インド市場分析:2015-16年度は過去最高の販売、今年度も好調が続く

小型SUVの販売が伸び、スズキ、現代自、ルノーが好調

2016/08/19

インド市場の概況

インドの生産と国内販売、輸出  インド国内の自動車(乗用車+商用車)販売台数は、2015-16年度(2015年4月-2016年3月)に、過去最高を更新し348万台となった(前年度比8.1%増)。堅調な経済成長と、各社の積極的な新車販売、燃料価格の下落がその要因。

 2016-17年度に入ってからは、政府が急遽4月から自動車販売に対する「インフラ目的税(Infrastructure Cess):税率1-4%)」を導入したことで、販売台数に大きな影響があると考えられていた。2016年4月-7月の販売台数は累計で前年同期比9.3%増の118万台。経済が引き続き堅調であること、賃金が伸びていることなどが要因。

 インド自動車工業会(SIAM)は、2016-17年度の乗用車全体(Passenger Vehicles=Passenger Cars + Utility Vehicles + Vans)は前年比6-8%増加すると予測(2016年4月時点)。セダン/ハッチバックなどのPassenger Carsより、新たなモデルの投入が続くUVs(Utility Vehicles)が伸びると見ている。

 輸出は、着実に増加しており、2015-16年度は前年度比6.7%増の75.6万台。2016年4-7月累計では前年同期比9.4%増の25.7万台と増加基調が続いている。

 また、自動車生産台数は、2015-16年度にインド国内販売/輸出とも好調であることから、3年ぶりに400万台を超え、こちらも過去最高の420万台(前年度比7.1%増)。2016年4-7月累計では前年同期比6.1%増の144万台と増加傾向が続いている。

インドでの生産・販売・輸出台数

  FY2010-11 FY2011-12 FY2012-13 FY2013-14 FY2014-15 FY2015-16 April-July
FY2015-16 FY2016-17
国内生産 乗用車 2,982,772 3,146,069 3,231,058 3,087,973 3,221,419 3,413,859 1,125,081 1,175,718
商用車 760,735 929,136 832,649 699,035 698,298 782,814 235,981 268,682
合計 3,743,507 4,075,205 4,063,707 3,787,008 3,919,717 4,196,673 1,361,062 1,444,400
国内販売 乗用車 2,501,542 2,629,839 2,665,015 2,503,509 2,601,236 2,789,678 875,961 956,839
商用車 684,905 809,499 793,211 632,851 614,948 685,704 199,552 218,809
合計 3,186,447 3,439,338 3,458,226 3,136,360 3,216,184 3,475,382 1,075,513 1,175,648
輸出 乗用車 444,326 508,783 559,414 596,142 621,341 653,889 201,541 220,665
商用車 74,043 92,258 80,027 77,050 86,939 101,689 33,411 36,364
合計 518,369 601,041 639,441 673,192 708,280 755,578 234,952 257,029
資料:SIAM
(注) 1.  FY2015-16年度は、2015年4月~2016年3月期。
2.  「乗用車」は、Utility vehicles、Vansを含むTotal passenger vehicle。
3.  FY2012-13以降はBMW、Audi、JLR、およびMercedes-Benzの台数は含まれていない(以下同様)。


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