクス部品や二次電池の部品製造過程での溶接に最適な「ファインプロセスコントロール電子ビーム加工機」を出展した。


写真の13本のボルトがTAPTITE 2000タイプのボルト
Ford車のパワートランスファーユニット(PTU)に、TAPTITE 2000が使用されている。
写真の13本のボルトがTAPTITE 2000タイプのボルト。(ヤマシナの出展)


ナテックが出展した、樹脂専用タッピンネジ「DELTA PT Screw」の拡大模型
ナテックが出展した、樹脂専用タッピンネジ「DELTA PT Screw」の拡大模型


三菱電子ビーム加工機で溶接した、MT用ギヤとターボチャージャーのインペラー
三菱電子ビーム加工機で溶接した、MT用ギヤ(写真左、矢印が指す箇所を溶接)と
ターボチャージャーのインペラー(羽根車、シャフトとの接合部を溶接)

タッピンネジや接合技術

ヤマシナ
YAMASHINA
タッピンネジ
TAPTITE 2000
 ヤマシナは、米国のConti・Reminc社の技術を導入・展開している。2000年から、ネジ山の中腹を膨らませて接触面積を拡大し、軸力(接合力)を高めたTAPTITE 2000を導入している。既にMercedes-Benz、VW、BMW、Ford、GM等多くの欧米自動車メーカーが採用している。
 薄鋼板用ボルトのFASTITE 2000 Fastener、マグネシウム合金用MAGTITE 2000 Fastenerも取り扱っている。
ナテック
NATEC
樹脂用タッピンネジ
DELTA PT Screw
 ドイツEJOT社の技術を導入した、樹脂用タッピンネジ「DELTA PT Screw」を紹介した。独特なねじ山角度により、ねじ込みトルクは低く、もどしトルクは高いという特長を実現。インサートナット(次項の「スプリュー」と同じ)を不用とし、樹脂のリサイクルも容易。繰り返し使用しても、樹脂を痛めないとのこと。
 米国のGE Plastics社(現SABIC Innovative Plastics社)とDOW Chemical社が、樹脂用ネジとして推奨している。
その他のタッピンネジ  上記の他に、軽合金専用セルフタッピンネジ(Altracs Plus)、高張力鋼板対応タッピンネジ(G.T.Oタッピンネジ)、高力アルミニウム合金製ファスナー(AL7050)などを紹介した。
日本スプリュー
NIPPON SPREW
スプリュー
(メネジを補強する)
 スプリューは、ステンレス鋼線を円筒形のスプリング状に巻いた構造。 軽金属、樹脂、木材などに直接タップ立てをしたままではメネジが弱く、強い締付け力が得られないことがある。その場合、スプリュータップ穴をあけスプリューを挿入・固定し、そこにオネジを締結する。
メック
MEC
AMALPHA
(樹脂金属接合技術)
 メック(株)の樹脂金属接合技術"AMALPHA"の提案。ステンレス、アルミニウム、銅などの金属をエッチング薬液に浸すだけで、表面に微細な凹凸形状を創り、溶かした樹脂を凹凸形状の内部に入り込ませて固化させ強固に接合する。接着剤なしで一体成形を可能にした。パッキング材も不要。樹脂材料は、エポキシ、フェノール、PPS、PA6などが可能。PPS樹脂とアルミニウムで構成するECUボックスなどを提案している。
電子ビーム加工機
三菱電機
MITSUBISHI
ELECTRIC
電子ビーム加工機
(EBM)
 電子ビーム溶接(Electron Beam Welding)は、真空中で高速の電子を衝突させることで、衝突した部分を局所的に加熱、溶融させ、瞬時に溶接を行う方法。エネルギー密度はアーク溶接の5,000倍以上になる。同加工機(Electron Beam Machine)は、30年間で1,200台以上の納入実績がある。
 電子ビームは、金属によるビームエネルギー吸収率が高く、銅やアルミニウムにもエネルギーの80~90%が吸収される。ビード幅(溶接する2つの対象物間の隙間)は、アーク溶接の10分の1から20分の1になり、変形、ひずみが少ない溶接が可能。また真空中の溶接なので、チタンやモリブデンなど高酸化性金属の溶接にも最適。
FPC-EBW
(出力波形
制御が可能)
 電子部品に用いられる銅やアルミの溶接に最適なFPC-EBW (Fine Process Control EBW)を、2012年1月に発売した。通常の電子ビーム溶接では、電子ビームを連続的に出力するが、FPC-EBMでは0.05ミリ秒でビーム出力を変化させることが可能。これにより、任意波形でビーム出力制御を行い、溶接によるひずみやスパッタ(金属の粉)の飛散も低減できる。
 近年、カーエレクトロニクス部品や二次電池部品の製造に、高度な技術が要求されている。一方難溶接材である銅やアルミニウムが多く使用され、また小型化・軽量化・集積化が進み、従来の溶接技術では品質と生産性の維持が困難になっていた。こうした状況に応えるとしている。

 

 



その他、サイレントチェーンの軽量化など


大同工業の、サイレントチェーンシステム
大同工業の、サイレントチェーンシステム


大同工業が出展した、二輪車用軽量インホイールモーター
大同工業が出展した、二輪車用軽量インホイールモーター


アクスルに使用されているオエティカ社(OETIKER)の締め具
アクスルに使用されているオエティカ社(OETIKER)の締め具

 

その他、サイレントチェーンの軽量化など

大同工業
DAIDO KOGYO
軽量化した
サイレントチェーン
 エンジンのカムシャフトを駆動するタイミングチェーンには、ローラーアンドブッシュチェーンと騒音の少ないサイレントチェーンがあるが、大同工業はサイレントチェーンを採用し、チェーン・システムをホンダなどの日本OEMに供給している。また、ピンの特殊表面処理、プレートの板厚および形状の最適化などにより、同社従来品比で重量を約15%軽量化した「高強度細幅チェーン・シリーズ」を開発した。
中国FAW車にチェーン
システムを供給
 大同工業は、中国FAWが2012年後半に生産を開始した「紅旗H7(HongQi H7)」の2000ccターボエンジンに、同上の軽量化したチェーンシステムを納入している。エンジンとチェーンのスペックをパネルで紹介した。
軽量インホイール
モーター
 軽量化した二輪車用インホイールモーターを参考出品した。ディスクはCFRP製、ハウジングとリムはアルミニウム製。鉄ホイールを使用する同出力クラスのインホイールモーター比で35%軽量化した。
オエティカ
OETIKER
締め具
(クランプ & リング)
 スイスのオエティカ(OETIKER)社の、締め具(クランプ & リング)を紹介した。素早く簡単に取り付けが可能で、密封性能に優れ、円形のホースやチューブ管を固定する。ただし専用の締付工具が必要。
 従来の、長方形の締め具をネジで締める方式では、円形と長方形の間に隙間ができて水や油が漏れることがあるとのこと。OETIKERの製品は、締めた部分も真円になり漏れることがない。
 世界16カ国に営業・サービスまたは製造拠点があり、自動車産業を中心に幅広く利用されている。


資料:第3回軽量化技術展での各社の説明と配布資料

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>