奇瑞汽車 (上): 自主ブランド事業を大きく戦略転換

4ブランドから 「奇瑞」 1ブランドへ、商用車事業強化

2014/07/08

要 約



奇瑞汽車の生産台数 本レポートは、中国民族系自動車大手の奇瑞汽車 (Chery Automobile) の最新事業動向をまとめる。上編は、「奇瑞」(Chery)自主ブランドの中期事業計画および国内における生産体制整備の最新動向を、下編はイスラエル・コーポレーション (Israel Corporation) やジャガー・ランドローバー (JLR:Jaguar Land Rover) などの外資との合弁事業ならびにグループの海外事業の動向を報告する。

・中国国内販売と輸出の頭打ち状態に直面

 奇瑞汽車の中国での乗用車生産と、輸出を含む中国工場出荷ベース販売台数は、2010年を頂点に頭打ち状態が続いている。2014年1~4月の生産販売台数も、前年同期と比べて減少している。

・低価格車による台数拡大志向から高品質車の販売へ大転換、9,000人をリストラ

 2013年に奇瑞汽車は、「奇瑞」自主ブランド事業にかかわる従業員9,000人のリストラを発表。これに加えて、自主ブランド完成車事業を、販売台数増追求の拡大志向から、品質向上・装備の充実・利益率向上などの高品質車の販売による収益重視に経営方針を転換し、「奇瑞」ブランド車生産を当面縮小する方向に進めている。

・4ブランドから1ブランドへ再編

 拡大志向で「奇瑞」(Chery)、「開瑞」(Karry)、「瑞麒」(Riich)、「威麟」(Rely) との4ブランドを展開したが、このブランド戦略を転換して、「奇瑞」(Chery) ブランドに収束する。
 また、2013年から導入した奇瑞汽車の品質を高めた新世代の戦略車合計4車種 (2013年に「艾瑞澤7」「E3」「瑞虎5」、2014年1~4月「新型QQ」)の自社の乗用車モデルに占める生産台数のウェートは、2013年の10.6%から43.3%に上昇傾向にある。

・他メーカーとの提携

 イスラエル・コーポレーションとの合弁事業「観致」(Qoros) ブランド乗用車、「Jaguar」「Land Rover」ブランド乗用車の合弁生産などの外資ブランド事業に加えて、広州汽車集団との提携に合意、経営資源の有効活用を狙う。

  ▽関連レポート:
  2014年北京モーターショー奇瑞汽車の展示取材 (2014年5月掲載)、
  2013年上海モーターショー奇瑞汽車の展示取材 (2013年5月掲載)、
  奇瑞汽車:海外企業との合弁事業を推進 (2012年4月掲載)

奇瑞汽車の自主ブランド完成車生産状況

車型 2010年 2011年 2012年 2013年 2013年
1~4月
2014年
1~4月
乗用車 セダン、ハッチバック 509,304 466,678 409,132 334,055 122,150 82,313
SUV 82,687 115,205 119,109 94,880 30,583 36,113
MPV 30,635 16,812 5,278 7,768 2,014 2,356
微型バン 61,963 30,691 17,046 22,580 9,387 6,025
小計 684,589 629,386 550,565 459,283 164,134 126,807
商用車 微型トラック 7,335 6,345 11,838 17,408 7,166 6,896
軽型バス 0 1,692 1,548 475 125 467
小計 7,335 8,037 13,386 17,883 7,291 7,363
奇瑞汽車合計 691,924 637,423 563,951 477,166 171,425 134,170