VWグループ(下): 新経営戦略「Together – Strategy 2025」を実施
2025年までにEVを30車種投入、年間200‐300万台販売へ
2017/06/07
- 要約
- VW Groupの新経営戦略「Together – Strategy 2025」を発表
- 新型車投入計画:引き続きSUVラインアップを拡大・更新
- 電動車両投入計画:2020年からMEBプラットフォームを採用
- 中国市場:Tiguanロングホイールベース、TeramontなどSUV拡充
- 米国市場:VW Atlas、Audi A5/S5などを投入、2021年にEVを現地生産
要約
Audi e-tron Sportback concept(4ドアグランツーリスモのEV) |
VW Groupが2016年6月に発表した新経営戦略「Together ‐Strategy 2025」は、同Groupが将来、持続可能なモビリティの提供において世界的リーダーとなるための戦略を示した。具体的には、自動車メーカーとしてのコアビジネスの変革に加え、配車サービスやカーシェアリングなど新たなモビリティサービス事業の構築、デジタル化や人工知能技術などイノベーションパワーの強化、さらにはこれらに必要な資金の確保について、今後の課題と目標を明らかにしている。
新型車投入計画では、世界的に需要が高まっているSUVのラインアップ拡大・更新を行う。VWブランドは2017年にTiguanのロングホイールベース車、GolfベースのコンパクトSUV T-Roc、最上級SUVの新型Touaregを投入。Audiブランドは2018年に最上級SUVのQ8、2019年に小型スポーツ多目的車(CUV)のQ4を投入する。
環境規制の対応では、排出ガス不正問題を経てディーゼルから電動化に大きくシフト。2018年までにEVとPHVを計10車種投入、2025年までにバッテリーのみで駆動するEVを30車種投入する。様々なセグメントでグループ傘下のすべてのブランドから電動車を投入し、2025年までにEVを年間200-300万台販売する計画。
VW Groupの最大市場である中国では、SUVのラインアップ拡大、EVとPHVを含む新エネルギー車の投入で、今後も販売拡大を図る。VW Groupは、全世界で販売するEVのうち、3分の2は中国市場で販売するとしている。
ディーゼル問題が一段落した米国市場では、VWブランドが2017年にSUVのAtlasとTiguanのロングホイールベース車を投入し、競争力を取り戻す構え。米国販売を6年連続増やしているAudiブランドは、2017年に中型クーペ/コンバーチブルのA5/S5、中型SUVのQ5/SQ5を投入。Q5は、Audiが2016年9月にメキシコに開設した北米初の工場で生産されている。
なお、VW Groupの2016年および2017年第1四半期の販売台数と業績、ディーゼル排出ガス不正問題の和解交渉状況については、先に掲載した「VWグループ(上)」で報告した。
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。