アリババとテンセントによる自動車関連戦略
AIを活用しコネクテッドカーやスマートシティの構築を推進
2018/12/04
- 要約
- アリババ:コネクテッドカーとスマートシティ領域
- テンセント:コンシューマー事業から法人向け事業に注力、AI in Carを展開
要約
アリババと上汽乗用車が共同開発したOSが搭載されたRoewe eRX5 |
アリババ(Alibaba)及びテンセント(Tencent)は、2018年7月に発表された「2018中国インターネット企業トップ100」において、それぞれトップ、2位となる大手IT企業である。百度(Baidu)、アリババ、テンセントは、それぞれの社名の頭文字からBATと呼ばれ、いずれの企業も消費者や企業のニーズに基づいた各種サービスを提供/拡充するために、企業買収や新規事業の立ち上げを次々に展開。その結果、巨大なプラットフォーマーとなり、金融、小売、物流、教育、製造、各種サービスなど様々な業界に影響を与える存在となっている。
淘宝(Taobao)、天猫(Tmall)などのe-commerce(BtoB及びBtoC)を展開するアリババの2018年の売上高(3月期決算)は、前年比58.1%増の2,502.7億元。2014年に上汽集団とコネクテッドカーに関する戦略的提携協議書を締結し、2015年6月にはオペレーティングシステム「AliOS」のベースとなる「YunOS」を搭載した上汽乗用車の「栄威(Roewe) RX5」が発売された。
一方、中国オンラインゲーム最大手のテンセントは、メッセンジャーアプリ「WeChat(微信)」、モバイルQRコードによる決済サービス「WeChatPay(微信支払)」を展開。2017年の売上高は前年比56.5%増の約2,378億元で、純利益は前年比74%増と順調に推移している。9月にグループの再編を発表し、コンシューマー事業から法人向け事業に軸を移した。続いて11月には、AIとエコシステムを融合させたスマートカーシステム「AI in Car」を発表した。2018年に入り中国政府による新作ゲームの認可が厳しくなり、2018年3-6月は売上高は伸びたものの純利益は182.3億元から178.8億元に減少している。
関連レポート:
百度の自動運転オープンプラットフォーム「Apollo」 (2018年11月)
CES Asia 2018:電動化、インテリジェント化、コネクテッド化 (2018年7月)
上海汽車:2025年までにモビリティサービスを含む総合プロバイダーを目指す (2018年7月)
中国新興EVメーカー:IT企業の資金や協力を得てスピード開発 (2018年4月)
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。