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超高強度鋼板による車体軽量化の取り組み

オートモーティブワールド2023 トヨタ、JFEスチールの講演より

2023/04/13

要約

 本レポートでは、2023年1月に開催されたオートモーティブワールド2023の「軽量化 革新フォーラム2023」ALT-2「軽量化を加速させる超ハイテンの最新事例と開発の現状」における、トヨタ自動車及びJFEスチールの講演の一部と、「自動車部品&加工EXPO」におけるドイツの機械商社であるK.K.IRISUの展示を紹介する。

 トヨタ自動車の講演では、鉄の超ハイテンによる軽量化のメリットと諸課題、今後のハイテン化の考え方、そしてLexus NXルーフセンターR/Fへの冷間1470級材の適用例が示された。最後のまとめでは、軽量化は今後も重要であり、冷間超ハイテンの採用をグローバルで拡大して行く方針である事、鋼板、プレスメーカー、車両メーカーの協力が重要である事が述べられた。

 JFEスチール株式会社の講演では、高強度鋼板適用による軽量化がカーボンニュートラルに寄与する事、部品別の鋼板強度、適用上の課題等が示された。高強度鋼板の材料開発では成形モードに適した種々の鋼種が開発されている事、そして成形時の割れ、スプリングバックを低減する成形技術の開発状況が示された。そして最後にBEVの車体構造に適合する関連技術の紹介があった。

 ドイツのK.K.IRISUのブースでは、レーザーブランキング、レーザー接合、ホットスタンプ等の技術を組み合わせて試作したダブルドアリングの展示があった。このフロントドア、リアドア回りの車体側面の一体型骨格部品は7枚のブランクをレーザーでブランキングし、レーザー溶接で結合し、ホットスタンプをする事で試作したものである。

 上記のように、日本の自動車メーカー、素材メーカーからは、冷間超高強度鋼板の部品適用による軽量化の講演があったのに対し、ドイツのK.K.IRISUからは熱間で成形するホットスタンプの試作品が展示されていた。日本メーカーが、主に冷間超高強度鋼板適用による軽量化を推進しているのに対し、欧州メーカーではホットスタンプ材を中心とした軽量化を推進しており、車体軽量化に対する取り組みの違いが感じられ、興味深い。

 

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