中国市場2023年第4四半期:Geely、長安がNIOとバッテリー交換事業で提携
Mercedes-BenzとBMWが充電会社を設立
2024/01/26
- 要約
- 中国メーカーの動向(2023年第4四半期)
- 外資大手メーカーの動向(2023年第4四半期)
- 中国自動車業界関連の政策(2023年第4四半期)
要約
VW安徽MEB工場(出所:VW) |
中国汽車工業協会(CAAM)が2024年1月11日に発表した2023年の新車販売台数(工場出荷台数)は前年比12%増の3,009.4万台で、初めて3,000万台を突破した。このうち乗用車は前年比10.6%増の2,606.3万台、商用車は前年比22.1%増の403.1万台。新エネルギー車(以下、NEV)は前年比37.9%増の949.5万台で、市場占有率は31.6%に達した。
本レポートは、2023年第4四半期の中国自動車メーカー及び外資系自動車メーカーの中国市場における主要動向を紹介する。電動化では、上汽、BYDなど多くの自動車メーカーでバッテリープロジェクトの始動や生産が開始された。長安汽車と広州汽車は固体電池の研究開発に注力。また、吉利汽車(Geely)と長安汽車は蔚来汽車(NIO)とバッテリー交換事業に関する提携に合意した。スマートカー分野では、東風汽車がスマート化ブランドを発表し、長安汽車はHuaweiのスマートカーソリューション新会社に新会社に出資。広汽は滴滴傘下の自動運転関連会社に投資している。一汽解放とHuawei、長城汽車と科大訊飛(iFlytek)などがスマートカー分野で提携に合意した。また、政府はL3以上の自動運転車両の商業化を支援する複数の政策を打ち出した。
外資系大手自動車メーカーは現地での開発や現地メーカーとの提携に力を入れている。VWは安徽省合肥市に生産及び研究開発センターを建設し欧州市場への輸出も開始した。また傘下のソフトウェア会社CARIADは地平線(Horizon)と合弁会社を設立し、中国携帯電話メーカーのvivoと共同ラボを設立した。Mercedes-Benzは2023年末までに中国の研究開発チームの人員を2,000人まで増員するとともに、BMWと充電に関する合弁会社の設立に合意した。上汽GMはソフトウェア及びデジタル化センターを設立。日産と東風の合弁会社である東風汽車有限公司(DFL)は今後3年間で現地開発のNEV10車種を中国市場に投入する。Stellantisは新興EVメーカーの零跑汽車(Leapmotor)の株式20%を買収したほか、東風汽車とは提携してEV製品を開発する。また、広汽三菱は広汽集団の完全子会社となり、長沙工場は広汽埃安(Aion)の第3工場として改修される。
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