トヨタプリウスPHV(ZVW52)、車載充電器ベンチマークレポート
2017/08/03
要約
2017年2月に発売された、トヨタ新型プリウスPHVに搭載の車載充電器は豊田自動織機製で、前世代と比較して バッテリーへの出力電力が約1.7倍に高められ、ACからDCへの変換ロスを最小限にする独自の 制御方式を採用しており充電効率が向上し、別体だった充電システムECUの内蔵と、冷却性能向上により、約50%の小型化が図られている。フルレポートでは搭載されている4枚の基板についての各層レイアウト、回路、断面構造等の解析結果や製品高耐圧部の絶縁距離測定や製品放熱イメージ図の内容を盛り込み3部構成となっているが、本稿では概説としてその一部を示す。
Table 1 製品情報
車種情報 | 車両メーカー | TOYOTA |
車名 | PRIUS | |
車両型式 | DLA-ZVW52 | |
グレード | - | |
フル車両型式 | - | |
発売開始年 | 2017年2月 | |
エンジン | ハイブリッド専用 | |
型式 | 2ZR-FXE | |
排気量[cc] | 1797 | |
気筒配列 | 水冷直列4気筒 | |
動弁方式 | DOHC |
製品情報
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サプライヤー: 豊田自動織機 |
サイズ | 質量 | |
製品 | (W) 300.3mm (L) 229.6mm (H) 80.2mm |
5.6kg |
セル数 | 電圧 | 最大蓄電エネルギー | |
リチウムイオン電池 | 95 cells (直列) | 351.5V | 8.8kWh |
1.製品について
解析対象製品は、金属製の表カバー・筐体・裏カバーからなる金属ケース及び空冷用ファンと基板4枚、基板外に搭載されたパワーモジュール・リアクトル・バスバー・インダクター・トランス・ダイオードモジュールで構成される。
本製品使用時、金属ケースは空冷用ファンによって冷却される。
空冷用ファンの電源は製品外部から供給される。
製品外部とは、AC電源用コネクター(4001:1pin,4002:1pin)、車載バッテリ用コネクター(0001:1pin,0002:1pin)、外部通信・制御用コネクター(2001:40pin)と外部電源用コネクター(0003:1pin)にて接続されている。
本製品搭載車の充電方法としては
- AC100V
- AC200V
- 急速充電
の3通りが用意されている。
充電する車載バッテリは本製品が搭載されている車の主要諸元から3.7Vx95cell直列(351.5V)である。満充電時、端子電圧は351~399Vになると推定している。
各基板間は、フレキシブルケーブルで接続されている。
基板外に搭載されている部品は端子同士を圧着し接続されている。
Table 2 基板概要
電源基板 | サイズ | (W)204.4mm x | (L)137.7mm = | 281.5cm2 |
積層数 | 4層 | |||
基板厚 | (t)1.7mm | |||
制御基板 | サイズ | (W)245.3mm x | (L)131.4mm = | 322.3cm2 |
積層数 | 4層 | |||
基板厚 | (t)1.6mm | |||
フィルタ基板 | サイズ | (W)276.9mm x | (L)62.0mm = | 171.7cm2 |
積層数 | 4層 | |||
基板厚 | (t)1.7mm | |||
ドライバ基板 | サイズ | (W)79.9mm x | (L)53.8mm = | 43.0cm2 |
積層数 | 4層 | |||
基板厚 | (t)1.6mm |
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